『Merry Walking』

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「はぁ?かがみからの告白?!そんなん外で言い放った日には、
何故か川の水が汚れるそんな代物だよ!」
「ふざけんじゃないわよ、人の告白を公害扱いするな!!
いつも蔑んだり、見下した言い方しやがって………目線は見上げているくせに!!」
「!?言ってはならないことを~、こんなこと言う奴はこうしてやる~(ムニ~とかがみの両頬をつねる)。」
「ひゃひひゅんひょよ、ほひゃた~(なにすんのよ、こなた~)(つねられつつも、こなたの両頬をつねり返す)。」

「あの~つかささん?こなたさんとかがみさんどうされたんですか。」
「あっ、ゆきちゃん。こなちゃんがお姉ちゃんに『好きだ』って告白された夢を見たって言ったのに対して、
お姉ちゃんが『まずあんたに告るなんてありえないし、もし逆にアンタからの告白だったらホント
はぁ~ガッカリだわ』っていったことでこんな痴話ゲンカになっちゃったんだ。」
「あ~、いつも通りですね。」
「「いひゃへんひゃひゃひゃい~(痴話喧嘩じゃない~)。」」


「…う…ん。」

低反発ベッドマットの適度な弾力をかすかに感じながら、静かに目を開ける。
わずかに昇り始めた朝日が差し込んでいる寝室が目の前にうつる。
そして体を起こし、軽くストレッチをしようとしたところで、

「痛!!」

何かに髪を押さえつけられていたせいか、髪を引っ張られる痛みがはしった。
私の髪を押さえつけていた、その何かとは…

「……ごめんねこなた。どうやら肘で押さえつけていたみたい。」

同じベッドで眠る私の嫁、かがみであった。

「ふふ、こなた。おはよ。」

そう言って私の頬に触れて、軽くキスをする。
ごく自然に行われた親密なスキンシップに軽く照れる。

同じベッドでこんなやり取りをしている私達、
そう恋人同士として付き合っている…というより同棲している。

高校時代はさっき見ていた夢のように、まったくそんな関係など考えもしなかったのに
いつの間にかそんな関係になり、ほぼ事実婚な状態になっている。


昨晩なんかベッドの中で………

「あのさこなた、私ね。なんでこなたを愛するという行動以上のことができないのだろうと思うの。
こんなに愛したいというのに…なんかつらいよ、こなた。」
「かがみ…考えが煮詰まりすぎてわけわからない方向に向かっているよ。
私は最高のヒロインでもあり、ヒーローでもあるかがみの事が大好きだよ。」

そこでかがみからの『ヒーローは余計だ。』ってツッコミを期待していたら、

「ヒーローか…なかなかいいたとえをするわね、こなた。」
「へ!?」

全然違う返しをされ。


「ヒーロー(Hero)という英単語はね、Hを抜かすとエロ(ero)になるのよ。
分かりやすく言うとね、エッチ(H)にうつつを抜かしたヒーロー(Hero)はただのエロ(ero)なのよ、こなた。」
「あの~柊さん???」

かなり斜め下のコメントをされた。
そして…

「というわけでこなた……やさしくするから心配しないでね。」
「え、い、いやかがみん。いや~~~。」

私の身をもってコメントの意味を実感するのであった。


「こなた、今日は昨晩の余韻を味わいつつベッドの上でまったり過ごそうよ。」
「ダメだよ~かがみ。折角の良い陽気なんだから、軽くで良いから外にお出かけしようよ。」

これまた普段の私が言いそうなことを言ったかがみに対し、私がそれじゃだめだよって感じで返す。
私と恋人として付き合うようになってから、どうも休みとかシャキッとする必要がないところだと
だらしないところが出てきた。どうも大学に入ってから休日の朝、つかさが先に起きていることが
多くなった頃から徐々に休日の朝はだらしなくなってきたそうな。
これは『俺は人間を辞めるぞ、徐々に~』って感じだろうか?………違うね、うん。

昨晩からかがみんのペースでどうも調子が狂ってしょうがない、そろそろ私のターンを始めますか。

「どっかに?……動物園とか?かわいい動物たくさんいるわね。」
「わんわんわん、にゃ~ん、わんわん、にゃお~ん。」
「保健所じゃないの!!犬と猫しかいないじゃない!
切なそうな顔で見るんじゃないよ。アンタ本当に猫っぽいからかなり切なくなるじゃない。
引き取れないから……もっと悲しそうな顔するんじゃないわよ、引き取って世話してやるから
ってそうじゃなくてもっと大型の動物がいるところよ。」
「う~~ワン!!!(大きい鳴き声をあげる)」
「大型犬じゃないの!結局保健所だよ。」
「ニャンコに扮した私を引き取ってくれるなんて、ホントかがみは優しいね。」
「と、当然じゃない、こなたのことが好きなんだから。ね、子猫ちゃん…」

そう言って急に照れが出てきて、顔が赤くなってくるかがみ。
そういうところは変わらないな~かがみんは。

「それじゃかがみ、そろそろ身支度して出かけよ。」

こうして私たちは、着替えをしてブランチを兼ねた散歩しに出かけた。


「ん~、やっぱり今ぐらいの陽気はいいわね。温かくて体の緊張が解けるし。」
「だから言ったじゃんかがみ、外出た方が良いって。
それにしても、開花前の桜の名所って選ぶところがまたなんていうかね……。
しかも隅田川って………川沿いの風はまだ冷たいよ。」
「家出たとき思い出したのよ。そういえば隅田川沿いにTully's出来たらしくって。
そこのテラスから隅田川越しにスカイツリーが見えて、結構見晴らしが良いらしいって。
あと寒さについてはある程度防寒を意識した格好しているから大丈夫よ。」

外に出て、どこに行こうか?って話していたところ、今のようなやりとりから
隅田川沿いにある、隅田公園になった。
ちなみに防寒を意識しているって言ったかがみであったが、
春のほうを強く意識しちゃっているせいか、私よりも薄着である。
そんなことはつゆ知らず目の前にいるかがみは、スカートのラインを不意に乱す風
に気を付けつつ、春色のパンプスで軽快にステップを踏むかのように歩いていた。

私が強引に外に連れ出したにもかかわらず、連れ出された方がなんだか楽しそうだ。
冬の冷たい空気の名残がありつつも、ポカポカ陽気になってきており、室内に篭りがちな季節から一転し
ウキウキして気持ちが外に向く季節に近づいているからわかる気がする。
実際インドア派の私でも今日は来てよかったと思えるくらい心地よく感じている。


そうこうしている内に隅田公園の川沿いのTully'sに着いた。
そこでクロワッサンセットとホットドッグセットを買い、偶然空いていたテラス席に座った。

目の前にあるアサヒビールの「う○こビル」と並ぶスカイツリーを眺めつつ、コーヒーを一口飲む。
ロケーションが良く雲ひとつない爽やかな気候で、心地よく川風に吹かれ充実した気分を味わう。

そんなふうに浸っていると、かがみが話しかけてきた。

「こなた~。」
「な~に?」
「えへへ、呼んだだけ~。」
「もう、いったい何なのさ。」

一体なんなんだか。そんな風に思っているとまた呼ばれた。

「こなた~。」
「また何~。」
「大好き!!」
「え!(カーっと顔が赤くなる)」

予期していない、言動にかなりドギマギしている私。
本当に唐突すぎてまったく対応できていない。

「どした~こなた。もしかして私からの告白のせいで目の前の隅田川が汚れでもしたか~。」
「ち、違っ、ちょ、え~。」
「ちょっと、少しはまともにかえしてきなさいよ~。」

「急に何?え?どうしたの??」
「どうしたのって、ただ気持ちを伝えただけだけど。」
「それと川が汚れるって、よく覚えていたね。たしか高校の頃のことだよそれ。」

たしかに当時はそんなことを少し本気交じりで言ったけれど、
恋人として同棲している今は、そんなこと微塵にも感じたことはない。

「最近忙しくて、なかなか一緒にいなかったからさ。いるときに目一杯伝えたいと思ってさ。」
「いやいや、そんな強引にぶち込んでこなくてもいいですよ。十分に伝わっていますし、
私もそれに出来る限り答えてきていますから。」
「それに今まで結構きついことを言ってきたりしてきたからさ、
もっと優しい言葉を伝えたいと思っているんだ。」

そういって、少し神妙な顔つきになるかがみ。
ホントどうしてこの人は、こうも真っ直ぐで優しいのだろうか。

「……かがみ、かがみから私への気持ち。言葉で伝える以上に十分伝わっているよ。
真っ直ぐで相手のことをすごく思いやっていて、ホント自分のことのように感じてくれているの
わかっているし、そんなかがみのそばにいれてすごく幸せに感じているよ。」
「こなた、ありがとうそんな風に言ってくれて。私結構ダメなところもあるけどさ、
これからもよろしくね。」
「こちらこそよろしく、かがみん。」

春の優しい日差しが差し込むテラスで私たちは、これからも一緒に過ごしていくことを誓い合っていた。



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コメント:
  • GJ! -- 名無しさん (2017-04-22 14:42:52)
  • 脳が溶けました -- 名無しさん (2014-05-06 22:14:03)
  • 良い作品GJです。
    楽しく読ませて頂きました、ありがとうございます。
    -- kk (2014-04-12 22:10:13)


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