『wishes』

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・・・・・埼玉県久喜市に住んでおります、柊かがみと申します。
実家が神社である私がこちらで願うのも変な話ですが、
実家では少々願いにくい事ですので、こちらで願わせて頂きます。

―――今年こそは、つかさ並みの隠れ天然が治りますように!
偶にやらかす天然ネタで、こなたに弄られるのは正直嫌なんです!!

しかも新年早々、『柚子』の事を『カサカサのみかん』と言って、
つかさ含む家族一同から白い目で見られたばかりなのです。



『wishes』



そんな恥ずかしくて実家では願う事が出来ない願いをし、神社の拝殿を後にする。

正月三が日が過ぎた、大学の冬休みのある日。
私はこなたと一緒に神田明神へ初詣に来ている。

ちなみにここの初詣に誘ってきたのはこなたからだ。こなた曰く
『アキバに歩いて行けるから、アキバへの買い物に便利なのだよ~』
だそうで、初詣と趣味の買い物、そして私とのデートを一緒にこなしたいという、
ホントにものぐさなアイツらしい案だ。

3が日の家の手伝いが終わり予定が空いていることと、やっぱりあいつと一緒にいたいという思いから、
こなたの思惑に乗るのは正直癪にさわるけれどOKの返事をした。
するとこなたから『合点承知の助~』とずいぶんと気の抜けた返事をされ、やっぱりやめたろかと考えたが、
断ることをせずに今日こうして来ることと相成った。

少々お祈りが長かっただろうか、隣にいたはずのこなたがいない。
一体何処に行ってしまったのだろうか?
そう思い周囲を見渡すと、数メートル先に特徴的なアホ毛のある、見慣れた後姿を見つけた。

アイツ私のお祈りが長いからって、先に行かなくてもいいじゃないか。
そんなに自分の買い物が大事か~?まったく、そんなやつは・・・エイッ!!

「こ~なた(がしっと抱きつく)。お待たせ~。」
「きゃっ、あなた誰ですが?」
「え・・・。」

あれ?もしかして人違い?

「かがみ・・・私、ずっとかがみのそばにいたんだけど。」
「え、間違えました!ごめんなさい!!」
「いえ、いいですよ。」

こなたと間違えた女子中学生と思わしき女の子は、わずかに引きつつもそう私に返し、その場を去って行った。

「まさか、正月一発目からかがみの天然ボケを拝めるとは、今年は良い予感するな~。
これで、実は『今年こそ偶に出る天然が直りますように』って願った後だったら尚良い。」
「うっ‥‥。」
「かがみ~ここは、『そんな訳ないでしょ』って返すとこだよ~どうしたの?」

あまりに的確過ぎるこなたの指摘に驚いた私は、
言葉を発することが出来ず、ボフッと顔を真っ赤にさせる。

「え、まさかのまさか~(ニマー)。」

ぐ、恋愛感情から付き合っている今でも一瞬で好感度がマイナスまで落ちる、ニマニマした表情を向けてきた。
ここで顔を真っ赤にさせて反論しても、いいように弄られるだけだ。まずはお茶を飲んで落ち着こう。

「かがみ~天然直りますようにって言っている傍から、
フタしたままペットボトルのお茶を飲もうとしているよ~(ニマニマ)。」

‥‥‥‥‥

「(すごくにこやかに)そんなのフタ取れば良いだけじゃないのー。
ソンナコトヨリ、ハヤクイコー。」

私、割と本気でアップアップなの。こんなときは暖かい目で見守ってね、こなた。
そんな思いを胸に、作り笑顔をしたまま秋葉原方面へ歩を進めた。

「うわ~、ごまかそうとしている作り笑顔がすごいよかがみん・・・ホントに逞しくなったなあ~。」


神田明神通りからこなたがお目当ての店が密集している中央通りへと歩いてゆく。
途中昼ごはんをとる為、こなたお勧めの老舗パスタ店へと入る。店内に入るとこなたから

「かがみんの為に、ガッツリ食べられる大盛りが人気のパスタ専門店を選んだよ~。」

等と言われた。

「うっさい黙れ!」
「でも、大盛りを頼むんだね、かがみん。」
「い、いいでしょ。変更料金安いんだし。」

「かがみ、盛り頼もうとしてるけどさ。」
「何よ。」
「私、メニューに載ってる写真よりも少ない量で、お腹一杯になっちゃうんだよね。」
「それは私に対しての嫌味か?」
「だから私の分のカルボナーラ少しあげるよ。そうすれば大盛りにする必要ないよ。」
「・・・だったら、私の分のずわいガニのトマトソース分けてあげる。私だけもらうのもなんか悪いし。」
「わ~い。かがみと分け合いっこ♪」

こんなちょっとした気遣いが嬉しく、神田明神で下がった好感度はプラスへと戻った。
あとこなたが『わ~い。かがみと分け合いっこ♪』といったときの仕草がとてもかわいらしく、
不覚にもときめいてしまったことは内緒だ。

食事が終わった後そのまま中央通りへと向かい、
こなたがお目当てのアニメショップや同人ショップ、PCショップを巡っていった。


「あ~、やっぱりガンダムカフェはいつ行っても行列で来てるね~。」
「そうね。」
「(かがみの方へチラチラ見ながら)やっぱり、休憩だったら向こうの方が良かったな~。」
「こなた、今日はあんたの買い物メインになっちゃってるんだから、
休憩場所ぐらい私の希望を通してもいいんじゃない?」

私達は今、休憩と称してガンダムカフェを見下ろせる位置にあるヴィクトリアンパブにいる。
店内は英国風の作りとなっておりとても上品で、落ち着いてじっくりと話し合ったり、
一人で飲みに来てもゆったりと出来る雰囲気を醸し出しており、
秋葉原に来るたびに一度は入ってみたいと思っていた。
高いフロアにあるわけではないが、秋葉原駅前の再開発エリア(青果市場跡)の広場
を見下ろす事が出来、行き交うヒトやひっきりなしに発着する電車を眺めることが出来た。

「む~・・・・・・ところでさ、かがみん。神田明神でお願いしていたお願い事の内容なんだけど、
どうして『天然ボケ直りますように』ってお願いしちゃったわけ?」
「う、それは・・・」

かなり弄られるのが分かっているのであまり言いたくないが、ここまできたら仕方が無い。
渋々願うことになった理由をこなたに説明した。

「へ~新年早々そんなことがあったんだ~(ニマニマ)。
見た目で分かりにくかったら、匂いで判別すればいいことなのに出来なかったから、
すごくショックだったんだね~、かがみんはホントかわゆいね~。」
「うるさい。かわいい言うな。」

案の定、新しいおもちゃを手に入れたこどものようにはしゃぐこなた。

「まあそんなかがみもかわいいんだけど、それよりもつかさの声真似がうまかったことに驚いたよ。
かがみとつかさって見た目も性格も違うから、絶対大して付き合いたくない男の子からかがみ宛てに
誘いの電話がかかって来ても、つかさの声真似で『ごめんね~お姉ちゃん今出掛けているんだ~。』
と言う風に出来ないと思っていたよ。」
「なんじゃそりゃ?別にそんな事しないわよ、私は。」
「あと今やっていた親指と小指を立てて行う電話のジェスチャー、決してドラゴンボールの孫悟空を
耳に近付けるってボケじゃないから。」
「そんな発想誰もしないから。ちなみにそれは何かのネタか?」
「こうすると(親指と小指を立てる)孫悟空だけど、こうすると(手をグーにする)クリリン。」
「くだらねえよ。」

こうして上品なヴィクトリアンパブでの、騒々しい午後のティータイムは過ぎて行った。

再びこなたの買い物に付き合い、時刻は午後7時過ぎへと回った。
そして晩御飯として中央改札口にあるテナントビル内の和風ダイニングへ入る。

「『たこわさび、漬物盛り合わせ、軟骨から上げ、お肉屋さんコロッケと生ください。』って
頼んだ訳なんだけど。この注文を組みかえるとさ。」
「何?」
「漬物のから揚げ。」
「食べたくない。」
「生コロッケ。」
「ただのじゃがいもじゃないの。」
「わさび盛り合わせ。」
「嫌がらせか?」
「とまあ、かがみが作った料理となるから不思議だよね?」
「ならねえよ。残りの組みかえられてないのはどうしたのよ。」
「・・・あとは産業廃棄物と化しました。」
「ふざけるな、どんだけ私の料理下手をいじくり倒す気だ!」

和食ダイニングで食事した後、時間も時間だから帰ろうかと思ったところ、

「かがみん諦めなって、もう終電ないんだから~。」
「嘘、マジで?ってこの時間だったら、まだあるじゃない。」
「2次会カラオケ用意してるから朝まで付き合ってよ~。大学の冬休みまだあるでしょ。」
「『2次会カラオケ用意してる』ってお前はどこの宴会の幹事だ!う~んそうね・・・いいわよ、折角だし。」
「やったー、こういう時のかがみって本当に付き合いいいよね。」

と言う流れで、このままオールで遊ぶこととなった。
カラオケではお互いに遠慮することなくアニソン、J-pop問わず
各々好きな曲を入れ、好きなように歌い盛り上げ、大いに楽しんだ。

いよいよ終電が無くなった頃、こなたから『実は今日ホテル予約しているんだ』と言われ、
こなたが予約している、秋葉原駅に隣接している高層のホテルへと行く。

このあいだのクリスマスデートの際に、クリスマスイブ前の予約状況が例年と比べ
それほど入っていないという情報を信じ、こなたをホテルへと誘ったが、回ったホテルはすべて満室で
泊まることが出来ず、なんとも言えない寂しさとわびしさを感じながら電車で帰って行った。

ホテルに行くということで、そんな私が強引に引き込んだにもかかわらず、
見事グダグダな結果になったこのあいだのクリスマスデートを思い出し、少しだけ気落ちをする。

そうしてホテルへ着き、12階へと昇り、白にビビッドな赤をきかせた内装のシングルルームへと入る。
寝室と部屋の入口側にあるシャワールームを仕切るのがガラスパーティションなのに驚きつつも、
こなた、私の順でシャワーを浴びた。

シャワーを浴び、濡れた髪をタオルで乾かしながらベッドのところへ行くと
先にあがっていたこなたが、部屋に置かれているマッサージチェアに座り、おっさんのマネをした
子供のように『あ~極楽、極楽』とうわごとのようにつぶやいていた。

こいつにとって普段通りの行動の為、多少呆れつつもわざわざ構うことなく私は自分の髪を乾かすことを続ける。
しばらくしてマッサージチェアに満足したこなたが、ダブルベッドに座る私のそばに座って来た。

「あのさ、かがみ・・・・・この間のクリスマスデートの続き、しよ。」
「え?」
「前のデートの時さ結局ホテルに行けず、最後かがみが我慢しきれず駅のホームで
抱きしめてキスしただけじゃん。」
「そういえばそうだったね‥‥あの時はごめんね、強引に引きずりまわしちゃって。」

そう言って、私はうつむく。
そんな私に対し、こなたはそっと微笑みながら私の手に重ねてきて
優しく語りかける。

「別に気にしなくてもいいのに。本当にかがみは律義で真面目だよね
・・・でもかがみのそういうとこ、すごく大好きだよ。」
「こなた・・・。」
「実はね、今年の初詣願い事『これからもかがみのそばで、過ごしていきたい』なんだ。
はっきり言って自分でもストレート過ぎて恥ずかしいんだけど、偽りの無い気持ちなんだ。
だからさ、これからも一緒に過ごしてゆきたいんだ。だから全然気にしてないよ。」

こなたの柔らかく、けどはっきりと語りかけるように伝える優しい言葉と、
重ねてきている手から伝わるぬくもりが、温かく幸せな気持にさせる。

「ありがとう、こなた。私もねそういつもそう願っているわよ。わざわざ初詣で祈る必要がないくらいにね。
なんかこういう言い方って恥ずかしいんだけど、『君の夢が、私の夢』って感じですごくうれしいな。」

互いに恥ずかしいセリフを相手に伝えつつ、笑いあう。
そしてバスローブ姿のこなたに抱きしめられ、甘ったるいような優しいような匂いに包まれた。

「かがみ、好きだよ。」
「私も愛しているわよ、こなた。」

こうして私達は部屋の灯りを落とし、
私の部屋のベッドよりも弾力性があって、寝心地のよいベッドに入っていった。


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  • 続き見せて〜♪ -- かがみんラブ (2012-09-16 23:05:16)
  • 続き来たョこれ。
    いやいや、やはり前回?は二人とも満室攻撃で撃沈してたのですね。
    オイラにも経験ありますが、その分今回は萌・・・じゃない、燃えますなお二人さん。
    GJ!!
    -- kk (2011-01-11 23:00:06)



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