「Next to you」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

Next to you」(2023/01/08 (日) 15:11:57) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

勉強を終えて学校の外に出る。 いいことが起こりそうな、きれいな夕焼け。 夕焼け、ってだけで少しはしゃいじゃう私って子供っぽいのかな? 私がこんななのには、理由もあると思うんだけどね。 「ほらかがみ。早くゥ~。」 そして始まる、私とかがみの、ゆるい帰り道。 『Next to you』 「なんかさ、たくさん勉強したあとって、頭がこう『グワー!』って感じにならない?」 「あんたは長さんか・・・。まあ確かになるわね。 でも何故か変にのっちゃってやめられなくなるのよね。」 「そうそう!『今なら何時間でも勉強できる!』って思っちゃうよ~。」 「でもそういう時って、一回中断したらその後再開できなくなるのよね。」 「やっぱりかがみでもそういうことあるんだ?」 「そりゃあるわよ。私も普通の人間なんだし。」 「へえ~・・・」 かがみにもそんなことがあるんだね。 「・・・どうする?かがみ。もうすぐ二次試験だよ?」 「どうする、って言われても・・・。やることはやってきたし、これで駄目なら仕方ない。 あとは調整するだけよ。」 「そんなもんかな?」 「そんなもんよ。」 「・・・いいよね~かがみは。勉強できて。」 「何言ってんの。あんたも近頃結構伸びてるんでしょ?自信持ちなさいよ。」 かがみは優しいネ。この優しさを、一人占めしたくなるよ。 「寒いね・・・。」 「うん。」 「う~。早くあったかくなんないかな・・・。」 「そこまで寒いか?・・・ほら、マフラーかしてあげるわよ。」 「いいよ。かがみが寒くなるって。」 「大丈夫。私今日お母さんからもう一つ借りてきたの。・・・はい、これでよし、っと。」 かがみが私の後ろから、マフラーをまいてくれた。 なんで二つあるのかな? かがみはお母さんのマフラーを巻いている。 ・・・お母さん、か・・・。 今の私にとっては、かがみが一番それに近い存在なのかな? お母さんって、こんなにあったかい存在なのかな? かがみの優しさに触れる度に、いつも考えちゃう。 だったら、もし私のお母さんが生きていたのなら、 私は永遠に親離れできないかもしれないね。 歩き出そうとしたところで、気がついた。 かがみがついてこない。 私は振り返る。 かがみは私の二歩後ろで、温かい、けど寂しそうな顔をして私を見ていた。 ・・・見たことあるよ。その顔。 一番最近見たのは、私がお父さんに、 「大学に受かったら一人暮らししたい」って言ったとき。 そのときのお父さんの表情にそっくり。 ねえ、そんな顔をさせているのは私なのかな? 私がかがみを寂しがらせているのかな? どうやったらその寂しさを拭ってあげられるのかな? ・・・いや、その答えはとっくに私は知ってるんだよね。 ごめんね。 ただ、今の関係が心地よかったから、これまで甘えてきちゃったんだ。 なんだか、さっきよりも、夕焼けが落ち着いて見えるよ。 ・・・ねえ、かがみ。考えてみてよ。 二歩なんて距離、私たちには遠すぎるよね? もちろん、一歩なんて半端な距離はかがみもいやでしょ? だから・・・ 「ねえ、かがみん。そんなところにいないで私の隣に来てさ、一緒に手、つながない?」 [[Two Steps Behind(かがみside)>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/416.html]] **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)
勉強を終えて学校の外に出る。 いいことが起こりそうな、きれいな夕焼け。 夕焼け、ってだけで少しはしゃいじゃう私って子供っぽいのかな? 私がこんななのには、理由もあると思うんだけどね。 「ほらかがみ。早くゥ~。」 そして始まる、私とかがみの、ゆるい帰り道。 『Next to you』 「なんかさ、たくさん勉強したあとって、頭がこう『グワー!』って感じにならない?」 「あんたは長さんか・・・。まあ確かになるわね。 でも何故か変にのっちゃってやめられなくなるのよね。」 「そうそう!『今なら何時間でも勉強できる!』って思っちゃうよ~。」 「でもそういう時って、一回中断したらその後再開できなくなるのよね。」 「やっぱりかがみでもそういうことあるんだ?」 「そりゃあるわよ。私も普通の人間なんだし。」 「へえ~・・・」 かがみにもそんなことがあるんだね。 「・・・どうする?かがみ。もうすぐ二次試験だよ?」 「どうする、って言われても・・・。やることはやってきたし、これで駄目なら仕方ない。 あとは調整するだけよ。」 「そんなもんかな?」 「そんなもんよ。」 「・・・いいよね~かがみは。勉強できて。」 「何言ってんの。あんたも近頃結構伸びてるんでしょ?自信持ちなさいよ。」 かがみは優しいネ。この優しさを、一人占めしたくなるよ。 「寒いね・・・。」 「うん。」 「う~。早くあったかくなんないかな・・・。」 「そこまで寒いか?・・・ほら、マフラーかしてあげるわよ。」 「いいよ。かがみが寒くなるって。」 「大丈夫。私今日お母さんからもう一つ借りてきたの。・・・はい、これでよし、っと。」 かがみが私の後ろから、マフラーをまいてくれた。 なんで二つあるのかな? かがみはお母さんのマフラーを巻いている。 ・・・お母さん、か・・・。 今の私にとっては、かがみが一番それに近い存在なのかな? お母さんって、こんなにあったかい存在なのかな? かがみの優しさに触れる度に、いつも考えちゃう。 だったら、もし私のお母さんが生きていたのなら、 私は永遠に親離れできないかもしれないね。 歩き出そうとしたところで、気がついた。 かがみがついてこない。 私は振り返る。 かがみは私の二歩後ろで、温かい、けど寂しそうな顔をして私を見ていた。 ・・・見たことあるよ。その顔。 一番最近見たのは、私がお父さんに、 「大学に受かったら一人暮らししたい」って言ったとき。 そのときのお父さんの表情にそっくり。 ねえ、そんな顔をさせているのは私なのかな? 私がかがみを寂しがらせているのかな? どうやったらその寂しさを拭ってあげられるのかな? ・・・いや、その答えはとっくに私は知ってるんだよね。 ごめんね。 ただ、今の関係が心地よかったから、これまで甘えてきちゃったんだ。 なんだか、さっきよりも、夕焼けが落ち着いて見えるよ。 ・・・ねえ、かがみ。考えてみてよ。 二歩なんて距離、私たちには遠すぎるよね? もちろん、一歩なんて半端な距離はかがみもいやでしょ? だから・・・ 「ねえ、かがみん。そんなところにいないで私の隣に来てさ、一緒に手、つながない?」 [[Two Steps Behind(かがみside)>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/416.html]] **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - ( ̄ー ̄)b -- 名無しさん (2023-01-08 15:11:57)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
目安箱バナー