初めてのデート【午前】

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初めてのデート【午前】


カーテンを開けると、そこはよく晴れた朝だった。

やっと来たね、今日の太陽。待ってたよ。

金曜の夜はネトゲで朝まで、なんて生活が日課な私だけど、昨夜ばかりは違った。
なんとこの私がゆうちゃんより早く寝たんだから驚きだよね。

起きてすぐにお風呂に入った。うわっ、乙女ちっくだな私。


今朝のご飯は私が当番。パンを3つに目玉焼きを3つ。サラダ3つよそって、牛乳2つにお茶1つ注いで出来上がり。簡単だね。

「「「いただきまーす」」」

朝食を3人で囲む。私の気持ち的には4人だけどね。

お父さんは牛乳飲んでる私に言った。

「こなた~、今日デートなんだろ?」

「!ぶはっ、…!!、げほげほ。…し、知ってたの?」

不意打ちにもほどがあるよ、全く。てゆうか、デートばれてたのか…隠してるわけじゃないけど。

「いやぁ、早寝・早起きで朝風呂と来たらもうこれしかないかなーなんて」

「それだけかい…」

流石は小説家。見抜かれた。ちょっと恥ずかしい。

「そうなんだ、お姉ちゃん…がんばってね」

にこっと言うゆうちゃん。がんばれって、まぁ、うん。がんばるよ。


900 :名無しさん:2008/10/23(木) 00:14:29 ID:yAAJYOhA
「ありがと、ゆうちゃん。ゆうちゃんこそ、みなみちゃんにいっぱいアピールするんだよ~」

するとゆうちゃんの顔がボッと音がするくらいに紅くなった。可愛いねぇ~。

「もぅ、お姉ちゃんってば~。私とみなみちゃんはそんなんじゃなぃって」

そんな様子を見ながらお父さんは言った。

「なあ…なんでうちの娘はみんな百合なんだ?」

「…!!」

それは言っちゃいかんでしょう。ゆうちゃんはまだその域には達していないんだし。
てゆうか、ゆうちゃん傷つくかもよ?

当のゆうちゃんは百合=花のようで、頭に?を浮かべていた。

「百合って花ですよね?でも意味が通らないし…さっきのってどうゆう意味なんですか?」

「いやぁ、それはなあ…」

ふふふ。焦ってるね、お父さん。

「…こなた、答えてあげなさい」

なっ!き、きたない。逃げたな。
私はまぁ、適当に答えることにした。

「…花より美しいなにか、かな?ひ、ひよりんに聞いてごらん…」



朝食の片付けはゆうちゃんがやってくれた。
洗濯物を干し終えると、短い針が8と9の間を、長い方が6を指していた。
つまるところ、8時半。
だいたい予想通り。さて、行く準備をしますかな。

昨日からずっと考えた、今日の服。いろいろ考えたけど、日中の暖かさから考えて七分袖にした。その上に半袖でレイヤード。下はスカートにしようかな?

出かける前に、仏前へ。
お線香をあげて、いつものように拝む。

「お母さん、行ってきます」



「もうすぐ来る時間ね」

腕時計を見ると、9時55を過ぎていた。ちゃんとあと5分で来るかな?

玄関先に出て待つ私。
本当はどっか駅とかに待ち合わせがよかったんだけど、こなたはなぜか私の家の前を指定した。なんでだろ?

「お~い、かがみ~ん」

「!」

声のする方へすぐに振り返るとその先には、私の恋人が近づいてきていた。

私は近くへ、かけてゆく。

「待たせたかな?」

「待つもなにも、時間通りよ。ほら」

と言って腕時計を見せると…

「計画通り。ニヤリ」

なんて言った。またなんかのネタだろうか?

改めてこなたを見ると…なんかめちゃくちゃオシャレじゃない。お決まりだけど、言わなきゃね。

「に、似合ってるわよ」

そう言うとこなたはパァーと顔が明るくなった。

「おぉ、まさにデートの決まり文句!」

茶化すなっての。なんか恥ずかしいじゃない。

「ありがとね、かがみん。かがみんも似合ってるよ~、その格好」

…!結構、誉められるのって恥ずかしい。

「あ、ありがと…」

そんなことしか言えない自分が少し嫌だ。口下手だな、私って。

「じゃ、行こっかかがみん♪」

手を差し伸べるこなた。

そのこなたは、ほんとに嬉しそうで。
その純真無垢な瞳がまぶしくて。
ますます恋に落ちそうだった。
こなたをこんなにも好きになれて、ほんとによかったな。

手をとって、私は言った。

「よし、行こっか。私とこなたの初デートに」



「ところでさぁ、なんで待ち合わせは私の家の前が良かったの?」

かがみは私に聞いてきた。できれば言いたくないな…。

「いいじゃん、別になんでも~。細かいこと気にしてるとモテないよ~?」

するとすぐに返答するかがみ。

「別にモテなくったっていーわよ。私は、…こなたがいればいいし」

…それはそれは可愛かった。頬を紅らめながら、ツンとしながら、言うかがみ。
私の恋人の、かがみ。
かがみはやっぱり、世界最高のツンデレなんじゃないのかな?
ギュッと抱き締めたくなる衝動におそわれたが、まだ午前中だし。やっぱそうゆうのは別れ際とかだよね。
だから、ブレーキを頑張ってかけた。

そうに言ってくれたお礼に、私は耳元で囁く。

「ありがとね。だいすきだよ」

言って無性に恥ずかしかったけど、それはお互い様。
たぶん2人して、顔は真っ赤だったろうな。



「お昼はなにがいい?」

私はこなたに聞いた。チョココロネが好きなこなただけど、こうゆう時って何を食べたがるのかな…。

「いつもと同じでもいいけど。マックとか?」

…拍子抜けしちゃった。こなたらしくていいんだけどね。

こなたらしい。やっぱり、それに尽きるのかも。

「じゃ、そうしよっか」

「うん♪」

ま、あんたと一緒なら何でも美味しいんだけどね。



店内へ入った。まあまあ混んでた。お昼時だし仕方ない。
レジの列に2人で並んだ。何を食べるかな?

「こなたは何を食べるの?」

こなたは頭上のメニューを見ながらちょっと悩んで、答えた。

「私はチーズバーガーかなぁ?あ、かがみんはやっぱりビッグマック3つとか!?」

アホか!!そんなに食べられん。
とゆうか…

「今ダイエット中だし」

するとこなたがニヤニヤしだす。よくない兆候だ。でも、…かわいいんだよなぁ。

「ということはダイエットしてなければ食べる、というより食べられるんだ♪かがみの食いしんぼ♪」

…やっぱりいじってきたか。

「なんでそーなる!食べられないから!」

即座に反論した。
でもこなたはまだ何か言いたそうだ。こいつめ。

「なんでそんなにかがみはダイエットするの?全然太ってないじゃん」

…予想だにしない言葉に拍子抜けしちゃった。本日2度目。どうせまたからかってくるとばかり思ってたから。

それに、そこは聞かないで欲しかったなぁ…。言いづらいんだもん。

「べ、別にいいでしょ?私の勝手なんだし」

適当に返した。そうしたらこなたは言った。

「もしかして、私の為とかじゃないよね~?」

ず、図星…。
そう。
私はあんたの為にしてるのよ、ダイエット。
あんたみたいにかわいい人の恋人なんだから、ふさわしい人になりたいのよ。
キレイになりたいのよ…。

そう思ったら、気づいた。

これって、結局自分の為なんじゃないのかな。

こなたにふさわしくなりたい。

可愛くて。
いっつも適当なくせに、でも意外と現実的で。

そんなこなたに、お似合いだねって言われるようになりたかった。

でも恥ずかしくて。

ついついあんたの為だ、とか思うようにしちゃってたんだね。

こなたと付き合いだして、こなたの知らない面をどんどん知っていった。
恋人じゃなきゃわからないことがたくさんあった。
こなたをどんどん好きになっていった。

まだまだ私の知らないこなたを知りたくて。
でも、知れば知るほどあんたはすっごく魅力的で。

ほんとにあんたの恋人が自分なんかでいいのか、不安になっていった。

だからダイエット、してたんだ。

しなくちゃいけない気がしたんだ。

――あんたにふさわしい恋人になるために。

「ねぇ、こなた。ほんとに、私なんかでいいのかな?…わ、私なんかが恋人にふさわしいのかな…?」

つい、言ってしまった。
いきなりこんなことを言われて、迷惑だったよね…。

こなたの目の色が、少し変わった。
そしてこなたは口を開く。

「かがみは…ダイエットなんかしなくても私にふさわしいんだよ?」

いつもの猫口なのに、なんか真剣さがあった。

こなたは表情こそいつも通りだけど、すごく真剣だっだ。

ずっとずっと心にあった気持ちを、言霊にした。

「今のまんまでもいいのかな?私」

すこし、沈黙。
そのあと、こなたは愛しさを含んだ笑顔で、言った。

「あたりまえじゃん♪…私だって、かがみにふさわしいかわからないよ。でも、そんなことはどうでもいいんだ。好きなら、それだけでいいと思ってるよ…。」

…そうなんだ。
その言葉を聞いて、わかった…

私の杞憂だったんだね。

こなたは私に、勇気をくれた。
自信を、くれた。

私はこなたにふさわしくなれた気がした。

ありがとう、こなた。
言葉で伝えなくちゃ、ね。

「あ、ありがと…」

つっけんどんになってしまった私のお礼。またこなたに惹かれちゃったからなんだからね?

「ふふん、やっぱかがみはツンデレさんだねぇ♪」

「ま、まあね」

なぜか普通に返せた。まぁ、ちょっと恥ずかしかったけどね。

「ちょっとかがみ~…素直に認めたらツンデレじゃないよ~」

ちょっといじけ気味。確かにそうかもしれないけど。でもこなた、あんたは。

「ツンデレじゃなくても好きでいてくれるんでしょ?」

こなたがこなたらしいのに尽きるように。
今度は自分が自分らしくいるように、こなたに貰った勇気と自信で頑張るよ。

「当たり前だよ、かがみん♪」



結局私は、こなたと一緒のものを注文した。



「速く速く、始まっちゃうよかがみ!」

「ま、待ちなさい、よ…」

ちょっとスピードを落とした。
流石のかがみでも私の足には着いてこられないのかな。
あんま無理させちゃ可哀想だよね…。私のせいなんだし。

さてなんで走ってるかと言うと…

私が映画の時間を間違っちゃったからなんだ。
映画の始まる時間を調べた時、何を間違えたか、12時30を13時30とメモしてしまった。

それに気がついたのがお昼ができるのを待ちながら、テーブルに座っていた時だった。

「このあとは映画だよね~」

「そうね。1時30から始まるから余裕でつきそうね」

暇だったから映画の時刻をみてみたら…
驚愕!!

「か、かがみ…」

「んー?どしたー?」

「ま、マツガエタ…」

「え…」

それからが大変だった。

店内に入った時は12時ちょうど。
混んでたから私たちが注文するのに待って10分。
なかなかできないハンバーガーを待つのに5分。

つまり15分で食べて映画館に行かなきゃなのだ…!!

これはキツかった。
私たちは別に早食いなんて特技ないし。というか、かがみに早食いなんてさせたくなかった。
食べた後いきなり走らせたくもないよ。

でも、かがみは頑張ってくれた。
だから私も頑張った。



結果。

「ま、間に合わなかったか…」

時間を見ると、12時50。20分も遅れちゃ、もう入れない。

かがみにすごく申し訳なくなった。
せっかくのデートなのに。
間違えてしまった。
それでも頑張って食べて、走ってくれたのに。

「ごめん…かがみ…」

かがみの顔が見れなかった。自分の足元で精一杯だった。

あ…やだ。目から、雨が降りそう…。
おかしいな…いつもならこれくらいじゃ泣かないのに。
でも、すごく申し訳ない気持ちで一杯で、こらえきれなそう…。

「まぁ、仕方ないわよ。誰だって間違いはあるんだし…って、こなた…」

足元に、水の後がつく。
靴に、滴がぶつかる。

ほんとにごめん、かがみ…。
せっかく楽しみにしてくれてたのに。

私は台無しにした。

私はかがみに泣き顔が見られたくなかったから、その場から逃げ出した。



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コメント:
  • なんスかコレ?
    妙に萌えちまうじゃねーですか(# ̄З ̄) -- 名無しさん (2012-08-17 18:41:20)
  • 店内であんな百合トークを⁈Σ(・□・;)
    自重しろw -- 名無しさん (2010-09-25 23:59:36)
  • そうじろうwww
    その発言はw -- 白夜 (2009-10-09 07:18:16)

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