『2/15のバレンタイン』

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自由登校となっている、高3の2月半ばごろ。
私は違うクラスの親友である泉こなたに、体育館裏へ呼び出された。

「かがみ。はいこれ。」
「何こなた?これってチョコ?」
「勘違いしないでよね。これあんたの為じゃなくて、お父さんの頂き物の残りなんだからね。」
「まんまじゃねーか。何をツンデレっぽい感じで言っているんだ。普通におすそ分けってことで渡せよ。」
「え?何でおすそ分けって分かったの?」
「あのな・・・バレンタインは昨日だぞ。」


『2/15のバレンタイン』


「ふ~。ツンデレなかがみんには、ツンデレをと思ってやってみたものの・・・
まさかこんな返しをされるとは。がっかりだよ。それっぽいシチュエーションも用意したのに。」
「何を期待しているんだ、おまえ。別に私はツンデレじゃないし。」

果たしてこいつは何を考えているのだろうか?
さすがに、唐突過ぎるアクションには付き合いきれないぞ。

「んで、このチョコはおすそ分けってことでいいのね。」

今私の手には、1箱のチョコレートがある。

「うん、お父さんが出版社関係の方から頂いてきたものなんだけどね。
ちょっと量が多くて、お父さんや私、ゆーちゃんだけだと厳しかったから、
配っているんだ。」

そう言うが否や、こなたが私の持っているチョコの上に、新たにチョコの
箱を重ねてきた。

「つーことで。はい、おまけのおまけ。このベルギー産のチョコも入れちゃう、入れちゃう。
そんでいつもだったらこれで千円のところ、かがみんツンデレだから特別にタダでいいよ。」
「お前は、上野アメ横のチョコ叩き売りのおっさんか!?そしてタダでいいよの前のセリフ、
普通だったらかわいいとか外見を挙げないか?何だよツンデレって。」
「だってかがみ、ツンデレじゃん。」
「・・・正直しつけーよ。一度も認めたことはないからな!私は!!
…(気を取りなして)まあ、とにかくありがとう」
「はい、かがみ。紙袋。」

こなたから紙袋を貰い、手渡されたチョコを入れていく。

「かがみ、ちょっと・・・(そっと耳打ちして)ヒソヒソ・・・」
「『1個2千円のチョコが入っているんだけど、味が100円板チョコの20倍のおいしさになっていないのと
同様に、カロリー、糖分が20倍なんてことになっているわけじゃないから安心して。』ってなにわけわからん
ことを言っている?そんなこと、いちいち耳打ちして言うことじゃないだろ。」
「ダイエッターかがみ様にとって重要なことだと思い、しっかりと伝えさせていただきました。」
「心配しなくても、量が多かったりカロリーが高かったら、家族で分けたりするわよ。」
「でも家族の中で一番食べるのは、かがみですよね、分かります。」
「ち、ちがうわよ。」
「にしても、今はチョコのお陰で脂肪が増えていなくても、この一連のやり取りで、
血圧はだいぶ上がったよね!!これはこれで不健康だよね~~。」
「だれかさんが、余計なひと言を言ってくれるお陰でね!!」
「どうどうかがみん。ではさっそくチョコで糖分補給して、頭を落ち着かそう。
で次は体重が増えて悩んで、悪循環と・・・」
「るさい。どうしても私を悪循環の中にブチ込みたいのか!?」
「そんなお嘆きのかがみんに一つ解決策を提案しよう。今から脂肪燃焼がてら、秋葉原まで一緒に行かない?
久々だし。燃費の悪いかがみの為の燃料(チョコ)もあることだし、大丈夫でしょ。」
「寄り道に付き合って欲しいだけじゃねーか。燃費の悪い私の為に燃料って、余計な御世話だ。」
「で、付いてきてくれるの?」
「ん・・まあ、いいわよ。ちょうど買いたかった新刊もあるし。」

「やたー。それじゃかがみん、いざゆかん放課後デートへ。」
「放課後デートって何だよそれ・・・。」
「チョコ渡した後のお出かけだからだよ。」
「それだけで何故そういう発想に辿り着く!?」
「少しでもそういう感じに見えたら、後は都合のいいように脳内保管する時代なのだよ!か~がみん。」
「もう何でもありだな、おまえ。」

こうしてアニメショップ巡回の為、電車を乗り継ぎつつ秋葉原へと向かった。
そして秋葉原へ着き、一通り目当てのショップ巡りを終え、今は中央通りを通っている。

「いや~大量、大量。」
「毎回毎回、買い過ぎだアンタ。」
「久しぶりに来たら、なんとなく故郷に帰ってきた感じがしてね。
嬉しなってついつい手にとってしまった訳なんだよ。」
「買いすぎなのはいつものことだろ。物欲に忠実すぎだ。」

はぁ~、まったく少しは自重しないと後で泣きを見るわよ、ホント。

「でもさ、かがみ。さっきからクレープ屋やたこ焼き屋の前を通る度に、買うか買うまいかそわそわしていて。
態度で『あ~小腹がすいたしサクッとたべたいな~』って心の声のお漏らししていたよ(ニヤニヤ)。
かがみだって食欲に忠実じゃん。」

ぐ・・・、どこまで抜け目なく人のことを観察しているんだ、こいつは。

「そ、そんなこ・・(ぐぅ~)。・・あ、あのさこなた。たこ焼き買うけど、半分たべない?」
「(ニヤニヤ)かがみはそうでなくっちゃ。私からもらったチョコに手を出さないで、
わざわざ買い食いするとこがまた・・」
「とにかく、買ってくる。」
「あ~い。」

結局、近くに有った京たこにて8個入りのねぎマヨを買い、近くのガードレールに腰かけ2人で分けて食べた。
たこ焼きを食べ終えた後、電車に乗り帰路についた。


「ただいま~」
「おかえり、かがみ。」

家に帰ると、廊下にまつり姉さんがいた。そして手にしたチョコの入った紙袋を目にして、

「かがみ、そのチョコどうしたの?もしかして男子からの逆チョコ?」

などと言ってきた。

「違うわよ。」
「じゃあ、女子から?宝塚的にお姉さま~って?」
「違う。こなたからのおすそ分け。こなたのお父さんが貰い過ぎたみたいでね。」
「なんだ~、男らしいかがみの事だからそのどれかかと思ったのに。つまんない。」

姉よ、普段私のことをどう見ていたんだ?

「いや、おすそ分けっていって、実はこなたちゃんからの本命だったりして。」
「アメ横のチョコ叩き売りみたいな本命が何処にある!?」

そんなやりとりを切り上げ、チョコを置く為に台所へと入ると、
つかさが晩御飯の準備をしていた。

「お姉ちゃんおかえり。」
「ただいま、つかさ。」
「お姉ちゃんもこなちゃんから、チョコのおすそ分け貰ったんだね。」
「うん。」
「私のよりもちょっと多いね。」
「うそ。」

つかさが貰った分と私の分を見比べる。
確かに若干多い。もしかして渡してきたときに重ねてきたベルギーチョコの分だったりして。
そう思い裏を見てみると、アメ横にある有名商店名が記載されているシールが貼られていた。
もしかしてあのネタの為に買ってきたのかアイツ・・・。
つかさにこなたから貰った時のやりとりと併せて伝えたところ、

「あはは、こなちゃんらしいね・・・」

と若干呆れ気味に返し、晩御飯の準備へと戻った。

私自身も呆れていると、1つ他のチョコとは毛色が違うものが入っているのを見つけた。

どことなく手作りな感じがする作りで、包装紙の上にかかっているリボンに手紙が挟まっていた。
表には『でぃあ、かがめん。』とアイツらしい読みづらい字で書かれていた。
・・・せめてDearって英単語、百歩譲ってカタカナで書こうな、こなた。
そして修学旅行時のプリクラの『I love kagame』と同じ失敗はよさないか?
なんか今回の『かがめん』ってさどことなく男らしさがにじみ出ている感じがして、
一応女の私としては、正直嫌だからさ。

このようにのっけから突っ込みどころ満載なこなたからの手紙をカバンにしまい、
台所で晩御飯の準備をしているつかさを横目に2階の自室へ戻り、部屋で読むことにした。


でぃあ、かがめん。
ちょっと仕組ませて頂いた、アメ横のチョコ叩き売りのネタはどうだったかな?楽しんで頂けたかな?
まあどちらにしても、ネタの為に追加した分のチョコの代金は徴収するので、そのつもりで。


怒りで手紙を破きそうになるところを、どうにか止める。さあ、続きを読もうか。


かがみの血圧を上げるのはここまでにしておいて、本題に入ろうか。
(いいから、早く入ってくれ。)
遅れたけどハッピーバレンタイン、かがみ。
去年、かがみからもらったから、それならって作ったんだけど渡しそびれちゃってさ。
時間が過ぎて、普通に渡すのも恥ずかしいから、お父さんが貰った分のおすそ分けに紛れて
渡すことにしたんだ。なんていうか、グダグダになってごめんね、かがみん。

私、かがみがいてくれてホントによかったって思っている。
他愛のないことを話したり、バカやってばかりだったけど、かがみが私の言ったことをちゃんと受け止とめて、
率直なリアクションを返してくれたおかげで、いつもわくわくしてすごく楽しかった。
それと、私にとって何が良い事かってことを一所懸命に考えてくれる優しいところもあって、
実を言うとすごく感謝しているんだ。
そんなかがみが好きだから、これからも付き合い続けてゆきたいと思っているんだ。
かがみが迷惑じゃなければ、卒業してからもよろしくね。
受験まっただ中で、寒さも厳しいけど、互いに体調には気を付けて頑張ろうね。
あなたの婿より愛を込めて。


あのバカ、こんなところまで『かがみは私の嫁』か・・・・・まったく。
これじゃまるで、『本命チョコ』じゃないか。
・・・ふぅ。さて、この手紙のお返しを準備しなくちゃな。
そう思い私は、台所にいるつかさの下へ向かった。


―――――――次の日
「あのさ、こなた。今日帰り、私の用事に付き合ってくれない?」
「ん、いいけど。」

帰り道、糟日部駅東口(私たちの高校とは逆方面)にある糟日部-古利根公園橋へ
こなたを連れてきた。

「あのさかがみん。こんな橋まで連れてきてどうしたの?
もしかして愛の告白?ひょっとして手前ちょっと面貸せや?」
「はい、これ。」
「え、これってチョコ?」
「そ、とりあえず昨日のお返し。見知った人間が明らかにいるところで渡すのも恥ずかしいから、
ここにしたわけ。それと手紙の返事だけど。別に迷惑じゃないし、私もこなたのこと好きよ。
だからこれからもよろしくね、こなた。」
「か、か、かがめ~ん。(かがみに抱きつく)」
「ちょ、おま。ここでも『かがめん』をひっぱるか。抱きつくのはいいにしても、
どさくさにまぎれて尻をさわるな。胸をもむな。」

こうしてこなたのセクハラに抵抗していると、こなたにぎゅっと強く抱きしめられた。
どうしたのか様子をうかがっていると、静かに泣き始めた。

「ねえ、こなた・・・」
「うっ、ひぐっ、ごめん、自分でも分からないんだ。かがみに好きだって言われたら、
なぜだか急に泣けてきて・・・しばらくこのままでおねがい。」

そう言われ私は、こなたの涙で胸のあたりが濡れてゆくのを感じながら、落ち着くまでずっと
優しく抱きしめ続けていた。

「あのさ、私どんなに環境が変わってもアンタのこと忘れない。
特に用事が無くてもメールや電話をするし、ふと思い立ったときに遊びにも誘うわよ。返事くらいしなさいよ。」
「むふふ、女子高生の匂い・・・ハアハア。」
「アンタこんな時にムードブチ壊しなこというんじゃないわよ。」
「(べちん)あー。」

そう言って、こなたにでこぴんをかます。

こんな普段と変わらないやりとりをしつつも、私たちの関係が今までと違う形に変わってゆくのを
確かに感じていた。


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  • レベルの高い女の子います(/∀\*)) http://rank.32yt.net -- しょうこ (2012-10-09 21:59:08)
  • たまらないですね♪ -- かがみんラブ (2012-09-17 17:23:17)
  • いい話ですね〜
    こなたのかがみいじりが
    たまりません。 -- 無垢無垢 (2010-02-22 01:21:29)
  • あう~いい話だ~
    こなたは意外とさみしんぼだなー -- 名無しさん (2010-02-20 11:15:22)


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