■ 基礎知識と材料
□ 用語の基礎知識 □ 材料について(カロリー表) □ 美味しく作るには
イタリア語で「Peperoncino」、唐辛子のこと。イタリア産のものは日本の鷹の爪より小粒で風味が強いという。複数形は「Peperoncini」(ペペロンチーニ)。
日本で「ペペロンチーノ」といえば、パスタ料理の一つのこと。オリーブオイルにニンニクと唐辛子の香りを移し、塩茹でしたパスタに絡めて食べる。
本場イタリアでは、「Spaghetti Aglio, Olio e Peperoncino」と言う。Aglio(アーリオ)はニンニク、Olio(オーリオ)はオイル。これで「ニンニク、オイルと唐辛子のスパゲティ」となる。これが日本では俗に「ペペロンチーノ」として定着したようだ。
☆ アルデンテ
イタリア語で「Al Dente」、「歯ごたえのある」という意味。パスタの場合、人によって差はあるが、中央にわずかに芯が残る状態で茹で上げること。こうすると風味がよく、長時間コシが失われず、最も美味しく食べられる、とされる。
・AllAbout> イタリアンの基本 vol.1 おいしいパスタのゆで方
http://allabout.co.jp/gourmet/italiancuisine/closeup/CU20040329A/
☆ 乳化
水と油など、本来溶け合わないもの同士を、攪拌したり揺さ振ったりして、微粒子化させ分散させて、不透明な濁った液体(乳濁液=エマルジョン)にすること。
ペペロンチーノの場合、オイルに茹で汁を入れ、揺すって融合させること。こうするとソースに程よい塩味とトロみがつき、パスタと馴染みやすくなる。入れる茹で汁の量は、オイルと同量程度が一般的か。
・パスタレシピ研究会 > 基本ワザ:茹で汁と乳化
http://pastalabo.cocolog-nifty.com/blog/2005/08/post_6d3a.html
・The-Pasta-Fanatic> はじめてのパスタ> 乳化ってなに?
www002.upp.so-net.ne.jp/zcomplex/pstafan/pastabeginers/pbeginer2_16.html
にんにく | オリーブオイル | 鷹の爪 | パスタ | 塩 | ほか |
☆ にんにく
ペペロンチーノの香りと具の主役。漢字で「大蒜」「葫」とも書く。
少々高価な国産物(ひと玉数百円)と、安価な中国産(3玉100円程度)がある。国産は粒が大きく、味も香りも良いので、1片もあれば美味しく出来る。中国産は小粒で香味がやや薄いので、一食分に2~4片ほど入れるとよい。
にんにくは根元をカットし、皮がついたまま上から押し潰すと、皮をスルッと剥きやすい。または電子レンジに入れ、5~10秒ほど温めても剥きやすくなる。なお中央の芯芽は、焦げやすく刺激が強い(胸焼けする)ので、取り除いておこう。
・KAGOME - 葉果茎根やさい大全 - にんにく
http://www1.kagome.co.jp/vege/yasai/taizen/nin/index.html
・パスタレシピ研究会> 基本ワザ:にんにくの使い方
http://pastalabo.cocolog-nifty.com/blog/2005/12/post_f55c.html
オリーブの実をすり潰して抽出したオイル。主に地中海沿岸、イタリアやスペインで栽培・製造される。絞りたてそのままの「エキストラバージン(EXV)オイル」、精製加工した「ピュアオイル」など種類がある。
EXVオイルは香り高いが、少々癖がある。産地によって風味も異なり、フルーティなもの、青草の匂い、苦味のあるものまで様々。ピュアオイルは純化され、香りも価格も抑え目。
使うのはどれでも良いが、なるべく新鮮なものを。EXVだけを使う人が多いが、基本はピュアを使い、最後の香り付けにEXVを垂らす人もいる。
・NHK - 試してガッテン:オリーブオイル新調理術
http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q1/20050302.html
・BOSCO - オリーブオイルの豆知識
http://www.bosco-olive.com/olive/index.html
・オリーブオイルな生活> 情報館> オリーブオイルの国別産地
http://homepage3.nifty.com/olive-oil/knowledge/olive-oil-country.htm
日本で栽培される唐辛子の一種で、代表的存在。数センチの赤く細長い円錐形で、辛みと、わずかな風味がある。これが料理の味を引き締めるという。
ペペロンチーノに使うのは、市販の乾燥タイプで充分。湯で戻して使う方法も。最近は、鉢植えを買ってきて自宅で育てる人もいる。採れたては風味が良いとか。また、本場の味を求めるなら、イタリア産の「ペペロンチーニ」を。
・TOMATO&BASIL > パスタなコラム > 唐辛子
http://tomato-and-basil.com/column/106_red_pepper.html
「Pasta」は本来、小麦粉を練って作られるイタリアの食物の総称。「スパゲッティ」はその一種、“紐”の意味で、太さ1.8mm前後の麺状のものを指す。ただ日本では、「パスタ」=「スパゲッティ」系を指すことが多い。
市販の乾燥パスタには、「マ・マー」や「オーマイ」「明治屋」など様々あるが、味はもうひとつか。プロやファンに人気が高いのは、イタリアのメーカーのもの。当地でシェアNo.1の「Ballira(バリラ)」製は、表面はツルっと中はプリッとして好評。2位の「DeCecco(ディ・チェコ)」製は、表面がザラっと中はモチっとして風味がある。3位の「Divella(ディベラ)」製は全体的なバランスが良い。
ペペロンチーノには、細めの1.3mm~1.7mmが合うとされる。パスタはそれほど高くもないから、太さからメーカーまで色々試してみては。
・男は黙ってパスタを食う> 主なパスタメーカー
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/1024/syokuzai/pasta_maker.html
・パスタレシピ研究会 > パスタブランドの比較
http://pastalabo.cocolog-nifty.com/blog/cat3444783/index.html
塩は製法や原材料によって多種あるが、その殆どは海水を煮詰めたり蒸発させて作られる。一般的に「自然海塩」「天然・天日塩」などと呼称されたものが使いやすい。ほか、海外の岩塩もまろやかで人気のよう。
ペペロンチーノの茹で湯の塩分濃度は1%が目安。これでパスタを引き締め、ほどよい下味をつける。割と多く使うので安価なもので充分か。手に入れやすいものに、「伯方の塩」「赤穂の塩」などがある。
いわゆる「食卓塩」「アジシオ」などの化学塩は、あくまでフリカケ用なので、茹でるのには適さない。
・パスタ料理が好きだから> パスタのお話 > 「パスタと塩~塩の使い方~」
http://www.sea.sannet.ne.jp/cookpasta/column/column.html#03
・男は黙ってパスタを食う > パスタの基本 > 何故に塩を入れるのか
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/1024/recipe/qa_salt.html
色や香りのアクセントにハーブ(香草)類を。爽やかさと、ほのかな旨みを出してくれる。微塵切りにしたイタリアンパセリ、バジル、なければイタリアンシーズニング(乾燥ハーブ&スパイスミックス)や、水菜などでも美味しく出来るようだ。
ほか、アンチョビや、黒・白コショウなどをお好みで。さらに隠し味として、化学調味料(味の素・顆粒コンソメ・昆布茶)を入れたり、仕上げに砕いた「柿の種」や、炒めたパン粉を振りかける人もいる。
・All about > 料理のABC> ぺペロンチーノの裏技!
http://allabout.co.jp/gourmet/cookingabc/closeup/CU20020605a/index2.htm
・当wiki > これ入れるとウマイ
http://www13.atwiki.jp/peperon/pages/17.html
☆ ペペロンチーノの具材のカロリー (おおよそ)
具材 | 全体・おおまか | 一人分 |
乾燥パスタ | 100g=380kcal | → 塩茹で後250g=380kcal |
にんにく | 一房60g=80kcal | 1/5房=16kcal |
オリーブオイル | 10cc=84kcal | 30cc=252kcal |
鷹の爪 | 100g=352kcal | 1本0.6g=2kcal |
パセリ | 1本14g=6kcal | 1g=0.5kcal |
塩 | 0kcal | 0kcal |
計=約650kcal |
*パスタ80g+オイル20cc+にんにく1/6房の場合=約490kcal
参考:神戸学院大学 栄養病理学研究室>鉄制限食レシピ集
素材はなるべく良いものを。シンプルなだけに、素材の風味、腕の良さが如実に表れます。
パスタをゆでる時には、塩をしっかり適量入れてください。オリーブオイルも勿体ぶらずに使います。ニンニクは炒めるのではなく、じわじわトロ火で熱して、香りをオイルに移すほうが良いようです。最初は、潰しただけのニンニクで作るとコツが分かるでしょう。
まずは、パスタを茹でつつオイルを乳化するまでの、基本的な作り方(レシピ版スタンダード)をマスターしてみてください。何度も作って試行錯誤を繰り返すうち、手際も味も良くなっていくはずです。
☆ よく指摘されるポイント (註:これは一例に過ぎず、作り方は自由で多様にあります)
- 良い素材で下準備をする
・なるべく新鮮なオリーブオイルと良質のにんにく・パスタを使う
・にんにくは金気を嫌うので、包丁で切るなら潰してからの方が良い
・にんにくの芽や唐辛子の種は取り除く
- オイルソースをゆっくり低温でつくる
・冷たいフライパンに、にんにくとオイルを入れてから、火をつける
・香りを移すため、火加減はごく弱火で、小さな泡が立つ程度で調整する
※フライパンを斜めに傾け、にんにくを泳がす感じにすると良い
(パンの柄にお玉を引っ掛けて、傾きを固定する方法も)
・にんにくは絶対に焦がしてはいけない
- パスタを正しい塩加減で茹であげる
・ゆでる湯の量に対して塩を1%程度入れること。(2ℓなら20g前後)
(味見をすると、塩分濃いめのお吸い物ぐらい)
・パスタをアルデンテの更に少し前ぐらいの気持ちで上げると良い
- オイルとゆで汁をうまく乳化させる
・適量のゆで汁をオイルに徐々に混ぜながら、フライパンをよく揺する
※数回に分けて入れ、同時に菜箸で掻き混ぜると良い
・フレンチドレッシングのようにうっすら白濁させ、トロッとさせる
- すぐに食べる
・パスタは軽く湯きりする程度でフライパンに入れ、オイルソースと絡める
・皿に盛ったら、すぐに食べる