容疑者の匿名

THBT the name of suspects should be anonymous in news reports.

(報道において、容疑者の名前は明かすべきではない)

①現状、基礎知識、問題点


ある者が、捜査機関によってある犯罪を犯したと疑われ捜査の対象となったが、起訴されていない者を被疑者という。起訴された後は被告人と呼ばれる。

なお、一般的には被疑者は「逮捕された者」という観念があるが、法令用語としての被疑者は、逮捕・勾留による身体的拘束を受けているか否かを問わない。犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっているのであれば、逮捕される前の者や逮捕されなかった者[2]も被疑者である。

無罪推定の原則(推定無罪)


被疑者は捜査機関から犯罪を犯したとの嫌疑を受けているものの、被疑者には法的には無罪であるという推定が働いている。これを無罪推定の原則もしくは推定無罪という。

しかし、現実の社会においては、被疑者とされた者は有罪であるとの誤った観念がまかりとおっており、これに基づく問題が後を絶たない。特に、誤認逮捕がなされた場合には、被疑者とされた者は一貫して法的に無罪であったにも関わらず、マスコミによる名誉毀損報道や社会の誤った認識のために職を失う例、転居を余儀なくされる例、また、一家が離散するなどの例が多発している。

有名な例では、ロス疑惑や松本サリン事件と、その後のマスコミ報道に対する民事訴訟裁判があり、また、身近な例では電車内における痴漢の誤認逮捕がある。



推定無罪とは、裁判所の有罪判決が確定するまでは被告人は無罪であるという時系列的に当たり前のことを意味するわけではなく、上記のように、検察官が犯罪事実の立証責任を負うという意味である。しかし、報道その他の誤解や推定無罪という語感から、前者の意味で用いられることが多い。このように、推定無罪は裁判所・検察官を規律する証明責任の分配ルールであるから、警察や報道機関を直接拘束しないのは当然である。

前者の意味で用いられる場合、マスコミや一般国民の感覚において実際には被疑者・被告人の無罪推定は有名無実化しており、逮捕・起訴されたものは有罪、すなわち「逮捕(すること)=有罪(にすること)」「容疑者(被告)=犯罪者」であるとの誤認識が定着している。それどころか、法的には罪に当たらない行為や、軽微な罰則のみに留まるような事例においても、国民感情や憶測・推測だけで犯人(悪者)扱いするケースが後を絶たない。この裏には金持ちや権力者、有名人などに対する嫉妬心や自身の生活などに対する不満の当て付け、およびそれを煽るマスコミが大きく影響しているケースが多く見られる。また、少ない情報や偏向報道からくる憶測だけで有罪を立証されたものと思い込み、犯人と決めつけることができると誤解している国民が多いことも背景にある。

そのため、法的には無罪であるにもかかわらず、被疑者の実名が報道された時点で「逮捕する=有罪判決を言い渡す」との誤認識も定着しており、警察による発表やマスコミによる名誉毀損報道、周囲の人間による差別を受け、直接的な人権侵害を受ける例まである。他にも

職を失う
   被疑者としての実名が世間に報道されれば、大手企業が動向を監視し、就職させないようにすることがある。たとえ、無罪が確定しても、一度解雇した元・被疑者を復職させることは義務づけられていないため、特に、大型企業や中堅企業やホワイトカラーへの就職・就業はほぼ不可能となる。

 転居を余儀なくされる。
 一家が離散する。

などの例が多発している。古くは三億円事件の参考人聴取報道、近年では松本サリン事件の冤罪報道が顕著な例である。

また、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律5条では推定で有罪と判断する条文が存在する。
無罪推定報道の有名無実化の原因 [編集]

日本で無罪推定の有名無実化していることについては、いくつかの原因が挙げられる。

1. 罪名や動機にかかわらず、逮捕した被疑者の実名や住所、年齢、職業を全て報道すること(少年や精神異常者である場合は除く)。ときには、不起訴処分になっても、犯人視して実名を報じてしまうケースもある。
2. 捜査機関の逮捕・起訴に対する慎重な姿勢があるとされること(いわゆる「精密司法」) 。
3. 上記の事情からくる有罪率の高さ(「無罪」も参照のこと)。
4. マスメディアによる犯人視報道
5. 大衆意識のレベルでの捜査機関と裁判官の役割分担についての認識が未分化
6. 犯罪を取り上げた映画・テレビドラマ・小説の影響(あらかじめ犯人が設定されていないと物語が成り立たず、また被疑者を逮捕した時点で物語が終結することが多い)
7. 被疑者や被告が有罪であると決めつけたり、立証したりするのは容易だが、無罪を立証することは極めて困難であること(客観的な物的証拠が存在し、また、本人が罪を認めれば無罪を立証できなくなる)

などがある。その中でも特に「1.」の「被疑者の実名報道」が有名無実化する原因だという見方があるが、成人を含めた被疑者全員の実名報道を一切禁止しても有名無実化はなくならないであろうという見方もある。

日本の刑事司法手続では、警察が逮捕するまでに捜査を綿密に行い、十分な嫌疑があるまでは逮捕しないことが多いとされてきた。その結果、犯罪の嫌疑がないとして不起訴処分がなされる率は諸外国に比して少ない。また、検察官に送検されても、検察は有罪判決をほぼ確実に得られる程度の証拠が揃わない限り起訴を控えるとされる(起訴便宜主義)。

さらに、裁判官は検察・警察に有利な心証を抱いていることが多く、「疑わしきは罰せず」を適用すれば無罪になるケースでも、有罪判決が出やすい。つまり、一度起訴されれば、検察側によほど大きな矛盾があるか、真犯人が別に発見されでもしない限り検察・警察を信用する。その結果、起訴された場合には、約99%(ほぼ全て)の被告人が有罪判決を受ける傾向がある[1]。

これらを事態推移的に見ると、「○○△△容疑者を逮捕」の報道がなされた被疑者には、ほぼ確実に「○○△△を有罪にする」のと同様な報道がなされることになる。すると、警察や国民はすぐさま「逮捕=犯罪者」と思い込むことになる。

また、マスコミはこのような事情を考慮せず、むしろ捜査機関の発表に迎合して報道を行う(特に成人の被疑者のほぼ全員を実名で報道している)。「メディア・パニッシュメント」と揶揄される警察・マスメディアの犯人視報道であり、無罪判決が確定してから匿名にしても既に手遅れとなるのが現状である。

なお、刑事訴訟法に同じ英米法を採用する国でも、米国などでは日本とは違い、一般に逮捕の要件は非常に緩やかで、また誤認逮捕も相当多数に上る。そのため、裁判により有罪の判決を受けるまでは、マスメディアにより逮捕が報道されたとしても日本と比較して社会的影響が相当程度小さい。



記事が読者に与える信憑性


   記事の正確性・説得力を読者(視聴者)に伝えるためには実名報道が不可欠であるとする考え方[1][2]。逆にいえば、正確性・説得力に欠ける記事であっても、実名で報道すれば記事内容のすべてが真実であるかのように読者に印象付けができることも意味する。

公権力の監視


   実名にもとづく記事をあつかうことで、マスコミ、および記事をみる国民が公権力を監視しやすくなるという考え方。特に、事件の経緯や捜査の実態など、警察に対する監視の必要が強く主張される。一般に、報道関係者が最も重視しているといわれる機能の一つ[1][2]。
   また、情報源を秘匿するために匿名を用いることがあるが、こうした手法が乱用されると誤報や情報操作が発生しやすいと指摘されている。

②定義、プラン

マスメディアによる容疑者の実名および本人を特定できるような情報を含む報道を禁止する
ただし有罪判決が出た場合実名報道を許可する。

でいけると思います。。。

③アーギュメント(メリット、デメリット)
メリット
  • 冤罪だった場合の風評被害を免れる
  • センセーショナルな報道で冷静な判断が妨げられるのを防ぐ
  • 容疑者のプライバシーが守られる
  • そもそも容疑者を実名報道する意味がない(まだ犯罪者と決まったわけではないから)

デメリット
  • 警察による情報操作が行われる可能性がある
  • 知る権利の侵害
  • 警察の動きが見えにくい


裁判員制度の導入や、痴漢の免罪事件などを例にだせると思いました

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最終更新:2010年03月11日 02:00
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