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コンプ・卒業式ネタ」(2023/05/11 (木) 13:16:19) の最新版変更点

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さて、そろそろいいかな? 頃合を見計らって私は体育館裏へと向かった。 今回ばかりは予想がしづらい。五分五分ってトコかな? 来ていてほしいような、でもなんとなく来ていてほしくないような……。 あ。 ……いた。 いつも通りの、というか一時間ほど前に別れたばかりのツインテールの後姿。 こっちとしては期待通りの行動で嬉しいはずなんだけど、でもなんとなく寂しい気持ちもするのはどうしてだろうね? よくわからないモヤモヤを胸に抱えつつ、私は努めて明るく声を出した。 「やふー! かーがみん!」 とにもかくにも、私のドッキリラヴレター大作戦はここでネタバラシ。 あんまり引き伸ばすようなもんでもないしね。 「…………」 かがみは黙ったまま、私に背を向けている。 あれれ? てっきり、顔を真っ赤にして『な、なんであんたがここに!?』とか言うのを想像してたのに。 「…………」 ……ひょ、ひょっとして。 嫌な汗が背中を伝う。 「か、かがみ……?」 怒ってる……? 段々雰囲気が重たくなってくるのを感じながら、私は懸命に言葉を探した。 だが、次に口を開いたのはかがみの方だった。 「やっぱり……あんただったのね」 やっぱり? ってことは……。 「な、なんだ。バレてたんだ」 「……あんたの字くらい、一目見れば分かるわよ。この三年間で何回も見てきたんだから」 「あ~……そりゃそうか」 抜かったな。筆跡くらい変えるんだった。 まあでも最初からバレてたんなら、別にそんなに怒ってもいないよね……って、あれ? かがみはいまだに、私の方を見ようとしない。 私に背を向けたまま、じっとその場に立ち尽くしている。 「……? か、かがみ?」 「…………」 「……えっと……」 どうしよう。やっぱり怒ってるのかな? とするとここは、素直に謝ったほうがいいよね? 高校生活最後の日に、こんなくだらないことで親友と仲違いなんて、馬鹿らしいにも程がある……。 そう思い、私はこほんと咳払いをした。 大丈夫。かがみのことだ。 誠意を込めて謝れば、きっと笑顔で許してくれるはず。 私が謝罪の言葉を述べようと口を開いた瞬間、小さな呟きが私の耳に届いた。 「……で、話って……何なのよ」 ……。 え? 「……あるんでしょ? 私に、その……話が」 「…………」 私は一瞬、かがみが何を言っているのか理解できなかった。 だが、彼女が私に謝罪を要求しているわけでもなければ、そもそも怒っているわけでもないということに気付いた時、全てを理解した。 ……誤算だった。 手紙の差し出し主が私だと気付いた時点で、当然それは『嘘』であるとかがみは気付く。 その前提があったからこそ、私はこの作戦を思い立ったのだ。 だがもし、彼女が別の解釈をしたのなら。 手紙の差し出し主が私だと気付いてなお、それを『嘘』だと思わなかったら――。 それは、つまり……。 今、私には二つの選択肢が与えられた。 まず一つ目は、最も現実的で、かつ平和的な選択肢。 彼女を騙したことを謝罪し、全部『嘘』だったのだとネタバラシをする。 ついさっきまで、私にはこの選択肢しかないはずだった。 しかし今、二つ目の選択肢が追加されてしまったのだ。 それはつまり、この『嘘』を『嘘』でなくする、すなわち『本当』にしてしまうという、極めてリスクの高い選択肢。 永遠に続くとも思える沈黙の中、私が選んだ選択肢は――……。 終 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 二つ目を選べ〜!! -- 名無しさん (2010-07-20 20:56:48) - 続き待ってます(*´∇`*) -- ハルヒ@ (2008-07-19 15:02:21) - さあ続きを書く作業に戻るんだww -- 名無しさん (2008-07-18 13:58:14) - 待て待て待てwww &br()続きを激しく希望する -- 名無しさん (2008-07-18 09:36:12) - 続きが全力で気になるw -- 名無しさん (2008-07-13 22:26:11)
さて、そろそろいいかな? 頃合を見計らって私は体育館裏へと向かった。 今回ばかりは予想がしづらい。五分五分ってトコかな? 来ていてほしいような、でもなんとなく来ていてほしくないような……。 あ。 ……いた。 いつも通りの、というか一時間ほど前に別れたばかりのツインテールの後姿。 こっちとしては期待通りの行動で嬉しいはずなんだけど、でもなんとなく寂しい気持ちもするのはどうしてだろうね? よくわからないモヤモヤを胸に抱えつつ、私は努めて明るく声を出した。 「やふー! かーがみん!」 とにもかくにも、私のドッキリラヴレター大作戦はここでネタバラシ。 あんまり引き伸ばすようなもんでもないしね。 「…………」 かがみは黙ったまま、私に背を向けている。 あれれ? てっきり、顔を真っ赤にして『な、なんであんたがここに!?』とか言うのを想像してたのに。 「…………」 ……ひょ、ひょっとして。 嫌な汗が背中を伝う。 「か、かがみ……?」 怒ってる……? 段々雰囲気が重たくなってくるのを感じながら、私は懸命に言葉を探した。 だが、次に口を開いたのはかがみの方だった。 「やっぱり……あんただったのね」 やっぱり? ってことは……。 「な、なんだ。バレてたんだ」 「……あんたの字くらい、一目見れば分かるわよ。この三年間で何回も見てきたんだから」 「あ~……そりゃそうか」 抜かったな。筆跡くらい変えるんだった。 まあでも最初からバレてたんなら、別にそんなに怒ってもいないよね……って、あれ? かがみはいまだに、私の方を見ようとしない。 私に背を向けたまま、じっとその場に立ち尽くしている。 「……? か、かがみ?」 「…………」 「……えっと……」 どうしよう。やっぱり怒ってるのかな? とするとここは、素直に謝ったほうがいいよね? 高校生活最後の日に、こんなくだらないことで親友と仲違いなんて、馬鹿らしいにも程がある……。 そう思い、私はこほんと咳払いをした。 大丈夫。かがみのことだ。 誠意を込めて謝れば、きっと笑顔で許してくれるはず。 私が謝罪の言葉を述べようと口を開いた瞬間、小さな呟きが私の耳に届いた。 「……で、話って……何なのよ」 ……。 え? 「……あるんでしょ? 私に、その……話が」 「…………」 私は一瞬、かがみが何を言っているのか理解できなかった。 だが、彼女が私に謝罪を要求しているわけでもなければ、そもそも怒っているわけでもないということに気付いた時、全てを理解した。 ……誤算だった。 手紙の差し出し主が私だと気付いた時点で、当然それは『嘘』であるとかがみは気付く。 その前提があったからこそ、私はこの作戦を思い立ったのだ。 だがもし、彼女が別の解釈をしたのなら。 手紙の差し出し主が私だと気付いてなお、それを『嘘』だと思わなかったら――。 それは、つまり……。 今、私には二つの選択肢が与えられた。 まず一つ目は、最も現実的で、かつ平和的な選択肢。 彼女を騙したことを謝罪し、全部『嘘』だったのだとネタバラシをする。 ついさっきまで、私にはこの選択肢しかないはずだった。 しかし今、二つ目の選択肢が追加されてしまったのだ。 それはつまり、この『嘘』を『嘘』でなくする、すなわち『本当』にしてしまうという、極めてリスクの高い選択肢。 永遠に続くとも思える沈黙の中、私が選んだ選択肢は――……。 終 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - (^_-)b -- 名無しさん (2023-05-11 13:16:19) - 二つ目を選べ〜!! -- 名無しさん (2010-07-20 20:56:48) - 続き待ってます(*´∇`*) -- ハルヒ@ (2008-07-19 15:02:21) - さあ続きを書く作業に戻るんだww -- 名無しさん (2008-07-18 13:58:14) - 待て待て待てwww &br()続きを激しく希望する -- 名無しさん (2008-07-18 09:36:12) - 続きが全力で気になるw -- 名無しさん (2008-07-13 22:26:11)

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