みなみちゃんが遊びにやってきた

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 なかなか珍しい組み合わせじゃないだろうか?
 土日の連休を利用して、みなみちゃんが我が家に泊りに来ることになった。
 そして、その事を何故か最も楽しみにしていたおじさんは、締切直前の原稿を危うく落としそうになった為、今朝早く、編集の人の手によって泣きながらホテルに拉致監禁されていった。
 私とこなたも気を使って、どこかに出掛けようと思っていたのだが、「そこまで気を使わなくても良いよ~。それに、みんなでおしゃべりするのも嫌いじゃないし」というゆたかちゃんの一言により、今、私達四人はテーブルを囲んで雑談に興じている。
 だけど、ゆたかちゃん…。
 たぶん悪意は無いんだろうけど、その発言をした時、横にいたみなみちゃんはもの凄く残念そうな顔をしていたわよ…。


☆☆☆☆


 とはいえ、そこは同じ境遇の同性カップル同士。
 会話の方はなかなか良い感じに弾んでいる。

「あー、そういえば私さー」

 さっきまで盛り上がっていた話題が一段落した所で、こなたが話を切り出す。

「何、どうしたのよ?」
「私、ほんの少しだけど、胸が大きくなったんだよね」

 こなたの急転直下な告白に、私は思わず飲んでいたお茶を噴き出しそうになった。
 ゆたかちゃんは目を点にさせたかと思うと、まもなく顔が真っ赤に染まった。
 みなみちゃんは物凄い形相でこなたを見ている。

「なっ、アンタいきなり何言いだすのよ!」
「いやぁ、なんだかんだ言いつつも、嬉しくてね」

 その言葉の通り、こなたは喜びのオーラを体中から放出している。
 ゆたかちゃんはゆたかちゃんで、顔を真っ赤にしたまま、どうリアクションを取っていいのかわからず、オドオドしている。
 みなみちゃんは物凄い形相でこなたを見ている。

「これもかがみんが、積極的に私の胸を揉んでくれたお陰だね!」
「ひっ、人前でそういう事言うなぁ!」

 こなたは嬉しさの余りにハイテンションになっているのかもしれないが、その巻き添えを食った私は、今物凄く恥ずかしい思いをしている。
 ゆたかちゃんは、若干引き気味にそのやり取りを見守っている。
 そして……みなみちゃんは物凄い形相でこなたを見ている。


☆☆☆☆


「――今年六月の同性婚解禁を受け、女性の細胞から人工受精させる技術を新しいビジネスとして確立しようと、現在複数の国内企業が実用化に向けての研究を急ピッチに進めており、早ければ5年以内にも正式に導入される見込みとなって――」

 つけたままのテレビから流れて来たニュースに、思わず耳を傾ける私達。

「おおっ! やったじゃんかがみ。早速だけど、どっちが産む?」
「ちょっ、それはいくらなんでも気が早すぎなんじゃ…」
「待ちきれないから、今決めよう!」
「だから落ち着けって!」

 すっかり興奮して、暴走状態のこなたを私は全力で制御しようと試みる。

「ゆーちゃんの所はどうする? どっちが産む?」

 全然止まってないしっ!
 半ばとばっちりを受けたような格好となったゆたかちゃんは途端に真っ赤になる。

「え…!? そ、それは…」
「…私が産む。ゆたかにはあまり負担を掛けたくはないから」
「みなみちゃん…」

 思わず、ゆたかちゃんの顔が赤からピンクに切り替わったのではないかと思うほど、微笑ましい雰囲気が二人の間を支配した。

「…とか言いつつ、本当は妊娠したら胸が大きくなりそうだからって理由の方が強かったりして~」

 もしも男が言ったら200%セクハラ発言として訴えられるような発言を飄々と言ってのけたこなたに、私は無言で拳を振り下ろした。
 「ごめんね、こなたが失礼な事を――」と言おうとした私が見たのは、真っ青になって硬直したみなみちゃんの姿だった。

 ……図星だったんだ……。


☆☆☆☆


 ゆたかちゃんとみなみちゃんが自分達の部屋に戻った後、私はこなたに対して反省会という名の説教を始めた。

「全く…。いくら胸が大きくなったからって、ちょっとみなみちゃんを挑発し過ぎだったんじゃない?」
「いやぁ、それに関してはみなみちゃんは私のライバルだからね。常にお互いを切磋琢磨していかないとだね」
「どういう切磋琢磨だよ。…っていうか、あんた。自分で『貧乳は希少価値』って言ってたじゃない」
「確かに貧乳はステータスで希少価値ですよ。でも、世の中には『大は小を兼ねる』っていうことわざもあるのだよ。かがみんや」

 …そのことわざは胸の大きさにも当てはまるのか?

「それに、私の胸が大きくなったのはどう考えてもかがみが私の胸をしつこく揉んだから――」
「っ!? …わ、分かったわよ! 私が悪いんでしょ!? 私がっ!」
「だから、私は別に胸が大きくなっても構わないんだってば。かがみがロリで貧乳フェチとかじゃなければねっ♪」
「私にそんな嗜好は無いわよっ!!」
「じゃあ、問題ないじゃん。だからさ、かがみ。…き、今日も私の胸を大きくしてくれるかなっ?」

 こなたが珍しく上目遣いで私に“おねだり”をしてくる。
 しかも、最後の方の台詞は恥ずかしさで声が裏返るという殺人コンボ付きだ。
 だから、私の理性がこの瞬間に崩壊してしまったのは、致し方のない事であって、私自身に大きな過失はない。

「こなたっ!」

 私は勢い良くこなた押し倒すと、こなたの願い通り、その小振りで愛らしい胸に手を伸ばし――。
 ガチャ。

「すいません。今さっきここに忘れ物を――」

 申し訳無さそうにドアを開けて顔を出したみなみちゃんは、私達の体勢をみて表情すら変えずにその場に立ち尽くす。
 今の私達の体勢は、どう見ても私がこなたを押し倒して、アレを始めようとしているようにしか見えない訳でして…。
 いや、実際、それをする為にこういう体勢になっているんだけどさ。
 それからしばらく、三者三様にパソコンがフリーズしたような状態になっていたのだが、一番先に復帰したみなみちゃんは、顔を真っ赤に染めながら私達の体勢を再度確認すると、

「……ご、ごゆっくり……」

 と言い残して、自ら開けたドアを閉めていった。

「……」
「……」

 こういう時、残された私達はそれ以上に恥ずかしい思いをしている訳で…。

「…ううっ、あんな所見られたら、先輩としての威厳とかそういうのが台無しじゃない…」
「確かに、今のは色々とマズかったよね…」
「やっぱり、こなたもそう思う…?」
「この場合、本来なら『ごゆっくり』って言われるのは、みなみちゃんの役割なのに――」
「そっちかよ!」

 別にここから、遭遇した経験もない宇宙人に対して長々とした考察を入れる必要も無いので、私は何の迷いも無く盛大にツッコミを入れておいた。










  • おまけ

「……ご、ごゆっくり……」

 パタン。















「……。成程、ああすれば大きくなるのか……」

 ペタッ、ペタッ。


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コメント:
  • み…みなみちゃん!? -- かがみんラブ (2012-09-23 21:10:52)
  • こなたの萌え殺人コンボでかがみも秒殺KO
    当然耐えきれず、そのままこなたを飢えた獣のように、隅々までこなたを召し上がる訳ですね。
    わかります。

    そして みなみ物凄い形相でこなたの胸とかを見るのを自重する -- ラグ (2009-02-02 04:13:56)
  • おもしろいです!
    次の作品も期待してます -- 無垢無垢 (2008-12-21 03:49:28)
  • >成程、
    >成程、
    >成程、
    >成程、
    >成程、 -- 名無しさん (2008-12-21 01:11:47)
  • もう口では言い表せないくらいすばらしい作品です!
    こなたとかがみの愛の中が、みなゆたを交えることによってさらに激しさを増してますね。
    やっぱりこなたとかがみはラブラブしてるのが一番似合ってると思いましたw -- 名無しさん (2008-12-20 03:16:19)
  • 殺人コンボやべぇ、かがみが耐えられるわけないじゃないか! -- 名無しさん (2008-12-19 23:28:42)
  • いいなぁ。こういう明るいSSは大好きです。gj -- kk (2008-12-19 21:18:19)

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