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「初めてのデート【午後Ⅰ】」(2023/05/25 (木) 07:53:05) の最新版変更点
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初めてのデート【午後Ⅰ】
---------------------------
こなたが泣いた。
あの、こなたが…。
今こなたは私の前にはいない。
どこに言ったの…?
私は走ってあいつを探す。と言っても、だいたい場所なら検討はつく。
…すぐ行くよ、こなた。
女子トイレに入ったら…やっぱり、いた。
入り口に背を向けて立ちながら、両手で涙を目から拭っていた。
肩が、震えている。
こなた…!!
すぐに、抱きしめた。後ろから、ギュッと。
「っ!…グスン、か、かがみ……」
「こなた…。泣かないでよ…。別に怒ってなんかないのよ…?」
「でも、わ、私…、」
「いいから。…ね?」
「…グスン…グス…」
抱きしめてて、わかった。
今日という日を、特別の日にしたかったんだね。
初めてのデートだから、今日を最高にしたかったんだね。
だからそんなに涙が流れたんだよね?
「私は別にこなたが間違えようがなかろうが、今日は最高の1日なんだよ?」
「…ほ、ほんとに?」
「ほんともなにも…あんたとデートしてるだけでもう特別なんだから」
こなたがこっちを向いて、私の胸に顔をうずめた。
「かがみ…ごめんね…」
私は愛しくなって頭を撫でた。
私がこんなに大切に思える人なんて、他に一生現れないんじゃないかな。
しばらく、時は私たちを流れた。
こなたは静かに言った。
「かがみ…」
「…なぁに?」
「結構、胸あるんだね…」
「…!な、何言ってるのよ」
またも予想外な発言。
顔を上げたこなたは、ニマニマしていた。いつのまにか、いつも通りのこなたになっていたみたいだ。
「せっかくのいい雰囲気なのに…セクハラ発言はやめないか?」
「別にセクハラしてるわけじゃないよ?ただそうゆうとかがみが照れて可愛いんだもん」
「あんたってやつは…もう」
全く。滅多に泣かないやつだから一大事だと思えば、すぐにいつものペースだ。
ま、落ち着いてくれてよかったけど。
「あんたが泣くなんて意外だったわよ」
「か、かがみん…言わないでほしいかな、それは…」
意外にも、こなたが恥ずかしがっていた。
か、可愛い…。
滅多に見れないこなたに今日は2つも遭遇した。泣くこなた、恥じらうこなた。
また、知らないこなたに会えた。
付き合い出してわかることって、こうゆうこと。
恋人じゃなきゃ、わからなかったこと。
お互いに好きだから。
大切だから。
だから、新しいこなたに出会える。
こなたも新しい私に出会っているのかな?
だとしたら、どんな私なのかな…?
「ねぇ、かがみ…つかさやみゆきさん、みさきちとかに、私が泣いたこと言わないでね?」
なんと、こなたがこんなことを言うなんて。
いつもと立場が逆転している気がした。
ついからかいたくなっちゃった。
少しくらいなら、いいよね…?
「どうしよっかなぁ~?珍しいからなぁ…」
無論他言する気はない。ただ、からかってみただけ。
「ひ、酷いよかがみ…」
…なんかいたたまれなくなってきた。
こなた、ごめんね。
やっぱり私にはからかうなんて向いてないのかな。
「冗談よ。言わないから安心してよ」
するとこなたは。
「…信じてるからね」
と、言った。
こなたは私を“信じてる”。
そう思うと、心がまたギュッと、なる。
信頼されてるんだ、私…。
どうしても、ある言葉を言いたくなった。
今朝、こなたに言われた言葉。
今朝のあんたを真似して言わさせて…こなた。
耳元で、つぶやく。
「…だいすき、だよ」
恥ずかしかった。顔が紅くなるのが、わかった。
でも、本当のことだから。
これが今の、私の全てなんだよ。
--------------------
話し合いの結果、映画はやめて買い物とゲーセンに行くことになった。
私の間違いを許してくれた、かがみ。
…ありがとう。
でも照れくさくて言わない。
言いたかったけど、言えない。
もどかしかった。
さっき、気づいたことがある。
それは…私はかがみの言う、“いい雰囲気”が苦手なんだってこと。
なんか恥ずかしくって。
私らしくいられなくなりそうだった。
恥じらう私なんて、想像したくもないよ。
だからつい、話を変えたくなっちゃうんだ。
いい雰囲気は嫌いじゃない。でも、苦手なんだよ。
かがみはわかってくれるかな…?
今は映画館を出て、駅ビルに向かってる。
駅ビルはゲーセンもあって買い物もできるから、そこに行こうって一緒に決めたんだ。
「さっきすぐ追いかけてきたよね、かがみ」
許してくれて、ありがとうって言いたかったから。
近い話題をもちかけてみた。
でもそれに近い話題って、いい雰囲気なわけで。
「あんたの恋人だから…だよ?」
…しまった。こそばゆい空気に変わる。
なんか、恥ずかしいよ…。
「軽くツンデレ気味なかがみ、萌えるね~」
冗談で返してしまった。
「はいはい。もう、あんたは…。せっかくのムードってもんを」
…ごめん、かがみ。
かがみはいい雰囲気を作ろうと頑張ってるんだよね…。
それなのに、私は。
つい冗談で返す自分がいた。
ただ、恥ずかしいというだけで。
――――かがみの気持ちを無視、していた。
どうしようもなく、申し訳なくなる…。
ごめんね、かがみ。ほんとに、ごめん。
私、決めた。
次にそういう雰囲気になったら、私逃げない。
逃げないよ、かがみ。
かがみととびっきりに甘い時間を過ごせるようにする。
私はかがみの、恋人だから。
かがみがすごく、好きだから。
それに、恥ずかしいだけで私だっていい雰囲気に囲まれたいし、ね。
駅ビルに着いた。
なんか移動ばっかり。
でも、それももうおしまい。
移動の間、結局お礼が言えなかった。
ヘタレな自分に腹が立っちゃった。
帰るまでに、頑張って言わなくちゃ。
買い物が先になった。
ゲームセンター先行くといくら使うかわからないしね。
さて何を買うのかというと…
私は、今日ペアなものを買う気でいる。アクセサリーとか。
今日の証と、2人の証を、みにつけていたいんだ。
離れていても、かがみがいる。いてくれる。
そんな気になる、何かが欲しいんだ…。
「あそこ入ってみようよ」
私が指さした店はよくあるアクセショップ。
「いいわよ」
何買うのかしら、とでも言いたそうなかがみ。
わからないのかねぇ。恋人とこうゆう店に入れば、だいたい決まってるでしょぉ。
中にはいると、人が多少いた。カップルも数組みいた。
端から見ると友達同士なんだろうな、きっと。
私はペアのアクセサリーを探す…あ、みっけ。
遠くから見つけたそれは、なぜか目に留まって。一目で気に入った。
「かがみ、こっちこっち」
「なになに?なんかみっけたの?」
手を引いて誘導。
「見てよこれ…かわいくない?」
「これって…」
顔が紅くなるかがみ。
「ペアのネックレス…♪」
大きさが一回りだけ違う、2つのシルバーで同じデザインのヘッドのついたネックレス。
「ねぇ、かがみん…こうゆうの、買わない…?」
イヤじゃないかな…?
なんかこうゆうのって、相手を束縛するものでもあるし…。
「…いいわね!買おうよ」
やったー!かがみも欲しくなってくれた。今日の証を。2人の証を。
「いくらだろ?」
「…!こ、こなた…」
見て、驚愕。
「…50000円…」
…買えるわけない。
今日のデート代、全部で25000円。頑張って貯めたんだけど、ちょっと無理。
「他のにしよっか…」
「そ、そうだね…」
再び探す。さっきのが気に入ってたから、なかなかいいのが見つからないなぁ。
「こなた、これなんてどう?」
かがみが見つけたのを見たら…
「わぁ…かわいい…」
割れたシルバーなハート。
あわせると、一円玉くらいの大きさになる。
それぞれかけたハートから、ネックレスのチェーンがついていた。
「値段みたけど、普通だし」
見たら、3000円。さっきの見たから、すごく安く見える。
「いいね、これ!こんなの見つけるなんて…流石は私のお嫁さんだね☆」
「お、お嫁さんゆーな。…これにする?」
照れるかがみに、私は告げた。
「うん!」
--------------
生まれて初めての、ペアのアクセサリー。
つかさとお揃いなんてのは多少はあるけど、恋人と一緒なものは初めて。
なんか、すごくドキドキしちゃった。
建物の中を見て回る。
服屋に行ったり、化粧品みたり。本屋さん行ったり、いろいろ回った。
歩いていると甘い香りで鼻腔をくすぐられた…もとをたどればアイス屋さんだった。
「こなた、アイス食べない?」
こなたは笑顔で言った。
「いいね~、食べよ食べよぉ」
2人で同じバニラアイスを注文。
店のテーブルにさっき買ったものが入った袋をのせ、椅子にかけながら甘い小山に舌を伸ばす。
美味しいなぁ。やっぱ私はお菓子が大好き。ついついたくさん食べちゃう。
いつもは太るとか気にするけど、今は全然気にならなかった。
「幸せそうだね~、かがみん」
ふいに言われた。そんなに幸せそうな顔してたかな…?
「そ、そう?」
「うん。私もアイスには勝てなそうだね」
「競うなって」
まぁアイスは大好きだけど。
「じゃあさ、かがみは私とアイスどっちが好き?」
な、何聞いてるんだ。悩むわけ、ないじゃない…。
でも答えるの、なんか恥ずかしいなぁ。
言えば言うでからかわれそう。言わなきゃ言わないで恋人失格な気がする。
「こ、こなたに決まってるじゃない」
「なんでどもるのさ…ま、私はかがみの食欲にはかなわなそうだね」
「人を食いしん坊みたいにゆーな!」
「え~?違ったっけ?」
「む、むかつく…!」
こいつってやつは。
確かに食べることは好きだけど、四六時中そればっかり考えてないわよ。
いつも通りの会話だった。
学校のとき、遊んでるとき、お昼食べてるとき、登下校のとき。
それなのに、どうしてこんなにドキドキするんだろう…。
今日という特別な日が、私に魔法をかけてるのかな…。
なんて、つかさじゃあるまいし夢見る乙女な考えは自重。
「言ってて思ったんだが…なんかバカップルみたいじゃない?私たち」
「そうなんだからいーじゃん」
「よくないわよ!バカップルはイヤだからね」
「じゃあどんなカップルがいいのさ?」
「…か、賢いカップル?」
「かがみん、馬鹿っぽいよ」
「う、うるさい!」
やっぱり私たちはバカップルらしい。
-[[初めてのデート【午後Ⅱ】>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/829.html]]へ続く
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初めてのデート【午後Ⅰ】
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こなたが泣いた。
あの、こなたが…。
今こなたは私の前にはいない。
どこに言ったの…?
私は走ってあいつを探す。と言っても、だいたい場所なら検討はつく。
…すぐ行くよ、こなた。
女子トイレに入ったら…やっぱり、いた。
入り口に背を向けて立ちながら、両手で涙を目から拭っていた。
肩が、震えている。
こなた…!!
すぐに、抱きしめた。後ろから、ギュッと。
「っ!…グスン、か、かがみ……」
「こなた…。泣かないでよ…。別に怒ってなんかないのよ…?」
「でも、わ、私…、」
「いいから。…ね?」
「…グスン…グス…」
抱きしめてて、わかった。
今日という日を、特別の日にしたかったんだね。
初めてのデートだから、今日を最高にしたかったんだね。
だからそんなに涙が流れたんだよね?
「私は別にこなたが間違えようがなかろうが、今日は最高の1日なんだよ?」
「…ほ、ほんとに?」
「ほんともなにも…あんたとデートしてるだけでもう特別なんだから」
こなたがこっちを向いて、私の胸に顔をうずめた。
「かがみ…ごめんね…」
私は愛しくなって頭を撫でた。
私がこんなに大切に思える人なんて、他に一生現れないんじゃないかな。
しばらく、時は私たちを流れた。
こなたは静かに言った。
「かがみ…」
「…なぁに?」
「結構、胸あるんだね…」
「…!な、何言ってるのよ」
またも予想外な発言。
顔を上げたこなたは、ニマニマしていた。いつのまにか、いつも通りのこなたになっていたみたいだ。
「せっかくのいい雰囲気なのに…セクハラ発言はやめないか?」
「別にセクハラしてるわけじゃないよ?ただそうゆうとかがみが照れて可愛いんだもん」
「あんたってやつは…もう」
全く。滅多に泣かないやつだから一大事だと思えば、すぐにいつものペースだ。
ま、落ち着いてくれてよかったけど。
「あんたが泣くなんて意外だったわよ」
「か、かがみん…言わないでほしいかな、それは…」
意外にも、こなたが恥ずかしがっていた。
か、可愛い…。
滅多に見れないこなたに今日は2つも遭遇した。泣くこなた、恥じらうこなた。
また、知らないこなたに会えた。
付き合い出してわかることって、こうゆうこと。
恋人じゃなきゃ、わからなかったこと。
お互いに好きだから。
大切だから。
だから、新しいこなたに出会える。
こなたも新しい私に出会っているのかな?
だとしたら、どんな私なのかな…?
「ねぇ、かがみ…つかさやみゆきさん、みさきちとかに、私が泣いたこと言わないでね?」
なんと、こなたがこんなことを言うなんて。
いつもと立場が逆転している気がした。
ついからかいたくなっちゃった。
少しくらいなら、いいよね…?
「どうしよっかなぁ~?珍しいからなぁ…」
無論他言する気はない。ただ、からかってみただけ。
「ひ、酷いよかがみ…」
…なんかいたたまれなくなってきた。
こなた、ごめんね。
やっぱり私にはからかうなんて向いてないのかな。
「冗談よ。言わないから安心してよ」
するとこなたは。
「…信じてるからね」
と、言った。
こなたは私を“信じてる”。
そう思うと、心がまたギュッと、なる。
信頼されてるんだ、私…。
どうしても、ある言葉を言いたくなった。
今朝、こなたに言われた言葉。
今朝のあんたを真似して言わさせて…こなた。
耳元で、つぶやく。
「…だいすき、だよ」
恥ずかしかった。顔が紅くなるのが、わかった。
でも、本当のことだから。
これが今の、私の全てなんだよ。
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話し合いの結果、映画はやめて買い物とゲーセンに行くことになった。
私の間違いを許してくれた、かがみ。
…ありがとう。
でも照れくさくて言わない。
言いたかったけど、言えない。
もどかしかった。
さっき、気づいたことがある。
それは…私はかがみの言う、“いい雰囲気”が苦手なんだってこと。
なんか恥ずかしくって。
私らしくいられなくなりそうだった。
恥じらう私なんて、想像したくもないよ。
だからつい、話を変えたくなっちゃうんだ。
いい雰囲気は嫌いじゃない。でも、苦手なんだよ。
かがみはわかってくれるかな…?
今は映画館を出て、駅ビルに向かってる。
駅ビルはゲーセンもあって買い物もできるから、そこに行こうって一緒に決めたんだ。
「さっきすぐ追いかけてきたよね、かがみ」
許してくれて、ありがとうって言いたかったから。
近い話題をもちかけてみた。
でもそれに近い話題って、いい雰囲気なわけで。
「あんたの恋人だから…だよ?」
…しまった。こそばゆい空気に変わる。
なんか、恥ずかしいよ…。
「軽くツンデレ気味なかがみ、萌えるね~」
冗談で返してしまった。
「はいはい。もう、あんたは…。せっかくのムードってもんを」
…ごめん、かがみ。
かがみはいい雰囲気を作ろうと頑張ってるんだよね…。
それなのに、私は。
つい冗談で返す自分がいた。
ただ、恥ずかしいというだけで。
――――かがみの気持ちを無視、していた。
どうしようもなく、申し訳なくなる…。
ごめんね、かがみ。ほんとに、ごめん。
私、決めた。
次にそういう雰囲気になったら、私逃げない。
逃げないよ、かがみ。
かがみととびっきりに甘い時間を過ごせるようにする。
私はかがみの、恋人だから。
かがみがすごく、好きだから。
それに、恥ずかしいだけで私だっていい雰囲気に囲まれたいし、ね。
駅ビルに着いた。
なんか移動ばっかり。
でも、それももうおしまい。
移動の間、結局お礼が言えなかった。
ヘタレな自分に腹が立っちゃった。
帰るまでに、頑張って言わなくちゃ。
買い物が先になった。
ゲームセンター先行くといくら使うかわからないしね。
さて何を買うのかというと…
私は、今日ペアなものを買う気でいる。アクセサリーとか。
今日の証と、2人の証を、みにつけていたいんだ。
離れていても、かがみがいる。いてくれる。
そんな気になる、何かが欲しいんだ…。
「あそこ入ってみようよ」
私が指さした店はよくあるアクセショップ。
「いいわよ」
何買うのかしら、とでも言いたそうなかがみ。
わからないのかねぇ。恋人とこうゆう店に入れば、だいたい決まってるでしょぉ。
中にはいると、人が多少いた。カップルも数組みいた。
端から見ると友達同士なんだろうな、きっと。
私はペアのアクセサリーを探す…あ、みっけ。
遠くから見つけたそれは、なぜか目に留まって。一目で気に入った。
「かがみ、こっちこっち」
「なになに?なんかみっけたの?」
手を引いて誘導。
「見てよこれ…かわいくない?」
「これって…」
顔が紅くなるかがみ。
「ペアのネックレス…♪」
大きさが一回りだけ違う、2つのシルバーで同じデザインのヘッドのついたネックレス。
「ねぇ、かがみん…こうゆうの、買わない…?」
イヤじゃないかな…?
なんかこうゆうのって、相手を束縛するものでもあるし…。
「…いいわね!買おうよ」
やったー!かがみも欲しくなってくれた。今日の証を。2人の証を。
「いくらだろ?」
「…!こ、こなた…」
見て、驚愕。
「…50000円…」
…買えるわけない。
今日のデート代、全部で25000円。頑張って貯めたんだけど、ちょっと無理。
「他のにしよっか…」
「そ、そうだね…」
再び探す。さっきのが気に入ってたから、なかなかいいのが見つからないなぁ。
「こなた、これなんてどう?」
かがみが見つけたのを見たら…
「わぁ…かわいい…」
割れたシルバーなハート。
あわせると、一円玉くらいの大きさになる。
それぞれかけたハートから、ネックレスのチェーンがついていた。
「値段みたけど、普通だし」
見たら、3000円。さっきの見たから、すごく安く見える。
「いいね、これ!こんなの見つけるなんて…流石は私のお嫁さんだね☆」
「お、お嫁さんゆーな。…これにする?」
照れるかがみに、私は告げた。
「うん!」
--------------
生まれて初めての、ペアのアクセサリー。
つかさとお揃いなんてのは多少はあるけど、恋人と一緒なものは初めて。
なんか、すごくドキドキしちゃった。
建物の中を見て回る。
服屋に行ったり、化粧品みたり。本屋さん行ったり、いろいろ回った。
歩いていると甘い香りで鼻腔をくすぐられた…もとをたどればアイス屋さんだった。
「こなた、アイス食べない?」
こなたは笑顔で言った。
「いいね~、食べよ食べよぉ」
2人で同じバニラアイスを注文。
店のテーブルにさっき買ったものが入った袋をのせ、椅子にかけながら甘い小山に舌を伸ばす。
美味しいなぁ。やっぱ私はお菓子が大好き。ついついたくさん食べちゃう。
いつもは太るとか気にするけど、今は全然気にならなかった。
「幸せそうだね~、かがみん」
ふいに言われた。そんなに幸せそうな顔してたかな…?
「そ、そう?」
「うん。私もアイスには勝てなそうだね」
「競うなって」
まぁアイスは大好きだけど。
「じゃあさ、かがみは私とアイスどっちが好き?」
な、何聞いてるんだ。悩むわけ、ないじゃない…。
でも答えるの、なんか恥ずかしいなぁ。
言えば言うでからかわれそう。言わなきゃ言わないで恋人失格な気がする。
「こ、こなたに決まってるじゃない」
「なんでどもるのさ…ま、私はかがみの食欲にはかなわなそうだね」
「人を食いしん坊みたいにゆーな!」
「え~?違ったっけ?」
「む、むかつく…!」
こいつってやつは。
確かに食べることは好きだけど、四六時中そればっかり考えてないわよ。
いつも通りの会話だった。
学校のとき、遊んでるとき、お昼食べてるとき、登下校のとき。
それなのに、どうしてこんなにドキドキするんだろう…。
今日という特別な日が、私に魔法をかけてるのかな…。
なんて、つかさじゃあるまいし夢見る乙女な考えは自重。
「言ってて思ったんだが…なんかバカップルみたいじゃない?私たち」
「そうなんだからいーじゃん」
「よくないわよ!バカップルはイヤだからね」
「じゃあどんなカップルがいいのさ?」
「…か、賢いカップル?」
「かがみん、馬鹿っぽいよ」
「う、うるさい!」
やっぱり私たちはバカップルらしい。
-[[初めてのデート【午後Ⅱ】>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/829.html]]へ続く
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- (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-25 07:53:05)
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