説明不要

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今年もあと少し。
いやぁ、早いような遅いような。
どっちともつかない、一年間だったなあ…。

でも一つだけわかること。
恋に落ちてゆく時間は、速かった。

何せ、自分で落ちていくことに気づかなかったくらいだもん。


「志望校、決まった?」

かがみが私に聞く。
場所はいつもの、私の部屋。
土曜日の午後は、家庭教師がやってくる。

――私の大好きな、家庭教師。


最近、勉強が好きになった。
これもひとえに、かがみが理由。

かがみに褒めてもらいたい。
かがみに喜んでもらいたい。

最初はそんな理由で勉強してたけど、気付いたら好きになってた。

あれ…これって勉強が好きなんじゃなくて、かがみが好きなんだね。

「一応…ね」

一応決めたよ、志望校。
私が行きたい学校。
入学して、時を過ごしたい場所。

「どこどこ?」

興味津々な瞳。…可愛いね。
それでいて、美しい…。

ますます、恋に落ちてゆく。

「言わなきゃ、駄目?」

「…当たり前でしょ?」

正直、言いたくない…。
理由は単純明快、恥ずかしいのだ。

だって、それは…。

「……ぅ……ぃ…」

口を3%使って話してみた。
何と比べて3%かは内緒。

「聞こえないわよ…なんで言ってくれないのよ?」

かがみが私に懇願。
…その瞳は、反則だよぉ…。
まるで寂しい、ウサギみたい。

「じゃあここに書くよ」

「…はぁ。なんで言わないのよ。まぁ、いいけどさ」

開いていたノートの右端にちょこちょこっと書く。

私が書いた大学の名前を見て、驚きの表情。
口を開くかがみ。

「ここって…」

そうだよ。
言わないでよ、恥ずかしいから。
あぁ、やだよ、顔から火炎放射。熱い。
多分顔は真っ赤っか。

だってそれは…

「私と一緒の、大学…」



バレちゃったかな、私がかがみを好きだってこと。

普通「あなたと同じ大学行きたい」って言うだけで、そんな恥ずかしがらないよね。
意識しちゃってるの、気付いたよね。

…どうしよう。バレてませんように。

今かがみはうちのトイレへ。
つまりここにいない。
自分の部屋に、私は1人。

「はぁ…」

バレないでと思ってはいるものの、自分の気持ちを知ってほしい、とも思ってしまう。
毎日毎日、あなたばかり考えてますって。

…でも、女に好かれて嬉しい人はいないわけで。
そうゆう人は中にはいるけど、かがみがそうとは限らない。

つまり。
知られたら今の関係は続いてくれない。
普通女に好かれて嬉しいハズがない。

言った瞬間、きっと今のような時は過ごせなくなる。
かがみが私に勉強を教えて、休憩の時は馬鹿みたいな話して。
くだらない冗談言ったり、からかいあったり。

そうゆう時を過ごせなくなるなんて、嫌だ。

だからやっぱり、私はこの想いをまた心の箱に隠す。
それで、1人の時、こっそり蓋をあけるんだ。

それで、私は充分なんだ。
充分な、はずなんだ…。




一つ、いいこと思いついた。
かがみが女の子に好かれてどう思うか調べる方法。

「かがみ~。生物教えて~」

「センターレベルならいいわよ。でも今やらなくていいんじゃない?」

「いいからいいから。善は急げってことよ」

ということで半ば強制的に生物の勉強。

「範囲は?最初から?」

「いやわからないとこ。いい?」

「いいわよ。で、どこ?」

どうして生物の勉強か。それは…

「遺伝子のとこ~」

「あー、確かにめんどくさいとこね。いいわよ、何でも聞いて」

さぁ、調査開始。




「ここがね、こうしてこうして…ここが1:2:1だから?」

「答えは…ア!」

「正解♪」

「ねぇ、かがみ」

「なーに?」

「こうゆう実験てさ…本人の意志お構いなしだよね。かってに掛け合わせしちゃって」

「確かに…可哀想よね。まぁ、このおかげで生物学が新しいステップにすすめたんだけどね」

「かがみがさ、もしこうゆう生物実験にかけられちゃったら、どうする?国家の陰謀とかで」

「また何かの漫画ネタか?イヤに決まってるじゃない」

「相手が見ず知らずの奴で」

「無理無理。気持ち悪い…」

「じゃあ、もし、友達だったら?」

「…ねぇ、もうこの話題なめないか?なんかもう気分悪い…友達でもやーよ」

「じゃあ…日下部さんだったら?」

「…はぁ?日下部は女よ?まだ勘違いしてたの?」

「いや、知ってるよ」

「じゃあ…なんで日下部の名前が出てくるのよ」

「モノの例えだよ」

「……説明不要でしょ」




結論。やっぱりかがみは普通な方。

かがみにヤラシイ質問しちゃって本当に申し訳なかった。
でも、知りたかったから仕方ない。

女同士は“説明不要”。
つまり仲良しさんからそうゆう関係に進展する可能性はない。

…別に、私はかがみとそうゆう実験の手段の、その…染色体がからむような行為がしたいわけじゃないからね。
純粋に、あくまで純粋に、かがみが女を恋愛対象にみてないかを調べるために、そうゆう実験の手段を持ち出したんだから、ね。

などと心でかがみに言い訳してる私。

こんなこと聞いて、馬鹿みたいだ。

今はかがみが帰った後。
私は1人、溜め息をついた。



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コメント:
  • 続きまだかなー。 -- 名無しさん (2009-01-23 16:40:55)
  • 大学名を見た時にかがみが何を思ったのか気になる。 -- 名無しさん (2009-01-12 05:58:12)
  • 続きが読みたいかって?説明不要だろWWW -- 名無しさん (2009-01-12 03:28:28)
  • アプローチの仕方が斬新ですね!!(^^) -- 名無しさん (2009-01-12 01:25:16)
  • 続くかな?続くかな?(^-^)ワクワク -- 無垢無垢 (2009-01-12 00:51:08)
  • アプローチが凄いな…生物忘れたけどw
    決して要望ってワケじゃあないですが、現代文でそれっぽい文章を読んでみるとかのアプローチも面白いかも、と思いました。
    GJ!続きも楽しみにしてます! -- 名無しさん (2009-01-12 00:20:39)


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