By tacchi
Motion:THBT liquor companies should not market their alcohol with women.(酒類の企業は女性を広告に使ってアルコール製品を売るべきでない)
井上先生の解釈を参考にさせていただいて、"with women"は「女性を(広告に)使って」という定義にしました。
追記:プランについて
- liquor companies・・・酒類を販売しているすべての企業
- market their alcohol with women・・・アルコール飲料販売のために女性を広告につかうこと
- アルコール飲料広告(TVCM・チラシ・ラジオ・ポスター・インターネットサイト・キャンペーンガールなど)において、女性をメインキャラクターとして使用することを禁止する。
- あくまでメインキャラクターとしての使用を禁止するので、どちらかというと禁止ではなく規制?
- 広告を厳しく審査する機関を設ける。
- 酒類企業は広告を上記機関に審査してもらい、許可が出ないと使用禁止。
広告の内容に関して・・・
- 特に20代の、一見未成年のような女性の広告への起用は禁止
- 飲酒が人間にとってプラスであるような表現は禁止
- アルコール依存症になる可能性など人体に与える影響を広告中に明記する(小さい文字・数秒しか見れない・目立たないものはダメ)
こんなかんじですが・・・モーションに「禁止」という意味合いの言葉が入ってないので、これは禁止よりも規制をする方向にしたほうがいいのでしょうか。
女性を広告に使用するのを全面禁止にすると、女性だけ禁止して、男性はokってのは差別になるのでは?と思い・・・。女性も男性も、確率に差はあったとしても病気とかになる可能性がある点では一緒ですよね。
あと、広告の内容に設ける制限も、どの程度までがいいんでしょうか。ただ女性を登場させないようにしただけじゃ、プラン実行前と変わらないし・・・。今のところ上記の3項目を考えてます。
1 現状分析
日本貿易振興機構アジア経済研究所HPより植竹立人氏による文章から抜粋
『飲酒の低年齢化、過度な飲酒が原因で発生する事故・事件が後を絶たないタイで、アルコール飲料の広告を全面禁止する決定が下された。これは、テレビ、ラジオ、新聞・チラシ、看板類などアルコール飲料に関する全ての広告を禁止するという大変厳しい内容である。その後政府は「企業のCI(コーポレート・アイデンティティ)活動かつアルコール飲料のブランドシンボルを使用しない広告に限りを許可する」と若干規制を緩和したものの、アルコール飲料メーカーはもちろん、流通業者、広告会社など関連業界からは当然のことながら一斉に反発の声が上がった。
タイでは仏教儀式や新年、誕生日や結婚式など祝い事や娯楽行事に酒類を供すことが浸透しているため、生活様式を改め文化革命が必要とする意見やアルコールを飲まない価値観を植え付け、飲酒者は社会から嫌われるようにするべきとの発言もあるが、これは些か歪んだ見方ではなかろうか。』
広告を規制する法律や制度について合同会社「アドリーガル」HPより
『広告そのものについてまとまったいわゆる「広告法」は存在しません。しかし、さまざまな法令と業界の自主基準などによって、その規制はかなり広範に及んでいます。
規制を大別すると、①法律などによる法的規制と、②業界団体による自主規制があり、その中間に③公正競争規約があります。 また、直接的な規制ではありませんが、CMを放送した後の、④世論や消費者の反応を大切に考えなくてはなりません。
業界の自主規制には製品やサービスが国民の健康・保健・福祉などに関して社会的影響力が強い業種にみられる自主基準です。
たばこメーカーが消費者の健康保持の観点からテレビCMを自粛したり、アルコールメーカーもアルコール問題から露出時間帯を限定したり、単に、広告表現だけではなく、放送時間帯や露出量を制限しているものもあります。』
日本では、日本洋酒酒造組合が酒類の広告などの自主基準について次のように定めている。
『国税庁告示「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」に基づく場合に準拠するものとし、文言については、例えば「未成年者の飲酒は法律で禁じられています」、「飲酒は20 歳を過ぎてから」、「お酒は二十歳になってから」などとする。
適用媒体・・・新聞、雑誌、ポスター、テレビ、ラジオ、インターネット、消費者向けチラシ(パンフレット類を含む)とする。
テレビについて・・・
A 注意表示の露出秒数は、次のとおりとする。(A) 15 秒以下の広告 1 . 5 秒以上(B) 15 秒超30 秒以下の広告 1 . 75 秒以上(C) 30 秒超の広告 2 . 0 秒以上
B 未成年者飲酒防止の注意表示の「1 行」の長さは画面の半分以上とし、かつ、文字は正体 (正方形) とする。
未成年者を対象としたテレビ番組、ラジオ番組、新聞、雑誌、インターネット、チラシには広告は行わない。
主として未成年者にアピールするキャラクター、タレントを広告のモデルに使用しない。』
など。詳細は下記URL参照。
2 問題点
『未成年にも見えるような20代前半の童顔のタレントの起用、子どもっぽいしぐさ、子どもの遊びやメルヘンの世界、若者に人気の音楽やタレント、イッキ助長につながるような表現、ヨットや岩場など危険な場所での飲酒もありました。
このようなCMが、日本では平日の18:00以降、週末・休日には12:00以降ずっと、大量に流されているのです。
『ハイリスクである女性への配慮→CMに女性を起用する際には「注意表示」を義務づける。
女性をメインキャラクターに用いない。(参照: 日本たばこ協会の自主基準には、製品広告について「女性の喫煙ポーズを描写したものでないこと」という条項があります)
あえて用いる場合は以下の注意表示を義務づける。(1)妊娠・授乳期のリスクについての警告(2)女性がアルコールの害を受けやすい (ハイリスクである) ことへの警告』
『<現状のCMの問題点と抗議>
- カロリ。…水のブランコ、フラフープ、大縄跳び。妖精のような女たちが子どもの遊びを次々繰り出し、果物が画面全体に飛び散る(果汁2%なのに)。アルコールに見えない。子どもの目を引く。
- ほろよい…堀北真希は21歳で10代のようにも見える。「ほろよいって?」「素直になれる。一番心が開く状態」「だから話したくなるんだ」と、アルコールによる酔いのメンタル面への効用を強調。
- 氷結シリーズ…スタンダードは飲酒シーンのあと、グラスを持った深田恭子が波打ち際に入ってぐるぐる回って踊る。氷結ストロングは飲酒シーンのあと、海辺の崖の上で踊る。氷結早摘みは飲酒シーンのあと、ヨットの上で女性3人がグラスを持って歌う。どれも危険。
- すらっと…大塚愛が「待っててね」「人気だよ」と、友達言葉で語る。20代後半ではあるが、10代のようにも見える。果物のスライスも使われている。
- ウメッシュ…若い女の子が風船を追いかけ、缶を持って家中を飛び回るようすが、子どもの目を引く。童顔で子どもっぽいしぐさの宮崎あおいは10代にも見え、アルコールを飲んでいるようには見えない。もしアルコールだと認識して見たら、真昼間から片時も缶を手放さないようすは依存症を連想させる。』
また、アルコール依存症についてWikipediaより
『日本の飲酒人口は6,000万人程度と言われているが、このうちアルコール依存症の患者は230万人程度であると言われている。飲酒者の26人に1人がアルコール依存症という計算になり、精神疾患の中でも罹患率が高く、各人の性格や意志にかかわらず誰でもかかる可能性がある病気であるとも言える。
体格や女性ホルモンなどの要因から、アルコール依存症は男性よりも女性の方が重度の状態に至ってしまう確率が高い。
女性は、男性に比べ一般的に体が小さい事、体内の水分率が男性より低い事、女性ホルモンはアルコール代謝を阻害する要因となる事などから、同じ量のアルコールを摂取しても男性の2倍悪影響が出ると言われている。アルコール依存症患者は、飲酒歴が長期に渡っているのが特徴であるが、女性の場合短期の飲酒歴でかつ飲酒量が比較的少量でも急速にアルコール依存症となってしまう危険がある。
一説によると、習慣飲酒からアルコール依存症への進行の時間は男性で約10年、女性では約6年であるとも言われている。』
これらの資料から考えられる問題点は、
- TVCMやチラシなどの広告の影響力はかなり大きいため、それだけ多くの人のアルコール飲料の購買力を左右するが、今はアルコール飲料の良さを強調した広告ばかり
- 親しみやすい女性タレント・アイドルの広告への起用は、未成年にアルコール飲料への興味を抱かせる→未成年の飲酒増加
- 女性は男性よりもアルコール依存症になりやすいが、広告によって女性の飲酒が助長されてしまう→女性(もちろん男性も)の健康が害される
- 広告の規制が緩い→ほとんどアルコール問題への警告・抑止になっていない
3 メリット&デメリット
メリット
- 未成年の飲酒や、過度の飲酒を予防できる
- アルコールは楽しいひとときを提供する、おいしい、などアルコールに対してポジティブなイメージが広まるのを防ぐ
- アルコール依存症対策
デメリット
- 酒類企業として自社製品をPRする機会が減る
- (女性の起用を禁止しても)人気男性タレントを広告に起用する→人々の関心を引く
4 具体例
アンケート アルコール飲料広告を見て実際に飲みたく(買いたく)なったか?
ブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアによる調査。
『20代から40代を中心とするネットユーザー男女500名に調査し、回答を集計した。
アルコール飲料のCM・広告を見て飲んでみたいと思ったことが「ある」のは全体の54.8%。20代49.1%、30代54.7%、40代59.1%という結果で、どの年代もほぼ半数の人がCMや広告の影響を受けていることがわかった。
何を見て飲みたくなったのかを複数回答形式で聞いたところ、「テレビCM」が93.1%と圧倒的だった。2位の「電車の吊り広告」は全体では20.4%だが、20代で32.1%と、他の年代よりも高い数値が出た。電車の中で眺めている広告の影響も少なくないようだ。以下は「雑誌広告(13.9%)」「インターネットの広告(13.5%)」と続き、「ポスター(7.3%)」などは10%に満たなかった。
広告を見て飲みたくなった理由は、「商品の映像・画像が美味しそうだったから」が64.2%で最も多く、「出演者が美味しそうに飲んでいたから(45.3%)」が続いた(複数回答)。また、「おしゃれなイメージのCM・広告だったから」は、30代(16.4%)、40代(6.8%)では少数だったが、20代では39.3%が理由にあげていた。若者には広告による商品のイメージ創りも重要なポイントであるようだ。
広告を見て飲みたくなった人にその商品を購入したことがあるかを聞いたところ、全体の67.9%が「その商品そのものを購入したことがある」と回答した。その商品そのものを購入したことがあるのは男性(75.7%)と30代(71.6%)に多く、どちらも70%を超える結果となった。今回の調査結果から、アルコール飲料の広告は、購入意欲に高い影響をあたえているといえそうだ。』
参考資料
最終更新:2009年10月01日 14:48