部屋の中、青い子猫の前で頭を抱える私。
うわあああ…どうしよう。
よりによってこいつを…こなたのことを思いっきり愛でてしまった…ああ、恥ずかしい。
よりによってこいつを…こなたのことを思いっきり愛でてしまった…ああ、恥ずかしい。
いや違う。問題はそこじゃない。人類が猫になってしまったことの方が重大だ。えーと…
「…あんた、こなた…なんだよね?」
一応確認のための質問。
すると、猫は少々迷ったような様子を見せ…
一応確認のための質問。
すると、猫は少々迷ったような様子を見せ…
こくんと頷いた。
頭のアホ毛を揺らしながら。
頭のアホ毛を揺らしながら。
「はあ…」
ため息をつく。こんなことってあるんだろうか。
人間が猫になるなんて。それこそこなたのよく言うアニメのような出来事じゃないか。
…それが現実に起こってしまうとは。どうしてこんなことに?
ため息をつく。こんなことってあるんだろうか。
人間が猫になるなんて。それこそこなたのよく言うアニメのような出来事じゃないか。
…それが現実に起こってしまうとは。どうしてこんなことに?
とにかくまずはこなたの話を聞かないと。こいつに話が伝わるのなら、コミュニケーションは取れるはずだ。
…でも、どうすればいいのかしら。今のこなたじゃ、頷く、首を振る、鳴く、くらいの意志表示しかできないし。
猫のこんな手じゃ、携帯やパソコンのキーは叩けないわよね。
…でも、どうすればいいのかしら。今のこなたじゃ、頷く、首を振る、鳴く、くらいの意志表示しかできないし。
猫のこんな手じゃ、携帯やパソコンのキーは叩けないわよね。
私は思考を巡らせて、なんとかこなたと意志疎通させる方法を考えた。
「よーし、できた!」
「…ふにゅ」
そう言うと、私が作業してる間、ずっとごろごろ寝転んでいたこなたが顔を上げる。
こな猫の前に広がる大きな用紙。そこにマジックで書かれた文字が並ぶ。
「…ふにゅ」
そう言うと、私が作業してる間、ずっとごろごろ寝転んでいたこなたが顔を上げる。
こな猫の前に広がる大きな用紙。そこにマジックで書かれた文字が並ぶ。
あいうえお、かきくけこ、さしすせそ…の五十音。
濁音の付く文字、が行、ざ行、だ行、ば行。
半濁音のぱ行。
濁音の付く文字、が行、ざ行、だ行、ば行。
半濁音のぱ行。
拗音に使う小さな文字も抜かりなく、ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、っ、ゃ、ゅ、ょ
伸ばす音の『ー』
疑問符の『?』
疑問符の『?』
「よし、これでOKね」
RPGの最初に、キャラクターに名前を付ける画面の文字一覧のようだ。
これなら猫の手でも指せる。まあ、これは私とこなたの「通訳紙」ってとこかしらね。
これなら猫の手でも指せる。まあ、これは私とこなたの「通訳紙」ってとこかしらね。
「にゃご」
「なあに?」
こなたが紙の前に来て、早速文字を指し始めた。
「なあに?」
こなたが紙の前に来て、早速文字を指し始めた。
『す、う、じ、は、?』
妙なとこにこだわるな…
でもまあ必要そうだから、1から9と0の数字を付け加えてやる。
「…よし、と」
でもまあ必要そうだから、1から9と0の数字を付け加えてやる。
「…よし、と」
「にゃーす」
また文字の上をぽんぽん叩く。
また文字の上をぽんぽん叩く。
『え、い、ご、は、?』
英語…必要かあ?まあでも一応付け加えておく。
「あと、何か必要な言葉はあったかしら?」
『も、え』
「萌え…」
猫はこくんとうなづいた。
「それはいらないだろ…」と言うと、
猫はこくんとうなづいた。
「それはいらないだろ…」と言うと、
「にゃーにゃーにゃーにゃー!!」と騒ぎ立てるので、『萌え』も書き加えてやった。
さらに文字を指し示す。
『つ、ん、で、れ』
「いらねえよ」
『つ、ん、で、れ』
「いらねえよ」
すると、猫は歯を剥き出して「フーッ」と威嚇してきた。
なんでだよ。
なんでだよ。
仕方なく、私はその紙の余白部分に、「ツンデレ」と書きこんだ。
その後、かがみん、ネコミミ、スク水、メイド、コミケ…など、しょうもない言葉まで書かされた。
…なぜ『かがみん』があるのか。私のことを指す際に有効な文字ではあるが、こなたには『かがみ』と『かがみん』の使い分けに何かこだわりがあるらしい。
どんなこだわりかは知らん。別にどうでもいいし!
…なぜ『かがみん』があるのか。私のことを指す際に有効な文字ではあるが、こなたには『かがみ』と『かがみん』の使い分けに何かこだわりがあるらしい。
どんなこだわりかは知らん。別にどうでもいいし!
「…もういいでしょ…?」
『た、い、と、る』
「は?タイトルって何のよ?」
「は?タイトルって何のよ?」
こなたは紙の上をぽんぽん叩いた。
「この紙の名前かあ?」
猫はこっくりとうなづく。
「この紙の名前かあ?」
猫はこっくりとうなづく。
「そうねえ…」
マジックを手に取り、思いつくままにタイトルを書いてみる。
マジックを手に取り、思いつくままにタイトルを書いてみる。
~ねこなた通訳表~
「…」
なんだこれは。我ながらセンスNEーと思った。
なんだこれは。我ながらセンスNEーと思った。
「ま、まあ…分かりやすいタイトルだし、こんな感じでいいでしょ?」
「…」
「…」
「にゃっはっはw」
「笑ったなてめえ!!」
「笑ったなてめえ!!」
…その頃。
つかさは自室で考えていた。
さっきは何度も宿題を聞きに行こうとして、なぜかがみがあんなおかしな態度をしていたのか、その答えを見つけ出そうとしていた。
つかさは自室で考えていた。
さっきは何度も宿題を聞きに行こうとして、なぜかがみがあんなおかしな態度をしていたのか、その答えを見つけ出そうとしていた。
そっか。あの猫ちゃんが可愛かったからはしゃいでたんだね、きっと。
だからさっきのお姉ちゃんはちょっと不思議だったんだ。
別におかしくないよね。あの猫ちゃんかわいいんだもん。
だからさっきのお姉ちゃんはちょっと不思議だったんだ。
別におかしくないよね。あの猫ちゃんかわいいんだもん。
そう納得したつかさは、改めてかがみの部屋に向かった。
「…もう…いいでしょ…」
私はイライラしながら言った。猫は真上を向いて考えている。
すると、またこなたが文字を示す。
私はイライラしながら言った。猫は真上を向いて考えている。
すると、またこなたが文字を示す。
『ぎ、ゃ、る、げ、ー』
「いらねえよっ!!」
「いらねえよっ!!」
『え、ろ、げ、ー』
「だからそういうのはいらんっつっとろうがあああ!!!!」
「だからそういうのはいらんっつっとろうがあああ!!!!」
猫のひげをぎりぎりとひっぱり、睨んだ。
「お姉ちゃん…」
またもつかさが都合の良い(悪い)タイミングで入ってきていた。
またもつかさが都合の良い(悪い)タイミングで入ってきていた。
「猫ちゃんいじめちゃかわいそうだよ…」
「いや、それはっ、だって、こなたがっ…!」
「いや、それはっ、だって、こなたがっ…!」
すると、こなたはつかさの足下に擦りよった。
そして私の方を見て、にやり☆と笑った。
そして私の方を見て、にやり☆と笑った。
「このやろう…」
びくっ!
しまった。つかさと一緒に睨んでしまった。
とりあえず、怖がらせてしまったつかさをなんとかなだめて、部屋に帰す。
とりあえず、怖がらせてしまったつかさをなんとかなだめて、部屋に帰す。
「まったく!あんたのせいでつかさに誤解されそうになっちゃったじゃないの!!…ん?」
また何か言葉を指し始めた。
『あ、っ、ち、む、い、て、ほ、い』
『あ、っ、ち、む、い、て、ほ、い』
「…?」
「…」
「…!」
「なあぁっ!!」
さっき、この猫の姿をしたこなたを思いっきり愛でてしまったことを思い出して、私は赤面してしまう。
そして猫はにやにやと笑っている。
さっき、この猫の姿をしたこなたを思いっきり愛でてしまったことを思い出して、私は赤面してしまう。
そして猫はにやにやと笑っている。
なんで、猫なんかに惑わされてなきゃいけないのよ、もう!
「だいたい…どうしてそんな姿になったのよ、あんた」
髪の毛を指でくるくると回しながら、こなたに尋ねる。
髪の毛を指でくるくると回しながら、こなたに尋ねる。
『わ、か、ん、な、い』
「あ、そう…どうすれば戻るのかしら…」
「あ、そう…どうすれば戻るのかしら…」
『じ、ゅ、も、ん』
「なんのだよ」
「なんのだよ」
『ば、ん、の、う、や、く』
「…ゲームの話だろ?」
「…ゲームの話だろ?」
『お、ひ、め、さ、ま、の、き、す』
「はあ?」
「はあ?」
子猫は目をつぶって、顔を向ける。
「何言ってんのよ、あんたは」
「にゃっ!」
指で額をこづく。
「何言ってんのよ、あんたは」
「にゃっ!」
指で額をこづく。
「…ふう。まあとにかく…あんたが元に戻るためなら、協力してあげてもいいけどね」
「…」
猫はまた文字を示す。
「…」
猫はまた文字を示す。
『あ、り、が、と』
「…!べ…別にそんなこと言われたって嬉しくないんだから…!」
すると、こなたは、『ツンデレ』と書かれた文字をぱんぱん叩いた。
「…う、うるさいっ!」
「にゃはー☆」
「…う、うるさいっ!」
「にゃはー☆」
まじめにやってるのにこいつは~!!
…その頃。
つかさは自室で考えていた。
つかさは自室で考えていた。
どうしてお姉ちゃんは猫ちゃんをいじめてたんだろう。
お姉ちゃんはあんなことする人じゃないのに…
そうだよ、私のお姉ちゃんはとっても優しい人だもん。
お姉ちゃんを信じてあげなきゃ。きっと何か理由があるはずだよね。
お姉ちゃんはあんなことする人じゃないのに…
そうだよ、私のお姉ちゃんはとっても優しい人だもん。
お姉ちゃんを信じてあげなきゃ。きっと何か理由があるはずだよね。
そう納得したつかさは、改めてかがみの部屋に向かった。
「何が『かがみん、萌え』よ!!いいかげんにしなさいよ、ばかっ!!!」
つかさの目に見えたものは、猫の胸ぐらをつかみ怒号するかがみ。
「…どんだけ…」
つかさに気付き、同時に振り向く猫と姉。
つかさに気付き、同時に振り向く猫と姉。
…しまった。またまたつかさに見られてしまった。
「お姉ちゃん…だいじょうぶ?」
あああ…つかさに『大丈夫』とか言われた。
「心配しないでお姉ちゃん。私、誰にも言わないから。お姉ちゃんだっておかしくなることあるんだよね」
涙を浮かべて悲しく笑ってた。ちょ、震えてるよ、この子!
涙を浮かべて悲しく笑ってた。ちょ、震えてるよ、この子!
「だ、だからそれはちがうの…!!」
つかさは目元の涙をぬぐう。一緒に泣きたいよわたしゃ。
「…お姉ちゃん。私は何があっても…お姉ちゃんの妹だからねっ…」
「…お姉ちゃん。私は何があっても…お姉ちゃんの妹だからねっ…」
頼む。泣くな。マジで誤解だから。
ああ、そんな涙をこぼさないでくれ妹よ。私は正常だ。
ああ、そんな涙をこぼさないでくれ妹よ。私は正常だ。
そんなつかさに、とっておきのバルサミコ酢の瓶を持たせてやったら…泣きやんだ。
人が猫になるのと同じくらい不思議だよ。私の方がどんだけー。
人が猫になるのと同じくらい不思議だよ。私の方がどんだけー。
…つかさは自室で悩んでいた。バルサミコ酢の瓶をぎゅっと抱きしめながら。
私のお姉ちゃんがヘンだ。どうしちゃったんだろう。
何か悩みでもあるのかな。
お姉ちゃんが困っている時は私が元気付けてあげなくちゃ。
うん、そうだ!この前作ったお菓子を持っていってあげよう。
何か悩みでもあるのかな。
お姉ちゃんが困っている時は私が元気付けてあげなくちゃ。
うん、そうだ!この前作ったお菓子を持っていってあげよう。
そう思い直したつかさは、改めてかがみの部屋に向かった。
お姉ちゃん喜んでくれるかなあ?
「だいたい、あんたは普段からだらしないのよ!宿題しないし、遅刻はするし、ゲームやアニメのこと以外何も考えないでふざけてばっかりだし!!猫になったならなったでちゃんとしなさいっ!!」
つかさが見たものは、正座する猫に説教している姉の姿。
彼女に気付いて、同時に振り向く姉と青猫。
彼女に気付いて、同時に振り向く姉と青猫。
狼狽しながら弁解しようとするよ私は。
「あ、あのね、つかさ…その、実はこいつは猫みたいだけど猫じゃなくて…実はその…人間が猫になったっていう不思議な話で、その猫になった人っていうのがあんたもよく知ってる人で…こいつがいっつも宿題しないからその」
「あ、あのね、つかさ…その、実はこいつは猫みたいだけど猫じゃなくて…実はその…人間が猫になったっていう不思議な話で、その猫になった人っていうのがあんたもよく知ってる人で…こいつがいっつも宿題しないからその」
つかさ…そんなマズイものを見たような顔しないで。
ふと、つかさは足下に大きな用紙に気付き目をやる。
「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ…」
しまった。つかさに通訳表を見られた。
「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ…」
しまった。つかさに通訳表を見られた。
「あ、こ、これはっ…その…」
「そっか、猫ちゃんに言葉教えようとしているんだね」
「そ、そう!そうなのよ…」
「そっか、猫ちゃんに言葉教えようとしているんだね」
「そ、そう!そうなのよ…」
「123…ABC…へえ~、数字や英語も教えてるんだね」
「そ…そう!そうなのよ…」
「そ…そう!そうなのよ…」
うまくかどうかわからんが、とりあえず誤魔化せたことにほっとする。
「かがみん、ネコミミ、スク水、ギャルゲー、エロゲー」
しまったああああああああああああ
「…お姉ちゃん、猫ちゃんにどんな言葉を覚えさせようと…」
「あああ、もう、ちがうのちがうの…!だって…その…こなたがっ…!!」
猫の方を振り向くと、こなたはふんと笑ってそっぽを向いた。
「…」
「…」
「あんたのせいだろうがああああっっっっ!!!!!」
こなたの胸ぐらをつかみ、揺さぶる。だがこいつはいつもの細目でにやにや笑ってやがる。
「お姉ちゃんがっ!!お姉ちゃんがぁっ!!!」
「にゃはははは☆」
こなたの胸ぐらをつかみ、揺さぶる。だがこいつはいつもの細目でにやにや笑ってやがる。
「お姉ちゃんがっ!!お姉ちゃんがぁっ!!!」
「にゃはははは☆」
パニックin私の部屋。
仕方がないので、つかさに30年ものの上等なバルサミコ酢の瓶をあげた。
誕生日プレゼントに取っておいたのに。
つかさは、『そんなの関係ねぇー』と言いながらもちゃっかり瓶を抱きしめたまま泣いていた。
「あ、あの、つかさ…」
誕生日プレゼントに取っておいたのに。
つかさは、『そんなの関係ねぇー』と言いながらもちゃっかり瓶を抱きしめたまま泣いていた。
「あ、あの、つかさ…」
ああ妹よ、後ずさりしないで。あなたの姉は正常Yo☆
…ぱたむ。
部屋の扉が閉じられた。
猫と一緒に四つん這いになって、へこむかがみ。
orz orz
こなたに一通り説教をかましている頃。
つかさが『ゆきちゃん助けてえ、おねえちゃんが壊れちゃったよぅ』というメールを送り、私の携帯にみゆきからの『かがみさんに何かあっても私たちは友人ですからね』というある意味“お見舞い”のメールが来ていることにも気づかず、落ち込む私。
そして、それを見ているこなた。
つかさには、今日はほんとに心配かけっぱなしだと思う…誤解を解くのは大変だぞこりゃ…
そして、それを見ているこなた。
つかさには、今日はほんとに心配かけっぱなしだと思う…誤解を解くのは大変だぞこりゃ…
「なんでこんなことに…後でつかさになんと言えばいいのか…もぅ…あんたのせいなんだからね…」
すると、またこいつは『かがみん、萌え』の文字をぽんぽん叩いた。
「…!!!」
そしてうすら笑いを浮かべていた。
「もう!!いつまでもふざけんのもいいかげんにしなさいよっ!!」
さすがに頭にきた。人がせっかく意志の疎通を図ろうと努力してるのに、こいつは…!
さすがに頭にきた。人がせっかく意志の疎通を図ろうと努力してるのに、こいつは…!
「どうして私ばっかり苦労しなきゃいけないのよ!!つかさにも誤解されるし!!あんたはやる気ないし!!真面目にやりなさいよっ!!」
「にゃーにゃーにゃーにゃー!!」
とうとうケンカが始まってしまった。
こいつも抵抗しているようだが、何を言ってるのかさっぱり分からない。
やっぱ猫とコミュニケーションなんて無理だ。ましてや中身がこいつじゃ。
「にゃーにゃーにゃーにゃー!!」
とうとうケンカが始まってしまった。
こいつも抵抗しているようだが、何を言ってるのかさっぱり分からない。
やっぱ猫とコミュニケーションなんて無理だ。ましてや中身がこいつじゃ。
「何言ってるかわかんないわよ!!こなたなんか知らないわよ馬鹿っ!!」
しばらく言い争っていると、こなたは「ふー」と鼻を鳴らし、ぷいと振り向いて部屋の扉の方に行き、ぴょんと跳ねてドアノブをうまく回して扉を開けた。そしてそのまま出て行ってしまった。
どうせつかさの所に行ったんでしょ。
しばらく言い争っていると、こなたは「ふー」と鼻を鳴らし、ぷいと振り向いて部屋の扉の方に行き、ぴょんと跳ねてドアノブをうまく回して扉を開けた。そしてそのまま出て行ってしまった。
どうせつかさの所に行ったんでしょ。
「…もう!!知らないっ!!」
ドアを乱暴に閉め、自分の体をベッドにばたんと倒し、布団に包まって電気を消した。
ドアを乱暴に閉め、自分の体をベッドにばたんと倒し、布団に包まって電気を消した。
イライラする。
でもそのなんだか虚しさが沸いてくる。
悲しかった。なんか悔しかった。こなたのせいだ。
枕に顔を埋める。
「もう、知らないわよ、ばか」
「もう、知らないわよ、ばか」
せっかく私があれだけ尽くしてあげたのに
さっきはあれだけ楽しんでたのに。
…あんなに可愛がってたのに。
結局、私はふて寝。
結局、あいつの何の役にも立てなかった。
何の役にも。
「…こなたのばか…………………………ぐす……………」
しばらく目をつぶっていると、意識がまどろんできて、目蓋が下がってくる。
…カチャ。
そっと扉の開く音がして、廊下の光が細く差し込んできた。
「お姉ちゃん…」
「お姉ちゃん…」
「…何よ」
「…あっ、ううん、何でもないや…」
扉が閉まる音がして、部屋の中が再び暗闇に閉ざされる。
いくら機嫌が悪いとはいえ、つかさにまで冷たく反応することはなかったわね。
いくら機嫌が悪いとはいえ、つかさにまで冷たく反応することはなかったわね。
でも、私は…
とん。とん。
このまま寝てしまおうかと思っていたら、何か小さなものがそっと歩いてくる音がした。そしてベッドの上に乗っかってくるのが分かった。
でも、私は悔しかったので無視した。
「にゃあ」
こなたが一鳴きする。
「…」
のそのそ布団の上を歩いて、こなたがそっと近づいてくるのが分かる。
ぺろっ。
…え?
ぺろ、ぺろ。
「わっ…」
こなたが、私の頬をなめている。
「ちょ、ちょっとこなたぁ…」
「にゃ~…」
「にゃ~…」
「やっ…こっ、こなたぁ、…あははっ!くすぐったいわよっ!…もう、顔なめちゃダメだってばぁ…」
なんだか結構恥ずかしいことを言ってる気がする。
なんだか結構恥ずかしいことを言ってる気がする。
「ふにゃ~♪」
こなたは、また私に懐いてきてくれた。
こなたは、また私に懐いてきてくれた。
両手で猫を持って、顔を見つめる。
「にゃあ~」
嬉しそうに、また一鳴き。
「にゃあ~」
嬉しそうに、また一鳴き。
うれしい。やっぱり、こなただ。
「しょうがないわね…一緒に寝ましょ」
こなたは、私の顔に自分の頬をすりすりしてきた。
こなたは、私の顔に自分の頬をすりすりしてきた。
「調子いいんだから」
私はその子を抱いて、頭を撫でてやると、一緒に布団に入って眠った。
さっきはごめんね。こなた。
さっきはごめんね。こなた。
「…おやすみ、こなた」
「…にゃあ」
「…にゃあ」
朝。
私は目を覚まして、周りを見回す。
こなたはいなかった。
ぼーっとしたまま室内を見渡すと、扉が半開きになっていて、洋服タンスから私の服が何枚か出されて散らばっていた。
ああ、あいつ元の姿に戻ったんだ。とすぐに分かった。
でもあいつ、服のサイズが違うのにぶかぶかのまま帰ったのか。
ああ、あいつ元の姿に戻ったんだ。とすぐに分かった。
でもあいつ、服のサイズが違うのにぶかぶかのまま帰ったのか。
まあ、とりあえず安心した。
猫の姿になったあいつも結構可愛かったけどね。
猫の姿になったあいつも結構可愛かったけどね。
「…やれやれ全く、こなたのせいでややこしい事になったわね、昨日は。つかさにだいぶ心配されちゃったみたいだし……ん」
通訳表に、見覚えのある汚い字で、何かが書いてある。
「!!!」
あのばか…
最後の最後にとんでもない一言を残していきやがった。
私が寝ている間にあいつめ…
私が寝ている間にあいつめ…
…あの猫スケ。
ああ、もう腹が立つ…!顔が熱いったらありゃしない…
もう宿題見せてやんない。猫になってたからできなかったって言ったって知らん!!
もう宿題見せてやんない。猫になってたからできなかったって言ったって知らん!!
~ねこなた通訳表~
あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、
たちつてと、なにぬねの、はひふへほ、
まみむめも、やゆよ、らりるれろ、わをん
たちつてと、なにぬねの、はひふへほ、
まみむめも、やゆよ、らりるれろ、わをん
がぎぐげご、ざじずぜぞ、だぢづでど、ばびぶべぼ、ぱぴぷぺぽ
ぁぃぅぇぉっゃゅょ ー ?
1、2、3、4、5、6、7、8、9、0
A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、
N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y、Z
N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y、Z
萌え、ツンデレ、かがみん、ネコミミ、スク水、コミケ、メイド、巫女、ナース、コスプレ、エロゲー、ギャルゲー
かがみにキスしたら元に戻っちゃった。
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- GッJ!!b(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-07-18 22:41:17)
- 良い!GJですよ!! -- 名無しさん (2010-06-28 16:12:09)
- バルサミコ酢は常につかさとあり -- 名無しさん (2009-09-01 20:37:58)
- ↓標準装備だからです←結論 -- 名無しさん (2009-02-17 23:22:11)
- なんでバルサミコ酢
に誰もツッ込まないのですか?
(-_-;) -- 無垢無垢 (2009-02-16 19:02:55) - つかさは終始ぽっぽぽぽぽぽな表情浮かべてたんだろうな -- 名無しさん (2009-02-16 17:19:01)
- しばらくは、あと二人と同じように、そしらぬ顔で
『かわいそうな人』
を見る生暖かい目のこなたがいました・・・とな。 -- 名無しさん (2009-02-16 02:43:09) - GJ
[萌え]ってこなたには必要だよなw -- 名無しさん (2009-02-15 21:23:02) - あらら?やっぱ元に戻るための条件は
「王 子 様(orお 姫 様) と の 熱 い k i s s」
だったわけですな(ニヤリ) -- こなかがは正義ッ! (2009-02-15 17:07:26)