こなた×かがみSS保管庫

『Crossing heart』

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匿名ユーザー

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『Crossing heart』

「これラッピングお願いします。」
「はい、かしこまりました。」

会計を終え、店を出る。

私、柊かがみは大学の講義が休講になり時間が出来た為、
こなたの誕生日プレゼントを買いに表参道に来た。

実は今日がこなたの誕生日であるのだが、平日でありみんなの予定
が合わないことから、次の日の土曜日に集まり誕生日祝うこことなった。
このように誕生日会が本来の日よりズレたことと、私自身が
時間が取れなかったことから、今日プレゼントを買いに来た。

木々が芽吹き、鮮やかな緑がまぶしい新緑の並木道を何気なしに歩く。
初夏らしい新緑の爽やかな香りがすごく心地いい。

ふと、いつも傍にいたアイツの事を思い出す。
そういえば高校の頃、大宮での買い物ついでに、こなたと
大宮氷川神社の表参道をいろんな事を話しながら歩いたな。
ちょうど今ぐらいの季節に・・・。

―――――

「かがみにとって読書とは心を満たすだけでなく、読みながらお菓子も
食べることでお腹も満たす最高の行為だということで・・・次の話行こか。」
「おい、失礼な解釈で次の話に移ろうとするな。」

「で、ここ大宮氷川神社何だけどね。」
「いきなり唐突だな。」
「最近パワースポット巡りが流行っているのは知っているよね。」
「うん、知っているわよ。」
「なんとここ大宮氷川神社も有名なパワースポットの一つとして、取り上げられているんだ。」
「へえ~。」
「でね、訪れた人が増えたからか、最近だとここの参道日暮れ時になると灯篭でライトアップされて、
彼女、彼氏と行くのもお勧めなスポットになっているんだって。でもそれだとパワースポットじゃなくて・・・」
「デートスポットだよね~って感じ?」
「うわ、かがみにセリフ先回りされたよ~あそこまでいっていたら最後まで言わせてよかがみ~ん。」

「デートスポットだから何だって。」
「そうパワースポットであり、デートスポットでもあるここ。ここにいる私達。
ちょっと彼氏彼女っぽくやってみようと思う。」
「やなこった。なんで私たちでそんなことをしなくちゃいけないのよ。それよりも今年は受験なんだから、
もう少し勉学に励みなさい。」
「私は勉強が出来ない。」
「堂々と言うな。しかもアンタの場合は出来ないじゃなくて、しないだけだ。」
「けどオンナノコにはモテる。」
「いやいや、あんた女ですから。」
「そういうセリフに違和感が無いくらい心が男子な私と、
ルックスはB級アイドルで中身はツンデレ女子のかがみ。ほらカップルの出来あがり。」
「はあ?」
「いや、かがみは宝塚の男役っぽいから、かがみが彼氏、私が彼女でいいかな?」
「あの・・・こなたさん。さっきから全く話についていってないのですが。」
「んじゃ今から私が彼女で、かがみが彼氏のシチュするから・・・はいっ!」

「かがみ~オッス(ウインクして手を振る)。キュピーン。」
「・・・お前、大嫌い・・」
「はいこれ。」 
「(呆れかえりながら)なにこれ。」
「勘違いしないでね。これアンタの為じゃなくて、個人的にその武将が憎かったから
首をとって来ただけなんだからね。」
「うわっ気持ち悪いこというな。しかも武将誰だ!」
「む、紫式部?」
「武将じゃねーよ。やっぱちゃんと勉強しなさいあんた。」

―――――


それから、なんだかんだで受験までアイツの勉強みて、どうにか現役で合格したっけな。
それにしても大学でどうにかやっているのかしらあいつ。
なんかグータラにやってそうだよな。

まったく。どーして、あいつとの思い出を回想すると、
保護者的な気苦労をすることになるのかしら・・・はぁ。

こうして原宿方面を歩いていると、チェーン展開しているピザ屋のランチバイキングを見つけた。
ちょうど今空腹であるということ、そしてバイキングということでいろいろと弄ってくる奴が
いない為入ることにした。

店内に入り席に案内された後、さっそくカバンを空いた椅子に置き、
皿をとって大皿に乗っているピザやパスタ、フライドポテト、サラダ等をとってゆく。
料理が私の舌に合っていたからか食がすごく進み、結局ビーフカレー以外のメニューは全て制覇してしまった。

一通り食し、満足感と食べすぎによるちょっとした後悔を感いたのじながら食休みに入っていると
突然―――

「これ、かがみんのお腹じゃね?」

むにっ

お腹の肉をつままれた。

「な、あ、あんた何しているのよ。こんなところで。しかも人の腹をつまむってどういうこった」
「(無視)ハローん、かがみん。元気・・・だったみたいだね(積み重なったかがみの皿をみる)。」
「うるさいわね、良いじゃない別に。って回転ずし屋みたいな食べた皿の数え方するな!
両手を縦に広げて『いっぱい食べたね』ってジェスチャーいらん。」

「やっぱりかがみはこのツッコミだよね~すごく安心感がある。」
「私は疲労感しか残らないわよホント。」
「そんな疲労困憊なかがみ様!このビーフカレーを食べて元気をだしてくだされ~。」
「いや、いい。」

「そう言えば、どうしてあんたここにいるのよ。」
「今日は講義の無い日でね、仲の良い子の買い物に付き合っていたんだよ。」
「へえ、あんたが原宿とか行く友達が出来たなんて驚きだわ。」
「うん石川県出身のギャルなんだけど、大のドラクエ好きでね。こないだもドラクエモンスターズを見せて、
『うちのデスピサロ可愛いやろ。』って言ってね。ピサロが腐った死体を『汚物は消毒だ』って
感じで虐殺している様をみせてもらったりしたよ。」
「なんていうか、お前と共通項のある友達であるのは良く分かったわ。」
「いやいや、かがみ程私と共通項を増やしている友達はいないよ。」
「違う、それはあんたが染めてきたんだ。正直不本意だ。」
「私の意見を否定しつつ、さっきネタで渡したビーフカレーを食べてくれるかがみ萌え。」
「うう、るさい。あんた食べる気配がないし。もったいないからよ。しかたがなかったからよ。」
「はいはい、しっかり味わってね、かがみん。」

食事を終えて、私達は会計することになった。

「かがみん。ここは私に任せろ~」
「ちょ、いいわよ。」

パリパリパリパリ(マジックテープの外れる音)

こなたさん、やっぱり今だにマジックテープ式の財布を使ってますか。
唖然としている私をよそに、こなたは支払いを済ませた。

「ふ~食べた食べた。そういえばかがみってどうしてここにいたの?」

「ねえ、こなた。」
「どうしたの、かがみ。」

「私達、高校時代はずっと2人で一緒にいたし、それぞれ違う大学に行ってからも
ちょくちょく有っていたじゃない。それでずっと思っていたことが有るんだ。これ開けてみて。」

「この包装って、プレゼント?ちょっと開けてみるね・・うわ、これってブランド物の財布だよね。
どうしたのかがみ。」
「ちょっと早いけど、誕生日おめでとうこなた。」

「いや、誕生日は今日だから全然早くは無いんだけど。あ、もしかして今日の用事って
私の誕生日プレゼント買いにきたことなの?すごくうれしいよ、ホントにありがとう・・・だけど何故財布?」
「ずっと思っていたことなんだけね・・・財布いい加減マジックテープ止めてくれない。」
「へ。」
「高校の時はまだしも大学入ってからも変わらなかったじゃない。
さすがに20過ぎた女がそれは無いと思うし、何より一緒いる私も恥ずかしいからよ。」
「う、耳が痛い・・・」
「財布何だけど、流行を追わないシンプル且つ機能的なデザインのにしたんだけどどうかな?
一応アンタの好きな赤なんだけど。」
「すごくいいよ。まさか、かがみからこんな良いものいただけるなんて。
赤だけに通常の3倍は長持ちさせるよ、かがみん。」
「そう、それならよかったわ。それとここまでネタを入れなくていいわよ。」
「かがみ!」

呼ばれて、こなたに突然抱きつかれる。

「本当にどう言ったらいいかわからないくらいうれしいよ。
どんな理由でも私のことを気にかけてくれて、プレゼントをくれて。」
「うん、誕生日おめでとうこなた。」
「ありがとうかがみ。これからもよろしくね。」
「こちらそよろしくね。こなた。」

少々趣味があれで、オヤジっぽい発言や危険発言が好きで悪い意味で驚かされることが多いけど、
無邪気で元気で、子供っぽいかわいらしさや素直さがあるこなた。

そんなこなたに意固地になりやすく、融通の利かない私は大分助けられている。
だからこれからも変わらず、接し続けたい。

誕生日おめでとうこなた。これからも一緒に楽しく過ごしていこうね。


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  • 結構綺麗に纏まってて好きだけど…
    イイ話なのにマジックテープwwww
    このAAどうしても貼りたくなった
    ∧_∧
    ( ゚ω゚ ) 支払いは任せろー
    バリバリC□l丶l丶
    /  (   ) やめて!
    (ノ ̄と、 i
    しーJ -- 名無しさん (2010-06-17 18:07:42)
  • 誕生日おめでとー!泣けた~><
    -- 名無しさん (2010-06-04 15:09:24)




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