きっかけは、大体わかっていた。
生活の不摂生、ネトゲのやり過ぎ、徹夜でゲーム。
そこで生じたひずみが、一気に私に襲いかかっていた。
それは、『たちの悪いカゼ』とい名のモンスターとなって、
週末、そして休日の昼間を過ごす私を苦しめていた。
生活の不摂生、ネトゲのやり過ぎ、徹夜でゲーム。
そこで生じたひずみが、一気に私に襲いかかっていた。
それは、『たちの悪いカゼ』とい名のモンスターとなって、
週末、そして休日の昼間を過ごす私を苦しめていた。
「う~、やっぱだるいな~。
漫画とか読む気にもならないよ」
漫画とか読む気にもならないよ」
そんな文句を言いながら、私は布団を被ったまま寝返りをうった。
しかし、うつぶせの状態から寝返ってしまったので、
パジャマと布団がはだけて、畳の上に散乱してしまった。
私は、しんどい体に鞭を打って布団を必死にたぐり寄せた。
しかし、うつぶせの状態から寝返ってしまったので、
パジャマと布団がはだけて、畳の上に散乱してしまった。
私は、しんどい体に鞭を打って布団を必死にたぐり寄せた。
「……熱でも測ってみよっかな」
手元にあったデジタル式の体温計を手に取り、わきに挟む。
しばしの沈黙の後、甲高い電子音が部屋に響いた。
そして、体温計には『37.8℃』という数字が表示されていた。
しばしの沈黙の後、甲高い電子音が部屋に響いた。
そして、体温計には『37.8℃』という数字が表示されていた。
「う~ん、少しは下がってきたけど、
まだ動くにはしんどいかなぁ……」
まだ動くにはしんどいかなぁ……」
……いっそのこと39度位まで上がってくれた方が、
かえって動けるよう気がするのは私だけだろうか。
ふと、目の前にあるテレビのスイッチを入れてみる。
画面には、最近まで開催されていた陸上の世界大会の
総集編が、延々と流れ続けていた。
かえって動けるよう気がするのは私だけだろうか。
ふと、目の前にあるテレビのスイッチを入れてみる。
画面には、最近まで開催されていた陸上の世界大会の
総集編が、延々と流れ続けていた。
「あ~あ、これのせいで何本アニメが潰れた事か……」
頭に来たので、ぶっきらぼうにテレビの電源を切ってやった。
そんな事をしていた矢先、ドアを叩く音が聞こえてきた。
そんな事をしていた矢先、ドアを叩く音が聞こえてきた。
「こなた、起きてる?」
「え? かがみ? うん、起きてるよ~」
「え? かがみ? うん、起きてるよ~」
そういえば今日はかがみ達がお見舞いにきてくれるんだった。
私は、肝心な事を今の今まで忘れてしまっていた。
このまま外で待たせていても悪いので、
ひとまず中に入ってもらうことにした。
私は、肝心な事を今の今まで忘れてしまっていた。
このまま外で待たせていても悪いので、
ひとまず中に入ってもらうことにした。
「入っても大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。 少しは落ち着いてきたとこだから。
それに、鍵とかかかってないし」
「そう? それじゃあ入るわよ」
「うん、大丈夫だよ。 少しは落ち着いてきたとこだから。
それに、鍵とかかかってないし」
「そう? それじゃあ入るわよ」
そう言って、静かにかがみが部屋に入ってきた。
私は、ぐっと上半身を起こしてかがみを出迎えた。
私は、ぐっと上半身を起こしてかがみを出迎えた。
「お~っす、色々大変だったみたいね~」
「そうそう、ここ数日は酷い目にあったよ~」
「ふふ、思ってたより元気そうじゃない。
それじゃあ、お見舞いの花でも添えますか」
「そうそう、ここ数日は酷い目にあったよ~」
「ふふ、思ってたより元気そうじゃない。
それじゃあ、お見舞いの花でも添えますか」
そういうとかがみは、おもむろに花束を持ち出した。
……綺麗なバラだった。 赤いバラに白いバラが添えられていて、
その本数は、パット見じゃ数え切れない程だった。
……綺麗なバラだった。 赤いバラに白いバラが添えられていて、
その本数は、パット見じゃ数え切れない程だった。
「かがみが!? 私に、お見舞いのバラっ!?」
「言っとくけど、たまたま思い出したから買っただけだからな~。
……それじゃあ、ここの棚の上に飾っとくわね」」
「言っとくけど、たまたま思い出したから買っただけだからな~。
……それじゃあ、ここの棚の上に飾っとくわね」」
しかし、そういうかがみの声は、完全にうわずっていた。
やっぱり生粋のツンデレなんだろうねぇ。 さっすがかがみん!
と、そんな考えを巡らせている間に、私はある事に気が付いた。
やっぱり生粋のツンデレなんだろうねぇ。 さっすがかがみん!
と、そんな考えを巡らせている間に、私はある事に気が付いた。
「あれ? ねぇねぇ、今日はかがみだけでここに来たの?」
そういえば、いつも一緒にいるはずのつかさがいなかった。
ちなみに、みゆきさんは明日お見舞いに来てくれると、
事前に連絡があったのを思い出した。
ちなみに、みゆきさんは明日お見舞いに来てくれると、
事前に連絡があったのを思い出した。
「うん、私だけよ。 つかさも一緒に来たかったみたいなんだけど、
あの子、先生に提出しなきゃいけない物が多いらしくてね。
だから、日をずらしてお見舞いに行くってさ」
「ふ~ん、そうだったんだ」
「それにしても、大分参ってたみたいね。
髪の毛とか大変なことになってるわよ」
あの子、先生に提出しなきゃいけない物が多いらしくてね。
だから、日をずらしてお見舞いに行くってさ」
「ふ~ん、そうだったんだ」
「それにしても、大分参ってたみたいね。
髪の毛とか大変なことになってるわよ」
そういうとかがみは、手ぐしで私の髪を整え始めた。
私の髪の毛にかがみの手が均等に絡み、
よれよれになっていた髪が、少しずつ真っ直ぐになっていく。
そんな中、私はかがみの手に『違和感』がある事に気づいた。
私の髪の毛にかがみの手が均等に絡み、
よれよれになっていた髪が、少しずつ真っ直ぐになっていく。
そんな中、私はかがみの手に『違和感』がある事に気づいた。
「あれ? かがみ、どうしたのその手……」
「え? ああ、この右手のこと?」
「え? ああ、この右手のこと?」
よくみると、かがみの右手の指の人差し指や中指に、
丁寧に絆創膏が巻かれていた。
そして、絆創膏をしているかがみの指が、
やたらと痛々しくみえた。
丁寧に絆創膏が巻かれていた。
そして、絆創膏をしているかがみの指が、
やたらと痛々しくみえた。
「どったのかがみ? ケガでもしたの?」
「まっ、まあね。 さっきのバラのトゲがちくってきただけよ。
そんなことよりも…… はい、休んでたぶんのプリント。
つかさから預かってきたわよ」
「まっ、まあね。 さっきのバラのトゲがちくってきただけよ。
そんなことよりも…… はい、休んでたぶんのプリント。
つかさから預かってきたわよ」
次の瞬間、何枚もあるプリントが私の目の前に現れていた。
だけど、今こんなもの見たらますます熱が出ちゃうじゃないか~。
……という風に突っ込みたくなったけど、寸前で思いとどまった。
だけど、今こんなもの見たらますます熱が出ちゃうじゃないか~。
……という風に突っ込みたくなったけど、寸前で思いとどまった。
「あっ、ありがと」
「お礼なら、つかさに言った方がいいんじゃないか?
……それより聞いてよ、つかさがね~」
「えっ、なになに。 どんな話なの?」
「お礼なら、つかさに言った方がいいんじゃないか?
……それより聞いてよ、つかさがね~」
「えっ、なになに。 どんな話なの?」
その後、私は熱のことなんかそっちのけにして、
かがみと、とりとめのない話をし続けた。
家の事、生活の事、趣味の事。 とても楽しい時間だった。
そして、数十分の時が過ぎて――
かがみと、とりとめのない話をし続けた。
家の事、生活の事、趣味の事。 とても楽しい時間だった。
そして、数十分の時が過ぎて――
「またあれが臭くってさ~」
「だよね~。 ……ふ、ふわ~あ」
「こなた? もしかして眠いの?」
「だよね~。 ……ふ、ふわ~あ」
「こなた? もしかして眠いの?」
かがみの言うとおり、私の頭の中は眠気という勢力によって、
制圧されかけていた。 熱も下がりつつあるみたいだったから、
今の内にぐぅ~っと寝て、一気に体力全快だぁ!
という風な事を、私は寝ぼけた頭で考えていた。
制圧されかけていた。 熱も下がりつつあるみたいだったから、
今の内にぐぅ~っと寝て、一気に体力全快だぁ!
という風な事を、私は寝ぼけた頭で考えていた。
「う、うん。 なんだかすっごく眠いんだよね。
だから、少し寝ることにするよ」
「そっか。 じゃあ私は一旦外に出てよっと。
それじゃあ、お休み~」
「うん。 お休み~」
だから、少し寝ることにするよ」
「そっか。 じゃあ私は一旦外に出てよっと。
それじゃあ、お休み~」
「うん。 お休み~」
私の言葉を聞き届けたかがみが、
そっ~と部屋から出て行き、再び私の部屋は静かになった。
その直後、静寂と眠気の挟み撃ちにあった私は、
いつも以上に深い眠りについた。
そっ~と部屋から出て行き、再び私の部屋は静かになった。
その直後、静寂と眠気の挟み撃ちにあった私は、
いつも以上に深い眠りについた。
……
…
――どのくらいの時間が経ったんだろう。
私は、まどろみの中でそんな事を考えていた。
ふと気づくと、まぶたの裏側が眩しい程の赤色の光に染められて、
幅広く全体を包み込んでいた。 どうやらもう夕方らしい。
私は、まどろみの中でそんな事を考えていた。
ふと気づくと、まぶたの裏側が眩しい程の赤色の光に染められて、
幅広く全体を包み込んでいた。 どうやらもう夕方らしい。
(もうそろそろ起きなきゃね…… お腹もすいたし)
私は、閉じたままの眼を開けようとまぶたを動かした。
そして、開けてきた視界の中に、誰かの顔の輪郭が浮かんできた。
その『顔』は、とても優しそうな表情をしながら、私を見つめていた。
なんだか、とても懐かしい感じがした。 そう、それはまるで私の――
そして、開けてきた視界の中に、誰かの顔の輪郭が浮かんできた。
その『顔』は、とても優しそうな表情をしながら、私を見つめていた。
なんだか、とても懐かしい感じがした。 そう、それはまるで私の――
「お、お母さ……」
「あっ! ごめん、起こしちゃった?」
「あっ! ごめん、起こしちゃった?」
目の前にいたのは、かがみだった。
布団の脇から、見下ろすように私をのぞき込んでいる。
布団の脇から、見下ろすように私をのぞき込んでいる。
「わっ、かがみ? てか、顔近いよ」
「ごめんごめん。 寝顔が面白かったから、つい……」
「ごめんごめん。 寝顔が面白かったから、つい……」
そういうとかがみは、ほっぺたを赤らめて顔をそらした。
横を向いたままのかがみが、ちょっと可愛くみえた。
そんなやりとりをした直後、忘れた頃になる目覚ましのように、
私のお腹が『ぐ~』という大きな音を出していた。
横を向いたままのかがみが、ちょっと可愛くみえた。
そんなやりとりをした直後、忘れた頃になる目覚ましのように、
私のお腹が『ぐ~』という大きな音を出していた。
「あっ……」
「ふふっ。 こなた、お腹空いちゃってるのね。
ちょっと待っててくれる?
今、いいもの作ってきてあげるわよ」
「えっ? ん~、それじゃあ頼んじゃおっかな」
「りょ~かい。 すぐ戻ってくるからね」
「ふふっ。 こなた、お腹空いちゃってるのね。
ちょっと待っててくれる?
今、いいもの作ってきてあげるわよ」
「えっ? ん~、それじゃあ頼んじゃおっかな」
「りょ~かい。 すぐ戻ってくるからね」
足取りも軽やかに、かがみが部屋から出て行った。
そんなかがみを見送った私の頭の中に、
突然大きなハテナマークが出現した。
そんなかがみを見送った私の頭の中に、
突然大きなハテナマークが出現した。
「あれ? いいものを『作る』って言ってたけでど、
かがみって確か料理が……」
かがみって確か料理が……」
得意じゃなかった様な気がする。
そんな疑問が、私の中にわき上がっていた。
そんな疑問が、私の中にわき上がっていた。
「おまたせ~」
十数分後、かがみが小さな鍋とレンゲを持って戻ってきた。
鍋からは、白い湯気が立ちこめ、美味しそうないい匂いがした。
そして私は、その鍋の中身を確認して、思わず声をあげた。
鍋からは、白い湯気が立ちこめ、美味しそうないい匂いがした。
そして私は、その鍋の中身を確認して、思わず声をあげた。
「え? これって、雑炊…… なの?」
「なに言ってんのよ、アンタは。
これが雑炊以外の何に見えるってわけ?」
「なに言ってんのよ、アンタは。
これが雑炊以外の何に見えるってわけ?」
かがみが言った通り、それは間違いなく雑炊だった。
だいこんやにんじん、ほうれん草が綺麗に添えられ、
小鍋いっぱいに敷き詰められていた。
だいこんやにんじん、ほうれん草が綺麗に添えられ、
小鍋いっぱいに敷き詰められていた。
「だって、かがみって料理が……」
そう私が言いかけた所で、かがみの動きが止まった。
そして、小さな沈黙が続いた後、かがみが口を開いた。
そして、小さな沈黙が続いた後、かがみが口を開いた。
「そう言ってくるだろうと思って、ちゃんと事前に練習したのよ。
ま、ここまで人並みに作れるようになるまで、
大分苦労しちゃったけどね」
ま、ここまで人並みに作れるようになるまで、
大分苦労しちゃったけどね」
その直後、かがみは右手に貼った絆創膏を、じっと見つめていた。
それを見た私は、ようやく絆創膏の意味を理解した。
あれは、バラのトゲのせいなんかじゃなかったんだ。
私に、これを作る練習をした時に……
それを見た私は、ようやく絆創膏の意味を理解した。
あれは、バラのトゲのせいなんかじゃなかったんだ。
私に、これを作る練習をした時に……
「……」
「どうしたの? 急に黙っちゃったりして」
「どうしたの? 急に黙っちゃったりして」
かがみが、怪訝そうな表情をして私を見つめている。
私は、一つの決意をした上で、小さく言葉を紡いだ。
私は、一つの決意をした上で、小さく言葉を紡いだ。
「あれさ、ずっと前にかがみがカゼひいてさ、
私がお見舞いに行った事あったよね」
「うん、そういえばそんな事あったわね」
「でもさ、私って全然ダメダメだったよね。
あれじゃあ、ただ遊びに行っただけじゃん」
私がお見舞いに行った事あったよね」
「うん、そういえばそんな事あったわね」
「でもさ、私って全然ダメダメだったよね。
あれじゃあ、ただ遊びに行っただけじゃん」
それは、一種の自己嫌悪。 かがみがあんなに苦しんでいたのに、
何もお見舞いらしい事もしないで、ただしゃべってばかりいた。
結局、『こういう時でも好きな物はよく入るものよね~』
といってアイスを頬張るかがみを見ているだけだった。
結局、『こういう時でも好きな物はよく入るものよね~』
といってアイスを頬張るかがみを見ているだけだった。
そんな私を見ていたかがみが、一瞬クスリと笑った。
ふと、かがみは持っていたレンゲを鍋の中へ置き、
小さく息を吐いた後、おもむろに口を開いた。
ふと、かがみは持っていたレンゲを鍋の中へ置き、
小さく息を吐いた後、おもむろに口を開いた。
「バカッ、何言ってんのよ。 こなたらしくないじゃない。
私を心配してくれてたから、お見舞いに来てくれたんでしょ?」
「かがみ……」
「それに、そんなこと言う暇があったら、いっぱい食べて、
たくさん寝て、早く元気になりなさいよ。
でなきゃ、張り合いがないじゃない」
私を心配してくれてたから、お見舞いに来てくれたんでしょ?」
「かがみ……」
「それに、そんなこと言う暇があったら、いっぱい食べて、
たくさん寝て、早く元気になりなさいよ。
でなきゃ、張り合いがないじゃない」
そう言っているかがみの顔は、とても嬉しそうだった。
そんなかがみを見ていたら、急に視界がぼやけてきた。
大粒の涙が、ほっぺたを伝って流れだし、
私の中にある色々な想いが全て混ざり合っていく。
そんなかがみを見ていたら、急に視界がぼやけてきた。
大粒の涙が、ほっぺたを伝って流れだし、
私の中にある色々な想いが全て混ざり合っていく。
「うっ、ぐすっ…… ありがとね、かがみぃ」
「なに改まっちゃってるのよ。
それよりほら、早く食べよ。 少し冷ましてあげるから」
「なに改まっちゃってるのよ。
それよりほら、早く食べよ。 少し冷ましてあげるから」
かがみは、再びレンゲを手にとると、ゆっくりと鍋の中身をすくった。
そして、レンゲに息を吹きかけてから、ゆっくりと私の口に運んでくれた。
その時食べた雑炊の味は、かがみの想いと私の涙が溶け合って、
とても美味しかった――
そして、レンゲに息を吹きかけてから、ゆっくりと私の口に運んでくれた。
その時食べた雑炊の味は、かがみの想いと私の涙が溶け合って、
とても美味しかった――
……
…
「……そんな事があったって訳よ」
「へぇ~。 私がレポートとか書いてる間に、
そんな事があったんだぁ」
「全く…… 包み隠さずしゃべっちゃうなんて、、
アンタも口が軽いのね~」
「へぇ~。 私がレポートとか書いてる間に、
そんな事があったんだぁ」
「全く…… 包み隠さずしゃべっちゃうなんて、、
アンタも口が軽いのね~」
残暑も厳しい晴れ空の下に、私たちの声が反射する。
――あれから数日後、私のカゼはすっかり良くなっていた。
そして、久しぶりに『大学』のキャンパスを一緒に歩くつかさ達に、
あの日の出来事のの詳細を話したのだった。
そして、久しぶりに『大学』のキャンパスを一緒に歩くつかさ達に、
あの日の出来事のの詳細を話したのだった。
「いや~、全部話したらスッキリしたよ。
これにて完全回復! って感じだね」
「アンタも気楽よね~。 単位落としても知らないわよ?」
これにて完全回復! って感じだね」
「アンタも気楽よね~。 単位落としても知らないわよ?」
私たちは今、晴れて大学二年生。
高校三年生の時に、つかさやかがみ達と一緒に猛勉強したおかげで、
都内にあるそこそこのレベルの大学に、三人とも合格することが出来た。
私とつかさは同じ学部、そしてかがみは法学部にそれぞれ進学した。
そして今は、大学の近くのアパートで一人暮らしをしている。
高校三年生の時に、つかさやかがみ達と一緒に猛勉強したおかげで、
都内にあるそこそこのレベルの大学に、三人とも合格することが出来た。
私とつかさは同じ学部、そしてかがみは法学部にそれぞれ進学した。
そして今は、大学の近くのアパートで一人暮らしをしている。
……そんな事を考えている内に、一つの謎が浮かんできていた。
「ねぇ、かがみ。 ちょっとばかし質問が」
「えっ? 何か言いたいことでもあんの?」
「かがみってさぁ。 確か他の大学にもたくさん合格してたハズなのに、
何でここの大学に進学したのかな~。 ……ってな疑問が」
「ええっ!? あ、いや。 それは、その……」
「えっ? 何か言いたいことでもあんの?」
「かがみってさぁ。 確か他の大学にもたくさん合格してたハズなのに、
何でここの大学に進学したのかな~。 ……ってな疑問が」
「ええっ!? あ、いや。 それは、その……」
私の発言に完全に動揺したかがみが、
髪を乱しながら手をブンブンとふって顔をそむけた。
そんな感じであたふたするかがみを見るのも久しぶりだった。
すると、私の中にいつものキレが戻ってきていた。
髪を乱しながら手をブンブンとふって顔をそむけた。
そんな感じであたふたするかがみを見るのも久しぶりだった。
すると、私の中にいつものキレが戻ってきていた。
「おやおや~、顔が赤いよかがみん。
熱でもあるのかな~?
それとも、影の努力の結晶である『右手』の傷が……」
「う、うるさ~い! そんなんじゃないってば!」
「お、お姉ちゃん。 落ち着いて~」
熱でもあるのかな~?
それとも、影の努力の結晶である『右手』の傷が……」
「う、うるさ~い! そんなんじゃないってば!」
「お、お姉ちゃん。 落ち着いて~」
あ、なんか懐かしいなぁ、この反応。
やっぱり、普段の私たちはこうでなくちゃ、
『張り合い』がないもんね~。
やっぱり、普段の私たちはこうでなくちゃ、
『張り合い』がないもんね~。
「こ~な~た~!」
「わっ、かがみが怒った~」
「こらぁ! 待ちなさ~い!」
「わっ、かがみが怒った~」
「こらぁ! 待ちなさ~い!」
ちなみに、その後のかがみいわく、この時顔が赤かったのは、
本当に熱が出ていたせいだったらしい。
そして数日後、私はかがみのお見舞いをする事にした。
赤と白のバラと、ありったけのアイスを抱えて――
本当に熱が出ていたせいだったらしい。
そして数日後、私はかがみのお見舞いをする事にした。
赤と白のバラと、ありったけのアイスを抱えて――
『お見舞い(2009年版)』 完
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- GJ! -- 名無しさん (2022-12-16 02:45:11)
- ふふっ
前のをちょっと変えてたのですね。
でも、良かったですよ! -- uu (2010-01-14 22:10:56)