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1月5日・朝」(2008/06/07 (土) 22:59:11) の最新版変更点

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「さってと、そろそろ寝ようかね~」  窓から差し込む朝焼けが眩しくなってくる頃、泉こなたは夜通しやり続けていたパソコンゲームのブラウザを閉じ、軽く伸びをした。  長い長い冬休み、一分一秒とて無駄には出来ない、遊び倒すぞ。と、豪語する彼女だが、流石に眠気には勝てない。 「ま、英気を養うのも必要だよネ」  誰に言うともなく言い訳をしながら、パソコンの終了コマンドを選択しようとした彼女の手が、ふと、止まる。 「そだ、英気を養うといえば……」  マウスを動かし、デスクトップ上の「kagami」フォルダをクリックする。  すると、ディスプレイ上にある画像データが表示された。 「くふふ~、か~がみん♪」  開かれた画像は、こなたの親友、柊かがみをデジカメで撮影したもの。それをこなたが編集したのだ。  ポッキーを食べてるところを撮られて慌てるかがみ。海でピースサインをしながら微笑むかがみ等々。その一瞬、一瞬の表情は、こなたの大のお気に入りだった。 「でも、何と言っても、これ」  照れながら、こなたからの誕生日プレゼントを受け取るかがみ。一見、表情からは大して喜んでいないように見えるが、内心はかがみの中の全米が拍手喝さいしているに違いないことは、付き合いの長いこなたには分かる。 「これこれ、この表情こそがツンデレの真骨頂だね~。かがみ、可愛いよかがみ」 『う、うるさい……』  ふと、かがみの声が聞こえた。そんな気がした。 「あれぇ、照れてんの?かがみ」  思わず、からかいたくなってしまう。悪い癖だとは分かっていてもやめられない。 『そ、そんなわけ無いでしょ』 「もぅ~素直じゃないなぁ、ツンデレかがみんは」 『ひ、人のことより、あんたはどうなのよ?』 「え、私?」 『そう、今日も夜通しゲームばっかで、宿題やってないんでしょ?』 「う……ま、まぁね」 『まったく、ホントあんたは懲りるって事を知らないんだから』 「いやぁ、気をつけないとって思ってるんだけどね、つい」 『なにが‘つい’よ』 「かがみが付いてるからね~♪例のヤツ、お願いしますよ、かがみ様」 『はぁ~、今回だけだからね?』 「やたぁ!ありがと、かがみ様」 『様はやめんか』    こんなやり取りがこなたとかがみの間では普通。周りからも仲の良い友達、と評判な二人。  だけど、こなたの中には友情、とは別にもう一つ、かがみに対してある感情を抱いていた。  本人も意識しないくらい、まだまだ淡く、幼い感情。しかしそれは、最初に芽生えた時よりは、確実に育っていた。 「かがみ……」  ふと、こなたの顔が赤くなる。画面上のかがみから、目がそらせなくなる。気付かず、こなたは画面に顔を近づけていった。 と、 「お姉ちゃん、誰かいるの?」 「うわっ!ゆ、ゆーちゃん!?」  急に背後から声をかけられ、飛び上がるこなた。こなたを呼んだのは現在泉家に下宿中、こなたの従姉の小早川ゆたかだった。 「ど、どうしたの、お姉ちゃん!?」  予想外に取り乱したこなたに、自身も驚きながらゆたかが訊ねる。ちょっと声をかけただけなのにそんなに驚くことだろうか? 「な、なんでもないヨ、それよりどしたの?」 「話し声が聞こえたから様子を見に来たんだけど……」  ここで、ゆたかがパソコンの画面に気が付いた。 「あ、これ、かがみ先輩の写真?」 「あっ!え、えっと、それは……」 「じゃあ、お姉ちゃんは写真のかがみ先輩に向かって話しかけてたってこと?」  隠してもしょうがない。こなたは素直に打ち明けた。と、ゆたかは、 「そっか、お姉ちゃんにも可愛いところがあるんだね、いい子いい子」  ……撫でられてしまった。自分より身長の低い子に。でも、恥ずかしくて今はそれどころじゃないのだが。 「そんなお姉ちゃんに、はい、プレゼント」  あろうことか、ゆたかはこなたの携帯電話を持ち、柊かがみの番号へと発信してしまった。 「頑張ってね、お姉ちゃん」  こなたの手に携帯を渡すと、ウィンクをして、ゆたかが部屋から出て行く。残されたこなたは呆然とするしかない。  かがみが出る前に切ってしまおうか?いや、それじゃ余計に変だ。えっと、じゃあ、どうすれば……。  そんな事を考えている間に、通話モードへ移行。携帯から、声が漏れ出す。 『もしもし、こなた?』 「あ、もしもし、かがみ……」  さあ、何を言おうか。そんなの考えるまでもない。話すことなら幾らでもある。学校でのこと、一緒に出かけること。かがみの声を聞いたら眠気なんて吹き飛んだ。  かがみと話していると、楽しい。一緒にいると、もっと楽しい。まずは、お出かけの話でもしようかな。  こなたは、大きく息を吸い込んだ。 「あのね、かがみ、お願いがあるんだけど……」 -[[1月5日>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/115.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)
「さってと、そろそろ寝ようかね~」  窓から差し込む朝焼けが眩しくなってくる頃、泉こなたは夜通しやり続けていたパソコンゲームのブラウザを閉じ、軽く伸びをした。  長い長い冬休み、一分一秒とて無駄には出来ない、遊び倒すぞ。と、豪語する彼女だが、流石に眠気には勝てない。 「ま、英気を養うのも必要だよネ」  誰に言うともなく言い訳をしながら、パソコンの終了コマンドを選択しようとした彼女の手が、ふと、止まる。 「そだ、英気を養うといえば……」  マウスを動かし、デスクトップ上の「kagami」フォルダをクリックする。  すると、ディスプレイ上にある画像データが表示された。 「くふふ~、か~がみん♪」  開かれた画像は、こなたの親友、柊かがみをデジカメで撮影したもの。それをこなたが編集したのだ。  ポッキーを食べてるところを撮られて慌てるかがみ。海でピースサインをしながら微笑むかがみ等々。その一瞬、一瞬の表情は、こなたの大のお気に入りだった。 「でも、何と言っても、これ」  照れながら、こなたからの誕生日プレゼントを受け取るかがみ。一見、表情からは大して喜んでいないように見えるが、内心はかがみの中の全米が拍手喝さいしているに違いないことは、付き合いの長いこなたには分かる。 「これこれ、この表情こそがツンデレの真骨頂だね~。かがみ、可愛いよかがみ」 『う、うるさい……』  ふと、かがみの声が聞こえた。そんな気がした。 「あれぇ、照れてんの?かがみ」  思わず、からかいたくなってしまう。悪い癖だとは分かっていてもやめられない。 『そ、そんなわけ無いでしょ』 「もぅ~素直じゃないなぁ、ツンデレかがみんは」 『ひ、人のことより、あんたはどうなのよ?』 「え、私?」 『そう、今日も夜通しゲームばっかで、宿題やってないんでしょ?』 「う……ま、まぁね」 『まったく、ホントあんたは懲りるって事を知らないんだから』 「いやぁ、気をつけないとって思ってるんだけどね、つい」 『なにが‘つい’よ』 「かがみが付いてるからね~♪例のヤツ、お願いしますよ、かがみ様」 『はぁ~、今回だけだからね?』 「やたぁ!ありがと、かがみ様」 『様はやめんか』    こんなやり取りがこなたとかがみの間では普通。周りからも仲の良い友達、と評判な二人。  だけど、こなたの中には友情、とは別にもう一つ、かがみに対してある感情を抱いていた。  本人も意識しないくらい、まだまだ淡く、幼い感情。しかしそれは、最初に芽生えた時よりは、確実に育っていた。 「かがみ……」  ふと、こなたの顔が赤くなる。画面上のかがみから、目がそらせなくなる。気付かず、こなたは画面に顔を近づけていった。 と、 「お姉ちゃん、誰かいるの?」 「うわっ!ゆ、ゆーちゃん!?」  急に背後から声をかけられ、飛び上がるこなた。こなたを呼んだのは現在泉家に下宿中、こなたの従姉の小早川ゆたかだった。 「ど、どうしたの、お姉ちゃん!?」  予想外に取り乱したこなたに、自身も驚きながらゆたかが訊ねる。ちょっと声をかけただけなのにそんなに驚くことだろうか? 「な、なんでもないヨ、それよりどしたの?」 「話し声が聞こえたから様子を見に来たんだけど……」  ここで、ゆたかがパソコンの画面に気が付いた。 「あ、これ、かがみ先輩の写真?」 「あっ!え、えっと、それは……」 「じゃあ、お姉ちゃんは写真のかがみ先輩に向かって話しかけてたってこと?」  隠してもしょうがない。こなたは素直に打ち明けた。と、ゆたかは、 「そっか、お姉ちゃんにも可愛いところがあるんだね、いい子いい子」  ……撫でられてしまった。自分より身長の低い子に。でも、恥ずかしくて今はそれどころじゃないのだが。 「そんなお姉ちゃんに、はい、プレゼント」  あろうことか、ゆたかはこなたの携帯電話を持ち、柊かがみの番号へと発信してしまった。 「頑張ってね、お姉ちゃん」  こなたの手に携帯を渡すと、ウィンクをして、ゆたかが部屋から出て行く。残されたこなたは呆然とするしかない。  かがみが出る前に切ってしまおうか?いや、それじゃ余計に変だ。えっと、じゃあ、どうすれば……。  そんな事を考えている間に、通話モードへ移行。携帯から、声が漏れ出す。 『もしもし、こなた?』 「あ、もしもし、かがみ……」  さあ、何を言おうか。そんなの考えるまでもない。話すことなら幾らでもある。学校でのこと、一緒に出かけること。かがみの声を聞いたら眠気なんて吹き飛んだ。  かがみと話していると、楽しい。一緒にいると、もっと楽しい。まずは、お出かけの話でもしようかな。  こなたは、大きく息を吸い込んだ。 「あのね、かがみ、お願いがあるんだけど……」 -[[1月5日>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/115.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - こなたのこういうとこってすごく可愛いと思うwゆーちゃんもGJ! -- 名無しさん (2008-06-07 22:59:11)

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