そんな季節

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こなた風に言うのならそのフラグは一体いつ立てられたのか。




恋の始まりなんてものは曖昧
とかく恋とはそんなもんじゃないかい?




最近聞いた曲にそんな歌詞があった。
まさにその通りだと思う。フラグがどこにあったのかは知らないけど
自分でも知らない間に想いは大きく、強くなっていって。
…恋愛経験が無いであろうこなたにすらバレてしまうくらいには。




こなたにやろうと誘われた格ゲーは一方的な私の敗北の内に終わり、
私たちはリビングに移動してこたつの暖かさに身を任せていた。
他愛のない会話も途切れ、部屋には時計の音だけが聞こえていたけれど
それを苦痛だとは思わなかった。
むしろ、空気みたいにそこにこなたが居るというだけで
心が安らいで、まどろんでしまうくらいだった。



「ねぇ、かがみ?」
突然だった。無言の空間を打ち消したこなたの声に、天板にぺったりと付けていた
顔を上げ、正面に居るこなたを見据える。
「なに?」
こたつに長い間入っていたせいで水分が欲しい。すっかり温くなってしまった
紅茶を口に含んで喉を潤す。



「かがみさー、私に言うこと、ない?」



どきり、と心臓が音をたてた。知られてるはずないじゃないか、と自分に
言い聞かせてみるものの、私に思い当たることと言えば一つしかない。



“こなたが好き”



随分前に自覚した想い。だけれど私は伝えるつもりはなかった。
…このままの距離が居心地良くて。伝えたところで、こなたが私に応えてくれるなんて
保証はどこにもないし、この距離を崩したくはなかったから。



「……っべ、べつに、無いわよ」
「…ふーん?…かがみってば解りやすいからね。バレバレだよ?」



私と同じように頬をくっつけていたのを離して、チェシャ猫みたいなにまにま顔を私に向ける。
アホ毛まで、楽しげにぴょこんと揺れた気がした。



「私としてはいつ言ってくれるか楽しみにしてたんだけど。
かがみってばあんまりヘタレだから、待ちきれなくなっちゃった」
え、それってどういう意味?そう聞く前に視界からこなたが消えて、代わりに
ごそごそと足元に何かが動く気配。




「っひゃ!?」
こたつの中を通って、こなたが私の足の間から顔を出して
そのままお腹の辺りに抱き着いてくる。
「冬ってさ」
またも唐突なこなたの言動に、聞こうとしていた言葉が消えていった。
「ぬくもり…というか、人肌が恋しくなる季節だよね」
「……ま、まあ……」
「で、今かがみだけにぬくもりのプレゼントサービス中だけど…どう?」
ずりずりこなたがはい上がってきて、私の足を挟んで膝立ちになった。手は肩に置かれていて、
身長差のせいでこなたの顔がちょうど私の顔の位置になる。



「こなた……」
深いことはもう何も考えられず、自分の想いに忠実になって
私はこなたの頬に手を添えて、ゆっくりと顔を近づけた。



「すとーっぷ!」
すっかりその気になっていた私の唇の前に両手を出されて、初めてのキスは遮られてしまった。
「……なんで」
少しだけ、非難の色を込めて問い掛けてこなたの手を外すと、相変わらずのニヤニヤ顔。
…ろくな事を考えてない時の顔だ。



「してもいいけど、肝心のことを聞いてないよ?」
ほら、やっぱり。
途端に顔が熱くなる。これはこたつの熱さのせいだけじゃないはずだ。
「……わ、かってる、くせに」
「言わなきゃ解んないよー?ちゅーもおあずけだよ?」
僅か十数センチ先のぬくもりと、おそらくふにふにとしているであろう
感触の誘惑に負けて一つ唾液を飲み込んだ。



「…こな、た…すき…」
「よく言えました」
こなたの手がするりと頬から肩、そして首へと移動して
ゆっくり体が倒れて来る。それを受け止めるように、私もこなたの背に腕を回してキスをした。
いや、この場合、されたの方が正しいのか。
唇が離れる度に、ちゅっと微かに音が聞こえて、顔が羞恥に赤く染まるのが解る。
「…っ…はぁっ……」
「ふふ、可愛いなあ、かがみんは」
私の髪を撫でながら肩に顎を乗せてこなたが呟く。



「…あんたは、どうなのよ?」
「ん?」
「私だってちゃんとこなたの口から聞きたい」
恥ずかしくてこなたの服の裾を掴むと少しだけ体を離してくすり、と小さく笑う気配がした。
鼻と鼻が触れ合うくらい近くにこなたの顔、そして満面の笑みがある。



「決まってるじゃん。大好きだよ、かがみっ!」




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  • 甘くてイイなあ…… -- 名無しさん (2010-05-18 20:38:07)

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