かがみにこなかがスレを見せてみた

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ちょっとかがみにこのスレ見せてくるわ(5スレ目363氏より)

(という訳で)実際に見せてみた。(vo.中江真司)


 最近こなたが変だ。
 休み時間こなたのクラスを覗く度に、こなたは携帯をいじりながらひたすら頬を緩ませ
ニヤニヤしている。
 初めは何か面白いメールでも読んでいるのかなと思っていたのだが、それが毎時間、
毎日となると話は別だ。

 …なんで毎時間隣のクラスを覗きに行くかって?
 た、たまたまよ、たまたま。ちょっとした用があったり、遊びに行ったり、
移動教室の時になんとなくこなたのクラスの前を通ってみたり…。
 って、まあそれはとりあえず横に置いておくとして、最近では時々何かに
悩むかのように頭を抱えたり、「あー!自重しろ私!!」と自分で自分の頬を
つねったりしている。
 今日などは携帯を片手に机につっぷしていた。アンテナのしおれ具合からして
どうやら凹んでいるらしい。

 あいつの情緒をあそこまで乱すメールの差出人、それは一体どこの誰だろうか?
 頭の中にいるこなたの友人やわたしの知り合いの名前と顔を思い浮かべるが、
当て嵌まりそうな人物はいなかった。
 第一、こなたはついこの間「あちゃ~私の携帯のメールボックス、かがみんからの
メールが貯まっていっぱいになっちゃったよ」と苦笑しながら画面を見せてくれたばかりだ。
(実際、こなたの携帯の画面と自分の送信ボックスを見て、少しだけ自重しようと思った)

 ひょっとして別の専用フォルダでもあったのだろうか?
 そう考え出すとつかさが『誰か』(多分みゆきだと思うけど…そういえば以前
見せてもらったあの子の受信ボックスもみゆきからのメールでいっぱいだった)からの
メールを待ちきれずに何度も携帯の開け閉めを繰り返す姿が頭をよぎった。

 …あれ?何やら無性にもやもやしてきたぞ。
 いや、イライラの方が正しいかもしれない。
 理由は…謎だ。こういう訳のわからない苛立ちを抱えたままというのは精神衛生上
あまりよろしくないので、早速こなたを問い質すことにした。

「ちょっと、こなたどうしたのよ? 具合でも悪いの?」
 まずはジャブ。

「うぅ…聞いてよかがみん…酷いんだよこの人…」
 顔を上げたこなたの目には涙が滲んでいた。
 あう…カウンターを食らってしまった。
 どこの誰かは知らないけれど、わたしのこ――友達にこんな表情をさせるなんて…
渾身の右ストレートをおみまいしてやりたい。

「見てよこのSS…」
 SS?それは何かの暗号なのだろうか?
 差し出されたこなたの携帯の画面を見るとどうやら何かの掲示板のようだ。
 画面に溢れる文字を流し読みすると、どうやら短編の物語のことを意味するらしい。

「これがどうかしたの?」
「うー、この話が私の心を傷つけたんだよ」
 話を聞くと、どうやらこなたは今某巨大掲示板の中の好きなアニメだかマンガだかを
語るスレッド(ええっとスレッドっていうのは……ってわたしもよく知らないんだけど、
テーマ別に話題を語るための小さな掲示板のことみたい)にはまっているようだ。
 そのスレ(スレッドの略)にはSSという二次創作の短いお話も時々投稿されていて、
初めは流し読み程度だったこなたも今ではそのスレを読むのを楽しみにしており、毎日
時間が空くたびにチェックしていたという訳だ。
 どうやらそのスレのSSを読み始めたきっかけは、わたしが勧めるラノベを読むために
文章を読むとことに慣れようと考えたかららしい。
 うむ、愛いやつめ。

「それで…そのスレの会話やSSを見てニヤニヤしたり凹んだりしてた訳ね」
「うん…」
 メールなどではなかったことにちょっとだけホッとしながら、そのスレッドとやらを
読み始めた理由に嬉しくなる。

「で?何?原作無視した下手くそな自分設定ありありのSSとやらでも読んだの?」
「うーん、そういう訳じゃないんだけどね。ここの職人さんは結構レベル高いし」
「じゃあどうしたのよ?」
「…まあとりあえずかがみは読むの早いからちょっとこのSS読んでみてよ」と言われて
差し出された部分に目を通す。

ふむふむ…。

>>234
こうですか?><

「うわっ?!なんでこのSS、登場人物の名前がわたしとあんたなのよ!!」
「いや…かがみ、ちゃんと名前の部分よく読みなって」
 そう言われれば確かに『そなた』と『かなみ』という名前だ。ううっ…恥ずかしい。


 ああっ、また脳内でつかさの『どんだけー』と言う声が聞こえる…。

 え、え~っと…要約すると高校時代からの親友だった女の子二人が成長したという
設定で、かなみという片方の女の子は普通に結婚。でももう一人のそなたという女の子は
かなみのことを想いつつ、親友として傍にいるという話だ。
 特に文章や構成が上手い訳ではなかったが、かなみがそなたの気持ちに気付いていないこと…
それが何とも救われない気持ちにさせた。

「でも…なんであんたがそんなに凹むのよ? 確かに救われないオチだけど
大した話じゃないじゃない?」
「うん…まあね…でもさ、アニメの中の二人は本当に仲が良いんだよ? まるで
その人の代わりがいないみたいに」
 こなたはそこでちょっと遠くを見るように窓の外に顔を向けた。

「…だからさ、なんか将来その片方にその子以外の大事な人が出来るなんて想像出来なくて。
まあこの『そなた』ってキャラがちゃんと自分の気持ちを伝えないのが悪いんだけどね」
 そう言って『こなた』は笑った。その笑い方はいつものこなたのものとは
全然違っていて、わたしは何故か胸が痛んだ。

「大丈夫よ」
「え?」
 わたしは努めて明るく言った。

「そのSSは話を書いた人がそのキャラクターのことをよくわかっていないだけよ。だから大丈夫」
「でも…」
 まだこなたの顔はいつもの笑顔に戻らない。そのせいで『わたし』の口が勝手に動いてしまう。

「そのかなみとそなたってのは親友なんでしょ? だから本当の『かなみ』なら
きっとそなたの気持ちに気付くはずよ」

「――みは気付いてくれるのかな?」
 あ…ちょっとだけいつものこなたに戻ってくれた。
 それが嬉しくてわたしも笑う。

「間違いないわね。いやむしろ『かなみ』の方が『そなた』のことを大事に想ってるかも
しれないわよ?」
「どうかな~?原作じゃ『そなた』の方が実は『かなみ』を好きな描写があるんだよ?」
 こなたはそう言ってニヤリと笑う。
「ふふっ、どうかしらね?『かなみ』も負けてないと思うけど?」
 わたしも負けずにニヤリと笑い返した。

「むー、かがみは原作知らないくせに~。悪いけど私は原作読み込んでるよ?」
 こなたが腰に手をあてて、得意気に言う。

「確かにそうね、じゃあ今度その原作ってのを貸してごらんなさいよ。わたしが読んで
あんたの解釈を論破してあげるから」
 わたしも真似して腰に手をあてて、得意気に言ってみる。

 こなたを見るわたしとわたしを見上げるこなたの目が合った。

「「ふふっ」」
 わたしとこなたは同時にふきだし、顔を見合わせて笑い合う。

 こなたの瞳には笑っているわたしが映っている。わたしがそうであるように、
そのわたしの瞳にもきっと笑っているこなたの姿が映っていることだろう。

 瞳の中のわたしたちは見つめあったまま、まるで合わせ鏡のように此方(こなた)から
彼方(かなた)まで永遠に続いている。

 大丈夫だよ…こなたがずっと一緒にいてくれて、わたしの傍で笑っていてくれさえすれば
きっと大丈夫。

 わたしはこの確信にも似た安心感を伝えるため、こなたの頭にそっと手をおいた。

「ふわっ?!」
 こなたが驚いたような声をあげる。気のせいかこなたの頬は淡く染まっている。
 それ以上に自分の頬が赤くなっているのを自覚しながら、できるだけ優しく撫でると
こなたはくすぐったそうに笑った。




おまけ

「あの…かがみさ――」
「ゆ、ゆきちゃん!?今は話しかけちゃダメだよ」
「え?! ど、どうしてダメなんですか?」
(あうぅ、ゆきちゃん…ニブい!ニブ過ぎるよぅ…)
「ああいうふいんき(雰囲気)の時は話しかけちゃちゃいけないって、ハムラビ法典にも
書いてあるんだってば」
「でも…」
(もう…ゆきちゃんはこれだからアプローチするのも一苦労なんだよ~。でも
そんなところも好きなんだけどね)
「あの…? つかささん?」
「ううん! なんでもない! でももうちょっと待ってあげてね」

「ですが…もう休み時間は終わりですので…」
「ほえ?」

「おーい、おまえらー。とっくに授業時間なんやけどー?」



おまけのおまけ
(注意:かがみのアニメ語りありなのでキャラズレ嫌いな方ごめんなさい)

「はい、このアニメなかなか面白かったわよ」
「でしょ?ところでかがみは原作の四コマ派?それともアニメ派?」
「うーん、どっちも面白かったけどアニメオリジナルの話も良かったわね。
修学旅行の話とか」
「あーあれは大分スレでも物議になったんだよ。
『かなみもやっぱり男にときめいてしまうのか('A`)』って」
「うん、過去ログ読んで来たから知ってる。でもさ、みんなまだまだ甘いわよねー。
あれは、かなみが自分の中にあるそなたへの気持ちを強く意識するきっかけに
なってるんだって」
「『これって…やっぱり告白の呼び出しよね。修学旅行でってことは
ここぞってことだろうし…。あれ? どうして? どうしてわたしあんまり
嬉しくないんだろ…。それに…それにどうしてそなたの悲しげな顔が浮かぶの…?』
みたいな。だから待ち合わせのシーンでかなみはため息をついてるのよね。
ぐちゃぐちゃになった自分の気持ちと今から来る人の告白を断るために――
って何よ? 人の顔をまじまじと見て」
「かがみ…過去スレまで発掘するほどハマッてくれるなんて……お父さん嬉しくて
涙が出て来ちゃうよ」
「う、うるさい!あんたが勧めたんでしょうが!! …じゃあはい、これ」
「何これ?」
「フルメタの短編。せっかく読書の秋なんだし、SSで慣れたんならたまには
ラノベも読んでみれって」
「うぅぅ…分かったよ。
かがみがそこまで勧めるなら面白いんだろうし」
「よしよし! ちゃんと読みなさいよ。
感想も聞かせてね? ニブニブなソウスケの心情とかさ」


→拙作4スレ目436へ続く(小なた11に収録)


おまけのおまけのおまけ
「ところでなんでこのスレの人は全員『ひよりさん@お腹いっぱい。』なの?」
「あーそれは伝説の自重しない神様にちなんでてね?
そのスレでは自重しない人こそ神なんだよ」
「まさか一年生の田村さんとは関係…」
「ない……と思うけどね」


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