white chocolate (1)

このページを編集する    
告白した、あの日。
忘れもしない、あの日。
時が止まった、あの瞬間。

ずっとずっと、好きだった。

私の気持ちは、あの時から変わっていないよ。
変わるはずがないんだ。

多分、これから先も、ずっと。

――――――――――――――――――
white chocolate (1)
――――――――――――――――――

2月14日。それは、乙女による乙女の為の乙女の日。

私だって、一応女の子。
この日になると、色付く空気がたまらなくくすぐったくて。

朝起きれば青空だった。
澄んだ青で、私を見下ろしていた。
だけれど、雪はなんだか降りそうな気がした。

まだまだ寒い、今日この頃。

昨日、ゆーちゃんと一緒に作ったお菓子。それは、チョコレート。
ゆーちゃんはゆーちゃんで愛しの人に作ってて。
私も、まぁ、大好きなかがみの為に作った。実は作りたくて仕方がなかったのだチョコレート。
世界にただ一つの、オリジナル。
そう思えばなぜか愛しくみえるから不思議だよ。

言わば私の想いの分身。私の心の一部。

それが私の鞄に入れば、学校に行く準備は万端。

かがみは受け取ってくれるよね?


今日も変わらず学校へ行く。
毎日毎日変わらないのに、今日はどうしてか心がここにない、そんな気がして。
やっぱり今日が2月14日だからなのかな。
今は、いつもあいつと待ち合わせしている場所につく前の一時。
つかさと2人で歩いてる。

「今日は先に帰ってもらえる?」

つかさに言うと、

「うん、わかってるよ♪」

なんてご機嫌な様子で返してきて。
なんでそんなに機嫌いいわけ?

「だって、こなちゃんと放課後デートするんでしょ?2人がうまくいってると、私も嬉しくって♪」

うぅ…恥ずかしい。
デート、とか…しないわけじゃないけどさ、ねぇ。てゆうか、むしろデート以外のなにものでもないのだけれど、ストレートに言われると恥ずかしいわよ。

今日の放課後、私たちは2人だけで帰る約束をしていて。

昨日こなたに、2人きりで帰ろう、そう言われて。
理由なんて、聞くわけなくて。
そんな言葉は、必要なくて。

ただ、目と目が合わされば、それで充分だった。
ただ、手と手が触れあえば、それで充分だった。

多くの言葉は必要ない。

一緒にいるとき、はしゃぎあえて。
馬鹿みたいに笑いあえて。
少しだけいい雰囲気の時には、多くの言葉はいらない関係。

私はそれが、凄く嬉しくて。

だって、こなたに出会えたあの時から。ずっとずっと欲しかったから。
今のこの、関係がさ。


私の好きな人と、私の親友が歩いてきた。
私が先に待ち合わせ場所に着いてるなんてあんまりないんだけど、今日は早く起きちゃったものだから。早めに家を出ちゃった。

「こなちゃん、おはよー」
「早いじゃない、珍しいわね」

私も2人に挨拶を返す。
私はかがみに目で合図した。

今日の放課後、大丈夫だよね?

かがみも、私に合図した。

わかってるって、大丈夫よ。

私たちがそうしていると、つかさは何がなんだかわからなそうだった。

「さぁさ、学校へ行こう行こう!」

私はなんだか嬉しくなって、歩き出した。

「朝から元気だね、こなちゃん」

「ふふ、当たり前だよつかさ。だって今日は…乙女の日だからね!」

「全くあんたは…乙女の日って、何よ」

「いいの~?言っちゃっても」

「なによ。言ってみなさいよ」

「私とかがみが、激しく愛し合う日のこと「変なこと言うなー!」

全部言い切る前に遮られた。

「お姉ちゃんたち、進んでるんだね」

なんか納得してるつかさ。
かがみは顔真っ赤。

冗談がすぎたかな…?
まぁ、実際に何回か、そうゆうことをしてたりするからこそ、かがみは顔が紅いのかな。
なんて、思い出したら私まで顔が熱くなってきた。
しまった、自爆しちゃったね。

「てゆうか、それのどこが乙女なのよ。むしろなんだか乙女から遠ざかってるじゃない!」

「そう~?でもあの時のかがみは乙女ちっくだったから…って、痛いよかがみ~…」

軽く口をつねられた。うぅ~。


学校に着いた。
なんだかやっぱり、今日は雰囲気が桃色だ。
みんな意識、してるんだな…。

上履きを出そうと、げた箱をあけると―――

とあるモノを、見つけてしまった。
手紙だった。
綺麗な字で、柊かがみ様、そう書かれていた封筒だった。

思考が停止した。

「かがみ、どうしたの?」

後ろからこなたに声をかけられて、我に帰る。
私はとっさにその手紙を隠してしまった。隠した理由はどこにもないように思えた。
こなたはそれに、気づかないようだった。
私がなんでもないよと言ったら、ふぅん、そう言っただけだった。

つかさとこなたと別れたあと。
トイレの個室に駆け込んで、手紙を読んだ。


突然のお手紙、申し訳ございません。今日の放課後、屋上に来ていただけませんか。渡したいものがあります


差出人不明。
やっぱりこれって…ラブレター?まさか、ね。

いや、認めざるを得ない。
これは、紛れもないラブレターだ。
だって封筒をとめるのにハートのシールが使われているし。
それに、今日このタイミングで手紙を書くなんて、どう考えてもやっぱり、ね。

そんなことをしていたら、チャイムがなった。私は急いで、心ここにあらずのまま、クラスに戻った。


1日の授業は、あっという間に流れた。

今は最後の時限だ。
これが終われば放課後だ。

早く放課後にならないかな。
早く放課後にならないかな。

そればかり、考えていた。
愛しのかがみに、早く会いたいよ。

「じゃあ泉、ここの答えはいくつだ?」

突然、先生に指名された。
…ヤバい。授業全く聞いてなかったから、わからない。
しかも教科書すらあけてない。
今、数学だっけ?
…いいや、適当に言っちゃえ!

「3χです!」

「うん、正解だ」

え…いや、まさか。…当たっちゃった!言ってみるもんだねぇ。

「正解なんだ…が。なんで教科書すら開いてないのに答えがわかったんだ?」

…。
それは。うん。聞かないでほしかったなぁ。
…いいや、適当に言っちゃえ!

「そこに答えがあるからです!」

「アホか!泉、授業終わったら職員室来い!」

え゛…。…ヤバい。放課後はかがみと大切な約束があるのに。

授業が終わった。
つかさやみゆきさんに励まされた。ありがとね。

早めに先生のお説教すまして、早く幸せの時間を過ごさねば。
私は急いで先生のあとをついていった。
職員室からすぐにかがみのもとに向かえるように、鞄を持って。
私の心の一部は、鞄の中でひっそりと眠っていた。


職員室に入るときだった。

かがみが屋上への階段をあがるのが見えたんだ。
見た途端に、私の第六感は告げた。

………まさか、ね…。


放課後になった。
全然、頭に授業が入らなかった。

私はなんて言って断ろうか、考えていた。
おそらくは女子から、渡されるのはきっとチョコレートと告白の言葉。
今日というこの雰囲気に押されて言っちゃえ、って決心したんだと勝手に想像。

私はこなたと付き合っている以上、他の誰からも受け取るわけにはいかないし、受け取れるはずがない。
こなた以上の相手は現れるはずがないから。
私は確信していた。私が好きになれるのは、後にも先にもこなた一人だけだって。

私は、もう大切な人がいるので受け取れません、そう言って断ることにした。

屋上に出た。まだ、誰だか知らない相手は来ていなかった。
授業が終わってすぐに来たからかな。

こなたが待っているから、早く済ませたかった。誰かさんには申し訳無いけれども。

しばらくたった。長すぎる待ち時間。長く感じられただけで、多分5分はたっていないと思う。
時計をみて確認しようかな、なんて思ったときだった。

扉が、開いた。
それは、意外な相手だった。


日下部だった。


最初、私は日下部も誰かに用事があったのだと思った。

「日下部じゃない…あんたも、何か用事があるの?」

聞いて刹那、日下部の瞳を見て全てを悟った。

――この人だ――

そう。手紙の差出人は、日下部だった。

「日下部が…手紙の差出人?」

一応確認したら。

「うん…」

ただ、それだけ。
日下部は鞄から、綺麗に包装されたもの――恐らくチョコレート――を取り出して、言った。

「柊…。ちびっこと、付き合っているのはわかってるんだ。だけど…私、もう耐えられないんだ…。自分の気持ちを、これ以上、おさえられないってゆうか…。う、うけとって貰えないかな…。」

私の思考は止まりかけた。
…日下部は、私を、好きなんだ。

びっくりしてしまった。
中学からずっと一緒だったのに、そんな素振りさえ見せなかったから。

「いつから…?」

疑問に思って、聞いてしまった。

「…柊がちびっこと付き合いだしてからかなー。なんかなー、柊が付き合ってるのをみて、こう、胸が切なくなって…」

いつもの喋り方だけれど、明らかに違う様子で言った。照れた表情だけれど、瞳は真剣だった。
本当に本当に好きなんだ、そう目が訴えていたから。

日下部の手は、震えていた。
日下部は、泣き出しそうだった。

やめてよ。泣かないでよ。
そんな悲しい表情はあんたには似合わないよ。
日下部は、手を滑らせて、日下部の想いの詰まった包装を落としそうになった。

私はとっさに、それを取った。


後ろで、屋上の扉が開く音がした。
振り向くと。


――こなたがいた。

大きく瞳をあけて、そう、信じられない
と、言うかのように。

「…なんで…こなたが…ここに?」

私はとっさに言った。
だってこなたは…私と帰るために、教室に、いやここ以外の場所にいるはずだったから。

「…なんでは…こっちのセリフだよ…」

こなたは下を向いた。
震えながら、言った。

「…か…かがみは…なんで…みさきちと…ここにいるの…?」

…こなたは、泣いていた。

私はその時わかった。

誤解、されている。

私が日下部となんらかの関係があると誤解している。

私は急いでこなたに駆け寄ろうとした。

「、来ないでっ!!!」

こなたは叫んだ。泣きながら。涙を、流しながら。
私は駆け寄ることができなかった。

こなたは手に持っていた鞄から、ラッピングされたものを出して、私に投げつけた。
乱暴に、私に投げつけた。

私はそれを受け取ることができなくて。

「…かがみの、うそつき…っ!!!」

こなたは泣きながら、そう、叫んで。
走り去ってしまった。

私はただ、呆然とそこに立ち尽くしてしまった。



コメントフォーム

名前:
コメント:
  • おうふ…(--;)
    まさかこなかがのSSでこんな修羅場が見られようとは…。 -- 名無しさん (2012-12-26 17:56:12)
  • 修羅場ktkr! -- 名無しさん (2009-12-26 10:06:06)
  • 氏の作品はどれも続きが気になって困る(いい意味で)。
    続編期待してます!!
    頑張ってください! -- 名無しさん (2009-02-24 16:24:52)


投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)


|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|
  



★Counter

TOTAL: -
TODAY: -
YESTERDAY: -

★更新履歴

取得中です。