02.残光


「お待たせしました~」

お店の店員から3人の目の前に食事が運ばれてきた
チャトの目の前に大きなステーキが置かれたと同時に

「肉ニャぁぁぁぁ!!!」

チャトのテンションが最高潮に達した
目の前に出されたステーキをむさぼる

「チャト・・・少し落ち着いて食べなさい」
「そんなの・・ム・リ・ニャ!!」

チャトの心に掛けられていたリミッターが外れたようだ
さらに食べるスピードが増す
食べ終わるまでチャトの耳に彼らの声は届かないだろう
それとは正反対に
さくらと青年は黙々と食事を口に運んでいる

ムシャムシャと食べているチャトの横を
薙刀にも錫杖にも見える武器を持った女性客が
チャトが食べていた皿をひっくり返してしまった
チャトはさっきまで食べていたステーキが地べたに転がるのを見て
絶望した

「な・・・・な・・・・・」

絶望から怒りに変わる

「なにするニャああああああああああ!!!!」
「ごめんなさい。大丈夫ですか?」

その声にチャトの怒りに満ちた感情が一気に冷めた
チャトはゆっくりと見上げてみる

「私のせいで大事なご飯が台無しになってしまいまして・・・」

見上げると背の高い女性が立っている
今にも泣きそうだ

「ニャ・・・ニャハハ・・大丈夫ニャ~。気にしなくて大丈夫ニャ」
「でも折角の・・」
「それなら大丈夫ニャ。それにお腹がいっぱいなったとこだったニャ。
それより服とかに掛かってないかニャ?」

チャトの性格から考えられない言葉が出てきた

「私は大丈夫、気遣ってくれてありがとうございます。
優しいネコさんですね」
「そんなことないニャ~、気遣うのは男として当然ニャ!」

胸を張るチャト
隣で呆れ返っているさくら


すると店の外から声がした

「姉さ~ん、ま~だ??」
「あ・・・すみません、私はコレで・・・」

一礼して去っていった

チャトは去る彼女の見届けながら
少しの間立ち尽くしてる

「チャト??どうしたの??」

さくらがチャトに問う
顔を緩ませながらチャトは答える

「ニャ~・・キレイだニャ・・・」
「あ~いう女の子が好みなの??」
「ウニャウニャ。可憐で繊細でそれに気遣いも出来て・・
誰かさんとは大違・・・グニャ!!!!!」

さくらの角がチャトの頬をえぐりチャトが吹っ飛んだ
最終更新:2009年08月01日 01:15