我輩はねこなたである

このページを編集する    
                        僕の名前は柊こなた。
この家に貰われてもうすぐ一週間になります。

「こなた、ご飯だよー!」「にゃあ」

この人はかがみさん、僕の飼い主で御主人です。
見た限り少し怖い印象があるんだけど、本当はとても優しい人なんです。

あても無くさ迷っていた僕にご飯をくれて、可愛がってくれる素敵な人。
僕はこんな御主人が大好きです。

「ちょっとかがみん!さっきから猫に構いっきりで、私は放置!?」
「うるさいわねー。今はこの子と遊ぶ時間なの、あんたはネトゲでもしときなさい!」
「かがみが私を家に呼んだくせにー!」

御主人に突っ掛かっているこの人は泉こなたさん。僕の名前はこの人から由来しているみたいです。
二人は仲良しみたいだけど、御主人はいつもこなたさんに冷たくしている気がします。

「私も構ってよー!かがみに構って貰えなきゃ、寂しくて死んじゃう…」
「し、知らないわよそんなの…私には関係ない!」
「むぅ………」

あ、何だか非常事態みたい…。こなたさん寂しそうな顔してる。だけど御主人はそれに気付いてないみたいで、何故か複雑そうな顔をして僕の頭を撫でてる。

「…もういいもん!かがみのバカー!!」
「ちょ!?こ、こなた!」

こなたさん、走って出て行っちゃった…。御主人は玄関の方をじっと見てる。

「はぁ…」
「にゃ?」

後ろ姿の御主人が溜息をついてる…何だか心配だなぁ。こなたさんも何だか元気が無かったし…。
二人とも、どうしちゃったのかな…。

僕、悪いことしちゃったの…?

                        ―――。

その日の夜、何だかとても眠たくて御主人のベットで寝ていたら、急に声が聞こえた。

「ねぇ、こなた」
「………にゃ」

今この空間に、こなたは僕しかいない。つまりこれは僕にかけられた声。小さく鳴いて返事を返す。

「私さ…何で素直になれないのかな…?」
「………」

素直?誰に対してのことを言っているのかな?
まさかつかささん?じゃないよね。それじゃあ…

「私ね、自分の気持ちをこなたに伝えることがさ、出来ないのよ…」
「………にゃ」

ああ、やっぱりこなたさんのことか。
御主人はさっきのこと、相当引きずってるんだ。

「こなたはいつも私に想いをぶつけてくれるのにさ…私は何もしてあげれてない気がする」
「…」

そうなのかな?僕には人間世界のこと、良く解らないけど…御主人は御主人らしさでこなたさんに気持ちをぶつけてる気がする。
今日はたまたま………うん、こじれちゃっただけで。

「こなたと向かい合って話そうとすれば、恥ずかしくて…。今日こそ甘えてみて、改めて好きだよって伝えようかと思ってたのにさ…」
「…」

…そうか。御主人はこなたさんのことが大好きなんだ。でも自分に素直になれないから、いつも素っ気ない態度ばっかり取って、ごまかしてたんだ。

「結局その考えも、こなたを不機嫌にさせて終わっちゃった…」
「にゃ…」

どうしよう。御主人、とても不安そうだ。
僕に何か出来ることはあるのかな?
そう考えていると、御主人は僕の身体を抱き上げた。今、僕と御主人の目線は同じになっている。

「仲直り、するべきなんだよね?」
「……にゃ………」

僕には、御主人とこなたさんがどういう関係で、どういう気持ちなのか、まだよく分からない。
だけど、仲直り出来るならそれに越したことはない。ただ鳴くことしか出来ない僕は御主人に自分の考えは伝えられない。

だから、僕は御主人の顔をペロっと舐める。大丈夫だよ、きっと仲直り出来るよって気持ちを込めて。

                        「わっ、くすぐったいって!」
「にゃあ」

御主人は照れ臭そうに笑っている。うん、笑った顔の御主人は…大好きだ。
出来るならば、いつでもこの笑顔を見ていたいな。

「ふふっ…まさかあんたも応援してくれてるの?」
「にゃー」
「そっか…」
「…」

御主人は携帯電話を見つめている。そういえば、いつもならこのくらいの時間に誰かと電話してたような…。

「よし、頑張ってみるか…」
「にゃあ、にゃあー」
「あはは、しかし私ってば何を真面目に話し込んでんだろ?こんなこと、あんたに話しても分からないし、迷惑よね?」

そんなことないよ。御主人が幸せなら、僕も幸せ。
早く仲直りしてね。

今度はそんな気持ちを込めながら、顔を擦り寄せる。

「ふふ…あんたのおかけで気持的にスッキリしたわ、ありがと。後でこなたに電話してみるわ」
「にゃあー」

良かった。元気になってくれたみたいだ。
僕に出来ること、後は何もないけど…御主人ならきっと上手くいくから。
御主人の腕から下り、咽を鳴らしながらその顔を見上げる。

「しかしまぁ…私のこともそうだけど、早くあんたも素敵な女の子見付けなさいよ?私みたいな…ね♪」
「み、みゃぁ?」

な、何をいきなり!?
御主人、それとこれとは話が全く別物では…。

「な、なによー、その返事は。冗談に決まってるじゃない!そんな憐れむ目で私を見るなー!」
「にゃ、にゃあ~…」

ははは、参ったなぁ。
まさかそんな心配されるなんて、大丈夫だよ御主人。言われなくても、僕には“貴方”がいますから。


そんなこんなで、僕の“恋する乙女、悩み相談室”は幕を閉じた。

                        ―――。


数日後、例の仲直りが上手くいったらしく、御主人は再びこなたさんを家に呼んでいた。

「でね、あのキャラが臭くってさー…」
「それは嫌よね、せめてもう少しマシにならないかしら?」

二人は仲良さそうに会話をしている。
僕はと言えば…そんな二人をベットの上から観察中。構ってもらえなくて寂しいんじゃないかって思われるかもしれないけど、案外そうでも無かったり。
二人を見てるだけで楽しくなるから。

「あ…私ね、新しいゲーム買ってきて持って来たんだ!リビングでやらない?」「いいわね、なら行こっか」

え?リビングに行くの?
そんなとこに行ったら…御主人………。

そんな僕の考えとは裏腹に、二人は立ち上がって場所を変えようとしている。
ダメだ、ここで何とかしないと…。

そう思った僕は最終手段で、御主人の背中に向かって全力でジャンプ、所謂体当たりをお見舞いした。

「きゃっ!!」
「…っ!?かがみっ!」

突然の衝撃にバランスを崩した御主人は、前のめりに倒れそうになった………が、それはこなたさんが御主人を抱き留める形によって未遂に終わった。

「大丈夫?足とかケガしたりしてない?」
「う、うん…」
「…良かった」

よし、作戦成功。後は放っておいても大丈夫だよね。

「そ、それよりこなた、この状態は…」
「あっ、あわわ!ごめん、かがみ!!今離れるからっ…」
「ううん…いいの。しばらく、このままにしてて…」「え?う、うん…」
「こなた、ありがと」
「ふぇ?」
「………好き、だよ」
「も、も、ももももぅ!こんな時にデレは反則だよぅ…」

初々しいなぁ、この二人。もう少し見ていたいけど…ダメだ。
僕にはもう時間がない。早くしないと…。

ドアのすき間から部屋を抜け出し、庭の方へと向かう。庭へのドアは、僕の散歩用に少し開けられているので、そこから外へ出る。

キョロキョロと辺りを見渡していると、とても愛おしい声が聞こえた。


『遅いわよ、“こなた”』
『ごめんねー。それじゃあ行こっか、“かがみ”』




終わり。


コメントフォーム

名前:
コメント:
  • 最初の柊こなた、で萌えます。
    猫視点、と言うのは珍しいですね。
    と言うか、この猫も中々の策士……是非スカウトしたいw

    そして猫同士でのこなかが。猫のこなたはオスなのかな?
    でも、ネコミミつけたこなかが想像して鼻血吹きましたw -- 6-774 (2008-02-08 22:51:01)

|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|
  



★Counter

TOTAL: -
TODAY: -
YESTERDAY: -

★更新履歴

取得中です。