けっ☆とう

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放課後。帰りの支度をしていると、隣のクラスから椅子が倒れるような音がした。
それに続いたどよめきの声。
嫌な予感がして、私は教室を飛び出していた。

「つかささん、そんなもの破いてしまってください」
廊下を猛ダッシュしていると、みゆきの声が聞こえた。
教室に飛び込んだ私の目に映ったのは、異様な光景だった。
興奮して泣きべそをかいているこなたの両手を捕えて、机に押さえ付けるみゆき。
こなたの視線の先には、何かを手に持っておろおろとみゆきを伺うつかさ。
それを取り囲み、好奇の目を向けるギャラリー。
こなたが、泣きべそ…?泣いてる…?
「………なにやってんのよ…あんたたち…」
思ったよりも低い声が出て、自分でも驚く。
クラス中に怒りの視線を向けると、みゆきとつかさ以外のギャラリーはおずおずと教室を出て行った。
「なに、やってんのよ…!こなた、泣いてるじゃない!」
怒鳴りながらみゆきに近付く。
みゆきはこなたの喉元を指先で撫でながら、悪びれない表情で言った。
「かがみさんには関係ありません。泉さんに、少しお仕置きをしていただけですよ」
みゆきの眼鏡が飛んだ。一瞬遅れて、私の左手の掌に熱が走る。
カッとなって、気付いたらみゆきの頬を張っていた。
「相変わらず乱暴で、恐ろしいですね…かがみさんは」
緩慢な動きで眼鏡を拾いあげたみゆきは、つかさに首を振ってみせた。
つかさはやっぱりおろおろしながら私を一瞥すると、持っていたものを机に置いて、みゆきに続いて教室を出て行く。

みゆきから解放されてしゃがみ込んだこなたは、しゃくり上げて泣いていた。


「こなた…落ち着いて…」
「やっ、やだ、よっ…、な、でっ、そ…なっ…!」
私の声が聞こえてないのか、それとも私に気付いてさえいないのか。
こなたは苦しそうに鳴咽する。
「…落ち着きなさいっての」
抵抗しようとするこなたを無理矢理抱きしめる。
腕の中でもがくこなたの振り回された腕が鼻にヒット。痛い。鼻血出そ…。
でも構わずに、私は小さな体を抱く腕に力を加える。
伝わってくる鼓動は、踏切の警笛のようだ。
いつもより高い体温。喘ぐような呼吸。温かい涙が、私の体を暖める。

しばらく抱きしめていると、落ち着いてきたのか、
私が危害を加える気がないことがわかったのか、こなたは両腕で私の体にしっかりとしがみついて来た。
子供のような動作に愛おしさを覚えて、頭を撫でる。
頬っぺたをこなたの頭に乗っけて、頬ずりする。

こなたが泣き止むまで、そうしていた。

「あったかいね。かがみは…」
こなたが胸元でくぐもった声を上げた。
「ん…落ち着いた?」
「うん、かがみの匂い…かがみの心臓の音…かがみの掌。すごく、安心した」
「ばっ、恥ずかしいことを言うな!」
「だって、本当のことだもん…」
そう言ってこなたは私の襟元に頭を擦り付けてくる。
「こ、こら!くすぐったいから止めれ!」
「…どうしよう」
突然こなたが真剣な眼差しで見つめてきた。
さっきまで泣いていたから目元が赤くなってしまっていて、なんだかかっこ良くないけれど。
「私、さ」
「なによ?」
「私…やっぱりなんか…すごく。かがみのこと、好きみ…ぶふぁっ!」
重大な事を言いかけて突然吹きだしたこなた。私は呆気に取られる。
「か、かがみん…鼻血出てる」
「なっ!?」
慌てて鼻の下をこすると、パリパリという感触。
さっきのこなたの一撃を受けて、ちょっと出血していたのが乾いたらしい。
「…」
「…」
「いや、その…ごめん。かがみ…」
はぁ、とため息を吐く。
かっこついてないのは私も同じだったらしい。
「それで。こなたは、鼻血出てることに気づかないかっこ悪い私でも…好き?」
照れ隠しにちょっと意地悪に問いかける。
「…大好き」
また泣き出しそうになってるこなたを、さっき以上に優しく抱きしめて。
「私も、大好き。大好きだよ、こなた…」
この先は私とこなただけの秘密なので暗転。



「…なるほどね」
事の発端である、つかさが手に持っていたもの。
私とこなたの、ツーショット写真。
自分で言うのもなんだが、お似合いのカップルのように仲良さそうに写っている。
後で焼き増し頼もう。
「珍しく家で宿題やったら、ノートに挟まったみたいで…」
それがぴらっと落ちて、見つけたみゆきが乱心したらしい。
「慣れない事はするもんじゃないよね」
「いや、そこは慣れとけよ」
突っ込みつつも考える。
もしかしたら、みゆきもこなたのことが…。
いくら私のこなたを泣かせたからといって、いきなりビンタはまずかった気がしてきた。
ごめん、みゆき。
でも。
「大丈夫。何があっても私がこなたを守ってあげるから」
「…やっぱりかがみんは、武士みたいで男前」
軽口叩きながら真っ赤になってるあんたは、素直じゃなくてかわいい。
なんて。こなた曰くツンデレの私には言えなかった。


「ただい(ry」
「お姉ちゃああああああん!」
玄関を開けたら2秒でつかさ。
どっすんと音が鳴る勢いで抱きついてきた。
「あんたは私が憎いのか…」
「ご、ごめんね!お姉ちゃんごめん!」
はぁ。おっと、またため息吐いてしまった。
今の幸せはツワモノだから、これくらいじゃ逃げないだろうけど。
「私の部屋で話そう。ここじゃちょっと」
「う、うん」
玄関開けっ放しでは、流石にね。

「それで。みゆき、なんか言ってた?」
つかさからは言い出しにくいだろうから、私から話を振った。
「…ゆきちゃん、あの後泣いてたの」
「あちゃぁ…」
やっぱり、みゆきもこなたのことが…。
「それで、その後急に笑い出して」
「えっ!?」
「かがみさんにお伝えください。私、諦めませんから♪って…」
「えええっ!!?」

こなたがみゆきに襲われたり(性的な意味で)
かがみに守られたり、慰められたり(性的な意味で)
つかさがみゆきに襲い掛かったり(性的な意味で)
するのはまた別のお話。

終われ


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  • 続きが読みたい…← -- 名無しさん (2010-05-28 02:21:37)
  • さすがミウィーキーマウス -- 名無しさん (2009-12-30 09:36:22)

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