プレゼント

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一人、自習室で勉強をしていたせいで下校するのがすっかり遅くなってしまった。
窓の外は既に真っ暗。
薄暗い廊下にも周りの教室にも人影はない。
あまりに静かで寂しい風景に思わず、溜め息を吐きたくなる。
やれやれ・・・自分で言うのもなんだけど、何とも寂しいクリスマスイブだこと。
まぁ、みんなクリスマスパーティーやらケーキ作りやらで忙しいみたいだし、
私も家に帰って勉強するだけだから別にいいんだけど・・・。
そういえば、こなたはアキバでクリスマスセールがどうのこうのとか行って、HR終わったらダッシュで帰ったってつかさが言ってたっけ。
ったく、高校最後のクリスマスイブだってのに何だかなぁ・・・。
そんな風に軽いネガティブな思考でテンションをどん底まで下げながら、昇降口の扉をくぐる。
吹き付けてきた木枯らしで今度は身体の芯まで凍りついた・・・。

夜空を見ながら家までの道を歩いている時、流れ星が光ったのが目に入った。
おっ、珍しい。
ちょっと得した気分。
前に流れ星を見て、喜ぶこなたやつかさをからかった事があったけど、実際に見ると嬉しいもんだ。
特に今みたいにちょっと寂しい時はね。
もう見えなくなったけど、どうせだから願い事でも祈ってみようかしら。
うーん、そうねぇ・・・大学合格? 彼氏ゲット?
ううん、違うわね。
それなら、こなたから心の籠ったプレゼントの方がいいな。
それで、プレゼントのお返しに私が告白しちゃったりなんかして・・・。
      • いやいやいや。待て待て待て。
ありえないし、妄想しすぎだし、現実的じゃないし・・・。
それに贅沢言い過ぎよね。
第一、お願いしたところで叶うはずもないんだし。
つまらない事考えてないで早く帰らな・・・
「グヘへへ、お嬢さん、夜道に一人で歩くのは危険だよ?」
「きゃっ!!」
いきなり、後ろから怪しげな声。
思わず、心臓が口から飛び出そうになった。

飛び上がった後、恐る恐る声の主に振り返る。
赤い帽子。赤い服。赤いズボン。
ぱっと見ただけだとサンタの格好をしている変質者にしか見えない。
だけれど・・・。
私よりも低い身長。見覚えのあるほくろ。手に持っているアニメショップの紙袋。
「・・・こなた?」
「メリークリスマス、かがみん。驚いた?」
ニヤニヤと笑いながらこなたは帽子を脱ぐ。
暗がりになびいたボサボサの髪がいつもより綺麗に見えた。
「・・・あ、あんた何してんのよ?」
「いやぁ、かがみんにプレゼント渡そうと思って、わざわざバイトの衣装着て待ってたんだけど、
かがみんってば私に気付かずに通り過ぎちゃうんだもん。酷いよまったく・・・」
「私に・・・プレゼント?」
「うん、ハイこれ。私が厳選したマリみてのラノベセット。これでお正月も安心だね」
差し出された紙袋を受け取るとズシリと重かった。
      • あれ、なんでだろ?
いつもならこんなもの貰っても、すぐに突きつけ返すのに・・・。
もっと普通の紙袋に入れて来なさいって、文句を言うのに・・・。
オタクらしいプレゼントだって、バカにするのに・・・。
「かがみん? どったの?黙っちゃって?」
「な、何でもないわよ!!」
「うん? 何か鼻声じゃない?」
「何でも無いってば! それよりほら、帰るわよ!」
「えっ、あ、ま、待ってよかがみん!」
こなたに気付かれないように、大股でズンズンと歩き出す。
頬を伝う何かは、冷気に当たって冷たいはずなのに、どうしてだか暖かく感じる。
「ねぇ、こなた・・・」
「何、かがみん?」
「・・・私もあんたにプレゼントがあるから」
「えっ?! 嘘?! マジで?!」
大マジだ。
自己満足なプレゼントかもしれないけれど、こなたに受け取って欲しいモノがある。
ホントに自己満足なモノだけど。
「こなた、プレゼントありがとね・・・私ね、実はずっとずっとこなたのことが・・・」

<END>









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