02.残光


チャトを連れ去ったイエティを追いながら
オルビス搭を降りていく
気づいたら外は雪が舞い
オルビス搭の床にその雪が降り積もっていた

イエティがオルビス搭のドアを破り外に出た
それを追って青年のさくらも外に出る
青年とさくらが見た光景は
雪原の上に百匹近いのイエティの群れが待ち構えていた

「なんて・・こんなに??」
「チャトはどこだ!!」

青年があたりを見渡す

「マスター!あそこ!!」

群れの真ん中に茶色い尻尾が覗いた
チャトに間違いない
青年は歯を食いしばり

「さくら!捕まれ!!突破する!!!!」

さくらに声をかけ青年はイエティの群れに突っ込んだ


(まだか!・・どこだ!チャト!!!・・・・
「さくら!チャトは!!!」
「見えない・・・でも近くにはいるよ」

青年に焦りが見えてきた
結構な数を倒してきたはずなのに一行に終わりが見えない上に
それどころかチャトすらも見つけられない

(・・ロヘンさえ・・・ロヘンさえ使えれば・・・・

青年が二刀を使っていたら状況が変わっていただろう
そう思うと現状を打破できない自分に苛立っている

「マスター!!あそこ!!!」

さくらの視線の先にチャトを担いだイエティがいた
まるで勝利を確信したかのように足並みが軽い

「チャトが!!!」
「まだ終わっていない!!!まだ!」

しかしイエティとの距離は離れていく

(・・・く・・くそぉ・・・
「伏せて」

耳元で女性の声が聞こえた
その声を聞いて青年はさくらに叫ぶ

「さくら!伏せろ」
「え??」

彼とさくらは伏せた瞬間空から詠唱を唱える女性が舞い降りる
昨晩に出会った女性だ

「天に聳える神々たちよ・・御名の下に我に力を与えたまえ・・・・
不浄なる者を退ける聖なる光を・・・」

封印錫杖を振りかざし
そして叫ぶ

「ジェネシス!!」
最終更新:2009年08月01日 01:18