『スノーブレイクの街角』

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『スノーブレイクの街角』

高2の冬のとある放課後。
私は雪の降る大宮駅西口ペデストリアンデッキ上でかがみと待ち合わせをしている。
傘を差し、用意したホッカイロであったまること数分、寒そうにしながらかがみがやってきた。

「ごめんね~こんなトルコに呼び出して。」
「どこに呼び出しているのよ、アンタは。『こんなとこに呼び出して』でしょ、まったく。で、何の用?」

2人とも学校から直接来た為、制服に学校指定のダッフルコートを着た格好をしている。
まさに普段通りの放課後って感じだ。

「何の用も何も、今日は何の日かな?」
「今日って言ったら2月14日だから、バレンタインデーよね。」
「そうだね~だから、はい。バレンタインのチョコだよ、かがみん。」
「あ、あんたがチョコ・・・普通にありがと。でもさ、渡すんだったら
私やつかさが教室で渡したときで良かったんじゃない?」

そう、私も最初そのつもりだった。
だけど‥‥

「私も渡すつもりだったんだけどさ~。まさか、かがみんから貰えるとは思ってなかったからさ、
すごく動揺しちゃって・・・渡しそびれちゃったんだ。」
「そんなに動揺するものだったか、私からのチョコ。」
「かがみと出逢って初めてのバレンタイン。そこでかがみの夢の無さっぷりに呆れた私は、
バレンタインの良さを分かってもらおうと、今年はかがみへのチョコを用意したのだよ。
それなのにかがみが私へのプレゼント用のチョコを用意していたから驚いたんだよ。」

っていう訳。

「あっそ‥‥てか、何故アンタから私へのチョコのプレゼントがバレンタインの良さを知ることになるんだ?
さっぱり分からないんだけど。」
「だって隣のクラスの小さくてかわいい女の子が手作りチョコをくれるんだよ。
ちょっとした萌えシチュじゃない?しかもちょっと雪が降っていて冬って感じの季節感
があってなお良くない?これこそバレンタインの醍醐味だよ、かがみん。」

まあ、バレンタインにかこつけてかがみ弄りをしようとしていただけだ。
はっきり言って普段とやることは変わらない。

「それって完全に男子の発想じゃないか?とりあえず私女子なんだけど。」
「ちっ、ちっ、ち。甘いねかがみん。私達って見た目まんま女の子~ってだけど、
中身は互いにユニセックスな所あるじゃん。女の子同士なんだけど、女子と男子の会話みたいになったり、
はたまた男子同士の会話みたいになっていることがない?だからこのシチュも適応されるはずなんじゃが・・・。」
「それは、本当に気のせいだこなた。私はとりあえず女の子同士としての付き合いをしているつもりなのだが。
強いて言うなら、アンタが男子的な発言をするぐらいじゃない?」
「え~、偶に逞しいかがみが男子、ちまっこい私が女子的な立ち位置の時あるよ。
正直かがみと友達づきあいするようになってから、
私って女の子だったんだって気づいたよ。」
「うるさい。一体だれが逞しくさせてるんだ!」
「かがみの逞しさの半分は、私のかがみ弄りで出来ています。」
「分かっているならするな!で半分は地みたいになっているけど、私はそんな逞しくない!!」
「いやいや、そんな逞しいかがみんも大好きだよ。」
「オマエ、好きって言えば許されるみたいにしてるけど、アンタの好きは何の免罪符にもならないからな
・・・それにしてもいい加減帰らないか?結構吹雪いてきたし。」

いつの間にかぱらぱらと降っていた雪は吹雪へと変わっており、辺りを白く覆い、
普段は見えるはずの大宮ソニックシティが見えないくらいになっていた。
確かに早く帰らないと交通網が麻痺して帰ることできなそうだ。
でも埼玉ではなかなか無い、この大雪のシチュ。これを使ってもう一つかがみ弄りをしたい。

「こうも白く覆われているとさ、世界に2人だけみたいじゃない?かがみん。」
「何言い出すのよ、一体。」
「かがみ・・・やっと二人きりになれたね。」
「な、何言ってきてるのよ、アンタは・・・なぜにじり寄る。」
「ネタ合わせしようか?」
「何でよ!」
「つかさとみゆきさんがいたら、反応に困っておろおろする内容考えよ。」
「嫌だよそんなの。」
「あそこのビルの非常階段。高校生カップルのエッチスポットになっていてだね。あそこ言って・・・・・しよ?」
「いやよ!!」
「そこで盗撮されて『ツンデレ女子高生とオタク小学生』ってタイトルのAV出されようよ、かがみん。」
「ふざけんな!なんでアンタと人生の汚点を作らなきゃあかんのよ。とっとと帰るわよ。」
「え~待ってよかがみ~ん(ムギュっと抱きつく)。」
「ちょ、抱きつくな!‥‥ってアンタ結構暖かいわね。」
「え!?ちょ何抱きつき返してきてるの?」
「いや、こなた暖かいな~って思ってさ。このまま帰ろうかな~。」
「ふみゃ~、かがみんどうしちゃったの~おかしいよ~。」
「おかしいもなにもアンタから抱きついてきたんじゃないの。もしかして照れてるの~?
珍しい照れ顔も拝めたことだし、こなた暖かいし、このまま糖武動物公園まで一緒に行こうか?」
「にゃ~電車はさすがに人が多いから恥ずかしいよ~。」
「大丈夫よ~女の子同士のじゃれあいにしか見られないわよ。」
「そ、そういう問題じゃないよかがみん。」
「あ~もう。四の五の言わずに行くわよこなた。」
「いや~ん、ほっぺた擦り寄せないで~。」

まさか、普段のかがみ弄りからこんな惨事に発展するとは思いもしなかった・・・。
そんなこんなで糖武動物公園までずっとかがみに抱きつかれながら、電車に乗っていた。

糖武動物公園で別れる際、かがみに頭をポンと置かれて『じゃあね、こなた。風邪には気を付けるのよ。』
と男の子のような明け透けな笑顔を向けながら言われた時、なぜか生まれて初めて『トクン』と胸の高まりを
はっきりと感じた。

もしかして普段『好き』だの『私の嫁』だの言っている内に本当に恋愛感情で好きになってしまったのかな
・・・・・本当になんなんだろ、この気持ち。



―――――この日の晩、私は


……39度の熱を出し寝込んでしまった。



次の日の昼さがり。
私は寝床で横になりながら、かがみとメールのやりとりをしていた。
ちなみにかがみも帰ってから熱を出して寝込んでしまったらしく、2人仲良く寝込んでいる。

『まったく・・・アンタに大雪の日呼び出されたお陰で私まで風邪ひいちゃったじゃないの。』
『いやいや、かがみが私からのかがみ弄りの流れをぶった切って、
リズムをぐちゃぐちゃにしたのが原因なのだよ。』
『いや、絶対違うし。』
『罰としてかがみには今から家に来て、私のベッドで一緒に寝ること。
2人の熱で風邪なんてすぐに直るに違いないよ~。』
『だ、誰がアンタと同じベッドになんか入るものですか。』
『昨日の私を弄って来た時のかがみだったら、余裕で入ってきそうなんじゃがな~。』
『ぐ・・・あ、あれは風邪ひいて熱があったからよ!』

やっぱり昨日感じた胸の高まりは、風邪だったからだろうか・・・。
なんだかそんな感じがするな~。

でもこうしてかがみとメールのやりとりをしていると楽しいし、どこか温かくて
体調不良から来る心細さをまったく感じない。正直、出来る限りこうしていたい。

それと最近すごく距離が近くなっているのを実感しているし、私に対して初めの頃と比べてすごく優しい。
もしかして距離が短くなって今まで見られなかった面が見れて、新鮮だったりしたのかもしれない。
まあ、変に考え過ぎるより楽しんで言った方が良いかな。それの方が絶対楽しいし。
今のきっと今のかがみとの日常を過ごしている内にきっと分かるような気がする。

まずは風邪を治して、また学校で会えるようにしよ。
そう思いながらメールを切り上げ、眠りに入って行った。

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コメント:
  • こなかがはいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ。 -- 名無しさん (2011-02-25 20:54:55)
  • 甘酸っぱくていいですね〜 -- 名無しさん (2011-02-17 23:17:41)
  • 次にこなたが起きたら、隣にかがみが寄り添う様に寝てる可能性85% -- kk (2011-02-17 01:15:17)



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