「だだっ子こなたん・保護者のかがみん~お前…唇で教育が必要か?~」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「だだっ子こなたん・保護者のかがみん~お前…唇で教育が必要か?~」(2023/05/02 (火) 01:27:07) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
以前は、かがみへの恋しさで、彼女と離れるとすぐに泣いてしまうこなたも、
かがみが同じクラスになったことで泣く回数がちょっぴり減った。
…しかし、最近のこなたは駄々をこねることが多くなってきた。
「こなたー、早く行くわよー」
朝の登校。かがみとつかさの後を追って、こなたが危なっかしい足取りでふらふらとついてくる。
二人の姉妹は一旦足を止めて、こなたが追い付くのを待った。
「ほら、早く来なさい」
「かがみー、私、もう疲れたぁー」
ようやく追い付いたこなたが、その場にぺたんと座り込んだ。
「かがみー、おんぶしてー、おんぶー」
こなたはかがみの方に向かって手を伸ばす。
「もう少しだからがんばりなさいよ」
「やだやだー!おんぶー!おんぶしてー!!」
こなたは、その場でジタバタしながら駄々をこねる。
「だめよこなたっ!」
「やぁーだぁー!!おんぶー!!おんぶー!!」
「…」
ちゅ。
かがみは、自分の唇をこなたの唇と合わせた。
「ん~………っと」
唇を離す。
「…あ……あぁ………」
途端にこなたが顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
かがみは、こなたのほっぺを両手でさわりながら優しく言った。
「だめよ…いっつもおんぶして、なんてわがまま言っちゃ…」
「うん…」
しおらしくなったこなたが応える。
こうして今は、こなたはかがみにだっこされながら学校に向かっている。
隣では、つかさが何か腑に落ちない様子で首を傾げていた。
だだっ子こなたん・保護者のかがみん
~お前…唇で教育が必要か?~
授業が始まる。
今日は、1時間目からいきなり調理実習だった。
グループごとに料理を作るため、クラスメートたちがランダムに班に分けられたのだが…
「かがみぃ~~かがみぃ~~~」
こなたがまた、駄々をこね始めた。
こなたは、かがみとは別のグループになってしまったのだ。
「私、かがみと一緒の班じゃなきゃやだぁーやだぁー!」
こなたは、かがみの腕にがっしりとしがみついて叫ぶ。
「こなたっ!わがまま言っちゃダメでしょ!」
「いやだぁ~~いやだぁ~~かがみと一緒じゃなきゃやだよぉ~~ふえぇ~~ん」
こなたは泣き出してしまった。
「ふえ~んふえ~ん」
「こなた」
ちゅ。
かがみが、こなたにキスをした。
「ん~~~~~…………っと」
かがみはこなたの唇を離す。
「ふぁぁ……」
こなたは、恥ずかしさのあまり、机の隅に隠れてしまった。
かがみは、こなたの前に来てしゃがんで言った。
「もう…一緒の班になりたいなんて、わがまま言っちゃ駄目だからね…」
「…うん。……………ごめんなさい…」
「よし。いい子ね」
そう言ってかがみは、こなたの頭を撫でてあげた。
目をつぶって、嬉しそうにするこなたん。
かがみは言った。
「先生!私がこなたの班になります!」
「…」
黒井先生の沈黙を了解の証としたかがみは、その後何事もなかったかのように料理を作り始めた。
次の時間は、世界史の授業だった。
昨日も夜更かしして眠くなっているこなたの頭がこっくり、こっくりとうなだれる。
黒井先生が聞く。
「泉、どうしたんやお前?」
「…眠いよぉ」
「あと30分やから我慢しぃや」
「やだぁ……眠いぃ…眠いよ~…くすん、くすん…」
こなたがまためそめそ泣き始めた。
隣の席のかがみは、こなたを抱き寄せながら、優しく言った。
「こなた、もう少しだから我慢しよ…ね?」
こなたは、頭をふるふると振った。
「くすん、くすん…ねむぃ~…ねむいよぉ~、かがみぃ…」
ちゅ。
かがみがこなたにキスをした。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~……………………………ぷは。」
「はぅぅ………」
こなたは真っ赤になって、手で顔を隠してしまった。ばっちり眼が覚めた。
「だめよ…自分だけ勝手に眠いだなんてわがまま言っちゃ…」
「うん…ごめんね、かがみ」
「先生、私がこなたを抱っこして一緒に寝るのでそれでいいですね!!?」
「…」
黒井先生は何も答えなかった。
勢い殺しで『良し』としたかがみは、こなたをだっこして眠りについた。
なぜか、なかなか眠りにつけないこなただったが、次の授業の時間になって、ようやく眠りについたようだ。
「すう…すう…」
かがみの胸の中で、かわいい寝顔で眠るこなた。
かがみは、その背中を優しく擦る。
クラス内が和やかな雰囲気に包まれた。が。
「…へぇっくしょおいっ!!!」
その時。場のふいんきをあまりに読まない白石・セバスチャンが豪快なクシャミをした。
こなたの目がぱちっと開いた。
「……ふえっ……ふえぇ……ぐす……ぐすっ……………………ふえええええ~~~~ん」
こなたがぐずってしまった。
寝ている所を急に起こされると、機嫌をそこねてしまうのだ。
「あー、もう、よしよし…」
とりあえず、白石をロッカーに閉じ込めておく。
「…くすん、くすん……ひっく…ひっく……」
「よしよし…こなた、泣かないの」
かがみは、こなたを抱っこしながら必死にあやす。
その時、ロッカーから奇怪な声が。
『ちょ、ちょっと!!ここせまいっす!ここせま(ぐしゃ)
かがみは、ロッカーに拳をめりこませる。
声が、やんだ。
そして、こなたは再び、眠りについた。ついでにロッカーの中の人も。
お昼の時間。
B組では今…
給食の時間。
こなた、かがみ、つかさ、みゆきの4人は机を囲んで、昼食を食べている。
しかし、こなたはさっきからうつむいたまま、箸を進めていない。
「…どうしたの?」
「もずくキライ…」
今日の給食にはこなたの苦手なもずくが入っていたのだ。
「かがみ…食べて…」
「もう、好き嫌いは駄目よ。ちゃんと食べなさい」
「やだ」
「ほーら」
「やーだー」
首をぶんぶんと振る。
「ほら、少しでいいからちゃんと…」
「やだやだやだやだ食べたくない食べたくない~~~!!!!」
ちゅ。
かがみはキスをした。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……………………
…ぷは」
かがみが唇を離す。
「あうぅ……」
こなたは真っ赤になってしまう。アホ毛もしおれている。
「こなた…食べ物の好き嫌いしちゃダメよ…一口だけでいいから食べなさい。あとは私が食べてあげるから…」
「うん…」
こなたは、なんとか頑張ってもずくを一口食べた。
「いいこいいこ♪」
かがみはこなたの頭をなでなでしてあげる。
こなたは、嬉しそうに顔をすくめた。
「じゃあ、残りの分、私のお皿にのせていいわよ」
「うん」
「お姉ちゃん、なんで私のお皿の上に自分のキノコ乗せてるの?」
つかさが言った。
「だって、こなたの分のもずく食べるから、少し減らさないと栄養のバランスが偏っちゃうでしょ?だからよ」
「そっか」
つかさは納得した。
もずくうにょーん。
その後、かがみは委員会の集まりで教室を出て行ってしまった。こなたに、「いい子で待ってるのよ」という言葉を伝えて。
しかし、やっぱりかがみが恋しくてたまらないこなたは、かがみを探しに教室を出て行ってしまった。
やがて教室にかがみが戻ってくるのだが、こなたは教室にいなかった。
授業が始まっても、こなたは戻って来ない。
心配して、教室からものすごい勢いで出ていくかがみ。
その後、ようやく、こなたが教室に戻ってきた。
な ん と い う す れ 違 い の 連 鎖 。
「おい泉、なんで遅れたんや…」
黒井先生が聞く。
「くすん、くすん、…迷っちゃった…」
「んなアホなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!」
「…あれ、かがみがいない……………………クスン…………………………クスン…………………かがみぃ~~~~~~~~っっっ!!!」
「ええい、うるさい、泣くなっ!!泣くんじゃないっっ!!!」
黒井先生が涙目で怒鳴る。
しかし、言えば言うほど、こなたは余計泣いてしまう。
つかさは、自分の髪をツインテールにして、必死にかがみの(似てない)モノマネをする。
こなた、こっち向いてすらくれなくて、
つかさ涙目。
そしたら、今度はみゆきまで頭をツインテールにして、
そしたら余計こなたが泣いて、
みゆき涙目。
「こなたぁっっ!!!」
こなたの泣き声を聞き付けたかがみが、B組の扉を蹴破って入ってきた。
「かがみぃ~~~!!」
こなたがかがみの方に走っていって、かがみを抱きしめる。
「かがみぃ、かがみぃっ!!」
泣きじゃくるこなた。
「もう大丈夫だから泣かないで…こなた…」
「かがみっ、かがみっ!!うわああんうわああん!」
ちゅっ。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(5分間)」
ぷは。
唇を離す。
「あぅぁぅ……かがみに…かがみに……あぅ」
真っ赤になるこなた。
「良かった…こなた、心配したじゃない………あんたの家まで行ったのよ」
な ぜ だ。
「そしたらさ、お父さまがまだ帰って来てないって言ったから、きっとまだ学校にいると思ったのよ」
“お父さま”が、そうじろうのたっての希望だということを付け加えておく。
「B組がどこなのか分からなくなっちゃったのね…かわいそうに…」
「かっ…かがみっ……わ、わたし…かがみを探して迷っちゃったんだけど……えぐ、ひぐっ……
で、でもっ……それで、やっとB組に戻ったんだけど、…………そしたら、なんでかわかんないけど……黒井先生に、アホって言われた……ひっく、ひっく」
「そ う」
黒井先生、まさかの死亡フラグ発生。
かがみが、笑顔のまま、一歩、一歩、黒井先生の下に近づく度に、近づく寿命。
「今まで、黒井先生のクラスで、とっても楽しかった。ありがとう」
つかさが、葬儀で読むための作文を朗読し始めた。
みゆきは、葬儀の準備をしている。教室には既に白黒模様の幕と、献花台が置かれ、黒井先生の(もうすぐ)生前となる写真が飾られている。
「大丈夫ですよ。黒井先生の葬儀は私が全て手配しておきますので、安心してお逝きなさい」
とでも言うような天使の微笑を浮かべるみゆき。
笑い返せるものか。
黒井先生が、目の前の出来事に向き合って、覚悟を決めたその時。
こなたがぼそっと言った。
「でも………大好きなかがみが戻ってきてくれたから………嬉しかったよ……私………」
「こなた………」
かがみは、そっとこなたを抱きしめる。
つかさとみゆきは教室の葬式の飾りを片付け始めた。
その時。
『…はっ!こ、ここはどこっすか!!?暗いっ!暗いっすよっ!!!』
「かがみぃ~、ロッカーから変な音が聞こえるよ~怖いよかがみぃ~うわ~~ん」
ロッカーから聞こえる奇怪な声に、こなたがまた泣き出してしまう。
かがみは、手にロッカーを持ち、何度かシェイクしてから、逆さに置いた。
音が、やんだ。
つかさとみゆきが、再び葬式の準備を始めた。
「ね?何もないでしょ?」
「ふえ~ん怖いよ~かがみ~…私、もう帰るぅ~~」
「こなた、もう少しだから頑張りましょ?」
「ふえ~ん、ふえ~ん、やだぁやだぁ~~私帰るぅ~~!!」
んちゅ。
かがみは、こなたに(舌を絡めながら次の授業の時間にまたぐ程の普通なら呼吸困難を起こすほどの長~~~~~~~~~~~~~~~~い)キスをおみまいする。
唇を離す。
「………かがみにキスされちゃったよぅ……」
もじもじするこなた。
「こなた、わがまま言っちゃダメよ!一人で勝手に帰っちゃうなんて…」
「…ごめんなさい…かがみ…」
「ちゃんと、私が一緒に帰ってあげるから」
つかさが机から転げ落ちた。
「…じゃ、行こっ、こなた。帰ったら、いっぱい遊ぼうね!」
「……くすん、くすん、………うん…」
こなたが、涙をこぼしながら、笑った。
二人は教室から出て行った。
教室に訪れる静寂。
平和が戻った。少なくとも黒井先生にとっては。
帰り道。
こなたは、かがみに手をつないでもらっている。でも、まだ涙は止まらないようだ。
「くすん、くすん…」
かがみは、こなたの手をぎゅっと握り返す。
「かがみぃ……」
こなたが、隣のかがみに向かって、顔を上げる。
「…なあに?」
かがみが優しい顔で答えた。
「…いつもありがと……」
「…うん!」
かがみは、笑顔で答えた。
完。
**コメントフォーム
#comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)
- し ら い し &br() -- 名無しさん (2014-01-12 23:04:07)
- 黒井先生が何も答えないのは、かがみ提案が一種の脅迫だからか。 &br()あと作文の内容面白いなw -- 名無しさん (2012-12-25 08:09:19)
- 黒井先生が危ない?! -- かがみんラブ (2012-09-18 07:07:53)
- こなたキャラ崩壊 -- 名無しさん (2011-07-17 12:24:07)
- もずくうにょ~んてwwww -- 名無しさん (2010-11-12 22:48:44)
- これじゃちしょ……かわいいからいいや -- 名無しさん (2010-09-09 09:36:42)
- 何と言う混沌としたクラス…白石一体どうなった -- 名無し (2010-04-27 13:20:47)
- ぶはっっっ (鼻血 -- 名無しさん (2010-04-01 01:26:52)
- もずくうにょ〜ん(笑) -- 名無しさん (2010-03-31 11:55:53)
- 白石乙! &br()ギャグセンスネ申! &br()こなたんに何回萌え死にさせられただろうか -- 名無しさん (2009-11-08 23:39:30)
- さようなら!白石! &br() &br()もずくうにょ~んの破壊力すげえw腹筋がカオスなことにwwwww &br() &br()こなたかわいぃなぁ &br() &br()葬式の準備ガンバ! &br()きっとすぐに必要になるお。 -- 白夜 (2009-10-14 00:47:58)
- 駄々っ子なこなたもかゎぃぃなぁー(゜Д゜ハァハァ** -- 名無しさんん (2009-08-11 10:50:21)
- 和む〜〜〜〜〜〜!! &br()こなた、かわいい〜〜!! -- 鷹 (2009-07-20 15:43:08)
- セバスチャーーーーン!!!! -- 名無しさん (2009-05-05 18:28:19)
- もずくうにょーん吹いたwww -- 0210 (2009-03-15 21:00:57)
- みゆき涙目?つかさ涙目? いいえ本当に涙目なのは黒井先生ですww -- 名無しさん (2009-03-07 14:35:58)
- つかさとみゆきがいい仕事してる件 -- 名無しさん (2009-03-07 02:58:27)
- みwなwぎwっwてwきwたw -- 名無しさん (2009-01-24 05:14:55)
- 作者は俺を和み殺す気かwwwwww -- 名無しさん (2008-11-28 21:25:18)
- やばすぎる 退化こなたはやばすぎるww &br()あと もずくうにょーんで爆笑しちまったwつかさナイスキャラwとりあえずあまりの破壊力のため畳の上で転がってきますww -- 名無しさん (2008-11-28 11:29:46)
- セバスチャンさようなら。 -- 名無しさん (2008-09-26 00:27:25)
- 相変わらず破壊力がありますねww &br()てかこなたが退化しているwww &br()このクラスにいたら楽しいだろうなwww &br()俺がこんな感じのSS書くのはまだまだ相当先になりそうですww &br()とりあえずご馳走様でした -- naniw (2008-08-21 10:55:34)
- つかさのキャラが絶妙ですね。 -- 無垢無垢 (2008-08-18 08:11:34)
- 良かったね黒井先生 &br()さようなら白石・セバスチャン -- 名無しさん (2008-08-17 23:42:01)
- 弁当にもずくってどんだけww &br()いやしかしGJ &br() -- 名無しさん (2008-08-15 17:41:40)
- とりあえずこのクラスに編入させてください -- 名無しさん (2008-08-15 04:18:32)
- しおらしいこなたは好きだが…ww &br()ま、まぁいいや とりあえず笑えました。GJ -- 名無しさん (2008-08-15 01:57:50)
以前は、かがみへの恋しさで、彼女と離れるとすぐに泣いてしまうこなたも、
かがみが同じクラスになったことで泣く回数がちょっぴり減った。
…しかし、最近のこなたは駄々をこねることが多くなってきた。
「こなたー、早く行くわよー」
朝の登校。かがみとつかさの後を追って、こなたが危なっかしい足取りでふらふらとついてくる。
二人の姉妹は一旦足を止めて、こなたが追い付くのを待った。
「ほら、早く来なさい」
「かがみー、私、もう疲れたぁー」
ようやく追い付いたこなたが、その場にぺたんと座り込んだ。
「かがみー、おんぶしてー、おんぶー」
こなたはかがみの方に向かって手を伸ばす。
「もう少しだからがんばりなさいよ」
「やだやだー!おんぶー!おんぶしてー!!」
こなたは、その場でジタバタしながら駄々をこねる。
「だめよこなたっ!」
「やぁーだぁー!!おんぶー!!おんぶー!!」
「…」
ちゅ。
かがみは、自分の唇をこなたの唇と合わせた。
「ん~………っと」
唇を離す。
「…あ……あぁ………」
途端にこなたが顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
かがみは、こなたのほっぺを両手でさわりながら優しく言った。
「だめよ…いっつもおんぶして、なんてわがまま言っちゃ…」
「うん…」
しおらしくなったこなたが応える。
こうして今は、こなたはかがみにだっこされながら学校に向かっている。
隣では、つかさが何か腑に落ちない様子で首を傾げていた。
だだっ子こなたん・保護者のかがみん
~お前…唇で教育が必要か?~
授業が始まる。
今日は、1時間目からいきなり調理実習だった。
グループごとに料理を作るため、クラスメートたちがランダムに班に分けられたのだが…
「かがみぃ~~かがみぃ~~~」
こなたがまた、駄々をこね始めた。
こなたは、かがみとは別のグループになってしまったのだ。
「私、かがみと一緒の班じゃなきゃやだぁーやだぁー!」
こなたは、かがみの腕にがっしりとしがみついて叫ぶ。
「こなたっ!わがまま言っちゃダメでしょ!」
「いやだぁ~~いやだぁ~~かがみと一緒じゃなきゃやだよぉ~~ふえぇ~~ん」
こなたは泣き出してしまった。
「ふえ~んふえ~ん」
「こなた」
ちゅ。
かがみが、こなたにキスをした。
「ん~~~~~…………っと」
かがみはこなたの唇を離す。
「ふぁぁ……」
こなたは、恥ずかしさのあまり、机の隅に隠れてしまった。
かがみは、こなたの前に来てしゃがんで言った。
「もう…一緒の班になりたいなんて、わがまま言っちゃ駄目だからね…」
「…うん。……………ごめんなさい…」
「よし。いい子ね」
そう言ってかがみは、こなたの頭を撫でてあげた。
目をつぶって、嬉しそうにするこなたん。
かがみは言った。
「先生!私がこなたの班になります!」
「…」
黒井先生の沈黙を了解の証としたかがみは、その後何事もなかったかのように料理を作り始めた。
次の時間は、世界史の授業だった。
昨日も夜更かしして眠くなっているこなたの頭がこっくり、こっくりとうなだれる。
黒井先生が聞く。
「泉、どうしたんやお前?」
「…眠いよぉ」
「あと30分やから我慢しぃや」
「やだぁ……眠いぃ…眠いよ~…くすん、くすん…」
こなたがまためそめそ泣き始めた。
隣の席のかがみは、こなたを抱き寄せながら、優しく言った。
「こなた、もう少しだから我慢しよ…ね?」
こなたは、頭をふるふると振った。
「くすん、くすん…ねむぃ~…ねむいよぉ~、かがみぃ…」
ちゅ。
かがみがこなたにキスをした。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~……………………………ぷは。」
「はぅぅ………」
こなたは真っ赤になって、手で顔を隠してしまった。ばっちり眼が覚めた。
「だめよ…自分だけ勝手に眠いだなんてわがまま言っちゃ…」
「うん…ごめんね、かがみ」
「先生、私がこなたを抱っこして一緒に寝るのでそれでいいですね!!?」
「…」
黒井先生は何も答えなかった。
勢い殺しで『良し』としたかがみは、こなたをだっこして眠りについた。
なぜか、なかなか眠りにつけないこなただったが、次の授業の時間になって、ようやく眠りについたようだ。
「すう…すう…」
かがみの胸の中で、かわいい寝顔で眠るこなた。
かがみは、その背中を優しく擦る。
クラス内が和やかな雰囲気に包まれた。が。
「…へぇっくしょおいっ!!!」
その時。場のふいんきをあまりに読まない白石・セバスチャンが豪快なクシャミをした。
こなたの目がぱちっと開いた。
「……ふえっ……ふえぇ……ぐす……ぐすっ……………………ふえええええ~~~~ん」
こなたがぐずってしまった。
寝ている所を急に起こされると、機嫌をそこねてしまうのだ。
「あー、もう、よしよし…」
とりあえず、白石をロッカーに閉じ込めておく。
「…くすん、くすん……ひっく…ひっく……」
「よしよし…こなた、泣かないの」
かがみは、こなたを抱っこしながら必死にあやす。
その時、ロッカーから奇怪な声が。
『ちょ、ちょっと!!ここせまいっす!ここせま(ぐしゃ)
かがみは、ロッカーに拳をめりこませる。
声が、やんだ。
そして、こなたは再び、眠りについた。ついでにロッカーの中の人も。
お昼の時間。
B組では今…
給食の時間。
こなた、かがみ、つかさ、みゆきの4人は机を囲んで、昼食を食べている。
しかし、こなたはさっきからうつむいたまま、箸を進めていない。
「…どうしたの?」
「もずくキライ…」
今日の給食にはこなたの苦手なもずくが入っていたのだ。
「かがみ…食べて…」
「もう、好き嫌いは駄目よ。ちゃんと食べなさい」
「やだ」
「ほーら」
「やーだー」
首をぶんぶんと振る。
「ほら、少しでいいからちゃんと…」
「やだやだやだやだ食べたくない食べたくない~~~!!!!」
ちゅ。
かがみはキスをした。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……………………
…ぷは」
かがみが唇を離す。
「あうぅ……」
こなたは真っ赤になってしまう。アホ毛もしおれている。
「こなた…食べ物の好き嫌いしちゃダメよ…一口だけでいいから食べなさい。あとは私が食べてあげるから…」
「うん…」
こなたは、なんとか頑張ってもずくを一口食べた。
「いいこいいこ♪」
かがみはこなたの頭をなでなでしてあげる。
こなたは、嬉しそうに顔をすくめた。
「じゃあ、残りの分、私のお皿にのせていいわよ」
「うん」
「お姉ちゃん、なんで私のお皿の上に自分のキノコ乗せてるの?」
つかさが言った。
「だって、こなたの分のもずく食べるから、少し減らさないと栄養のバランスが偏っちゃうでしょ?だからよ」
「そっか」
つかさは納得した。
もずくうにょーん。
その後、かがみは委員会の集まりで教室を出て行ってしまった。こなたに、「いい子で待ってるのよ」という言葉を伝えて。
しかし、やっぱりかがみが恋しくてたまらないこなたは、かがみを探しに教室を出て行ってしまった。
やがて教室にかがみが戻ってくるのだが、こなたは教室にいなかった。
授業が始まっても、こなたは戻って来ない。
心配して、教室からものすごい勢いで出ていくかがみ。
その後、ようやく、こなたが教室に戻ってきた。
な ん と い う す れ 違 い の 連 鎖 。
「おい泉、なんで遅れたんや…」
黒井先生が聞く。
「くすん、くすん、…迷っちゃった…」
「んなアホなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!」
「…あれ、かがみがいない……………………クスン…………………………クスン…………………かがみぃ~~~~~~~~っっっ!!!」
「ええい、うるさい、泣くなっ!!泣くんじゃないっっ!!!」
黒井先生が涙目で怒鳴る。
しかし、言えば言うほど、こなたは余計泣いてしまう。
つかさは、自分の髪をツインテールにして、必死にかがみの(似てない)モノマネをする。
こなた、こっち向いてすらくれなくて、
つかさ涙目。
そしたら、今度はみゆきまで頭をツインテールにして、
そしたら余計こなたが泣いて、
みゆき涙目。
「こなたぁっっ!!!」
こなたの泣き声を聞き付けたかがみが、B組の扉を蹴破って入ってきた。
「かがみぃ~~~!!」
こなたがかがみの方に走っていって、かがみを抱きしめる。
「かがみぃ、かがみぃっ!!」
泣きじゃくるこなた。
「もう大丈夫だから泣かないで…こなた…」
「かがみっ、かがみっ!!うわああんうわああん!」
ちゅっ。
「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(5分間)」
ぷは。
唇を離す。
「あぅぁぅ……かがみに…かがみに……あぅ」
真っ赤になるこなた。
「良かった…こなた、心配したじゃない………あんたの家まで行ったのよ」
な ぜ だ。
「そしたらさ、お父さまがまだ帰って来てないって言ったから、きっとまだ学校にいると思ったのよ」
“お父さま”が、そうじろうのたっての希望だということを付け加えておく。
「B組がどこなのか分からなくなっちゃったのね…かわいそうに…」
「かっ…かがみっ……わ、わたし…かがみを探して迷っちゃったんだけど……えぐ、ひぐっ……
で、でもっ……それで、やっとB組に戻ったんだけど、…………そしたら、なんでかわかんないけど……黒井先生に、アホって言われた……ひっく、ひっく」
「そ う」
黒井先生、まさかの死亡フラグ発生。
かがみが、笑顔のまま、一歩、一歩、黒井先生の下に近づく度に、近づく寿命。
「今まで、黒井先生のクラスで、とっても楽しかった。ありがとう」
つかさが、葬儀で読むための作文を朗読し始めた。
みゆきは、葬儀の準備をしている。教室には既に白黒模様の幕と、献花台が置かれ、黒井先生の(もうすぐ)生前となる写真が飾られている。
「大丈夫ですよ。黒井先生の葬儀は私が全て手配しておきますので、安心してお逝きなさい」
とでも言うような天使の微笑を浮かべるみゆき。
笑い返せるものか。
黒井先生が、目の前の出来事に向き合って、覚悟を決めたその時。
こなたがぼそっと言った。
「でも………大好きなかがみが戻ってきてくれたから………嬉しかったよ……私………」
「こなた………」
かがみは、そっとこなたを抱きしめる。
つかさとみゆきは教室の葬式の飾りを片付け始めた。
その時。
『…はっ!こ、ここはどこっすか!!?暗いっ!暗いっすよっ!!!』
「かがみぃ~、ロッカーから変な音が聞こえるよ~怖いよかがみぃ~うわ~~ん」
ロッカーから聞こえる奇怪な声に、こなたがまた泣き出してしまう。
かがみは、手にロッカーを持ち、何度かシェイクしてから、逆さに置いた。
音が、やんだ。
つかさとみゆきが、再び葬式の準備を始めた。
「ね?何もないでしょ?」
「ふえ~ん怖いよ~かがみ~…私、もう帰るぅ~~」
「こなた、もう少しだから頑張りましょ?」
「ふえ~ん、ふえ~ん、やだぁやだぁ~~私帰るぅ~~!!」
んちゅ。
かがみは、こなたに(舌を絡めながら次の授業の時間にまたぐ程の普通なら呼吸困難を起こすほどの長~~~~~~~~~~~~~~~~い)キスをおみまいする。
唇を離す。
「………かがみにキスされちゃったよぅ……」
もじもじするこなた。
「こなた、わがまま言っちゃダメよ!一人で勝手に帰っちゃうなんて…」
「…ごめんなさい…かがみ…」
「ちゃんと、私が一緒に帰ってあげるから」
つかさが机から転げ落ちた。
「…じゃ、行こっ、こなた。帰ったら、いっぱい遊ぼうね!」
「……くすん、くすん、………うん…」
こなたが、涙をこぼしながら、笑った。
二人は教室から出て行った。
教室に訪れる静寂。
平和が戻った。少なくとも黒井先生にとっては。
帰り道。
こなたは、かがみに手をつないでもらっている。でも、まだ涙は止まらないようだ。
「くすん、くすん…」
かがみは、こなたの手をぎゅっと握り返す。
「かがみぃ……」
こなたが、隣のかがみに向かって、顔を上げる。
「…なあに?」
かがみが優しい顔で答えた。
「…いつもありがと……」
「…うん!」
かがみは、笑顔で答えた。
完。
**コメントフォーム
#comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)
- GJ!!笑(^Д^)b -- 名無しさん (2023-05-02 01:27:07)
- し ら い し &br() -- 名無しさん (2014-01-12 23:04:07)
- 黒井先生が何も答えないのは、かがみ提案が一種の脅迫だからか。 &br()あと作文の内容面白いなw -- 名無しさん (2012-12-25 08:09:19)
- 黒井先生が危ない?! -- かがみんラブ (2012-09-18 07:07:53)
- こなたキャラ崩壊 -- 名無しさん (2011-07-17 12:24:07)
- もずくうにょ~んてwwww -- 名無しさん (2010-11-12 22:48:44)
- これじゃちしょ……かわいいからいいや -- 名無しさん (2010-09-09 09:36:42)
- 何と言う混沌としたクラス…白石一体どうなった -- 名無し (2010-04-27 13:20:47)
- ぶはっっっ (鼻血 -- 名無しさん (2010-04-01 01:26:52)
- もずくうにょ〜ん(笑) -- 名無しさん (2010-03-31 11:55:53)
- 白石乙! &br()ギャグセンスネ申! &br()こなたんに何回萌え死にさせられただろうか -- 名無しさん (2009-11-08 23:39:30)
- さようなら!白石! &br() &br()もずくうにょ~んの破壊力すげえw腹筋がカオスなことにwwwww &br() &br()こなたかわいぃなぁ &br() &br()葬式の準備ガンバ! &br()きっとすぐに必要になるお。 -- 白夜 (2009-10-14 00:47:58)
- 駄々っ子なこなたもかゎぃぃなぁー(゜Д゜ハァハァ** -- 名無しさんん (2009-08-11 10:50:21)
- 和む〜〜〜〜〜〜!! &br()こなた、かわいい〜〜!! -- 鷹 (2009-07-20 15:43:08)
- セバスチャーーーーン!!!! -- 名無しさん (2009-05-05 18:28:19)
- もずくうにょーん吹いたwww -- 0210 (2009-03-15 21:00:57)
- みゆき涙目?つかさ涙目? いいえ本当に涙目なのは黒井先生ですww -- 名無しさん (2009-03-07 14:35:58)
- つかさとみゆきがいい仕事してる件 -- 名無しさん (2009-03-07 02:58:27)
- みwなwぎwっwてwきwたw -- 名無しさん (2009-01-24 05:14:55)
- 作者は俺を和み殺す気かwwwwww -- 名無しさん (2008-11-28 21:25:18)
- やばすぎる 退化こなたはやばすぎるww &br()あと もずくうにょーんで爆笑しちまったwつかさナイスキャラwとりあえずあまりの破壊力のため畳の上で転がってきますww -- 名無しさん (2008-11-28 11:29:46)
- セバスチャンさようなら。 -- 名無しさん (2008-09-26 00:27:25)
- 相変わらず破壊力がありますねww &br()てかこなたが退化しているwww &br()このクラスにいたら楽しいだろうなwww &br()俺がこんな感じのSS書くのはまだまだ相当先になりそうですww &br()とりあえずご馳走様でした -- naniw (2008-08-21 10:55:34)
- つかさのキャラが絶妙ですね。 -- 無垢無垢 (2008-08-18 08:11:34)
- 良かったね黒井先生 &br()さようなら白石・セバスチャン -- 名無しさん (2008-08-17 23:42:01)
- 弁当にもずくってどんだけww &br()いやしかしGJ &br() -- 名無しさん (2008-08-15 17:41:40)
- とりあえずこのクラスに編入させてください -- 名無しさん (2008-08-15 04:18:32)
- しおらしいこなたは好きだが…ww &br()ま、まぁいいや とりあえず笑えました。GJ -- 名無しさん (2008-08-15 01:57:50)
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: