恋のアクセル

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私のおかげ?それとも、あいつの才能?
何はともあれ、いいことだけれど。

何のことかといえば、私の生徒・泉こなたの成績アップについてだ。
この前のテストで結果が結構あがったのだ。
私はそのお祝いとして、一緒に外食をプレゼントした。
これでまた頑張ってくれれればいいな。


今日は土曜日、あいつの家へ。
いつものように、車で向かった。

近頃、こなたはどうゆうわけか元気がない。
聞いてもはぐらかすばかりで。
まあ、言いたくないなら無理には聞かないけどさ。
…本音は相談して欲しいんだけどね。


「じゃあ始めよっか」

いつものように、いつも通りに。授業は始まる。…これを授業と言うのかな?まぁ、どっちでもいいか。

こなたが問題解いてる間、私は暇だ。
こなたの部屋を見回す。
漫画やフィギュアがあったり、壁にアニメのポスターがはってあったり。
…相変わらずすごい部屋だな。いろんな意味で、ね。

「あんまりじろじろ見ないでよ」

「あ、ごめんごめん…」

怒られちゃった。

「終わった?」

「一応終わったよ」

最近問題解くスピードも上がった。
私が答え合わせ。
○と×をつけていこうとするが…なかなか×がつかない。
結果、×は二つだけ。

「スゴいじゃない!このレベルでこれだけとれるなんて…もう基礎は完璧みたいね」

「本当!?…これもひとえにかがみのおかげだよ。ありがと♪」

いきなり御礼言われちゃった。…ちょっと、恥ずかしい。

「おやおや、かがみんや。なんか顔紅いよ~?ねえ、デレた?ねえ」

む、ムカつく。
でも、こなたに言われると無性にこっちまで笑顔になれるから不思議だ。


今日のこなたは別にいつもと変わりないような感じだった。

でも、微妙に。
微妙にだけど、元気ないよ、やっぱり。
なんでだろう。
私にはどうゆうわけだかわかる。

何かあるんだろうか。
いやあるから元気ないんだろうな。

私は今日も帰り際、聞いた。

「…ねぇ、何かあった?」

そう言うと決まって、

「…別に?」

なんて言う。ほら、今日も。

…正直、寂しいな。結構仲良くなれたんだし、先生・生徒というより友達同士になりたいんだよね…。

「私じゃ、頼りにならないかな…」

つい、こぼしてしまった。

「…じゃあさ、相談、していい?」

えっ?
今なんて?

「相談、乗ってくれるかな?」

……当たり前じゃない!
こなたが何か辛いなら、少しぐらいわけてよ。私でできることならいくらでもするからさ。

「じゃあさ、聞くけどさ…。…もしさ、かがみに好きな人ができたとするじゃん?」

好きな人…まさか…恋愛相談…?

「いないわよ」

つい反論。…せっかく相談してきてくれてるのに。

「だーかーら、いたと仮定して。…伝える?伝えない?自分の気持ちを」

…え。これって、やっぱり。
こなた、今、誰かに恋してるのかな…。

正直、信じられない。こなたが誰かに恋してるなんて。いや失礼な意味じゃなくて。
…こなたも、女の子なんだね…。

目の前にいるこなたが、無性に可愛らしい、アマリリスのような、タンポポのように見えた。

いっつもちょっかい、出すくせに。
恋心は忘れてないなんて。

その時のこなたは、なんだかすっごく、魅力的に見えて。
小さい体だけれど、想いが溢れ出ているようで。

「…ねぇ、かがみ?」

はっとする。まさか、私、見とれてた…?
まさか、ね。

「ごめんごめん。私なら…ちゃんと、伝えるよ。大事な大事な、想いなんでしょ?」


帰り、車の中。
今は赤信号。
さっきのことを、思い出す。

…こなたの好きな人。
どんな人なんだろ。
やっぱりカッコいい人かな。
学校の人かな。バイト先の人かな。

こなた、告白、するのかな。
だとしたら、どんな言葉なのかな。

あいつはどんな言葉を選ぶんだろう。
どんな表情で言うんだろう。

どんな場所で、どんな言葉で、どんな人へ…。

いくつもの、どんなを考えてしまう。

すると同時に、こなたがどこか遠くへ行ってしまう気がした。






――そんなの、嫌だ――






脳裏によぎった、叫び。

気付いてしまった。

あいつの特別仲良しになりたかったんだ。
だから無理に相談なんか乗って。
自分の知らないあいつがイヤだったんだ。
それは、きっと、独占欲。

誰かの人になんてならないでほしい。
誰かに想い、伝えないでほしい。
誰かに、誰かに、誰かに。
誰だか知らないけど。

やめて。私のこなた、とらないで。





…って、なに考えてるんだ私は。
いくらなんでも我が儘すぎるだろ…。

でも。
誰かに想い、伝えたら、イヤだよ。
さっきは伝えた方がいいなんて、言っちゃったけど。

誤魔化しようがない事実に、私は気付いてしまった。

…私、柊かがみは、

『ビビーーー』

「えっ?」

…信号が青になってた。しまった…。

私はアクセルを踏んだ。

うんと、強く。

それは、うんと、思い切り。


説明不要に続く


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コメント:
  • 続き気になります!頑張ってください! -- 名無しさん (2009-01-07 03:15:07)
  • 続きがすごく気になります!
    -- 名無しさん (2008-12-29 13:45:22)


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