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『4月1日』 私とこなたは特に何処へ向かうでもなく二人で街を散歩していた。 ふと見上げると街路樹の桜が満開に近づいていて綺麗だ。 こうして歩いていてもこなたは相変わらずマニアックな話を こちらの知識などお構い無しにしてくる。まあそんなところも含めて好きなんだけども・・・。 今日は4月1日だ。この嬉しそうに先日見たアニメの話をするこなたの様子だと 今日がエイプリルフールであることなんてどうでもよくなってるんだろうな。 いつだったかの4月1日にこなたに騙された事があったっけ・・・。 ―・・・よし 「こなた。私ね、今度引っ越すの」 「へ?」 突然の私の言葉にこなたは素っ頓狂な声で答える。 ふふ、びっくりしたかな? 私は続けた。 「だから引っ越しよ引っ越し。しばらく会えなくなっちゃうけど  まあしょうがないわよね。それにアンタだって別に―・・」 ―トッ 全て言い終える前に急にこなたが足を止めた。 数歩進んだ先で振り返るとこなたは俯いていた。 長い髪が顔の一部を隠し、表情がよく窺えない。 だが次の瞬間私はこんな嘘をついたのを後悔することになる。 「・・・グスッ」 (――しまったぁ!) 「・・・うっ、やっぱり・・・かがみは私なんて・・・」 予想以上のこなたの反応に堪らず私は駆け寄り肩を掴み、 「バ・・・バカッ!ウソよ!ウソに決まってるじゃない! き・・・今日はエイプリルフールでしょ!?いつもからかわれてるから ちょっとお返ししてやろうと思っただけ!」 「・・・」 こなたは俯いたまま動かない。胸が痛む。 私はそのまま正面からこなたを抱き寄せた。 「こなたを残してどこかに行っちゃうなんてあるわけないじゃない! ううん、そんなの私が耐えられない!」 「・・・」 こなたの無言の反応に抱き寄せる両手に力が入ってしまう。 「私にはこなたがいないとダメなの!わがままだったり ちょっかいかけてきたりどうしようもないやつだけど いつも明るく笑って私の心を満たしてくれるこなたが好きなの! こなたの全てが大好きなのっ!」 普段の自分ならこんな恥ずかしい事は絶対に言わないだろう。 でも今はそんな羞恥心など気にすることはできない。 私のついたくだらない嘘でこなたとの関係を壊してしまう方が余程嫌だ。 しかし瞬間、またしても私の心境は激変する。 「・・・んふふ・・」 「・・・え?」 「う・そっ♪」 「なッ・・・」 やられたぁっ―! 騙してしまったと思っていたが巧く返され、騙されたのは私だったのだ。 抱きしめていた両手は解け、つい後ずさりしてしまう。 「ぁあー、やっぱりかがみはかわいいなぁ~♪」 「ぁぁ・・・あぅぁぅ・・・」 こなたはいつものおどけた表情に戻りニヤニヤしながら私の反応を窺ってくる。 一気に自分の顔が熱くなっていくのがわかる。 「私を引っ掛けようなんて百年早いよかがみぃ♪」 「あ、あ、あんたはっ!―・・・」 あまりの気恥ずかしさに耐えきれない私は自分が蒔いた種である事も忘れ こなたを一喝しようと息を飲み込んだ。 が・・・、 「でもね」 「え?」 こなたが急に真剣な眼差しで私を見つめてくる。 「かがみがそこまで私のことを好きでいてくれたのを知れて嬉しかったよ・・・?」 「こなた・・・」 「私も同じくらいかがみのことが大好きだよっ」 これは嘘じゃない。語気も、私を見つめる眼にも一切の淀みが無い。 「ずっと一緒にいてね・・・!」 「バカ・・・当たり前じゃない・・・」 ゆっくりと抱き合った私達を春の心地よい風が撫でていた。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 甘ったるいッス!萌え萌えッスよおおおお!!! -- 名無しさん (2011-05-15 01:34:36) - 愛じゃな…( ≡ω≡.) -- 名無しさん (2009-08-15 13:37:02)
『4月1日』 私とこなたは特に何処へ向かうでもなく二人で街を散歩していた。 ふと見上げると街路樹の桜が満開に近づいていて綺麗だ。 こうして歩いていてもこなたは相変わらずマニアックな話を こちらの知識などお構い無しにしてくる。まあそんなところも含めて好きなんだけども・・・。 今日は4月1日だ。この嬉しそうに先日見たアニメの話をするこなたの様子だと 今日がエイプリルフールであることなんてどうでもよくなってるんだろうな。 いつだったかの4月1日にこなたに騙された事があったっけ・・・。 ―・・・よし 「こなた。私ね、今度引っ越すの」 「へ?」 突然の私の言葉にこなたは素っ頓狂な声で答える。 ふふ、びっくりしたかな? 私は続けた。 「だから引っ越しよ引っ越し。しばらく会えなくなっちゃうけど  まあしょうがないわよね。それにアンタだって別に―・・」 ―トッ 全て言い終える前に急にこなたが足を止めた。 数歩進んだ先で振り返るとこなたは俯いていた。 長い髪が顔の一部を隠し、表情がよく窺えない。 だが次の瞬間私はこんな嘘をついたのを後悔することになる。 「・・・グスッ」 (――しまったぁ!) 「・・・うっ、やっぱり・・・かがみは私なんて・・・」 予想以上のこなたの反応に堪らず私は駆け寄り肩を掴み、 「バ・・・バカッ!ウソよ!ウソに決まってるじゃない! き・・・今日はエイプリルフールでしょ!?いつもからかわれてるから ちょっとお返ししてやろうと思っただけ!」 「・・・」 こなたは俯いたまま動かない。胸が痛む。 私はそのまま正面からこなたを抱き寄せた。 「こなたを残してどこかに行っちゃうなんてあるわけないじゃない! ううん、そんなの私が耐えられない!」 「・・・」 こなたの無言の反応に抱き寄せる両手に力が入ってしまう。 「私にはこなたがいないとダメなの!わがままだったり ちょっかいかけてきたりどうしようもないやつだけど いつも明るく笑って私の心を満たしてくれるこなたが好きなの! こなたの全てが大好きなのっ!」 普段の自分ならこんな恥ずかしい事は絶対に言わないだろう。 でも今はそんな羞恥心など気にすることはできない。 私のついたくだらない嘘でこなたとの関係を壊してしまう方が余程嫌だ。 しかし瞬間、またしても私の心境は激変する。 「・・・んふふ・・」 「・・・え?」 「う・そっ♪」 「なッ・・・」 やられたぁっ―! 騙してしまったと思っていたが巧く返され、騙されたのは私だったのだ。 抱きしめていた両手は解け、つい後ずさりしてしまう。 「ぁあー、やっぱりかがみはかわいいなぁ~♪」 「ぁぁ・・・あぅぁぅ・・・」 こなたはいつものおどけた表情に戻りニヤニヤしながら私の反応を窺ってくる。 一気に自分の顔が熱くなっていくのがわかる。 「私を引っ掛けようなんて百年早いよかがみぃ♪」 「あ、あ、あんたはっ!―・・・」 あまりの気恥ずかしさに耐えきれない私は自分が蒔いた種である事も忘れ こなたを一喝しようと息を飲み込んだ。 が・・・、 「でもね」 「え?」 こなたが急に真剣な眼差しで私を見つめてくる。 「かがみがそこまで私のことを好きでいてくれたのを知れて嬉しかったよ・・・?」 「こなた・・・」 「私も同じくらいかがみのことが大好きだよっ」 これは嘘じゃない。語気も、私を見つめる眼にも一切の淀みが無い。 「ずっと一緒にいてね・・・!」 「バカ・・・当たり前じゃない・・・」 ゆっくりと抱き合った私達を春の心地よい風が撫でていた。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-02-17 16:18:03) - 甘ったるいッス!萌え萌えッスよおおおお!!! -- 名無しさん (2011-05-15 01:34:36) - 愛じゃな…( ≡ω≡.) -- 名無しさん (2009-08-15 13:37:02)

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