初めてのデート【前夜】

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初めてのデート【前夜】


「明日10時にうちに来るのよ?遅れるんじゃないわよ?」

「わかってるって、かがみん。初のデートに遅刻するほど馬鹿じゃないよ」

「わ、わかってるならいいけど…」

「おやおやかがみん、デートって言葉に反応して紅くなってるよぉ…萌え☆」

「萌えってゆーな!」

「お姉ちゃんたち、どんだけ~」

ふふ。土曜日である明日、私泉こなたは念願の初デートに出かける。
明日をどれだけ待ち望んだことか…。
ほんとに、嬉しいな。

行くキッカケは月曜日だった。
私とかがみが恋人同士になれてから数日後。
いつもの帰り道、つかさがこんなことを言った。

「お姉ちゃんたちってほんとに仲いいよね~」

すかさずかがみは、
「な、何言ってんのよ…そんなことないって」
と言った。

…むぅ。いくら照れ隠しだからって、恋人に仲良くないなんて酷いんじゃないのかな?
なんて、私らしくもないことを考えてしまった。

そんな私を知ってか知らずか、かがみは言った。

「あ、いやそうゆう仲が良くないんじゃなくて、いや、だから、ね、ほら」

かがみん、焦りすぎだよ。

そうやって焦ってくれて、ありがとう。かがみのそうゆうとこ、大好きだよ。

…なんて、ストレートに言うのは流石に私でも恥ずかしい。

だから、いつも通りに。

「焦ってしどろもどろなかがみん、萌え☆」

「あ~もう、ほら帰るわよ!!」

1人先行くかがみ。ツンデレ。

「こなちゃんとお姉ちゃんっていつも一緒だよね」

にこにこしながら言うつかさ。ほんとに和んでるんだろうな。

「まあね~…クラス違うけど授業除けばしょっちゅう顔あわせてるよね」

かがみは即座に振り返って言った。

「なによ。イヤなの…?」

ちょっ、反則だよかがみ…可愛すぎ…!
上目づかいで、ちょっと不安そうで。

今すぐにでも、ぎゅってしたくなっちゃうじゃん…!

「イヤなわけないじゃ~ん。むしろ授業中も顔あわせたいくらいだよ」

かがみの少し凍った瞳が、優しく溶けたように見えた。

私の言葉で一喜一憂してくれるかがみ。
そんなかがみがほんとに可愛くて。
ますます恋に落ちそうで。
まさか自分がこんなに人を好きになるなんて、思いもしなかったよ。

「なら、いいんだけど」
とかがみ。

「平日も結構一緒だけど、休みの日も付き合う前とだいたい同じだよね」
と私。

するとつかさは言った。
「えぇ~、同じなの?デートとかしてないの?」

「「で、でえと…!!」」

一緒に言っちゃった。シンクロ率100%。ちょっと嬉しいな。

「し、してないわよそんなもん…!だいたい一緒に住んでるんだから、してるかしてないかぐらいわかるでしょ!」

「隠れてしてるのかと思ってたよ~」

「私にそんな器用なことできないわよ」

確かに。でもデートをそんなもん呼ばわりするのはやめようよ。

実は、私はデートしたくて仕方なかった。
いつも一緒だけど、デートと呼ばれるような、そうゆう特別な時間を過ごしたかった。

でもかがみはしたくなかったのかな…?

ちょっとだけ、悲しかった。
特別な時間を共有したいのは私だけだったのかな…

聞いちゃおうかな?デートしたいかしたくないか。

「かがみはデート、したくないの?」

「え…」

こっちを向いたかがみは、突然顔色を変えた。
そしたら急に近寄ってきて、抱き締められた。

「ちょ、かがみ…つかさいるし恥ずかしいよ…」

「デートしたくないわけないでしょ?だって、こなたとのデートなのよ?したいに決まってるじゃない。だから、ね…そんな淋しそうな顔しないで…」

え?淋しそうな顔?
顔に出ちゃうほど淋しかったのかな。

最近私は自分を思い通りにコントロールできなくなった。
というのは、みんなかがみ関係での時だけど。

かがみの言う言葉は、私の心を飛び跳ねさせたり。逆に、青く染めたり。わくわくとか、ドキドキとか。
そんな風に、いろいろ変えちゃうんだ。

あ、そっか。
一喜一憂してるのは私もだったんだね。
かがみの言葉しだいで気持ちはすぐに変わっちゃうんだね。

それくらい、私はかがみに依存しているのかも…。ヤンデレ。

かがみの気持ちがわかって、嬉しかった。
テンションがあがってきたよ!

「じゃ、今度の土曜日にしよう!」

「おいおい、えらく突然だな…ま、いいけど」

やった~!
念願のデート、できるよ!

そんなにしたかったならもっと早く誘えばよかったと言われそうだけど。

私だって、誘うのはちょっと恥ずかしいんだよ。
いつも余裕に見えるかもしれないけど、私だって普通なんだ。
だから、好きな人に何か言うのって、やっぱりドキドキしちゃうんだ。

ふふ。何を着て行こうかな?



いよいよ明日に迫った。
なんだかんだで、結構緊張。
私柊かがみは家に着くなり部屋に閉じこもった。

「どこにいくんだっけな…書いておこうっと」

普段は勉強に使うルーズリーフだけど、書く内容で違うものに見えるもんなんだな。

私が書いた内容は以下の通り。

10:00……こなたが来る
12:00……お昼
13:30……映画
16:00……ゲーセンとか買い物とか
19:00までには帰る

なんかえらくオーソドックスだな。

でも、2人で決めた、日程。
2人で決めたんだ。
そう思うと、また心が、ギュッとなった。

…恋する乙女か、私。いや、違いないんだけどね。


晩御飯になった。定位置につく。今夜はエビフライ。ソースをかけていたら…
「あのね、かがみお姉ちゃん明日デートなんだよ~」

…!!
ソースがドバっといった。
つかさ、なにを…!!

「つかさ!!」

「あれ、内緒だったの…?」

ちょい焦り気味なつかさ。しまった、みたいな表情。

「いや別に隠すつもりはないけど…」

ないけど、ないんだけど、言うと必ずうるさいのがいるんだよね…。

「明日、なんだって!?」

「かがみがデートなんだって」

「まじ!?いよいよかがみも乙女だね~」

「乙女って」

「でもさ、付き合いだして結構たつんでしょ?なんで今頃…」

「予定とかあったんじゃない?」

「いや、かがみから誘う甲斐性ないしね~。向こうがしびれ切らしたとみた」

…ムカつく。しかも当たってるし。
まつり姉さんはいつもそうだ。

お母さんはにこにこしてるし、お父さんは複雑そうだ。

実はこなたとの関係は公認で。
最初つかさに教えて、次にお母さんとお父さんに。
最後に、いのり姉さんとまつり姉さんに教えた。

親2人以外はすぐに「いいんじゃない?」なんて簡単な返事だった。
なんか悩んだのがアホらしいくらいで。

でも、お父さんとお母さんはいろいろと話した。話してくれた。
お説教にも似た、でも、そうじゃなくて。
女の子同士の世間の目について、たくさん話してくれた。
人生について、話してくれた。

そして、最後には私の強い意志をわかってくれて。

いいよ、と言ってもらえた。

嬉しくて。
ただただ、嬉しかった。
涙が溢れたのを、覚えてる。

「じゃあおこづかい、あげなきゃかしら?」
とお母さん。

「ず、ずるいよ母さん、私の時は全然くれなかったのに…!!私にも頂戴よ」

とまつり姉さん。今せびってどうする。というか、大学生だろあんたは。バイトしろ、バイト。まぁ、私もバイトしてないけどね。

私は言った。
「全く、まつり姉さんは…。嬉しいけどお金は大丈夫だよ、お母さん」

意外そうな顔になる。
そんな変なこと言ったかな?
まぁ、多分以前ならもらってた。

でもね、今回は違うの。ただ遊びに行くんじゃないの。
好きな人と、思い出をつくりに行くんだよ。

前までのお出かけとは、全然違うんだ。
だから、今回はもらわないんだ。



夜、寝る前。

お風呂から出た私は明日のために早めに寝ようと思って布団に入る。

目を瞑りながら、明日のことを考えた。

明日、あいつちゃんと10時に来るかな?
あいつのことだから、寝坊したりするかも…
でも、遅刻しないって言ってたし大丈夫かな…

意識がぼんやりしてきた。
もうそろそろ、夢の中に落ちそうだ。

今日は夢を見るのかな?

見たらどんな夢なのかな?

――早く明日に、なればいい。



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