何気ないこと(1)

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何気ないこと(1)こなた視点



 かがみと喧嘩というか気まずい雰囲気になってしまったのは、つい此間のお昼のことで、私は、今この関係の修復についてどう対処していいものか、アニメをゴールデンタイムで見るという日課を放り出して、夕日の差し込む教室で考えていた。
 そもそも・・・私が悪いんだけどネ・・・。

 いつもの昼休み。私は、チョココロネを齧りながら此間の人を動物に例えたらってことを頭に浮かべながら、かがみをからかっていた。
「んー、やっぱりみゆきさんは・・・牛だよネ」
そんな中、ふと呟いた言葉につかさとかがみが反応した。
「こなちゃん、それ此間の動物に例えたらの話?」
「あんたは、どーしてそう、発想が親父なんだ」
つかさはニコニコしながら、かがみはちょっとジト目だった。
「わ、わたしは、牛ですか?」
みゆきさんは遅れて、ちょっと戸惑った反応をしてくれる。いやーそのほやほやしたところはつかさと同じで天然クオリティで確かにつかさが言ったとおり、羊でもいい気がするけど、やっぱり、一箇所見ると牛なんだよねぇ。私は間違ってない、うん。
「つかさが言ったとおり、羊のほうが感じあってる気がするけど?」
かがみが、卵焼きを口にしながら、空いている右手でツインテールの片方を弄っていた。ずっと思ってたけど、この仕草は、何か考え事や私の言動に対しての対応を考えてるときのかがみの癖ダネ。本人には言わないけどちょっと萌える仕草かもしれないなぁ。
「かがみは、うさちゃんだもんねー」
「う、その例えはやめろ」
「ひゃー」
かがみが振り上げた拳にわざとらしく、悲鳴を上げながらいつものようにおどける。
「でも、かがみってつり目だし、凶暴だし、ツンデレだから、うさちゃんグループの中でも一人ぼっちだったりしてー」
今思えば、ちょっと悪乗りしすぎだったのかもしれない。最も、私には、何の他意も無いただの冗談だったんだけどさ。
 またかがみが大声で突っ込んで振り下ろさない拳を振り上げて、私が恐怖の反対の感情のこもった悲鳴をあげておしまいになるはずだった・・・。
 あれ?かがみから突っ込みが来ない、何でだろ?
「かがみ?」
私は、かがみの方を見ながら声をかけてみる。
「・・・そうかもしれないわね」
どこか憂いに満ちた言葉。それきり、かがみはただ、つかさ特製のお弁当を勢いよく食べると、
「ごちそうさま。それじゃ私、もどるわ。またね」
何だか、凄く憂いに満ちた表情で、かがみはお弁当箱をもって自分のクラスへと帰ろうとする。
「かがみ??」
「なに?」
反応が冷たいというより、凄く落ち込んでる。つかさの方をちらっと見伺うと、つかさも首を傾げていた。
「用が無いなら、いくわね」
かがみはさっさと帰ってしまった。
「なんだか、おねえちゃん変だったね・・・」
つかさは相変わらず、首を傾げたまま、少し心配そうな顔をしていた。
「もしかしてマズイこといっちゃったかなぁ・・・」
私は、いつもの悪ふざけをいっただけなんだけど・・・。
「かがみさん、どうしたんでしょうか・・・」
みゆきさんも頬に片手を当てて、首を傾げていた。
 その日は、そのまま空気が重くなってしまい、私は大好物のチョココロネを半分くらい食べたところで、思案していたから半分残す結果になってしまった。

 なんだかモヤモヤしたものが残ったまま、放課後になってしまった。その間の休憩時間にかがみが顔を見せることはなかった。
 HRが終わると私は、すぐにかがみを呼びに隣のクラスへ向かった。
「かがみーん、かがみ様、かがみー?」
すぐに反応してくれそうな言葉を並べて呼びかけるけれど、かがみはもういなかった。
「ちびっこー、柊ぃならもうかえっちまったぜ~」
みさきちが代わりに返答をくれた。かがみが、もう帰った?いったい何時の間に???
「柊ちゃん、なんだか元気なかったけど、なにかあったのかな?」
「そういや、何度か声かけたのに、心ここに非ずって感じだったなー」
「あらあら、みさちゃんも難しい言葉を使うようになったのねー」
「みゅー、あやのー、それはひどすぎるってヴぁ」
二人の漫才を聞いていても始まらない。どうしてかがみは帰ってしまったのだろう。
「そっか、かがみは帰っちゃったのか、ありがと、みさきちに峰岸さん」
私はそれだけ返すと、つかさとみゆきさんの所に戻った。
「かがみ、もう帰っちゃったんだって、何でだろ?」
「そうみたいだね、お姉ちゃんからメールきたよ、こなちゃん。今日はちょっと調子が悪いから先に帰るけど、黙って帰ってごめんって」
調子が悪そうにはみえなかったんだけどなぁ。いや、お昼に教室に戻るかがみの背中には、憂いが漂っていたような気がしたけど・・・。
「かがみさん、大丈夫でしょうか?」
みゆきさんが片手を頬に当てて、心配そうに呟いた。
「んー、とりあえず、帰ろっか」
私は、つかさとみゆきさんにそう提案する。かがみが何か気にするような言葉を言ったとしたらそれは間違いなく私だろうし・・・、明日の朝にでも謝ろう、うん。
 こうして私達は帰路についた。何か物足りなさを感じるのはかがみがいないからだろうか。
 やっぱり、明日じゃなくて帰ったら電話しようかな。
 そんなことを考えながら、私は、電車に揺られていた。


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