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箱詰☆妖精 ~恋のポッキーチョコ~」(2009/09/13 (日) 10:12:17) の最新版変更点

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「あれ、こんな所にこんな店あったっけ……?」  学校帰り、ちょっとショートカットをしようとして入った道で、私は風変わりな店を発見していた。 「加奈田商店、ねぇ……」  外見は観光地とか田舎とかによくある、古民家チックな雑貨屋さん。  中に並んでいるラインナップも、よくある駄菓子や何かなんだと思う。それなのに。 「……まぁ、どうせ暇だしね」  何故か妙に引きつけられるものを感じて、私はがらがらと引き戸を開けて中にお邪魔した。       箱詰☆妖精 ~恋のポッキーチョコ~ 「お邪魔します……」  無作為に物で埋め尽くされた店の中に、体を滑り込ませる。 「けど、なんか凄いわね……」  例えて言うなら、何十年も前の土倉から出てきた色々なものをベースに、今風のディスカウント  ストアを開いてみた感じだろうか。傾きかけた棚には駄菓子やおもちゃが適当に詰め込まれ、  切り通しのように来客に迫る。天井からも縄跳びや布製品、蔓なんかがぶら下がり、  一部はそれこそかき分けるようにしないと進めない。  壁も壁で、一面に鑑定団にでも出てきそうな古めかしい洋画や浮世絵が飾られ、重厚な時計の  針に合わせて、裸電球の光が揺れている。  だが、そんな古びた外見と民家特有の匂いとは裏腹に、店内は隅々まで掃除が行き届き、  棚の裏側や部屋の隅、蔦のように吊り下げられた品物に至るまで、どこを探しても埃一つない。  そんなカオスな店内に分け入り、駄菓子だらけのテーブルを抜けて、ようやくレジに辿り着く。  と、そこには……。 「うは」  バーコードもなかったような、何世代も昔のレジの前で、一人の女の子がうたた寝をしていた。  歳のころは、中学生……いや、もしかしたら小学生くらいかも知れない。  腰よりも長く伸びたシルクの髪に、こなたと変わらないくらいの背丈。透けるような真っ白の肌を、  これまた綿雪色のワンピースで覆っている。  でも、何だろう、外見はこなたより幼いくらいなのに、雰囲気はまるで母親というか、  不思議に落ち着いているというか……。 「ねぇ……」  声をかけてみるけど、反応なし。 「ちょっと……」  軽くゆさゆさしてみても、依然沈黙したまま。  もう仕方がない。このままじゃいつまで経っても起きそうにないし、今の物騒な時代では店が  万引きとかで荒らされるかも知れない。うん、これはキレたんじゃなくて親切だ。 「ちょっとっ!!」 「にゅ……ん、んーっ……」  気持ち良さそうな所を悪いが、耳を軽く引っ張って、近距離でちょっと強めに注意してみた。  すると、さすがの寝ぼすけさんもぼんやりと体を起こして…… 「……ひゃわっ、いっ、いーらしゃいまーせっ」  アジア系留学生のような謎のイントネーションで、ようやく私の存在に気付いてくれたようだった。 「ごめんなさいね、ちょっと眠っていたもので」  春眠暁を覚えないつかさ並のおっとりオーラを撒き散らしながら、店員さんは微笑んでくる。  何だろう、さっきから何かが引っかかってるんだけど……。 「と、そういえばお店番でしたっけ、忘れていました。ごめんなさいね、かがみちゃん」 「いえ別に……って、なんで私の名前」 「そりゃ毎日こな……いや、ええっと……ほら、だってかがみちゃんは、鷹宮の巫女さんですし、  何度か見てましたから」 「ふーん……」  あやしい。ここまであやしいとコ○ンや金○一じゃなくても引っかかりまくる。 「あの、かがみちゃん……」 「何ですか?」 「ええっと……そんなに見つめちゃいやですぅ……なんちゃって……あいたっ!!」  ついこなたの調子で一撃入れてしまった。そんなに強くはなかったから、大丈…… 「うぅっ、そう君にもぶたれたことないのにぃ……って、ごめんなさい、昔の癖で変なねたを」 「いえこちらこそ、ついこな……いや、友達のつもりで……ごめんなさい」  どうやらぜんぜん平気そうだ。良かった。  でも何故だろう、この人の前だとやけに調子が狂う。違和感というか、ギャップというか、  例えていうなら、階段から落ちたショックでみゆきと性格が入れ替わったこなたみたいで……。 「と、とりあえず……」  本当は何も買わずに逃げたいんだけど、うっかり対こなたモードで攻撃した負い目がある。  それにわざわざ雑貨をかき分けて来たのに何もしないで終わるのは何かシャクだ。  というわけで、手ごろな値段で買っても困らない、お菓子の類を物色する。  うまい棒は、お気に入りの味がないし、ポテトチップスも何故かいまいち買う気が起きない。  小分けのチョコは……げ、カカオ99%しか置いてない。じゃあ、他には……。 「おっ、ポッチー発見♪」  ジャイアントコーンチョコのぶら下がる網の横に、見慣れた赤い箱が並んでいる。  しかも特売なんだろうか、値段はなんと税込みで100円だ。 「それじゃあちょっと買い溜めを……っと」  パッケージに印刷された『春の最優先事項・おねがい☆恋占い』なる印刷が恥ずかしいけど、  この値段はありがたい。賞味期限も来年だし、これはもう買い溜め決定だ。 「はい、200円になります」  ビニールではなく、薄手の茶色の紙袋に入れて貰ったソレを、小銭と交換する。と、不意に。 「……これを選んだということは……好きな人とか、いるんですか?」 「はえっ!?」 「あっ、ごごごごごめんなさい、つい変な質問してしまって」  予想だにしない不意打ちを受けて混乱状態になった私を、慌ててフォローしようとする店員。  なんだか自分よ店員の方が3倍はおろおろしているように見えるけれど、  もう突っ込まないでおく。 「でも、もし『まだ』でしたら……きっともうすぐかがみちゃんは、好きな人に『気付く』と思うんです。  その時が来たら、きっと役に立つと思いますよ」 「いや、そんな『占い』なんて、役に立たないですよ。自分で頑張らないと」 「ふふっ、やっぱりかがみちゃんって現実的なんですね。でも、ストレスが溜まった時とか、頭が  疲れた時には、甘いものがいいじゃないですか」 「ああ、そうですよね、それ凄く……と、じゃあそろそろ、私はこれで」 「はい、どうもありがとうございましたーっ」  商品を買った後、暫く雑談を交わしてから、私はその変な店を脱出した。  店員の妙な言葉――それが何なのかを知らないままで。   「恋が叶う、ねぇ……」  夕食を食べて、自分の部屋に戻って。  学校の宿題を片付け終えた所で、私は改めて、今日買った『それ』を取り出していた。 「考えてみれば、こんなの……」  パッケージに印刷された恥ずかしい文字を見て、また呆れたため息をく。  こんな安っぽい占いで恋が叶うなら、誰も苦労はしない。それなのに、ついつい買ってしまった  自分が、つくづくしょうもなく思えてくる。  けれど……何だろう。 『……これを選んだということは……好きな人とか、いるんですか?』  好きな人なんて、まだいない。クラスの男子はみんなパッとしないし、個性がなくてつまらないし。  でも、恋愛とは違うけど、少しだけ気になっている人ならいる。  私の人生最大の、悪友。  だらしないし、ヲタクだし、めんどくさがりで自分勝手。それなのに何故か一緒にいると楽しくて、  話しているだけで疲れを忘れさせてくれる、不思議なヤツ。  正直、その辺の男子と付き合うより、そいつと、つかさと、みゆきの4人で過ごす方が断然いい。  というかここだけの話、高校卒業した後も、ずっとそんな時間が続いて欲しいくらい。  『もし『まだ』でしたら……きっともうすぐかがみちゃんは、好きな人に『気付く』と思うんです。  その時が来たら、きっと役に立つと思いますよ』  そいつに恋するなんて、ありえない。  だってそいつは、そりゃまあ100歩譲って可愛いって言えなくもないけど、子供みたいだし、  そういう話とは無縁のヤツだし、何より、私と同じ、女の子なんだし。  最近百合を扱ったアニメや小説も増えたけど、それは所詮フィクション。私やそいつに、そんな  気があるなんて、聞いたことない。100%ナイ。  なら、好きになるのは誰なんだろう。『巡り合う』ではなくて『気付く』のはどうしてだろう。 「……って、何マジメに考察してんだか」  馬鹿らしい。店員さんの何でもない言葉を、いちいち真に受けるなんて。  強張った肩を解して、気分を変える。  そんな思考を取り止めもなく巡らせたところで、頭が疲れるだけだ、百害あって一利なし。  そんなことよりおやつを食べて落ち着こう。  私は特に何も考えずに、そのお菓子に手を伸ばし…… 「やほーかがみん、今日はおやつにする?それともお風呂?それとも、わ・た・し?」  箱に触れた時、私は本来絶対ありえない事態に出くわした。  私の指が箱を開けようとした瞬間、箱の方が勝手に『ぱかぽんっ』と開き……。 「!?!?」 「むぅ、こういうシチュには慣れてないのかな、これは相当重度のギャルゲー分不足だねぇ……  でもいいや、とりあえずかがみんの恋が叶うまで、しばらく居候させてもらうからねん♪」  恋ってなんだ!?とか、ギャルゲーなんてするか!!とか、  そんな突っ込みを返すこともできず。  そこから飛び出すように顔を見せたソイツ……私がちょうどその時思い浮かべていた人物と  瓜二つの制服姿だけど、身長は10センチもない、ミニマムサイズのソイツを見て、  私は秒針が充分一回りするほどの時間、思考回路をショートさせていた。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - すっげー続き気になる!! &br()是非とも続きを!!!! -- チハヤ (2008-07-18 17:43:26) - 続く事を祈る -- 名無し (2008-04-18 11:08:01) - カナーク!!w &br()いや、思い切り吹きましたww &br()これで続かないのは勿体無い。どげんかせんといかん。 &br()ってぐらい面白いです。 -- 6-774 (2008-03-04 23:43:09)
「あれ、こんな所にこんな店あったっけ……?」  学校帰り、ちょっとショートカットをしようとして入った道で、私は風変わりな店を発見していた。 「加奈田商店、ねぇ……」  外見は観光地とか田舎とかによくある、古民家チックな雑貨屋さん。  中に並んでいるラインナップも、よくある駄菓子や何かなんだと思う。それなのに。 「……まぁ、どうせ暇だしね」  何故か妙に引きつけられるものを感じて、私はがらがらと引き戸を開けて中にお邪魔した。       箱詰☆妖精 ~恋のポッキーチョコ~ 「お邪魔します……」  無作為に物で埋め尽くされた店の中に、体を滑り込ませる。 「けど、なんか凄いわね……」  例えて言うなら、何十年も前の土倉から出てきた色々なものをベースに、今風のディスカウント  ストアを開いてみた感じだろうか。傾きかけた棚には駄菓子やおもちゃが適当に詰め込まれ、  切り通しのように来客に迫る。天井からも縄跳びや布製品、蔓なんかがぶら下がり、  一部はそれこそかき分けるようにしないと進めない。  壁も壁で、一面に鑑定団にでも出てきそうな古めかしい洋画や浮世絵が飾られ、重厚な時計の  針に合わせて、裸電球の光が揺れている。  だが、そんな古びた外見と民家特有の匂いとは裏腹に、店内は隅々まで掃除が行き届き、  棚の裏側や部屋の隅、蔦のように吊り下げられた品物に至るまで、どこを探しても埃一つない。  そんなカオスな店内に分け入り、駄菓子だらけのテーブルを抜けて、ようやくレジに辿り着く。  と、そこには……。 「うは」  バーコードもなかったような、何世代も昔のレジの前で、一人の女の子がうたた寝をしていた。  歳のころは、中学生……いや、もしかしたら小学生くらいかも知れない。  腰よりも長く伸びたシルクの髪に、こなたと変わらないくらいの背丈。透けるような真っ白の肌を、  これまた綿雪色のワンピースで覆っている。  でも、何だろう、外見はこなたより幼いくらいなのに、雰囲気はまるで母親というか、  不思議に落ち着いているというか……。 「ねぇ……」  声をかけてみるけど、反応なし。 「ちょっと……」  軽くゆさゆさしてみても、依然沈黙したまま。  もう仕方がない。このままじゃいつまで経っても起きそうにないし、今の物騒な時代では店が  万引きとかで荒らされるかも知れない。うん、これはキレたんじゃなくて親切だ。 「ちょっとっ!!」 「にゅ……ん、んーっ……」  気持ち良さそうな所を悪いが、耳を軽く引っ張って、近距離でちょっと強めに注意してみた。  すると、さすがの寝ぼすけさんもぼんやりと体を起こして…… 「……ひゃわっ、いっ、いーらしゃいまーせっ」  アジア系留学生のような謎のイントネーションで、ようやく私の存在に気付いてくれたようだった。 「ごめんなさいね、ちょっと眠っていたもので」  春眠暁を覚えないつかさ並のおっとりオーラを撒き散らしながら、店員さんは微笑んでくる。  何だろう、さっきから何かが引っかかってるんだけど……。 「と、そういえばお店番でしたっけ、忘れていました。ごめんなさいね、かがみちゃん」 「いえ別に……って、なんで私の名前」 「そりゃ毎日こな……いや、ええっと……ほら、だってかがみちゃんは、鷹宮の巫女さんですし、  何度か見てましたから」 「ふーん……」  あやしい。ここまであやしいとコ○ンや金○一じゃなくても引っかかりまくる。 「あの、かがみちゃん……」 「何ですか?」 「ええっと……そんなに見つめちゃいやですぅ……なんちゃって……あいたっ!!」  ついこなたの調子で一撃入れてしまった。そんなに強くはなかったから、大丈…… 「うぅっ、そう君にもぶたれたことないのにぃ……って、ごめんなさい、昔の癖で変なねたを」 「いえこちらこそ、ついこな……いや、友達のつもりで……ごめんなさい」  どうやらぜんぜん平気そうだ。良かった。  でも何故だろう、この人の前だとやけに調子が狂う。違和感というか、ギャップというか、  例えていうなら、階段から落ちたショックでみゆきと性格が入れ替わったこなたみたいで……。 「と、とりあえず……」  本当は何も買わずに逃げたいんだけど、うっかり対こなたモードで攻撃した負い目がある。  それにわざわざ雑貨をかき分けて来たのに何もしないで終わるのは何かシャクだ。  というわけで、手ごろな値段で買っても困らない、お菓子の類を物色する。  うまい棒は、お気に入りの味がないし、ポテトチップスも何故かいまいち買う気が起きない。  小分けのチョコは……げ、カカオ99%しか置いてない。じゃあ、他には……。 「おっ、ポッチー発見♪」  ジャイアントコーンチョコのぶら下がる網の横に、見慣れた赤い箱が並んでいる。  しかも特売なんだろうか、値段はなんと税込みで100円だ。 「それじゃあちょっと買い溜めを……っと」  パッケージに印刷された『春の最優先事項・おねがい☆恋占い』なる印刷が恥ずかしいけど、  この値段はありがたい。賞味期限も来年だし、これはもう買い溜め決定だ。 「はい、200円になります」  ビニールではなく、薄手の茶色の紙袋に入れて貰ったソレを、小銭と交換する。と、不意に。 「……これを選んだということは……好きな人とか、いるんですか?」 「はえっ!?」 「あっ、ごごごごごめんなさい、つい変な質問してしまって」  予想だにしない不意打ちを受けて混乱状態になった私を、慌ててフォローしようとする店員。  なんだか自分よ店員の方が3倍はおろおろしているように見えるけれど、  もう突っ込まないでおく。 「でも、もし『まだ』でしたら……きっともうすぐかがみちゃんは、好きな人に『気付く』と思うんです。  その時が来たら、きっと役に立つと思いますよ」 「いや、そんな『占い』なんて、役に立たないですよ。自分で頑張らないと」 「ふふっ、やっぱりかがみちゃんって現実的なんですね。でも、ストレスが溜まった時とか、頭が  疲れた時には、甘いものがいいじゃないですか」 「ああ、そうですよね、それ凄く……と、じゃあそろそろ、私はこれで」 「はい、どうもありがとうございましたーっ」  商品を買った後、暫く雑談を交わしてから、私はその変な店を脱出した。  店員の妙な言葉――それが何なのかを知らないままで。   「恋が叶う、ねぇ……」  夕食を食べて、自分の部屋に戻って。  学校の宿題を片付け終えた所で、私は改めて、今日買った『それ』を取り出していた。 「考えてみれば、こんなの……」  パッケージに印刷された恥ずかしい文字を見て、また呆れたため息をく。  こんな安っぽい占いで恋が叶うなら、誰も苦労はしない。それなのに、ついつい買ってしまった  自分が、つくづくしょうもなく思えてくる。  けれど……何だろう。 『……これを選んだということは……好きな人とか、いるんですか?』  好きな人なんて、まだいない。クラスの男子はみんなパッとしないし、個性がなくてつまらないし。  でも、恋愛とは違うけど、少しだけ気になっている人ならいる。  私の人生最大の、悪友。  だらしないし、ヲタクだし、めんどくさがりで自分勝手。それなのに何故か一緒にいると楽しくて、  話しているだけで疲れを忘れさせてくれる、不思議なヤツ。  正直、その辺の男子と付き合うより、そいつと、つかさと、みゆきの4人で過ごす方が断然いい。  というかここだけの話、高校卒業した後も、ずっとそんな時間が続いて欲しいくらい。  『もし『まだ』でしたら……きっともうすぐかがみちゃんは、好きな人に『気付く』と思うんです。  その時が来たら、きっと役に立つと思いますよ』  そいつに恋するなんて、ありえない。  だってそいつは、そりゃまあ100歩譲って可愛いって言えなくもないけど、子供みたいだし、  そういう話とは無縁のヤツだし、何より、私と同じ、女の子なんだし。  最近百合を扱ったアニメや小説も増えたけど、それは所詮フィクション。私やそいつに、そんな  気があるなんて、聞いたことない。100%ナイ。  なら、好きになるのは誰なんだろう。『巡り合う』ではなくて『気付く』のはどうしてだろう。 「……って、何マジメに考察してんだか」  馬鹿らしい。店員さんの何でもない言葉を、いちいち真に受けるなんて。  強張った肩を解して、気分を変える。  そんな思考を取り止めもなく巡らせたところで、頭が疲れるだけだ、百害あって一利なし。  そんなことよりおやつを食べて落ち着こう。  私は特に何も考えずに、そのお菓子に手を伸ばし…… 「やほーかがみん、今日はおやつにする?それともお風呂?それとも、わ・た・し?」  箱に触れた時、私は本来絶対ありえない事態に出くわした。  私の指が箱を開けようとした瞬間、箱の方が勝手に『ぱかぽんっ』と開き……。 「!?!?」 「むぅ、こういうシチュには慣れてないのかな、これは相当重度のギャルゲー分不足だねぇ……  でもいいや、とりあえずかがみんの恋が叶うまで、しばらく居候させてもらうからねん♪」  恋ってなんだ!?とか、ギャルゲーなんてするか!!とか、  そんな突っ込みを返すこともできず。  そこから飛び出すように顔を見せたソイツ……私がちょうどその時思い浮かべていた人物と  瓜二つの制服姿だけど、身長は10センチもない、ミニマムサイズのソイツを見て、  私は秒針が充分一回りするほどの時間、思考回路をショートさせていた。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 店員さんはきっと・・・かなたさんだ!!!!! -- 名無しさん (2009-09-13 10:12:17) - すっげー続き気になる!! &br()是非とも続きを!!!! -- チハヤ (2008-07-18 17:43:26) - 続く事を祈る -- 名無し (2008-04-18 11:08:01) - カナーク!!w &br()いや、思い切り吹きましたww &br()これで続かないのは勿体無い。どげんかせんといかん。 &br()ってぐらい面白いです。 -- 6-774 (2008-03-04 23:43:09)

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