あと一年で受験。
私は溜息をつく。
私は溜息をつく。
…イヤだな。
現在高校2年の私は、親友のつかさと教室に一緒にいた。
今は昼休み。
お昼のお弁当も食べ終え、食後雑談していたのだが…
お昼のお弁当も食べ終え、食後雑談していたのだが…
「あと、1年だね~」
なんてつかさが言うもんだから。
嫌なこと、思い出させないでよ。
嫌なこと、思い出させないでよ。
「つかさは志望は専門学校だよね」
うん、とつかさ。
私はというと…未定。
私はというと…未定。
漠然と進学、なんて思っていたもんだから勉強も適当にしてきてしまった。
今の成績じゃ、どこも行けない。
今の成績じゃ、どこも行けない。
「あ~あ、どうしよ…」
とは言うものの、どう考えても答えは一つ、進学したいなら勉強しろということ。
とは言うものの、どう考えても答えは一つ、進学したいなら勉強しろということ。
でもどうやったらいいんだろうか。
はっきり言って検討がつかない。
はっきり言って検討がつかない。
「こなちゃん?」
黙っていた私につかさはどうしたの、と伝えた。
私は思っていたことを話した。
私は思っていたことを話した。
どう勉強したらいいんだろう。
誰かに教わりたいな、なんて。
誰かに教わりたいな、なんて。
つかさには悪いけど、あまりつかさに相談することじゃなかった。
だってつかさ、成績、私と同じなんだもん。
だってつかさ、成績、私と同じなんだもん。
いいアドバイスは期待せず、心のわだかまりが少しでも消えたらいいな、なんて思って言った。
するとつかさは、私に言うのだった。
「こなちゃんに、いい家庭教師を紹介してあげるよ!」
◇
その家庭教師は柊かがみさん。
つまり、つかさのお姉さんだ。
今は大学1年。
有名な大学に通う人だ。
つまり、つかさのお姉さんだ。
今は大学1年。
有名な大学に通う人だ。
依然、会ってつかさと3人で遊んだことがある。
ツンデレーな方だったなぁ…。
「あのね、お姉ちゃんすっごくわかりやすいから!」
つかさの話では、バイトがてら誰かの家庭教師をやろうかな、なんてこぼしていたそうだ。
その日私はよく考えてみた。
やっぱり、勉強、しなくちゃかな…
でも、したいこと(ネトゲとかネトゲとかネトゲとか)沢山あるしなぁ…
でも、したいこと(ネトゲとかネトゲとかネトゲとか)沢山あるしなぁ…
でもかがみさんが教えてくれる、そう思うと幾分抵抗が減った。
勉強に対して抵抗が軽くなる、そんなことは今まで一度もなかった。
これは、チャンスなのかも。
そう思い、私は決めた。
かがみさんに、家庭教師をしてもらおう。
かがみさんに、家庭教師をしてもらおう。
◇
「久しぶり、こなたちゃん」
「久しぶりですねー、かがみさん」
土曜日の午後、早速私は教えてもらうことになった。
私の部屋にあがったかがみさん。
私の部屋にあがったかがみさん。
「じゃ、始めよっか」
早速始まる。
正直、かなりわかりやすい。
なんか、こう、私にピッタリな教え方とでもいうのかな。
正直、かなりわかりやすい。
なんか、こう、私にピッタリな教え方とでもいうのかな。
あっという間に一時間たった。
お父さんがお茶とお菓子を部屋に持ってきたのをきっかけに、休憩になった。
お父さんがお茶とお菓子を部屋に持ってきたのをきっかけに、休憩になった。
「こなたちゃん、志望校は?」
「まだ未定…」
「そっか。まぁ、まだ時間あるしじっくり決めようね」
改めてかがみさんを見ると、美人である。それでいて、ツンデレ。
そんな家庭教師とのシチュエーション、これはフラグだよね…などとくだらないことを考えていた。
…私って不真面目だな~。
そんな家庭教師とのシチュエーション、これはフラグだよね…などとくだらないことを考えていた。
…私って不真面目だな~。
見ると、かがみさんはお菓子に手をつけていない。
「これ、嫌いですか?」
「あ…いや、そうじゃないんだけどね…」
否定するかがみさん。
…じゃ、なんで?
…じゃ、なんで?
「いや、…だ、ダイエットしてるんだ…せっかく出してもらってるのに失礼だよね」
そう言って一口食べようとする。
…私は止めた。
…私は止めた。
「気にしないで残していいですよ?」
「でも…」
「ダイエット中なんだし…もしかして食いしん坊なんですか?」
「いや、違うよ?ていうかなんでそうなるのよ」
慌てて即答。
顔を赤くするかがみさん。
顔を赤くするかがみさん。
「別に隠さなくてもいいですよ?」
「ちーがーうー。いいでしょ、別にダイエットしてても」
ちょっとからかってみたくなった。
…ごめんなさい。かがみさん、許してね?
…ごめんなさい。かがみさん、許してね?
「今の反応、意味深…やはり」
「だから違うって!もぉ…」
「相変わらずツンデレですな~」
「相変わらずって何よ。私はツンデレなんかじゃないから、ね!」
「ムキになるとこがツンデレなんじゃん?」
「あーもう。違うとゆってるのに…というか敬語はどうした、敬語は」
「え~。敬語、無しじゃダメ?」
「…ま、いっか。つかさの友達だしね…」
「お、デレた」
「あーもう!馬鹿言ってないで再開するわよ、もう」
ふふ。かわいいな~、かがみさん。
◇
定期テストで信じられないくらい成績があがった。
いや、本当にビックリ。
いや、本当にビックリ。
「みてみて、かがみさん!すごいでしょ!」
土曜日、いつものごとく来たかがみさんに成績の結果を見せた。
かがみさんに教えてもらって2ヶ月。
こんな簡単に結果がでるとは思わなかった。
かがみさんに教えてもらって2ヶ月。
こんな簡単に結果がでるとは思わなかった。
テスト結果を見せると、かがみさんはまるで自分のことのように喜んでくれた。
嬉しかった。成績がよかったのと、あとかがみさんが喜んでくれて。
「今日はじゃあ、お祝いしようか♪」
「え?」
お祝いって?
「今日勉強終わったら、2人でご飯食べに行こっか」
「…いいの?」
「だって、こなた頑張ったじゃない。たまには、ね」
…う、嬉しいよ…。
「ありがとう、かがみん♪」
「…か、かがみん!?」
頬を赤くするかがみさん。
「かわいいでしょ、その呼び名」
「は、恥ずかしすぎるわよ!やめてよね」
「じゃあとっとと終わりにして行こー行こー!」
「聞けよ!」
◇
夕焼けでもう闇に切り替わりつつある時間。
かがみさんは車を持っていて、いつもそれで家に来ている。
連れて行ってもらうのに、私は助手席に乗せてもらった。
車の中に入り、ふと気がつく。
ここ、かがみさんの匂いで一杯だ…。
そう思ったら、なぜかドキドキした。
「何食べたい?」
かがみさんの声で我に返る。
私は返事をした。
私は返事をした。
「…かがみかな?」
「ぶつわよ」
と、軽くわたしのおでこを小突きながら言った。いてっ。
「もうぶってるじゃん…」
「馬鹿言うな。てゆうか、ついに呼び捨てか」
「いーじゃん、もう♪」
「まったく…で、何がいいの?」
「お任せするよ。私はなんでも大丈夫だよ」
「…じゃあ、あそこにしよっかな」
そう言って、かがみは運転し始めた。
「どこに行くの?」
「私の友達のお母さんがやってるレストランで、パスタとかピザが美味しい所があるのよ」
「へ~。持つべきものは人脈だね。こうゆう時、迷わず行けるね」
「確かにそうね。あんたも減らず口叩いてないで、今のうちから友達沢山作っときなさいよ」
「ま、かがみんの場合飲食店の友達が多そうだねぇ」
「な、なんでよ?」
「ほら食いしん坊だからそうゆう関係の人が集まってくるのかな、なんて」
「うるっさい!」
◇
きれいな外観の建物。オシャレ。
第一印象は、それだった。
第一印象は、それだった。
着いたレストランは、とても上品だった。レストランというより、喫茶店に近い。
店内へ入ると…
「いらっしゃいませ…ってかがみちゃん!久しぶりね」
「どうも、おばさん。お久しぶりです」
「たまにはみさおと遊んでやってね…なんて、もう子供じゃないのに、昔のくせで…」
みさお、という人のお母さんなのか。
…なぜか、ムカムカした。
2人の会話を聞いて、なぜだか嫌な気分になった。
…なぜか、ムカムカした。
2人の会話を聞いて、なぜだか嫌な気分になった。
テーブルにつく。
私たちは2人、同じパスタを注文した。
私は聞いた。
「みさおさんって、誰?」
「私の中学と高校の同級生よ。とっても剽軽」
ますますムカムカするよ…なんでだ?
自然と口から質問がでる。
自然と口から質問がでる。
「今も会ってるの?」
「たまにね。大学は違っちゃっても、友達だしね」
“友達”。その言葉を聞いて、わたしのムカムカは消えていった。フェードアウト。
なぜか、よかった、なんて思ったりした。
なぜか、よかった、なんて思ったりした。
「でも、その人かがみんのこと絶対好きだよね」
「え?なんで?」
「だってかがみ美人だもん」
ボンって音がするくらい、赤くなるかがみ。まさか自覚無しだったのか?
「何言ってるのよ…何も出ないわよ」
「でも、事実だよ?」
「うぅ~。あ、ありがと…。お世辞でも嬉しいよ」
だからお世辞じゃないって。赤くなるかがみは、めちゃめちゃ可愛らしかった。
「で、なんで日下部が私を好きなのよ?」
…日下部?あぁ、みさおさんのことか。
「だって、中高一緒で今も会ってるなんて…絶対そうでしょ」
かがみは怪訝な顔をして、そしてすぐに合点がいった表情になった。
「日下部みさおは女の子よ?」
…え!?
あれ、そうなのか。
あれ、そうなのか。
「そうなんだ…なんだ、勘違いしてたよ」
ふふっと笑うかがみ。
「まあ確かに男の子みたいな名前よね」
なんだ、そうだったのか。
だが、また疑問が浮かんだ。
浮かんだ?いや、ずっと気になってたことだ。
それは…
浮かんだ?いや、ずっと気になってたことだ。
それは…
「じゃあさ、かがみ、今好きな人いる?」
心臓はなぜか、暴れていた。
ドキドキというかなんというか。
ドキドキというかなんというか。
かがみが言葉を紡ぐ。
「…いないかな」
…そうなんだ。いないんだ……
私はなぜか、ひどく安心した。
なんでだろう。
なんでだろう。
さっきから、私はどうしちゃったんだろう…。
答えが見つかろうとした瞬間、
「おまたせしました♪」
と、日下部さんのお母さんが前菜のサラダを運んできた。
◇
非常に美味しかった。
また、来たいな。
そう思えるお店なんて久しぶりだった。
また、来たいな。
そう思えるお店なんて久しぶりだった。
今は帰り、車の中。
「こなた、あんたは今好きな人いるの?」
突然、助手席にいる私に言うもんだから、ビックリしてしまった。
そして、好き、という言葉に私の体は反応した。
「い、いないよ」
「お、なんだなんだ~?微妙にどもってるぞ?」
「いないってば~」
「ふふ、どーだか」
気づいてしまった。
私は、あなたに、
――柊かがみに恋している、と――
だからあんなに日下部さんに対してムカムカしてたんだ。
嫉妬、してたんだ…。
嫉妬、してたんだ…。
かがみは、突然黙った私を怒ったと思ったのか、言った。
「…ごめん。嫌な気分にしちゃった…?」
申し訳なさそうに、不安げに言う。
私は慌てて、
私は慌てて、
「そんなことない!」
なんて言ったけど、あんまり効果はなかった。
「やっぱりあんたは弄るのが好きみたいね」
「まあ…そうゆう性分なのかな。かがみが弄られるの好きみたいに」
「なっ…。…もう突っ込むんめんどくさいんだが…」
「かがみん」
突然私が真面目な声を出したので、かがみは怪訝な顔をする。
「今日はありがと…。また、誘ってね」
そう言うとかがみは、すぐに莞爾として笑い、
「もちろん♪」
といった。
その笑みは。
とても。
とても、綺麗で…。
とても、綺麗で…。
輝く、笑顔。
ますます私の心は、高鳴るのだった。
◇
また土曜日、かがみはそう言って帰っていった。
私は果たして土曜日、同じようにかがみに接せられるのかな…。
そんなことを思いながら、家の前で去り行くかがみの車を見つめていた。
いつまでもそうしていて、見えなくなったところで、私は家に入った。
- 恋のアクセルへ続く
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- (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-31 07:26:52)
- まだ保管されてないけど避難所に続編あるよ! -- 名無しさん (2008-12-24 01:27:44)
- このアイデアはなかったなぁ‥‥
続編期待です!! -- 名無しさん (2008-12-24 01:15:53) - 続編期待して待ってます! -- 名無しさん (2008-12-22 21:15:56)
- 激しく続編希望 -- 名無しさん (2008-12-22 20:02:01)