あなたが傍にいてくれて

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第一印象は可愛い子だなって程度だった。
小さくも凛とした姿。小学生を思わせる仕草。
海を彷彿とさせるコバルトブルーの髪。翡翠のようなエメラルド色の瞳。
ぴょこんと飛び出るアンテナと、ちょこんと座る泣き黒子。
他の女の子とは違う独特の雰囲気と性格に、最初は振り回されて馴染めない感じだったが
時が経つにつれて、自然と私達の関係は『親友』と呼べるまでに親密になっていた。




気がつけば恋をしていた。
切欠はいつ? どんなところが好きなの?
そんなことを考える暇もないほどに、頭の中はあの子で埋め尽くされる。



いつもと変わりない光景が、他人の視点から見ているようにも感じた。
私以外の誰かと話すあの子、楽しそうに笑うあの子。
私の知ってる笑顔が、私の知らない笑顔が、私の知ってる声が、私の知らない声が……
私じゃない別の誰かに向けられている。
それだけのことで、私の体の真ん中には、ドス黒いどろどろとしたものが湧き上がる。



嫉妬。



嫌悪感を覚えた。誰でもない、私に対して。
依存するだけ依存しておいて、あなたの前では、言いたいことのひとつも言えない。
伝えるべき言葉は喉の奥で引っかかり、また体の中へと吸い込まれてゆく。
そんな自分が嫌いだった。素直になれない捻くれ者で、臆病者な『私』が……



だからこそ、光って見えた。
どんなに捩れた言葉でも、どんなに尖った言葉でも
やさしく受け止め笑ってくれる。
私の中の『私』を見てくれる。
それがどんなに黒くても、それがどんなに掠れていても
裏も表も黒も白も、綺麗も汚いも好きも嫌いも
それは全部あなただと。その全てが大好きなのだと。屈託のない、まっすぐな瞳で……



――そして私は、また恋をする



――あなたの中の『あなた』を知るたび、スキになる



だから、私は伝えたい。私の中で燻る、この気持ちを。
声に出して、あなたの耳に。




だけどきっと、また言えず仕舞いになるだろう。
私の中の『私』は、すぐに後ろに隠れてしまうから。
だから今日だけ、祈ってみよう。ねぇ神様……今だけ私に勇気をくれませんか?
たったひとことを伝えるだけの、勇気を…… 




――恥ずかしいけど伝えたい




――感謝とお詫びと……ちょっとだけ、愛を込めて




――大好きだよ……って




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  • 短いし、こなたとのやり取りもないけど、ふと思い出したように読みたくなる。
    かがみ→こなたの感情が見事集約されていると思いますね。 -- 下手の横好き (2010-08-22 21:38:13)

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