かがみ日らき

このページを編集する    
私とこなたが付き合い始めてから数ヵ月。
その日、こなたはずっとソワソワしているみたいだった。
「かがみ~、何かして欲しいこととかない~?」
「薮から棒になによ」
「何だって良いじゃないか、かがみんよ」
う~~ん、こなたにして欲しいこと、かぁ……。
「ん~……宿題や受験勉強かな?」
「う゛……私がするんじゃなくて、かがみにしてあげたいんだよね……」
こなたに私がしてもらうことかぁ。
美味しいご飯でも作ってもらおうかな……。
……でも、最近体重が……。
あんまり重くなって、こなたに嫌われたら嫌だから、我慢しなきゃね……。
「かがみ~、ないの~?」
「そうね、特にないわ」
「それじゃぁ困るんだよ、かがみん」
「なんで困るのよ」
おうむ返しについ聞いてしまう。
「むぅ、かがみは今のままでマンゾクなのかね~?」
「そうね……強いて言えば……」
キ、キスとかしてくれたら、嬉しいけど……。
で、でもそんなこと言えるわけないわ!!
「やっぱりないわね」
ま、マズイわね、顔が熱くなってる……。
こなたに見られたら、また……。
「かがみ、顔真っ赤になってるよ~?何想像してるのかなぁ~?」
遅かったみたいね……。
「な、何でもないわよ……」
「ほらほら、怒らないから、お姉さんに正直に言ってみなよ~」
「アンタみたいな姉をもった覚えはないわよ!」
「あはっ☆」
「『あはっ☆』じゃないわよ。もう、いったい何が目当てなのよ」
絶対なにかあるわね……。こなたが理由もなしに、こんなこと言い出すなんて信じられないわ。
付き合ってからも、こなたはこなたのまま、ちっとも変わってない。
まぁ、そんなこなたが好きなんだけどね……。ってなに恥ずかしいこと言わせてるのよ!
「そんなのないよ。ただ純粋にかがみに、喜んでもらいたいんだって~」
「こなたが?私に?何か裏がありそうね……。ドッキリでした、とかじゃないでしょうね……」
こなたが私に普通に優しくしてくれるなんて初めてだから、なんか恥ずかしい……。
「そんな信用されてないのね、私は……」
「自分のいつもの言動を省みてから、もう一度同じことを言ってみなさい」
もっと、いつも優しくしてよ………。
「そうだね~、目当てがあるって言えばあるかな?」
やっぱりね……。どうせそんなことだろうと思ってたけど……。
「また宿題?それとも寄り道?」
だいたいこのどっちかのパターン。
さ、どっち?私の予想では、ゲ○ズ行こう、ね!
「恋人である、かがみの笑顔を見たいだけだよ」
なぁッ………!?
「こ、こここ、こなぁ……!?」
「呂律がまわってないよ、かがみん」
は、恥ずかしいことを堂々と……!!
こなたの顔がニヤニヤしてる……。私の反応見て楽しんでるな……!
それはわかってるけど、やっぱり……。
「まぁ、そんなわけだから、遠慮なく言ってよ」
「う、うん…………」
私の完敗……。

「かがみ、ホントにこんなので良いの?さっきも言ったけど、遠慮しなくていいよ?」
「いいのよ、これで」


『こなたと少し散歩したい』


それが、私の頼んだお願い。
こなたと私がいつまでも一緒にいられるとは限らない。
違う大学になったら、今みたいに毎日会うなんて出来ないし……。
それに、もし……こなたのことを信じてるけど……万が一、こなたに飽きられたら……。
そんなときのことを考えたら、それまで少しでも、1秒でも良いから……。
こなたの側にいたい……。
温もりを感じていたい……。
私は臆病で寂しがりだから、いつも嫌なことばっかり考えちゃうけど、こなたが一緒にいるときだけは、それも忘れられる……。
「かがみん」
「なに?」
「今………幸せ?」
「えっ………?」
こなたの突然の意味深長な言葉に、私はこなたの方を見た。
その横顔は、どこか寂しそうで、どこか畏れてて、どこか弱々しかった。
「かがみ、今日は鏡開きの日だよ」
「そうね……」
鏡開きと幸せになんの関係があるの……?
そう思ってると、こなたは携帯をポケットから出して、私に見せながら文字をうち始めた。
液晶画面には、こなたの指にあわせて文字が表示されていく。



かがみびらき

ピッ

かがみ日らき



「かがみ、わかんない?」
「う、うん、ちょっと……」

かがみ 日 らっきー

そこまできて、ようやく私は気付いた。
「鏡開きの日は、かがみにとってラッキーな日であって欲しいんだ」
「こなた……」
こなたがそんなこと思ってたなんて……。
私、勘違いしてた……。ごめん、こなた……。
少しの間続く静寂。
それを破ったのは、こなた。
「かがみはいつまでも、変わらないでいてくれる?」
えっ……?
私は、思わず聞き返しそうになる気持ちを抑えた。
―――こなたが、泣きそうな顔になってるから。
「私の性格、他の人の視線、マンネリ化……」
こなたがぽつりぽつり、と言っていく。
「かがみの気持ちが、もし変わって……私ともう一緒にいれないって言われたら………」
―――ッ!!?
私は驚いて、声が出せなかった。
そんな私を気にせず間髪をいれないで、こなたはすぐいつものこなたに戻った。
「なんてね~。ごめん、かがみ、ちょっとふざけて言ってみただけだから、忘れてネ」
そうやって笑いながら言うこなた。
でも、強がってるのが分かる。
そっか―――。
こなたも、私と一緒だったんだ―――。
その小さな身体の中に、いっぱい憂いを溜めていたのね……。
不安だったんだ。怖かったんだ。
そんな最愛の人を、安心させてあげたい。あげなくちゃいけない。
私に出来ることって、何があるだろ?
そう思う前に、口が開いていた。

「ねぇこなた、私が一番欲しい物、もらっていい?」
「うんうん、良いよ~。今日は大奮発しちゃうよ~?」
「ありがと、こなた」
「それで、愛しのマイハニーの欲しいものは何かな?」
「それは……ね――――」


私とこなたの距離。
それを、0にした。


こなたの驚いた顔がすぐ近くにある。
こなたの顔の温度が伝わってくる。



少しして、私は後ろ髪を引かれる思いで、ゆっくりこなたから離れた。
「か、かがみ……?」
こなたはさっき以上に驚いた顔をしている。
「私は、こなたと一緒にいれるだけで、毎日が幸せで、ラッキーよ」
「え……?」
突然言った私の言葉を理解できていないこなた。
「私も、こなたと一緒だったのよ。
こなたに嫌われたらどうしようって不安だった。怖かった。
でも、こなたはそんなこと考えてなさそうなのに、
私がそんなこと考えるのって、こなたに失礼でしょ?
だから、出来るだけ表に出さないようにしてたの」
「かがみ……」
「でも、こなたも同じってわかったら――」
これ以上は言わなくても、こなたならきっと分かってくれる。


「ねぇ、こなた、手繋ごっか?」
「もう仕方ないな~。もう、うさちゃんかがみはホントに寂しがりやなんだから~」
「うさちゃんとか言うな!」
「うひひ、可愛いうさぎさんが寂しがらないように、手を握ってあげますよ~」
そういって、こなたは私の手を握った。
こなたと繋がっている左手は、とっても温かかくて、心地よかった。
「こなた、いつも私の側にいてくれて、ありがとね」
「かがみも、私なんかと一緒にいてくれて、ありがと。ちゅっ」
一瞬だけど、また、こなたと私の距離が0になった。
「も、もう……き、キスするなら、ちゃんと言ってよね」
「ふふ、さっきかがみにやられたからね。お返し。やっぱりデレかがみは可愛いね~」
「バカ……。今度、覚えてなさいよ?」
握られた手から感じる、私たちの繋がり。
今、それはきっと他の誰のどんなものよりも強い。
――――そう思ってもいいよね、こなた?


コメントフォーム

名前:
コメント:

|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|
  



★Counter

TOTAL: -
TODAY: -
YESTERDAY: -

★更新履歴

取得中です。