お泊り編「彼方より見守って」

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「……」
「……」

気まずさ、いや気恥ずかしさから来る沈黙。
今、私とこなたはみゆきの家の一室にいる。


「どうぞ、ごゆっくり♪」


みゆきはそれだけ言い残して、先程部屋を後にした。
残されたのは、私とこなた。
そして、高級そうな布団1つに枕2つ。

……無論、このことの意味が分からぬほど、
私もこなたも鈍感ではない。
みゆき、謀ったな……。

「……あ「あのさ!」」

いつぞやのように、声がハモる。
もしかしたら、私とこなたって心の中で通じ合ってる……?
……って、何考えてるんだ私。 落ち着け。

「ね、寝るまで少し話しよっか!」
「そ、そうね!」

こなたの提案に、間髪いれず同意する。
言おうとしていたことが同じなのも、ここだけの秘密。
双子のつかさよりシンクロしてるわね、私達……


それから、私達は色々な話をした。
出会ったときのこと、日常のこと、お互いの家族のこと……
好きな人の知らない部分を知りたい。
好きな人に自分のことをもっと知って貰いたい。
そんな思いから……。

気がつくと、夜も更けていた。

「あのさ、かがみ。今日の結婚式のことなんだけど……」
「……どうかしたの?」
「いや、その、急にお母さんの名前出しちゃってさ。
 だから、迷惑だったりとか……」
「そんなことない!!」
「……!」

思わず声を上げてしまう。

「あ! ご、ごめん……!
 ……その、こなたが真剣だったの凄く伝わったし、
 真っ先に伝えたかったのが、かなたさんなのも分かるから……。
 とにかく、迷惑だなんて思ってないからね!」
「かがみ……ホントにありがと!」

そう言うと、こなたは抱きついてきた。

「ちょ、こなた……」

私の胸に顔を埋めて、頬擦り。
こちらも、優しく抱き返す。

「お母さん、私達のこと見守ってくれてるかな……?」
「……大丈夫よ。私もお願いしたし……」
「そっか……そうだよね」

その言葉を聞いて、私はこなたから体を離した。

「え? かがみ……?」
「そ、その……ふつつかものですが、
 これからもどうかよろしくお願いします」
「あ……」

じっと見つめる視線の先のこなたは、顔を真っ赤にしている。
多分、私もやっぱり同じく真っ赤なんだろう。

「……ヘヘ、新郎に先に言われちゃったね☆」

こなたが、笑顔で応えてくる。

「誰が新郎よ、まったく……。
 新婦なら先に言いなさいっての」

私も笑顔で応え、こなたを抱きしめた。

「かがみ……お母さん……私、今幸せだよ……!」
「こなた……」

――――

(……よく、眠っていますね……)

抱き合って眠る二人を、優しく見つめる視線。

(かがみさん……こなたのこと、宜しくお願いしますね……)

朝日とともに、やがてその視線は消えていった。


――遥か空の彼方へ


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