後日談的な何か (前編)

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朝目覚めると、まだ慣れない新しい自分の部屋。
かがみは泉家の一員として、その新しい部屋に住んでいる。
着替えて、髪を結んで、準備もばっちり。
新しい朝を迎えるからには、最初からきちんとしなきゃね。
そう思いながら部屋を出て、少し緊張しながら居間に向かえばそこには・・・
誰もいなかった。
「って、まだ寝てるの!?」
思わずこけそうになりながら階段を上り、こなたー!と大声を出しながらこなたの部屋のドアをノックすると、ゾンビみたいな顔したこなたが無防備に寝巻き姿のまま出てきた。
「・・・いやあ、かがみんや、朝早いねえ」
「早くねえよ!あんたが遅すぎんの!遅刻しちゃうわよ!大体、他の人は?!」
「お父さんは昨日徹夜だったんじゃないかなあ。ゆーちゃんはなんか用事あるとかで早く出たよ」
「じゃあ、あんたは何で遅いのよ」
「いや~、ネトゲが思った以上に盛り上がって盛り上がって、ついつい眠る時を失うのは、デフォだよ、デフォ」
「そんなデフォはお前だけだ!」
 なんて生活リズムがバラバラな家族なのか、そうじろうさんは小説家だから仕方ないとは言え、もう少し考えて欲しいものだ。
 朝ご飯とか、一体今までどうしてたんだろ?
「とにかく、朝ごはんくらいは作ってあげるから、さっさと着替えなさい!」
「は~い」
 寝ぼけ眼で部屋に戻っていくこなた。
 それを見送るかがみだったが、 ふと気になってこなたが入っていった部屋をノックしてみると、反応がない。仕方なくあけると、そこにはベッドで眠るこなたの姿があった。すやすやと完全に熟睡しております。
「寝るな!!」
「うお!?こういう時、二度寝もデフォだよね!?」
「デフォじゃねえ!そんなに寝ようとするなら、私が着替えさせるわよ」
「え、それは、勘弁してください」
いやそうなこなたの顔を見て、ふとかがみは悪戯心が湧き、こなたの服の袖を持った。
「はーい、万歳しましょうねー」
「ちょ!?かがみん、恥ずかしいって!」
「そっちが起きないのが悪いんでしょ、はい、脱いだ脱いだ」
「自分で出来るって!子供じゃないんだから!」
 こなたの言葉を無視し、服を脱がせようとして悶着する、恥ずかしがるこなたが珍しくて、余計にかがみはこなたを着替えさせようと躍起になった。そのはずみで揉み合い、二人で抱き合うようにベッドの下へ落ち、かがみの唇がこなたの頬に触れる。
 そして2人は至近距離で見つめあい、なんとなく気恥ずかしくなって離れた。
「もう、素直に起きないからこんな事になるのよ」
「かがみんや、顔が赤いよ」
「べ、別にそんな事ないわよ」
「朝から私の服を脱がそうとケダモノのように襲ってくるなんて、かがみんのえっち」
「違うっつの!起こそうとしただけでしょ!」
「もう・・・朝からかがみがそんなにしたいなら・・・いいよ?」
「違うっつってんだろがああああ!!」
 結局、2人は少し遅刻しました。


  ・・・・・・・


「あ~、こなちゃん、お姉ちゃん、おはよ~」
 いつものように休み時間になって、自然と集まる四人組。
 ただつかさだけが、少し妙な、はわ~、という感じで目が点になった表情をしています。
「どったの?つかさ」
「え、こなちゃん、何でもないと言えば、何でもないんだけど・・・」
 いつも一緒に住んでいた姉が、別の家に住むようになったけど学校では会う、という状況が、なんだか珍しくてはわはわしてしまうつかさなのでした。
「もう聞いてよつかさ、こいつ、朝から全然起きなくってさ~」
 と、かがみが迂闊な発言をした瞬間、みゆきさんが不思議そうな顔をしました。
「あら?昨日は、泉さんの家に泊まられたんですか、そういえば、ここ数日はお2人ともお休みだったようですけど・・・・」
「え、あ、うんまあ、昨日はちょっと、こなたんちに泊まったのよね。あはは」
「かがみんったらほんと迂闊なんだから~。そういうところも萌え~」
「殴るぞ、お前」
 その会話を聞いていたつかさが、不意に真剣な表情になってかがみの袖を引き、耳打ちした。
「ねえ、お姉ちゃん」
「なによ、つかさ、急に小声になって」
「ゆきちゃんには、教えないの?」
 かがみはつかさのその問いに、不意を突かれた気持ちになって押し黙った。正直に言えば、これ以上誰にも自分達の秘密を打ち明けたくないような、そういう気持ちはある。みゆきを信用していない訳ではなかったが、誰彼構わず説明しなきゃいけないようなものでもないと、かがみは思っていたのだ。
「ゆきちゃんなら、大丈夫だよ」
 とつかさは、なぜか確信し切った口調で言い、みゆきに打ち明けて欲しそうに、言葉ではなく、子犬のようなきらきらしたその目で懇願した。
「な、なんで、そんなに打ち明けたがるのよ」
 ちょっと弱気にかがみは言う。まるで、みゆきを信用していないみたいに思われるのが、嫌だったからだ。
「だってね。どうせゆきちゃんには隠せないと思うの。これからもずっと一緒なんだし・・・そういう時に、ずっと自分だけ秘密にされてて、たまたま何かの拍子で分かっちゃったりしたら、とっても寂しいと思うから・・・」
「う・・・それは、そうね」
 つかさって、なんていうか、そういう所、鋭い・・・とかがみは、妹の意外に理知的な側面を見たような気がした。
「お姉ちゃん。ゆきちゃんは絶対、こなちゃんとお姉ちゃんのことを、変な目で見たりしないよ」
 何でそんなに他人を信じられるんだろう・・・とかがみは妹の事をうらやましく思う。つかさみたいに他人を信じられたら、きっと先日みたいな騒ぎを起こさずに済んだのに、と。
「分かったわよ。でも教室じゃ無理だから、お昼休みにでも屋上行こ」
 姉のその言葉に、つかさは満面の笑みを浮かべて
「うん!」
 と頷いたのだった。


 ・・・・・・・・


「ってな訳なんだけど、こなたは、いい?」
いざ、屋上に行く前に、こなたの了解だけは絶対にとっておく必要がある。これは自分だけの問題ではないのだから・・・
「異議なーし、っていうか、みゆきさんにはその内話すつもりだったよ。ほんとは、小出し小出しに様子を伺って、同性愛ってどう思う?とかそういう感じで探り探りやっていく気だったけど」
 具体的にはおたくジャンルの話と絡め、百合ものやBLものについて話題を振り・・・とか細かく考えていたこなたなのだった。
「あんたはあんたで考えてんのね」
 自分だけが何も考えていなかったみたいで、ちょっとかがみは凹んだ。
「いやー、かがみんの事だから、誰にも話したがらないだろうなー、とは思ってたよ」
「なんでよ」
「いやほらツンデレだから、素直に話すとか出来ないタイプ?」
「ツンデレ言うな!」
 2人で話しながら階段を上る、みゆきとつかさは、先に屋上で待っている筈だった。歩きながら、かがみはふと階段で立ち止まり、心中の不安を隠すため、ことさら軽い口調で言った。
「もし・・・みゆきが、私達のことやだ、って言ったらどうする?」
 ん~、とこなたは、いつものように感情の分からない(≡ω≡.)みたいな顔で言う。
「それはそれで仕方ないじゃん。性格の不一致で友達付き合いはお仕舞いってことで。私とかがみの関係を認められない人と、友達付き合いしてもしょうがないよ」
「まあ、そうだけど・・・」
私だったら、今までみゆきと友達だった時間、楽しかった時間を思い出して、悲しくなっちゃうな。きっと、裏切られたみたいに思っちゃう。こなたはそういうので傷つかないんだろうか?
「みゆきが認めてくれないと、私はなんか、悲しいな」
 それは、とても寂しい。
「しょうがないよ。そういうのって、無理に認めさせるもんじゃないと思うし。友達付き合いとかって、無理矢理するもんじゃないもの」
こなたってドライだ、とかがみは思う。そういえば初めて会った時は、こなたはもうちょっとクールな感じだった気がする。おたくってまあ、大体そうなんだけど、他人との関係より自分の趣味ばかり大事にして、ドライなところがある・・・ような気がする。
「みゆきは・・・」
 私は、みゆきと友達じゃなくなっちゃったら、寂しいんだけどな。こなたは多分、寂しくないのか、その寂しさが平気なのか、どっちかなんだろうな。
「どったの?かがみん?」
「ううん、なんでもない」
 ちょっともやもやしながらも、2人で階段を上っていく。
「あのさ、大丈夫だよ、かがみ」
「何がよ」
「みゆきさんは多分、私達を拒否したりしないよ」
 つかさもそう言っていた。
 こなたもそう言う。
 そして、実は私も、みゆきなら私達を拒否しないと思っているのだ。

「うん、私も、そう思うよ」
「あ、やっと笑った」
「何が?」
「いや、かがみ、ずっと難しい顔してたからさ。やっぱりかがみの笑顔はいいねえ、萌えるねえ~」
「萌えるとか言うな!」
 恥ずかしくなって顔を赤くしながら、足早に屋上に出る。そこでは、つかさとみゆきが先にフェンスの辺りで待っていた。二人は振り返り、とりあえずの笑顔を見せた。その笑顔に留保があるのは、みゆきの少し緊張した様子ですぐに分かる。
「なんだか、秘密のお話があるとか・・・」
 みゆきは、そぅ言って私達三人を見回した。
「私から言おうか?」
 とそれに答えて、こなたがすすんで前へ出た。なんとなくこなたに任せてしまいたい、甘えた気持ちが一瞬浮かんで、それを心の中で打ち消す。私はあえて何も考えず、えいやっと口から放り出すみたいに言った。
「あのね、みゆき、私とこなた、付き合ってるの」
 心の奥底から勇気を振り絞って、眩暈さえ起こしそうな気持ちで、私はみゆきに目で訴えかける。みゆきはぱあっと笑顔を浮かべて、いつものように頬に手を当て、まあ、と小さく声をあげた。
「お2人とも、おめでとうございます、うふふ」
 拍子抜けするくらい簡単に、みゆきは私達を祝福した。それが余りに簡単だったので、私はつい、言ってしまう。
「あの・・・みゆきは、その、私達のこと・・・変に思わないの?」
「変、ですか?」
「いやその、何ていうか・・・」
たずねた私の方がしどろもどろになってしまう。みゆきはまた、うふふ、と笑って言った。
「かがみさん。私は、知識を蓄えるのを良しとする人間なんですよ。知識は正しく使えば、概ね変な偏見を持たないで済むようになる力がある、と私は信じているんです。色々なものを見て回れば、世の中には様々な方がいる事が分かりますし、その方々の立場や意見も、ある程度は分かるようになります。日本にも同性愛の方々のコミュニティと言うのはありますし、かがみさんも、よろしければ一度、そういう方々のホームページなども見てみてはどうでしょうか?」
 不意にそう言われ、私は動揺した。
「え、いや、私は別に同性愛って訳じゃ、その、こなたが、好きなだけで・・・って何言ってるんだ私は!?」
 自分で言った台詞で真っ赤になるのを、みゆきは少し微妙な表情で眺め、こなたはにやにや笑った。
「可愛いこと言うねえ、かがみん。私のことが、なんだって?ん?ん?」
 べったべたとまとわりつき、抱きつくこなたに私は恥ずかしくなり、ついでにさっきの余りにも恥ずかしい台詞を思い出し、逆切れするしかなかった。
「うるさーい!もう!ひっつくな!!」
「ツンデレなんだからかがみったら~、嬉しいくせに~」
 もう、殴るしかなかった。だからがつんと行かせてもらいましたよ。グーで。
「いた~い、かがみったらきょ~ぼ~」
「うるさい!離れろと言ったのに離れないからだ」
 しかし、そんな様子を何故かみゆきさんは、少し真顔でじっと、何か言いたそうに見ていて、それに何かを察したこなたがすばやく言った。
「私は、同性愛者ってことでもいいよ。かがみの事好きだから」
「ちょ!?おま!?」
 みんなの前で恥ずかしいこと言うなよ!?
「うふふ、泉さんったら・・・本当にかがみさんのこと、好きなんですね」
「そりゃそうだよ~。かがみんは俺の嫁、ってなもんだよ」
「ちょっとこなた!」
 自分でも顔が赤くなっているのが分かる。なんだこれ、新手の拷問か?
「うふふ、末永くお幸せに」
「なんかやめてよ!?その結婚を祝福するみたいなの!」
「あ、そんでね、みゆきさん、かがみはいま、私と暮らしてるんだ」
 その言い方だと、二人だけで同棲してるみたいに聞こえるだろ?!わざとか!?わざとなのか!?
「あら~、そうだったんですか」
 スルー!?聞かないの詳しく!?
「あ、お姉ちゃん、そろそろチャイム鳴りそうだね。降りよう」
「誤解を解く機会無し!?」
 なんだかみゆきが誤解をしてそうな気が、ひしひしとする。いいのかこれで?
 みんなで階段を降りる時に、何故かみゆきは、私にこう尋ねた。
「女性しか好きになれない女性の同性愛者の方のこと、かがみさんは、どう思いますか?」
 その問いに、私はみゆきだけにしか聞こえないように気をつけて、こう答えたのだった。
「いや、ほんと、私は、こなたの事が好きなだけだから」
 と・・・。


  ・・・・・・・・・・・・・


「よ~う、ひぃらぎ~、お前何日も休んで何してたんだよ~う」
日下部が肩をバシン、と叩いて私に言ってくる。そういえば、峰岸や日下部にはどうしようか・・・でも打ち明けはじめると切りがないし、こなたの意見も聞いてないし・・・私は2人にはこなたとの事は秘密にすることにした。
「ちょっと風邪よ、長引いちゃったの」
まるっきり嘘でもない。湖に落ちたら風邪くらいは引く。
「風邪~、この時期にすげえな~。私、あんまり風邪引いたことないぜぇ~」
確かに日下部は風邪を引かなそうだ。
「あ、ひぃらぎ、いま私のこと馬鹿だと思ったろ!?」
「まさか」
 よく分かったな、日下部。そう思っていると、峰岸が言った。
「でも、柊ちゃんが元気になってよかったわ。みさちゃん、とっても心配していたのよ。携帯でも連絡つかないし」
 その携帯は電源オフのまま湖の底へお亡くなりになりました。環境破壊への第一歩だ。
「あ、携帯、壊れちゃって。もうすぐ、新しい携帯買うから、そしたらまた登録しなおしになると思う。ごめんね」
「ん~~」
 日下部が腕を組んでうなりだした。なんだろう、まさか考えごとって事はありえないから、新手の体操だろうか。
「なんか、柊、変だぞ」
「何がよ」
「なんつーか、なんか、なんか変なんだってヴァ!」
「変な事言ってるのはお前だろ・・・」
 ちょっと呆れて私が言うと、峰岸が助け船を出した。
「柊ちゃん、何か、私達に隠してない?急に何日も学校休むし、携帯は壊れたっていうし、今日のお昼も、いつも行かない屋上に行ってたみたいだし・・・ってことを、みさちゃんは言いたいんだと思うの」
「そう!あやの!まさにそれだってヴぁ!」
「峰岸は日下部の通訳かよ・・・」
力の無い突っ込みをしながらも、峰岸や日下部が、私の変化に敏感に反応していることだけは、間違いなく分かった。いつまで誤魔化せるだろう・・・一瞬、2人に打ち明けたい誘惑に私はかられた、だがこなたの許可もとっていないし、みゆきの時のように、2人は絶対大丈夫と太鼓判を押してくれる誰かも居なかったのだ。
「学校休んだのは風邪だし、携帯は洗濯しちゃったの。屋上に行ったのは、たまたまそういう気分だっただけよ」
「ん~~なーんか納得いかねー、なーんか腑におちねー」
じろ~、と横目で見てくる日下部に、峰岸がやんわり注意した。
「みさちゃん、柊ちゃん困ってるじゃない。あんまりしつこくするんじゃないの」
「え~、だってあやの~、ひぃらぎ冷たいぜ~、私らとの方が付き合い長い筈なのに、ちびっこ達との方ばっかり大事にしてる気がするじゃんか~」
う・・・日下部はなんだか鋭い。最近は、妹や日下部の鋭さを再発見して驚くばかりだ、なんていうか、バカだけどバカじゃない。でもつかさは日下部と一緒にしたら怒るかな?日下部のバカさは、筋金入りだから。そういうバカさも、なんというか、私から見ると羨ましいというか、愛せるというか、まあ、要は友達ってことだ。
 しかし、日下部より、こなたの方を大事にしてる、と来たか・・・。
「別に、そんな事ないわよ。あんたらの事だって大事な友達だと思ってる・・・」
言いながら、胸が痛い。そんな事を言いながら、隠し事をしている自分を意識せざるを得ないから・・・こなたと相談して、峰岸や日下部に打ち明けていいかどうか決めなきゃ・・・。
 でもこうやって、打ち明ける相手を広げているうちに、いずれは不特定多数に私達のことがバレていくのかも知れない。特に日下部なんかバカだから、つい誰かに喋っちゃいそう。
「柊ちゃん、何か困った事があるのなら、いつでも言ってね」
 そう言って峰岸が話を打ち切り、話題は全く別の事へ移っていった。しかし休憩時間の終わりに、日下部は念を押すように私に、珍しくまじめな顔で、少し不満そうに言うのだった。
「私は柊のこと、大親友だと思ってるかんね!そっちがどう思ってるか知んないけど!」
 私だってそう思ってるわよ。バカ。


  ・・・・・・・・・・・・・・・


「ねえ、日下部達に、打ち明けていいかな?」
いつもの四人で下校中に、私はこなたに相談した。やっぱり峰岸や日下部は親友だから・・・。
「別にいいよ。かがみが打ち明けたいなら」
こなたは軽い調子で、まるで興味がないみたいに言う。なんだか、こなたは時々クールだな、と思う。
「でもそうやって打ち明けていくうちに、いろんな人に広まっていくのよ?日下部なんかバカだから、誰かに喋っちゃうかも知れないし」
「みさきちは、多分誰にも言わないよ」
不思議と、こなたは静かにそう断言した。
「何で分かるのよ」
「勘。それにね、かがみん、隠しおおせなくてもしょうがないよ。学校中にバレたとしても、それはそれ、だよ。学校中にバレたら、みゆきさんやつかさは、私達と距離を置く?」
「そんな筈ないよ!」
と予想外な強さでつかさが言い、みゆきさんもまじめな顔で、「泉さんもかがみさんも、何があっても大事なお友達ですよ」と言った。
「ほらね、問題ないよ」
「でも・・・」
 バレたらきっと、影でこそこそ色々言われるんだろうな。興味本位で不愉快な事をいっぱい言われるかも知れない。男子なんか特に無遠慮だから、無神経なこと、いっぱい言われそうで・・・
「他人の目、やっぱり気になる?かがみん?」
「そりゃあね・・・」
 でも・・・前ほどじゃない。分かってくれる人がいるって事、今は知ってるから。
「かがみの事は絶対私が守るからさ。辛い事とか、あったら私に言うといいよ」
 とこなたは、珍しく真剣な顔で言う。
「バカね。平気よ。そんな弱くないわよ、私」
 もし、こなたとの関係が学校の噂として流れたら・・・つまり、柊はレズで、泉と付き合ってるんだぜ、などという噂として、口さがない連中が話題として弄ぶなら・・・私はそれをただ無視するだろう。そういう話題を喜ぶのは恐らく私の知らない人たちで、親友や近しい人、日下部、峰岸、つかさ、みゆき・・・私の大事な友達であれば、むしろ何も言わずとも理解してくれる気がした。
 でも一体、誰かが同性愛であるとかないとか、そんな事がどうして口さがない噂として喜ばれるのだろう。人々は一体、そんな噂で何を求め、何を得たというのだろうか。
 ともあれ、私は明日には、日下部達に打ち明けようと思った。





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