『かがみ、おはよ!』
『おーっす、こなた。早く大学行かないと、また教授にどやされるぞ。』
『怒られる時はかがみも一緒だよね?』
『おーっす、こなた。早く大学行かないと、また教授にどやされるぞ。』
『怒られる時はかがみも一緒だよね?』
一緒?
『私はイヤよ。怒られる前に行くわよ。』
『なんだかんだ言いながら、高校時代のように一緒に大学に行ってくれるかがみ萌え。』
『そ、そんなんじゃないわよ・・・ちょっと心配なだけよ。』
『なんだかんだ言いながら、高校時代のように一緒に大学に行ってくれるかがみ萌え。』
『そ、そんなんじゃないわよ・・・ちょっと心配なだけよ。』
一緒?
『かがみん?』
『な、なによ?』
『私達、ずっと一緒にいられるよね?』
『な、なによ?』
『私達、ずっと一緒にいられるよね?』
一緒?
『こなた・・・そうだね。私達ずっと・・・』
「起きろかがみー!起きないとキスしちゃうぞー!」
「っそれは断る・・・ってあれ?」
「起きろかがみー!起きないとキスしちゃうぞー!」
「っそれは断る・・・ってあれ?」
視界が悪い。頭がボーッとする。あまり開かない目に入るのは夕焼けに染められた教室とこなた。
「待たせてごめんね。進路指導の先生話長くてさ・・・ってかがみ?」
あれは夢?
まだ覚めない頭に、夢の中のこなたの声が響く。
まだ覚めない頭に、夢の中のこなたの声が響く。
『ずっと一緒だよね』
胸が締め付けられる。心臓が圧迫されているように、痛い。それでも心臓はいつもより早く拍動する。
「かがみ!」
「うぇ、あっ、な、何?」
「ボーッとしてたでしょ?待たせて、ごめんね。」
「う、ううん。平気。」
「先に帰っても良かったのに。」
「だって、一緒に帰るって約束したでしょ?」
「・・・かがみはやっぱり俺の嫁!」
「誰があんたの嫁だ!」
「うぇ、あっ、な、何?」
「ボーッとしてたでしょ?待たせて、ごめんね。」
「う、ううん。平気。」
「先に帰っても良かったのに。」
「だって、一緒に帰るって約束したでしょ?」
「・・・かがみはやっぱり俺の嫁!」
「誰があんたの嫁だ!」
頭では、こなたとの会話を意識しているはずなのに。心、ここにあらず。
もう一度、夢に思いを馳せていた。有り得ない夢。私とこなたの志望校は違う。そんなの分かってる。
でも、夢は残酷に、私に偽りを見せた。痛い。凄く痛い。
もう一度、夢に思いを馳せていた。有り得ない夢。私とこなたの志望校は違う。そんなの分かってる。
でも、夢は残酷に、私に偽りを見せた。痛い。凄く痛い。
「ほら、変な事言ってないで、さっさと帰るわよ。」
「ほーい、かがみ様。」
「ほーい、かがみ様。」
胸が痛い。この感情は、なんだろう。あの夢に、偽りの未来に幸せを感じた私。
虚しさ?切なさ?愚かさ?それとも。
虚しさ?切なさ?愚かさ?それとも。
‐‐‐‐
「あと1週間だね。」
「私は理系教科抜きでなんとかなるけど、かがみんは大変だよねー。」
「ま、そんなもんよ。法学部なんて。それに文学部だって数学とかできないと。」
「まぁね。」
「私は理系教科抜きでなんとかなるけど、かがみんは大変だよねー。」
「ま、そんなもんよ。法学部なんて。それに文学部だって数学とかできないと。」
「まぁね。」
夢のようにはいかない。私もこなたも自分の道を歩んでいく。こなたが隣にいるのも、あとわずか。
「早く合格してさ、色んなトコ遊びにいこうよ。」
「色んなトコってゲマズとかだろ?」
「だってさ、あと何回一緒にゲマズ行けるか分かんないじゃん。そう思うと行きたくなんない?」
「色んなトコってゲマズとかだろ?」
「だってさ、あと何回一緒にゲマズ行けるか分かんないじゃん。そう思うと行きたくなんない?」
こなたの言葉が、私の夢と共に胸に突き刺さる。目がジンジンするのは夕焼けのせいじゃない。
この気持ちがなんなのか、私には分からない。気が付いているようで、気が付かない。
気が付きたくないだけかもしれない。でも、そんな事は今はどうでもいい。
この気持ちがなんなのか、私には分からない。気が付いているようで、気が付かない。
気が付きたくないだけかもしれない。でも、そんな事は今はどうでもいい。
「じゃ、今日は息抜きによってく?」
「おぉ!かがみん、ぐっどあいでぃあ!」
「おぉ!かがみん、ぐっどあいでぃあ!」
親指を立てる仕草。笑う表情。この心地よさ。鼓動の速さ。夕焼けの紅の背景。
「ねぇ、こなた。」
「んー?」
「私達さ、ずっと・・・バカやったり、出かけたり、一緒にいれるかな?」
「・・・当たり前じゃん。」
「んー?」
「私達さ、ずっと・・・バカやったり、出かけたり、一緒にいれるかな?」
「・・・当たり前じゃん。」
私はこの瞬間を忘れない。どんなに私が変わっても、こなたが変わっても。
ここにある絆。大切な絆。私達の関係が時と共に、変わっていっても、私に永遠に刻まれるメモリー。
ここにある絆。大切な絆。私達の関係が時と共に、変わっていっても、私に永遠に刻まれるメモリー。
「ほら、おいてくよ、かがみ。」
走りだすこなた。蒼い髪が、紅の世界で揺らめく風景は美しかった。
「あっ!こら待ちなさいよ!」
私達が大人になるその前に、変わりゆくその前に、私の持つ、はっきりしてるようで、曖昧なこの感情を、自覚するその前に。
「早くー、かがみ!」
未来なんて分からない。だから今は、目の前にいるあいつを追い掛ける。
未来への不安を置き去りにして、こなたとの絆を感じよう。
未来への不安を置き去りにして、こなたとの絆を感じよう。
「今行くよ、こなた!」
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- GJ!!!(≧∀≦) -- 名無しさん (2023-01-03 15:47:58)
- お幸せに? -- かがみんラブ (2012-09-17 04:37:02)
- このシリーズの最後にコレとは、作者様は天才です。
プロットの作りがスゴすぎ!
涙が止まりません!! -- 名無しさん (2010-04-22 02:29:58) - 哀雨からの一連を読んでからこの作品を読むと、
なんとも言えない胸の苦しさを感じます。
それは、年をとりすぎた自分には、
取り返せない何かがあるからなんでしょうかね。
何年ぶりかに、忘れていた焦燥感を…何故か感じてしまいました。
凄く好きな作品です。 -- 名無しさん (2010-04-02 02:52:37)