100%?アイアイアイ

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「おーっす、こなた。来たわよ」
「はろ~、かがみん。そのへんすわっててよー」

日曜の朝からこなたによびだされた私は、こなたのベットに腰掛けた。
それにしても、何の用かしら。つかさも誘う?ときいたが、一人できて欲しいと言われたし。
一応念のために宿題は持ってきてあげたけど。

こなたはパソコンの前でなにやらやっていたが、やがて音楽が聞こえてきた。
って、ちょっとまて! これは……

『だれ だれ だれが~? だれ だれ だれに~?・・・』

顔がすぐに真っ赤になるのが分かる。最近出した私のCDだ。

「だれ、だれ、だれが~♪ だれ、だれ、だれに~♪」
「ちょ、ちょっと!! 恥ずかしいから止めてよ~!」

思わず立ち上がり、真似て歌うこなたからマウスを奪うようにして曲を急いで止めた。
横ではこなたがニヤニヤしまくりだ。ゆびで私を突っつきながら、茶化してくる。

「かがみも大胆だねぇ。こんな歌うたっちゃうなんて」
「べ、べつにいいでしょ! 私がどんな歌っても」
「うんうん、そうだね。かがみは寂しがりやなウサギさんだもんね。うりうり」
「うっ、うるさぁい!! だれがウサギじゃぁ!」
「怒ったかがみんもまた萌え」

こ、こいつは……。あきれてものもいえん。
ため息一つして、再びベットに腰掛けると手近にあった小説を取り読みはじめた。

「まさか、これだけのために朝から呼び出したんじゃないだろうなぁー?」

本に目を通しつつ聞き返す。

「んーん、それだけじゃないけど。でも昨日聴いたらびっくりしちゃってね。
ところでこれってさ、男でもできたかな?かな?」
「そんなのいないわよ。そもそもどう聞いたら男になるんだか」
「えぇ~、だってどう聞いても誰かを想った歌だよね」
「うっ……そりゃまぁ……そうだけど」

歌詞を見ればそんなの一目瞭然だから、否定はしなかった。
声は自然と小さくなってしまったが。

「やっぱり~。で、誰なの、ねぇ~?」
「自覚がないのか……」
「へ?」
「だーかーら、あんたのことに決まって…はっ!」

術中に嵌まったことに気づいた時にはすでに遅かった。
やっぱり分かってて、意地でもわたしに言わせたかったようだ。あーもう!
見る見るうちこなたが小悪魔のような笑みを浮かべる。

「ふふふ、ひっかかったー。そかそか、やっぱかがみんは私のことがー」
「そ、そんなじゃないわよ! 別にあんたのことじゃぁ……」
「さっき私のことって言ったじゃん。ほらほら、照れるなくてもいいんだよ~」
「ほ、ほら。あれは、言葉のあやってやつでさ」
「往生際が悪いなぁ、かがみは。ブーブー」

なんとも楽しげにこなたがはしゃぐ。こっちはいつもどおり振り回されっぱなしだ。
そう、いつもどおりに。でも嫌じゃない。むしろ楽しい、私も。
こなたとのこんなやり取りが。

もうどうとでも言え、と一言残すと私はベットにたおれこみ読書にふけったが────

こなただって図星を突くまでもなく、歌詞の意味は分かってると思う。
私のこなたへの気持ち……想い。
本当なら自分の口から伝えればいいのに、そんな勇気がない自分がちょっと情けない。
今も思わず否定しちゃうし。

こなたは、私のことをどう思ってるんだろうか。
やっぱり、ただの仲の良い友達なのかな。あの曲聞いても変にしか思われないのかな。
そうだよね、女の子同士なんだし……

いまのこの関係が壊れるのが怖い。今みたいなやり取りがもうできなくなるのはいやだ。
そう思うと、どうしても踏み切れなかった。

────そんな考えが頭の中をぐるぐる回り、読書どころではなかった。

こなたもいつのまにか茶化すのをやめていた。普段ならもっと絡んでくるのに。
そして、私もそれをまっている。

「かがみ?」

不意に近くから呼ばれた。すぐ横にこなたが座ってた。
私は本を置いて起き上がり、こなたのほうを見る。
また茶化されるのかなと思い、苦笑しつつ答えた。

「どうしたのよ? まーだなんか言いたいことでもあるの?」
「かがみは、私のこと、好きだよね?」
「ま~た、何かのゲームのシチュエーションか?」


いつもの茶化しだと思ってたから。小生意気な受け応えしてくると思ったから。
下を向いているこなたの表情が伺えないが、私の一言は失言だったのはすぐわかった。

「そんなんじゃないよ。そんなんじゃ・・・・・・」
「えっ?」

そして私のほうを振り向き、真剣なまなざしで、でも目尻には涙をためて。

「私、かがみが大好きだよ……」

今にも消えてなくなりそうな細い声でつづけた。

「かがみって、いつも私と一緒にいてくれたよね。
私がかがみの分からないような話しても、いっつもいっつも宿題とか手伝ってもらっても、
かがみのことたくさんからかっても。それは仲のいい友達だからだと思ってた」
「うん……」
「でも、あの曲聴いてね……初めてかがみの本当の気持ち知ったよ。
かがみってすごいね。あんなに自分の気持ちを表現できるんだもん。
私なんて、ゲームゲームって……。」

こなたらしい良い曲よ、と思ったが言うのはやめた。
少なくとも今はそんな言葉望んでないだろうから。

「とっても嬉しかったよ、かがみの歌。でも恥ずかしくて、自分に自信なくて……
ほんとは、ちゃんと気持ち伝えたくてきてもらったのに、
いつもみたいに……ううん、普段も、だね。かがみのこと、わたしいつもいつも……
ごめんね……かがみ……」

謝られることなどされてない。行き過ぎと感じたことがなかったと言えばうそになるが、
それも含めてこなたからの私への感情表現だったんだし、それが嬉しかった。
それに、自信がなかったのは私だって……私だって……。

「こなた……」
「……かが…み…?」

言うが否や、私はこなたを抱きしめた。実際に小さい体がすごく小さく感じた。
こんなに震えて……いっぱい気持ち溜めてたんだ、ずっと。

「こなたは、いつもらしくしてていいのよ。それに、あやまらなきゃいけないのは、私のほうよ」
「えっ……」
「もっとはやく、こなたに私の気持ち、伝えてれば……
こんなに苦しい思いさせなくてすんだんだから……おそくなって、ごめんね……こなた」
「か…が…み…」

そして、ずっと言えなかった一言を、
優しく、はっきり聞こえるようにゆっくり、こなたに伝えてあげた。

「こなた……大好きよ」

涙でぼやけた視界で、でもはっきりと映るこなたの表情が
今まで見たことのない笑顔にかわっていく。

「……かがみ……好きだよ……かがみぃ」
「こなたぁ……」

しっかりと抱きついてくるこなたに応えるように私も抱き返す。
自然と顔が近づいて───

『ん……』

───どれだけしてたのか覚えてないけど……私とこなたの唇は重なった。

それからしばらく、今までいえなかった想いをお互いいっぱい語った。
その間こなたはずっと私にじゃれついてきた。私もこなたをいっぱい撫でてあげた。
私たちから自然と笑みがこぼれる。目は二人とも真っ赤だったけどね……

「でもさー」
「ん?」
「CDにしちゃうなんて、やっぱかがみんは大胆だよね~。」
「そ、それは……まぁ」

返す言葉がない。

「あれじゃつかさやみゆきさんも流石に気づくんじゃないかな。
みゆきさんは案外とっくに気づいてたかもしれないけど。」
「みゆきは鋭いからね。まぁ……ふたりにはいずれ説明しないといけないわね。
すぐってわけにはいかないけど」
「そうだね」

私たちの大事な親友(つかさは妹だけど)だから、ちゃんと伝えておきたい。
こなたも同じようでよかった。

「そういや、あんたの曲もきかせてもらったわよ。ほんと、らしいというか」
「いやいや、それほどでも~」

ほめるなほめるな~、と言うそぶりのこなたをよそ目に、
ふと歌詞から気になったことを聞いてみた。

「ところで、あんたの大切な『嫁』さんはどーすんのよ?」
「どうするって、今までどおりだよ。ゲーム上のことってお互い割り切ってるし」
「ふーん」

無関心を装ったつもりだったけど、バレバレだったみたいで。

「あれぇ? かがみ、もしかして妬いてる~?」
「う……」
「まったく、かがみんは可愛いなぁ~」
「やいてるわよ、悪かったわね!」

あたまをうりうり撫でてくるので思わず本音が出ちゃった。
こなたもいつもの調子に戻ってるし。

「さぁて、おなかもすいたし、お昼にしよ」
「いつの間にかもうそんな時間なってたのね」
「そのあとは、ショップめぐり~♪」
「ちょ、私、今日買うもんないぞ。お金もそんなもってきてないし」
「付き合ってくれる、んでしょ?」
「……しょうがないわね。いってあげるわよ」

───そう、いつもどおり。

ドアをあけて廊下に出ようとしたこなたが振り向き、笑顔で

「かがみがいちばん、だよ」

だからわたしも笑顔で。

「私も、こなたがいちばんよ」

───でもちょっとだけ、変わったいつもどおり。


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コメント:
  • CDにしちゃうなんて、やっぱかがみんは大胆だよね〜 激しく同感ww -- 名無しさん (2010-04-15 20:48:09)
  • 泣きました -- 名無しさん (2009-08-17 00:45:56)
  • nanndatadanokamika.
    -- (2008-09-29 18:22:34)
  • これまでで一番萌えたSSでした! -- 名無しさん (2008-09-28 22:18:41)

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