桃色妄想

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私――柊かがみは数日前から悩んでいる。
対処法も、見付かっていない。



はあ、とため息をついて、クッションを抱きつつ横に置いていたラノベを手に取った。
ラノベを読んでいても『それ』は起こるのだが、何をしていようと関係ないと
悟ってしまったからしかたない。
一昨日買ったもので、通常であればすでに読み終わってるはずの本の
しおりを挟んだページを開いて、なるべく深く本の世界に入り込むようにする。もちろん、
集中することで、いくらかでも『それ』が起きないようにするためにだ。



“そして、振る舞われた食事を、具体的には豚の丸焼きや……”



読み始めてから何行もしないうちに唐突に『それ』はやって来た。
今回は“食事”と言うワードが原因らしい。




――出来たばかりの食事をテーブルの上に並べ、愛しい人の名を呼ぶ。
『こなたー?夕ご飯、出来たわよー』
『おぉっ!おいしそうだねぇ』
隣の部屋に居たらしいこなたが感嘆の声を上げ、椅子を引いてテーブルにつく。それを確認してから
私もエプロンを脱いでこなたの隣に座った。
『つかさに教えて貰ったメニューだから味は大丈夫なはずだけど…どう?』
『うん!とっても美味しいよ。かがみが作ってくれたからかな…』
頬を朱に染めて、恥ずかしそうに言うこなたが可愛過ぎて、悪戯心が沸いて来る。
『もっと美味しくなる食べ方、知ってる…?』
『え…何…?』
『……口移し』
反論が上がる前に、おかずを一口口に含んで唇を奪った。
一瞬、体がびくんと強張ったけどすぐに力を抜いて、少しずつおかずをかみ砕いて飲み込んでいく。
口の中に何もなくなって、こなたが体を離そうとしたけれど私はそれを押さえ込んだ。
今度は私がこなたの口内や舌を味わう番だ。
しばらくの間堪能してから唇を離すと、とろんとした目つきでこなたが私を見てる。
『…どうだった?』
『…甘い、よ…』
くすりと笑って顔を再度寄せると――




ってうわあああああああ!!!!
お、落ち着け私!!
頭を振って妄想を打ち消す。…これが目下の私の悩み。
どんな事象だろうと…その、こなたとの絡みが思い浮かんで来てしまう。
この間、世界史の授業中『カノッサの屈辱』という単語から
同人誌にしたら100ページは越えそうな長編を思い付いた時にはどうしようかと思った。本当に。



そんなこんなでラノベすらまともに読めないし、後に残るのは
友人に対する罪悪感と虚しさ。
…好き、なんだろうなー。…こなたのこと。
こんなことを妄想してる辺り、それは間違えようのない事実なんだろう。
…だけど、恋の始まりって言うのはもうちょっと…こう、甘酸っぱいものなんじゃないだろうか。




本日二度目のため息をついて、投げ出していたラノベを手にする。
とにかく、今はそんなことを考えていてもしょうがない気がする。
時計を見るとまだ少し時間があって、それを潰すために読書しようと
していたんだ、と当初の目的を思い出した。




“――リヴォルバーの抜き撃ちの練習をして、その後分解をして掃除をした。
シャワーを浴びて、服を着替えた。”



…シャワー…お風呂…。
ああ、もう駄目だ。止められない止まらない、某お菓子のキャッチフレーズの如く
もわもわとピンク色の妄想が溢れ出て来る。




――白い湯気がその部屋全体にかかっている。
それほど広くもない湯舟の中、いくら女の子同士だからとはいえ
二人同時に入れば自然、体は密着する。
『……っ……かがみっ…わ、私、体洗うね!』
それに耐えられなかったのだろうか。こなたがそう言って湯から出ていく。
湯に入る時に軽く汚れを洗い流しただけで、まだ本格的に洗ってはいない。
スポンジにボディソープを出し、泡立て始めるのを横目で見て
私も湯舟から出ることにした。
『…こなた…洗ってあげる』
『へ……?い、いいよ!!』
『遠慮しなくてもいいわよ』
半ば無理矢理スポンジを取って、長い髪を避け背中を擦る。
『気持ちいい?』
『………ん』
本当にそうなんだろう。猫みたいに目を細め、なんとも言えない表情をしているこなたに、心が疼いた。
『こっちも…』
『…っひゃ!!?かがみ…っ…前は自分てやるからいいってば…!』
『いいからいいから♪』
手を動かす度に震えるこなたに私も抑えが効かなくなって――




って、ふぉおおぉおおおおぉ!!!?
あっぶな…!またトリップしていたみたいだ。しかもさっきより激しくなっていた気がする。



「欲求不満なのかなー…」
考えたくない事態だけど冗談抜きでそうなのかもしれない。



「ほほー…かがみんってば欲求不満とは……むふ」



「んなっ!な、何であんたがここにいるのよ!」
「何でって…遊ぼうって誘ったのはかがみでしょ」



呆れたように言ってこなたが近くに腰をおろす。え?もうそんな時間?
慌てて時計を見ると確かに長針も短針も約束の時刻を指していた。
どれだけ空想に浸っていたのかなんてもはや考えたくもない。



「…それにしても、中々やらしい想像するねぇ、かがみんも。
私のこともあんまり言えないんじゃない?」



こなたが私の頭の上の方を見ながらにやにや笑う。



「う、うるさいっ!!っていうか人の妄想をナチュラルに見るな!!」
「いや、だってかがみだだ漏れだし」




ふと、こなたが笑いを収めて、妙に真剣な顔を作る。伏し目がちに俯くその表情に目が離せない。



「…でも、それはありえないよ…」
「………ぁ………」



忘れていた。いくらこなたがそんな漫画やゲームをしているからって
『同性趣味はない』って言っていたこと。
なにより、私はまだ自分の気持ちさえ伝えていない。それなのに友達にこんな勝手な
妄想をされて、気分がいいはずがない。
気持ち、悪いよね…。
浅はかな自分に自己嫌悪に陥って、謝るために顔をあげた。



「だって、私はこな×かが派だからね!!!!」
「―――――は?」



ぐっと拳を握り締め力強く言うこなたに顎がかくん、とはずれそうになる。
何を言って……?呆然としてる私に向き直ったこなたの目は輝いている。



「今からそれを証明してしんぜよう」
くふ、と喉を鳴らしたのは私の想像の中のしおらしい小鹿みたいなこなたではなく、
小鹿を仕留める狩人そのものだった。



それから、その日一日かけて嫌と言う程色々(体に)教え込まれた内容は……
ここでは相応しくない内容なので割愛させて貰おう……。



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コメント:
  • 「屈辱」と言うことは そういうプレイを妄想したんだな!?そうなんだな!?もちろんこなたは受けだよな!? -- 名無しさん (2012-10-11 17:57:51)
  • 見たかった〜! -- かがみんラブ (2012-09-19 23:04:21)
  • 100ページの大作…
    読み切る自信がある←← -- 名無しさん (2011-01-18 00:08:23)
  • カノッサの屈辱からどんな大作が生まれたか知りたいものですな。(=ω=.) -- 無垢無垢 (2008-12-01 21:35:55)
  • そうかwじゃあエ○パロで続きをry とりあえず面白かったw
    -- 名無しさん (2008-07-03 11:20:23)
  • 相応しくない内容ならば、R-18で書けばいいじゃない。 -- 名無しさん (2008-07-02 10:35:21)

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