後編「幸せはいつも傍に」

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その日は朝早く目が覚めた。
すぐに、昨日の出来事を思い出す。
夢……ではない。

身支度を整え、部屋を出る。
つかさはまだ寝ているようだ。

お母さんとお父さんには委員会があると適当な理由をつけて、
早めに家を出ることにした。

「行ってきます」

そう言って、家を出る。
学校行ったら、こなたに謝らないと……。


「かがみ」


『その人』はそこにいた

「こな…た……!?」
「かがみ。その……」

「き「昨日はごめん!!」」

とっさに謝ったが、こなたの声に被ってしまう

「あ……その、いきなり電話切ったりしてごめんね……」
「こっちこそ、調子に乗りすぎちゃってごめん……
 ……つかさは一緒じゃないんだよね……?」
「まだ寝てると思うけど……」
「……じゃさ、ちょっと2人だけになれる場所行こ……?」
「え……!? う、うん……」

私達は、通学路の途中にある公園に立ち寄った。
朝早いせいか、人気はほとんどない。

「その……昨日のことだけどさ……」

こなたが話を切り出す。

「ホントにゴメンよ。かがみの気持ちも考えずに、つい……」
「そのことは、もういいのよ。私も大人気なかったしね」

こなたにしては、随分気にしてるみたいね……よし!

「ほら、らしくないぞ!
 いつもみたいに笑って冗談の一つでも言ったら?」

そう言って、私はポンと肩を叩いてやる。

「……うう、かがみぃ~!!」
「え!? ちょっと……!!?」

予想外の行動――突然、こなたが泣きながら抱きついてきた。

「かがみはやっぱり優しいよ……。
 いつだって、私のこと心配してくれて……
 気に掛けてくれて……
 私、それに甘えてばっかりだよね……」
「そんなこと……」

……確かに、こなたは普段明るく振舞っていて、
私達の中でもムードメーカー的な存在になっている。
でも、きっとそれは孤独感の裏返しなんだろう。

いつか『社交性ゼロの自分の心配をしなさい』と言ったとき、
そして、母親が他界して既にいないと聞かされたとき、
彼女はおどけて何でもないように振舞っていた。
でも、私にはその表情がとても寂しげなものに思えてならなかった。

今にして思えば、彼女を一人に・孤独にさせまいと
無意識に私は奔走してきたのかもしれない。
気がつけば、毎日こなたのクラスへ行ってこなた達と談笑し
行きも帰りもいつも一緒だった。

「こなた……」

私にしがみついたまま、泣きじゃくるこなた。
昔、つかさもこうやって泣きついてきてたっけ。
思わず、その時のように抱きしめて頭を撫でてしまう。

「あ……」
「落ち着くまで、こうしててあげるから……」
「かがみ……ありがと……」

……どうしてだろう。
こうやってこなたを抱きしめている時間が、
とても幸せなものに感じられた。

いつしか、春風が吹き抜けていき
幸せな時間も終わりを迎える。

「かがみ、ありがとね」

そういって、こなたが離れる。

「もう、大丈夫だから」
「良かった……」

こなたに少し笑顔が戻る。
それを見て、私も微笑む。
もう、心配ないかな?

「かがみ、もう1つ大事な話、聞いてくれる?」

また、こなたの表情が真剣なものになる。

「え、うん?」
「私……あの後色々考えてさ……
 気がついたら寝てて、そんで夢見てたんだよね」
「夢?」
「そ、夢。春にコンサートに行った時の。
 内容もそのまんまなんだけどね」
「それって、あのアニメのコンサート?」
「そそ、それそれ。
 あのコンサートの後さ、何か私、惚気てたじゃん」
「ああ、祭の後の脱力感って私も言ってたっけ」
「私も最初はそうだと思ってた……。
 コンサートだってホントに感動したしね。
 ……でも、本当は違ったんだ……」
「え……?」

私をじっと見つめるこなた。

「あの時かがみ、席を替えてくれたよね?
 それだけじゃなく、何も言わずに
 朝から並んでくれたし……」
「……」
「コンサートの時だけじゃないよ。
 いつも私のこと気に掛けてくれてて
 ホントに、本当に感謝してる。
 誰よりもかがみには感謝してるから……!」

面と向かって、正直な気持ちをぶつけてくるこなた。
気恥ずかしさで、思わず顔を逸らしてしまいたくもなった。
でも、こなたが真剣に話してくれている以上、
それはできない。

「それで、やっと分かったんだ、あの時の気持ちが……
 今ならかがみに言えるから……!」

私は、一生この時の言葉を忘れることはないだろう。
こなたが発したその言葉を――


   「私は、かがみのことが、好き!!」

   「……!」

心臓が高鳴るのが自分でも分かる。

「気がついたの、あの時の気持ちはかがみへの恋心だって……。
 昨日みたいな軽い気持ちとかじゃなく、本気だから……
 だからかがみの気持ち、もう一度聞かせて……!」

私の気持ち……いや、今更何を迷い、
考える必要があるんだろう。
既に分かってたはずなのに。

「私も……私もこなたのこと……
 こなたのことが好き……!」

そう言って、こなたを抱きしめた。

「かがみっ……!」

再び訪れる幸せな時間。
何もかもを忘れて、
ずっとこのままでいたいくらいに幸せな……


いつまでも抱き合っていたかったが、
やがて現実に引き戻される。
公園を後にし、二人で学校へと向かうことにした。

「……かがみってさ……」
「何?」
「デレると凄く可愛いよね!」
「……もう、馬鹿……!」

いつもらしさを取り戻してきたこなたを見て
思わず笑みがこぼれる。

「かがみ、今日の放課後暇?」
「うん、特に用事も無いけど……?」
「じゃ、デートしよっか!」
「えっ!?」
「と言っても、ゲマズとかに
 寄り道するだけなんだけどね」
「結局いつも通りじゃないの……」
「そうだ! 手繋ごっ!!」
「ちょ、ちょっと!? 恥ずかしいわよ!」
「照れてるかがみん萌え~☆」
「じ、自分だって顔真っ赤じゃないの!!」
「えへへー♪」

全く、いつもこの調子なんだから。
でも、そんなこなたに私も惹かれたんだけどね。

「かがみ~、もう一つだけわがまま言っていいかな?」
「今度は何よ?」
「その……き、キスしていい……かな?」
「え? ええ……!?

こなたが顔を更に真っ赤にする。
きっと、私の顔も同じようになっているんだろう。

「え、えっと……その……」

人気が少ないとはいえ、ここではさすがに恥ずかしい。
それに、こなたにばかり主導権を取られたくないという思いが
私にある考えを閃かせた。

「……そうね……いいわよ」
「かがみ……いいんだね……?」

「た・だ・し!」
「……?」
「ゲームの中で、ね♪」
「え? ええーーーー!?
 そりゃないよ、かがみん~!!」
「昨日怒らせた罰よ。
 ゲームの中ならいくらでもしてあげる」
「お預けなんてあんまりだよ、かがみー……」

落ち込むこなたに、私はそっと囁く。

「……でも、いずれは、ね……」
「……!
 もう、その不意打ちも反則だよ、かがみ!」

顔を真っ赤にして抗議してくるこなた。
ころころ変わる表情も、いつも以上に愛おしく感じてしまう。
これが、こなたの言う『萌え』なのかな?

「でもそれって、ゲームでなら遠慮なく
 キスも新婚旅行も二人で迎える初夜も
 OKってことだよね?」
「しょ、初夜って!?
 あのゲーム、そんなのまであるの!!?」
「いや、ないよ。
 ……あれれー、かがみんもしかして
 変なこと想像しちゃってた?」
「う、うるさいわね! あんたが言い出したんでしょ!!
 大体、あんたがいつもその手のゲームやってるから
 こっちも誤解しちゃうんじゃない!」
「恥らうかがみ萌え☆」
「こなた!」

桜の舞う道でこなたを追いかける。

願わくば、私と私の愛する人との
幸せな時間、幸せな日々が
いつまでも続きますように……。

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コメント:
  • 恥ずかしがってるかがみん萌え~ -- チョココロネ (2013-11-15 23:44:20)
  • 幸せ空間万歳 -- 名無しさん (2012-12-16 10:26:52)
  • 仲直りできて良かったね〜♪ -- かがみんラブ (2012-09-17 22:47:17)
  • ムフフフ・・・
    たまりませんなぁ・・・ -- 名無しさん (2012-02-07 17:59:17)

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