夜の学校に二人きり

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「う~ん、どこ行ったのかな~…」
「だからここじゃないんだって~」

体育館の倉庫で、私とかがみは、昨日かがみがなくしてしまった携帯を探していた。

「昨日もここ探したじゃん」
「でも、もうここくらいしか思い当たる所がないのよ!」
「ねえ~、もう帰ろうよかがみぃ~」
「もうちょっとだけ!昨日あんたの買物に付き合ってあげたでしょ!?ほら、こなたも探してよっ!」
「ふぁーい…だったら、今日の分の埋め合わせもしてもらいたいものだね」
「ん~…昨日の授業でここで電話があって、その後…いや、もしかしたら…ぶつぶつ」
「…聞いてないネ」


「あー!あった~!!ほらほら、やっぱりここだったでしょ!?」
ようやくかがみの携帯が見つかったようだ。やれやれ。
「はい良かったね~。それじゃもう帰ろうヨ。外暗いし」
「そ、そうね。ごめんね、こんな遅くまで…」


ガチャン。
私が扉を開けようとすると、金属質の音がした。
「あれ?開かない」
「ま、まさか鍵閉められちゃったの…?」
「…らしいね」
「ええええええええええええっっっっっ!!!!!???」







          「夜の学校に二人きり」





「んー。これは閉じ込められたようだね」
「ど、どっかから脱出できない!?」
周りを見回す。体育館倉庫には、閉まった扉以外の出口も、窓も一切ない。
「脱出不能!」
私は、グッ!と親指を立てて言った。
「ええええーーっ!!!ど、どうしよう!?こなたっ!?」
「大丈夫だよ。まだ学校には誰かいるだろうし」
「そ、そうよね!携帯…!」

「電池切れてるー!!…うっわ最悪。あ、じゃあ、こなたの携帯で」
「私は忘れてきちゃったよ」
「…マジか。はあ…つかさが、気付いてくれないかしら…?」
「大丈夫でしょ。誰か誰か気づいてくれるさ~☆」


体育館倉庫には、窓はなく、小さな電灯がほんのり灯っている。
「…ちょっと暗いわね。ライト付いてるのに」
「ムード出るじゃん」
「何のだ。跳び箱の横でムードも何もあるか」


「…あんたやけに落ち着いてるわね」
「んー、今日のアニメ録画は全部済ませておいたから安心☆」
「あー、そうかい」


かがみは腕時計を見て言った。
「もう7時…誰も来ないわね。さすがに不安だわ…」
「いよいよ、一晩明かすことを覚悟した方がいいようだね」
「い、いやよ!こんなとこで一晩も!!」

そう言うと、かがみはしゅんとした顔になって、
「…ごめん」
「ん?」
「私が携帯なくしたせいでこんなことになっちゃって…」
「まさか閉じ込められるなんて予想外だったから、しょーがないよ」
「でも…」
「…むふ、じゃー明日またゲマズに付き合ってもらおっかな♪」
「…うん!いいわよ」
急にかがみが元気になった。
「およ?かがみにしては珍しく素直だね」
「…悪かったな!」

「しかし、お腹すいたねぇ」
「ポッキーならあるわよ。家で食べようと思って」
「おお~!さっすがかがみん、そうゆうとこだけは抜かりないネ」
「…一言余計だ!」

「じゃあ、ポッキゲームし「断る」」
「…」
私の申し出は瞬殺された。…冗談だけどさ。


それから、しばらくかがみといろいろ話す。何時間も。
かがみとは、毎日話してるのに話題が尽きないのがすごい。

…アニメの話が多かったから、どこまでかがみが理解してるかは分からないけど。

まあ、宿題も写させてもらったし、よかよか。


「さて、かがみんや」
「何よ」
「どうやって寝る?」
「マットじゃ重いわね…うーん」


そろそろ時計が11時を指す頃。
「暗いね…」
「…こわい?」
「私は平気だよ。…というよりかがみの方が怖がってるんじゃないの~~」
「…別に私は…」
かがみはそっぽを向いた。

「どしたの?」
「な…なんでもないわよ」
「せっかく私と二人っきりになれたのに素直になれないかがみ萌えw」
「違うわよっ!!」

「でも寒いね」
「…え?」
「ちょっと、あんた大丈夫!?震えてるわよ」
「うぅ~さむい~…」
体が小っさいせいか、余計寒さが身に染みるヨ…


「困ったなあ…」
「う~…」
「…もう…じゃあ、手、出しなさいよ」
「へ?何で?」
「いいから!!」
「…」
私は怯えながら、おそるおそる両手を出す。

かがみは、私の手を両手で包みこんだ。

「…こ、これはあんたがカゼひいちゃ困るからやってるんだからね!」

「…かがみは温かそうだね。顔まっかだし」
「…だまれ!」


こんな手を握って顔を見合わせた状態じゃ、お互いに話すのもなんか恥ずかしい…
しかも何も喋らなくなっちゃったから余計…


「…くしゅん!」
私はくしゃみをした。
すると、かがみは困ったような顔をした。そんなに気を使わなくてもいいのに。

その時、かがみの両手が私の頬に触れられる。かがみの手は冷えていたけど、私の顔の温度でだんだん暖まってくる。

「か…かが……」
「……私だってはずかしいんだから、何も言うな」
「…」


これじゃ…これじゃまるで…キスする前の体勢みたいで…


かがみは赤い顔のまま、ぼーっとした目でずっと私のことを見ている。何も言わないで…目も動かさないで…私のことをずーっと見続けている。

私は…どこ見てりゃいいのさ?
私だってはずかしいんだヨ?

その顔、ちょっと色っぽくて萌えるんだけど…今は…

…まあ、かがみのことだからそんな長続きするとは思えないけど…




「…う~………むぅう~……………………」

「何よ…?」

「…」

あう~…かがみに、私の方が恥ずかしがってるなんて言えない……
私の方が負けそうだよ~…
なんで…かがみのくせに…こんな時に限ってこんなに長く……

「こなたのほっぺたあったかいわよ…」

…だからそーゆーこと言うから、もっと熱くなっちゃうんだよぉ…


「…うぅ…………」
もう私の方も顔真っ赤。
「大丈夫、よね?」

そう言って、かがみは顔を近づけてきた…!
「あ、あ…!」

私はキスされるかと思って、目をつぶって、息も止めた。


おでこが温かい…かがみは額をくっつけてきてた。

…なんだ。息まで止めちゃってたよ…私…



「頭熱いわよ…大丈夫?」

…あんたのせいだヨ。


だめだあ…もう、耐えらんない~…
「かがみぃ…私もぅ、恥ずかしいよぉ~………」

「しっ。今熱見てるから」

…そうきますか。
そんなに私を萌え殺す気ですか。


どうして、今日のかがみはこんな攻めてくるんだろ…
…それとも、私が『受け』なだけ?

ん~~~…このままじゃ、ちょっとくやしいから思いきって…


「かがみぃ~~~!」
おでこを離したとこを見計らって、私はかがみの体に抱きついて、体を預ける。
「…わあっ!」

「かがみ、あったか~い…」
あーこうしてると楽でいいなあ…最初からこうすれば良かったヨ。

「こ、こなたぁ!!ちょ、ちょっと、あの、その…私っ…!」

よしよし、これでいつも通り。


すりすり。

「…こなたぁ~…」

あー、その声萌えるね。いいよ。

んー気持ちいい~…これなら寝れそう…





「すう……すう……」

こなたは眠ってしまった。
全く、突然私に抱きついてきたと思えば、すぐ寝ちゃって…

抱きついているこなたは、私の服をきゅっと握ったまま、寝息をたてている。

こうしてると…ちっちゃくて…本当に子供みたい…


私の胸の中で寝ているこなたの背中に腕を回し、もう一方の腕で頭をなでる。


「急に寝るんじゃないわよ…私の方がドキドキして眠れないじゃない…」

…翌朝、黒井先生に二人で抱きあって寝ているところを発見された。
「こっ…こなた!!起きなさいって!!」
「う~~~~ん、…まだ眠いてばあ~…あと5分~」
「ちょっと…こなた…起きなさいよ!!てか、離れてよっ!!」

「ウチ…おじゃまやったか?」
「いやあのこれはその…ちがうんです!!」
「何が『違う』んや?」
私は、慌ててこなたの背中に回してた腕を離す。

「ははーん…お前らそういう仲やったんか。通りで柊姉はいつもウチのクラスに…」
「ち、違いますっ!私は別に…つ、つかさに会いに来てるわけでっ!!…こなたあ!!起きなさいっ!早く離れろってぇ~!!」
「ん~~…あと30分」
「起きろぉ!!!!」



「…して、どうして先生は私たちがここにいるって分かったんですか?」
ようやく目を覚ました(言葉を変えると、『叩き起こされた』だが)こなたと、私は黒井先生と話す。
「泉の父から朝、電話があってな」
(朝まで気付かなかったのか…)

「柊妹に電話したら寝ぼけながら、『お姉ちゃんはこなちゃん家に行ってるよ~』って言っててな。そうやないこと伝えたら、驚いてたで。でその後、ここに携帯探してる聞いて」

「そうなんですか…大変だったんですよ!こなたとこんなとこに閉じ込められて!お腹空いたし、寒かったし!」


「でも、かがみがさぁ、私のほっぺたさわって温めてくれてさ~、私ドキドキしちゃったよ~」
こなたは両手を頬に当てて嬉しそうに言った。

「こなたぁっっ!!!  …だ、だからそれは違うんですっ!!!こなたが凍えちゃダメだから…」
「ほぉ~~、やっぱりお前らそういう仲やったんか…んで、ウチにのろけ話聞かせてると…」

殺気を感じた。

そこでこなたが言う。
「黒井センセ、決してワタクシらは先生が一人身なのを知ってて、わざと仲良しを見せつけてるわけじゃありませんヨ?」

「そんなのうちぜんぜんきにしてへんで」
棒読みキタ。


「かがみん、私もうちょい寝る~」
こなたは、私のひざの上に寝転んできた。
「ちょっとぉっ!!バカ!!やめてよっ!!もおっ!!!」


「ウチは邪魔みたいやから出て行くで」


して、黒井先生は出ていった。


体育館の扉を『しっっかり』閉めて。




今日の昼食の時間。
結局、私とこなたはそのまま授業を受けるハメになってしまったのだ。

「昨日はこなちゃんと何してたの?」
「んー、昨日一晩…かがみに抱かれちゃった☆」
「ええっ!!?」
「誤解を招くような言い方するなっ!!」
「そ…そうだったんだ。お姉ちゃん、こなちゃん、おめでとう。がんばってね」
「何が!?」

「…でね、もう!大変だったんだから!こいつとずっと閉じ込められるなんて!」
「でもかがみが携帯探すって聞かないから」
「あ…それは…まあ、ごめん…」
「ではかがみんや。今日もゲマズ付き合ってもらうよ☆」
「はあ…私は早く帰りたいってのに…」
「いいじゃ~ん、一夜を共にした仲じゃん」
「だから誤解するようなこと言うなってぇ~!!!」

「あ、あの、かがみさん…泉さんと一夜を…」
みゆきが顔を赤くして聞いてきた。

「いや、そのっ、だからそれはっ!!」
「ウソじゃないよネ?」
「…う、ウソじゃないけどっ…!!そ、そういう意味じゃ…」
「…そ、そうですか…私はお二人をことを応援させて頂きますよ…?」
「だから違うって~!!」
「お姉ちゃん、ガンバ☆」
「古いわそれ!」

そして、またいつもの日常に戻っている私たちだった。



ちなみに。今日の世界史の授業、私は黒井先生に4回も当てられた。そこまで悔しいですか先生。


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  • 一晩ならトイレ位大丈夫でしょ。
    それと、「排泄する」と言う事実もひっくるめて愛せてこそいっちょ前だってばっちゃんが言ってた。 -- 名無しさん (2012-12-01 16:23:08)
  • 黒井先生おもしろいです♪ -- かがみんラブ (2012-09-15 01:21:53)
  • ↓つかさはトイレ行ってたよ。 -- 名無しさん (2012-07-24 10:03:38)
  • え?らき☆すたのキャラはそうじろう以外トイレなんて行かないよ?
    きっとオナラもしないさwアイドルだものwww
    -- 名無しさん (2010-08-03 02:57:41)
  • なんでトイレの話題で盛り上がってるんだよw これすきで定期的に読みに来てます GJです -- 名無しさん (2009-08-13 10:45:50)
  • でもトイレと倉庫はつながってなくね?笑 -- 名無しさん (2009-08-13 08:15:16)
  • 俺の行ってた中学には、体育館にトイレあったと思う -- 名無しさん (2009-08-13 02:26:26)
  • ト…トイレはたまたま
    催さなかっただけづすよ!
    きっとそうですよ!? -- 無垢無垢 (2008-10-25 16:04:21)
  • ↓のコメ見た瞬間変な妄想が・・・ -- 名無しさん (2008-09-03 22:48:03)
  • ト・・・トイレは・・・? -- 名無しさん (2008-06-13 11:46:52)

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