Next to you

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勉強を終えて学校の外に出る。
いいことが起こりそうな、きれいな夕焼け。
夕焼け、ってだけで少しはしゃいじゃう私って子供っぽいのかな?
私がこんななのには、理由もあると思うんだけどね。

「ほらかがみ。早くゥ~。」

そして始まる、私とかがみの、ゆるい帰り道。

『Next to you』

「なんかさ、たくさん勉強したあとって、頭がこう『グワー!』って感じにならない?」
「あんたは長さんか・・・。まあ確かになるわね。
でも何故か変にのっちゃってやめられなくなるのよね。」
「そうそう!『今なら何時間でも勉強できる!』って思っちゃうよ~。」
「でもそういう時って、一回中断したらその後再開できなくなるのよね。」
「やっぱりかがみでもそういうことあるんだ?」
「そりゃあるわよ。私も普通の人間なんだし。」
「へえ~・・・」

かがみにもそんなことがあるんだね。

「・・・どうする?かがみ。もうすぐ二次試験だよ?」
「どうする、って言われても・・・。やることはやってきたし、これで駄目なら仕方ない。
あとは調整するだけよ。」
「そんなもんかな?」
「そんなもんよ。」
「・・・いいよね~かがみは。勉強できて。」
「何言ってんの。あんたも近頃結構伸びてるんでしょ?自信持ちなさいよ。」

かがみは優しいネ。この優しさを、一人占めしたくなるよ。

「寒いね・・・。」
「うん。」
「う~。早くあったかくなんないかな・・・。」
「そこまで寒いか?・・・ほら、マフラーかしてあげるわよ。」
「いいよ。かがみが寒くなるって。」
「大丈夫。私今日お母さんからもう一つ借りてきたの。・・・はい、これでよし、っと。」


かがみが私の後ろから、マフラーをまいてくれた。

なんで二つあるのかな?

かがみはお母さんのマフラーを巻いている。

・・・お母さん、か・・・。

今の私にとっては、かがみが一番それに近い存在なのかな?
お母さんって、こんなにあったかい存在なのかな?
かがみの優しさに触れる度に、いつも考えちゃう。
だったら、もし私のお母さんが生きていたのなら、
私は永遠に親離れできないかもしれないね。

歩き出そうとしたところで、気がついた。
かがみがついてこない。
私は振り返る。
かがみは私の二歩後ろで、温かい、けど寂しそうな顔をして私を見ていた。

・・・見たことあるよ。その顔。
一番最近見たのは、私がお父さんに、
「大学に受かったら一人暮らししたい」って言ったとき。
そのときのお父さんの表情にそっくり。

ねえ、そんな顔をさせているのは私なのかな?
私がかがみを寂しがらせているのかな?
どうやったらその寂しさを拭ってあげられるのかな?

・・・いや、その答えはとっくに私は知ってるんだよね。
ごめんね。
ただ、今の関係が心地よかったから、これまで甘えてきちゃったんだ。

なんだか、さっきよりも、夕焼けが落ち着いて見えるよ。

・・・ねえ、かがみ。考えてみてよ。

二歩なんて距離、私たちには遠すぎるよね?
もちろん、一歩なんて半端な距離はかがみもいやでしょ?

だから・・・

「ねえ、かがみん。そんなところにいないで私の隣に来てさ、一緒に手、つながない?」




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