※悲恋注意




自分の手を見るといつも思ってしまう。

掴もうと思っても掴めないものがあった。
掴めないはずなのに掴めた時もあったし、掴みきれないほどのものもあった。

それは、ずっとずっとこの手の上に置いておきたいはずなのに。

それは、すり落ちていってしまった。

―――それは、時の流れのように。






どうして出会ってしまったんだろう。

私とあなた、全く違う人間だった。
私は勉強ばかりしていて、あなたは遊んでばかり。
出会うはずのない2人だった。

だったのに。

あの日を境に、トモダチになってしまった。
言葉と言葉、心と心をかわしあってしまった。
仲良くなってしまった。
本当に。本当に、仲良く。

くだらない話ばかりして。
ありふれた時をすごして。
どうしようもないくらい、馬鹿みたいに笑いあって。

楽しくて。
ただ、楽しくて。

いつからだったろう。
出会わなければ良かった、なんて思い出したのは。
いつからだったろう。
心が張り裂けそうになってしまったのは。

あなたの顔を真っ直ぐ見れない。
あなたの瞳を真っ直ぐ見れない。

あなたに対する気持ちに、気づいてしまった。

あなたに、恋をしてしまったんだ。

どうしようもないくらいに好きになってしまったんだ。

トモダチなんか、嫌。
私だけを見て。
私だけを知って。
私だけに笑ってよ…。

だけど。
“今”も好きなんだ。
あなたに会えたから、今があるんだ。
あなたがいなくちゃ、今はないんだ。
そう思うと、今のままでもよく思える。

だけど私は我が儘で。
今じゃ、嫌。
今じゃなくても、嫌。

くだらない、矛盾。
答えなんて、どこにもない。

馬鹿みたいな時間の繰り返し。

あなたに、出会わなければ良かった。

どうして出会ってしまったんだろう。



手紙を、書いた。
私の気持ち、のせた紙。
駄文で稚拙なくだらないお話。

素直な気持ち、書いたんだ。
それをあなたに、渡した私。

手紙の最後に。
今日の放課後、屋上で返事聞かせて、なんて書いたんだ。

時は流れた。
長くて短い、矛盾だらけの時。
永遠のようで、一瞬だった。

そこは夕焼けに染まっていた。
紅く紅く、照らされた屋上。

そこに私とあなた、2人がいた。

なぜだか心のカケラが溢れそうな私。

あなたは私に、答えを告げた。



夕焼けが闇にかわりかけた一瞬。
この世が変わった気がした。
地球がなくなった気がした。

自分の手を見る。

少し疲れて眠たそうな手。

涙で濡れた、私の手。




掴もうと思っても掴めないものがあった。
掴めないはずなのに掴めた時もあったし、掴みきれないほどのものもあった。

それは、ずっとずっとこの手の上に置いておきたいはずなのに。

それは、すり落ちていってしまった。

―――それは、時の流れのように。




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