うつるもの

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「ねぇ、かがみぃ~」
「うわっ、ど、どうしたのよ、突然っ!」
廊下を歩いてると、突然こなたに、後ろから飛び付かれて思わずドキッとする私。
「にひひ、驚いたかね、かがみ。背後にも気を付けないと、だめじゃん。いつ敵に襲われるかわからないよ~?」
ニヤリと笑いながら、回した手を離さず、顔をこっちに向けている。
「またゲームの話かぁ?そんなこと、現実であるわけないでしょ」
「い~や、わからないよ?かがみは可愛いからね~、いつ野獣化した男子に襲われるか……」
「ば、バカ!そんなことあるわけないわよ!」
「あれぇ~?もしかして、想像してる?」
「するかッ!!」
そう言って、思わず呆れてため息をつく。
「ねぇかがみ~、今日は昼はこっちに来るの?」
こなたの声が、いつもの感じに戻る。
「うん、行く予定よ。そんなの、わざわざ確認する必要ないでしょ」
「良いじゃん、ちょっと聞きたかっただけ~」
まったく……。相変わらず変ね、コイツは……。
まぁ、確かに最近、日下部や峰岸と食べる時もあるけど、
ほとんどそっちに行ってるじゃない。
それに、そういう時は事前に私が一声かけるし……。
「んじゃ、みんなで待ってるね~」
いつものこなたの顔でそう言って、こなたは私から離れた。
「はいはい、お昼まで後一時間あるんだから、授業ちゃんと受けなさいよ」
「いつでもバッチリだよっ!」
「そーゆーのは、人にノート借りなくなってから言いなさいよね」
「うわ、かがみ様、痛いところついてくるね~……」
こなたがそう、言いにくそうに言った時、
次の授業の開始を告げるチャイムが鳴り響いた。
「やば、急がなきゃ!」
「もう、アンタがしがみついてくるからよ!」
私がそう言うと、こなたは気にした素振りもなく、
「とんずら~!」
と、走り出した。
「も~!自分だけいくな~~!」
私も文句を言いながら、急いで自分の教室まで戻った。


授業が終わり、やっとお昼の時間。
それは、学校にいる間で、数少ない、クラスの違いを感じないでいられる時間。
その時間を少しでも親友達と長く過ごしたい。
表には出さないけど、やっぱりみんなといられる時が、最高に楽しいからね……。
ま、こんなこと言った暁には、こなたに何を言われることやら……。
「あ、お姉ちゃん~」
「かがみ、遅い~~」
「かがみさん、いらっしゃいませ」
「ごめんね、お待たせ。ちょっと長引いちゃってさ~」
私はみんなに謝る。
「かがみさんのせいではありませんよ」
「そだよ、お姉ちゃん。仕方ないって」
みゆきとつかさがそう言ってくれたが、こなたは一人、
「抜け出してくれば良かったのに~」
とかバカみたいなことを言っている。
「小学生じゃあるまいし、そんなことできるわけないでしょ」
私がこうやって律儀に突っ込むから、図に乗るのかなぁ……。はぁ。
「ま、いいや。食べよ食べよ~」
みんな、お弁当を開けないで待っててくれたみたいね。
そんなちょっとした気遣いが、嬉しい。
そう感じてる私だった。

「も~、こなたのせいでさっきの授業、危なかったわよ………」
「ごめんごめん」
お弁当を食べ初めて、早速こなたに文句を言う。
「どうしたの?」
「こなたに、前の休み時間に捕まってさ、身動き出来なくて、
危うく遅刻になるとこだったのよ」
「そ、それは大変でしたね、かがみさん」
みゆきが労いの言葉をくれてるけど、当の本人は大して悪びれた様子もない。
「ま、間に合ったから、良いじゃん~?」
「良くないわよ!」
「まぁまぁ、お姉ちゃん、それくらいにしてあげなよ」
つかさはそう宥めてくるけど、事実、後十数秒遅かったら、
本当に遅刻をつけられるとこだったんだから、
これくらい文句言わせてもらわないとね。
「むぅ、かがみんよ、俺の嫁なんだから、それくらいちゃんと許容しなきゃ!」
「誰がアンタの嫁よ!まったく、バカも休み休み言いなさいよね」
「うわ、酷いなぁ」
こなたが口を尖らすけれど、それはもういつものこと。
「えっ!?お姉ちゃんってこなちゃんのお嫁さんだったの!?」
つかさがワンテンポ遅れて驚く。
「だから、違うって言ってるじゃない!」
双子の妹にまで突っ込まなきゃいけないんだから、私も楽じゃないわ……。
そう思っていると、以外なところからも以外な言葉が出る。
「でも、お二人とも、お似合いですよ?」
「み、みゆきまで、何言ってるのよ!」
「おお!かがみん、これならきっと私達の未来は明るいね!
結婚式はお互いが選んだ料理を交換して食べあうっていう連邦形式のがいいなぁ……
かがみんが何を私のために用意してくれるのか楽しみだ~。
あ、つかさとみゆきさん、仲人として、ウェディングサポートの抽選の登録お願いするね~」
「勝手に話進めるな!第一、何よ、その抽選って!またゲームかっ!」
「さすがかがみん!ちゃんと分かってるね☆それでこそ俺の嫁」
「だから勝手にわけわからんこと言うなーーッ!」
こんな、わけのわからない会話だけど――――


私にとって、最高に楽しい時間―――。

いつからだろうか……?
こなたのことばかりを、考えるようになったのは。
今日だって、ほとんどこなたのことばっかり考えていたきがする。
いつからだろうか……?
こなたの事を考えると、顔を見ると、話をしていると、落ち着かなくなったのは……。
今日のお昼だってあんな話をした後、こなたの顔をまともに見れなかった。
と言っても、時々、本当に時々だし、いつものように接せられてるし、
これといって困ったこともないから、あまり気にしないけれど……。
私は夜、ベッドの中でそんなことをふっと思っていた。
でも、この気持ちが何なのか、未だにわからない。
多分、保護者的な気持ち……なのかな……?
今まで生きてきて、こんな感情になったことがないからわからないけど……。
多分、手話のかかる子どもを世話する母親の感覚なんだろうな、と勝手に思う。


ま、何でもいっか……。
丁度身体も温まってきたし、明日も授業あるから、ちゃんと寝とかなきゃ。
もし寝坊なんかしたら、つかさの事いえなくなっちゃうしね。
そう思って目を瞑った暗闇にうつる、あいつの顔。
はあ、なんて小さなため息をつく私。


私はまだ知らない。
今日という日が眠れない夜を過ごすことと、自分の心を―――。








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