君が愛してくれるなら

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「なんでこんなに、悲しいのかな…」

私は1人、夜空を見上げ。
高らかに、笑い飛ばした。

…いや。

笑い飛ばしたかった。


こなた、大学私と同じ場所がいいんだって。
それって、一体なんなのかな…。私、なんか期待しちゃいそうだよ。

もうすっかりお馴染みになった、こなたの家庭教師。

今日も、こなたに教える。
私にはそれが、すっごく楽しみで。

だって、こんなにも可愛いんだよ?
小さな小さな体をさ、一生懸命動かして。
こんなにも幼いのにさ、時々びっくりするくらい、大人な表情するんだよ。

みればみるほど、愛しくて。
その手、その脚、その瞳。
全てが輝く、宝物。

例えるなら、オルゴール。
小さな小さな、オルゴール。
手に取る分には可愛らしい。
でもひとたび、開けたなら…

音、一つ一つが。
輝いて、仕方がないんだ。
星の輝き、宝石の輝き、そうゆう輝きなんかじゃなくて。
もっとこう、幻のようで、そうでなくて。

私には、言葉にできない。

そんなそんな、オルゴールなんだよ。


こなたは今、問題解いてる。
私は1人、こっそり見た。
…なんか、悪いことをしてるみたいだ。
リスのような、無垢さ。
ずっとずっと、眺めていたい。

「…かがみ…?」

…!!!
しまった、見とれていた…。

「なに?なんでそんなに見てるのさ?」

…。それは、こなたが好きだから。

なんて言えるわけなくて。

「…真面目なことはいいことだなって思ってね」

ほら、また。

「まあ、頑張ってる証拠ってことだよ、かがみん☆」

「…えらいわね♪」

私は、ついてしまう。

愚かな、嘘を。

こなたは綺麗なオルゴール。
私は愚かな、ただの鏡。
光もまともに反射できない、愚かな愚かな、馬鹿げた鏡。

「…かがみ?どうしたの…なんかあった?元気、ないよ…」

…聞かないで。
聞かないでよ、お願いだから。

私は嘘を、またついちゃうよ。
こんなにこんなに、弱いから。
光の一筋すら、まともに返せないくらい、弱い鏡だから。

「…ちょっと、風邪なのかな…」

ほら、また。
私はついてしまう。

愚かな嘘を。

「そうだったの!?無理しちゃだめだよ!」

あぁ、何を言ってるんだろう。

最低だよ。
大切な人に、心配させて。

でも、心配してくれて嬉しい自分もいる。
本当に本当に、最低だよ。

いつからこうなっちゃったのかな?
あの日あの時、気付いたときは、いけない恋だとわかっていながら、前進しようなんて決めたんだ。

前に前に。
アクセル、踏みっぱなしでさ。

同性愛だなんて、関係ないんだから。
こなたが好きなことは。
私には、とても大切な気持ちだから。

目一杯強く、踏んだ。
思いっきり、踏んだ。

うんと、私は強かった。

…強かった、そんな気がしただけなのかな。

こなたを好きになればなるほど。
こなたに惹かれていく私は。

自分をこなたと、比べてしまう。

こんなに、可愛らしいオルゴールに。
濁った光しかだせない鏡なんて。

どう考えても、似合わない。

「…大丈夫…?」

こなたの手が、私に伸びる。
私の額に、触れた。

「っ……」

私はたまらなく恥ずかしくなる。
こなたが私に、触れている。

「すごい真っ赤。熱いし…帰りなよ。お父さんに送らせるね」

…本当に、ごめんなさい。
そんなにしてもらうなんて、申し訳ないよ。

「…大丈夫だよ。そんなに悪くないし。でも、今日はもう帰らせてもらおうかな…」

多分、また嘘ついちゃうから。
お願い、今日は帰らせて。

心配してくれるこなたの瞳をみて、私のこころは酷く痛んだ。


帰って私はシャワーを浴びた。
熱い熱い、シャワーを浴びた。

私が一番、好きな時間。
唯一1人になれる、そんな気がして。

いつも、この熱いシャワーをくぐれば、新しい自分に出会えるんだ。
真新しい、自分に。

でも。
今日は出会えなかった。

その後、私は水を飲んだ。
冷たい冷たい、水を飲んだ。

私を世界と繋いでくれる気がした。
私がここにいることを、教えてくれるんだ。

でも、今はなぜか。
繋いでなんて、くれなかった。


最近、いつも考えてしまう。

こなたは一体、誰を好きなの?

私はなぜ、こなたを教えているの?

こなたは言った。
好きな人が、いると。

直接は言わなかったけど、確かに、確実に。


もしかして。
こなたがいきたい大学は。

もしかして。
こなたの好きな人がいきたい大学なんじゃないのかな。

たまたま私は、そこの学生だっただけで。

だとしたら、納得いく。

家庭教師を必要としたのも。
勉強を頑張るようになったのも。
みんなみんな、好きな人のため。

私が教えれば教えるほど。
こなたが頑張れば頑張るほど。
こなたは私から、離れてゆく―――

そう考えて、よぎったのは。

……最低な、感情だった。

気付いてしまった。
私の醜い感情に。

気付いてしまった。
私の最低の感情に。


―――誰かの為のこなたの将来なんて、なくていい―――


なんて、醜い感情なんだろう。

なんて、愚かな思いなんだろう。

自分のものでもなんでもない、こなたの描いてゆく未来に。

どうして、そんな風に考えてしまうの…?

「…もう、…むりだよ…」

私はとっても我が儘だから。
このまま先、こなたの家庭教師なんてできるはずがなくて。

こなたが誰かに近づくことの手伝いなんて。
……私には、無理だ。

私は絶対、こなたの勉強の邪魔になる。
こなたの将来の、邪魔になる。

私は家庭教師、やめたほうがいい。

こなたの未来を台無しにする前に。

こなたから離れよう。

オルゴールから、きれいな音色がでなくなる前に。

私は、決意した。


夜になっていた。

部屋の明かりをつけず、窓から夜空を見上げた。

星なんて、見えなかった。
あるのは、ひたすらの暗黒だった。
限りなく先のない、闇だった。

私はさっき、決意した。
確かに決意、したんだ。

だけど、だけれども…。

「なんでこんなに、悲しいのかな…」

私は1人、夜空を見上げ。
高らかに、笑い飛ばした。

…いや。

笑い飛ばしたかった。




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コメント:
  • 切ないですね‥ -- かがみんラブ (2012-09-15 14:30:51)
  • 本当に中途半端ですみません。そして投げっぱなしで、本当にごめんなさい。
    たくさんのレスありがとうございます。


    オチが思いつかないまま、時が流れてしまいました。思いつき次第…投下できたらと思います。 -- H2-769 (2010-08-12 01:08:02)
  • このままじゃ辛すぎるので、続きが欲しいですね。 -- 名無しさん (2010-07-24 21:35:30)
  • 続きがすっげぇ気になる -- 名無しさん (2010-02-19 22:19:13)
  • 切ない・・・だが、それがいい!
    GJ! -- 鏡ちゃん (2010-02-10 18:08:47)
  • なんだか…悲しくなる -- 名無しさん (2009-05-17 20:37:16)
  • つ、続きは••• -- 名無しさん (2009-05-09 02:01:28)
  • 切ないの大好き。 -- 名無しさん (2009-01-25 04:58:24)
  • こなたの気持ちと
    かがみの気持ちは
    お互い届くといいですね

    続き期待しています('-^*) -- 無垢無垢 (2009-01-24 21:27:29)
  • なんかせつないね。
    せつな雪?なんちって。こういうのありかも。冬の物語みたい。青春って感じ。男の子かな?
    かがみかな?こういうの、やってみたいな。 -- ノン (2009-01-24 11:31:29)
  • ぬぉぉぉぉ この後どうなるのか wktkして待ってます!!w -- 名無しさん (2009-01-24 01:34:34)


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