「ハレ舞台」(2022/12/23 (金) 18:33:03) の最新版変更点
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「ハイ、お姉ちゃん。できたよ」
「ん、ありがと。つかさ」
服を調えてくれたつかさに礼を言い、用意された鏡に映った自分を見る。
着慣れない白いタキシードは、思ってた以上には、私に似合っている。
いつもはツインテールにしている髪も今日は後ろで纏めてみた。
……あいつ、どう思うかな。
ほんの少し上気した頬は、この後の式を思ってか、愛する人を思ってか。
「お姉ちゃん、格好いいよ」
「そ、そう?」
つかさの賛辞に照れ笑いをしながら、これなら、あいつも……こなたも気に入ってくれるかな、と思う。
と、その時、私たちのいる控え室のドアがノックされた。
「は~い」
つかさが返事をして扉を開ける。
「かがみ、準備できた~?」
そこに立っていたのは、ウェディングドレスを着た、こなた。
その姿に一瞬、心臓がはねる。だ、ダメだ……可愛すぎる。
「ちょ、こなた……ドレスのまま歩き回って、崩れたらどうするのよ」
それを悟られないようにと、少し視線をそらす。
私の気持ちを知ってか知らずか、こなたは部屋の中に入ると、ツツツと私に寄って、上目使いに見上げてきた。
「だって、折角の晴れ姿だよ?やっぱりかがみに早く見て欲しくってさぁ」
バ、バカ……そんなこと言ったら、余計に照れちゃうじゃないの。
「あるぇ?かがみ照れてんの?ねぇ、照れてんの?」
そう言ってふっくらした頬を擦り付けてくるこなた。何か言い返そうと思ったが、図星なので何も出てこない。
「ふふっ、あ~やっぱりかがみは可愛いねぇ。私、かがみを選んで正解だったヨ」
「もう……」
諦めて、こなたのされるがままになっている私。弱いなぁ、と思う。でも、まぁ、いいか。
そんな私達を横でニコニコと見つめていたつかさが口を開く。
「それにしても、今日からこなちゃんもお義姉ちゃんになるんだね~」
それを聞いて、私から体を離したこなたが大きく頷く。
「その通り。こなたお義姉ちゃんでも、こなたお義姉様でも好きなように呼びたまへ~」
「え?う~ん、こなちゃんはやっぱりこなちゃん、かな」
そんな会話を聞いていると、今日と言う日の実感が急に湧いて来る。
そうか、こなたも今日から我が家の一員なんだ。
こっちを向いたこなたが、ニカッと微笑む。
「明日からはずっとかがみと一緒だね。これからは私が毎日かがみのお弁当を作ってあげるよ。
代わりに、毎日宿題写させてもらうけど」
「結局それか!」
と、ツッコミながらふと微かな疑問を感じる。ん、宿題?まだ高校卒業してなかったっけ?
「何言ってんのかがみ?女の子は16歳から結婚できるんだよ」
あ、そうか。そういえばそうだったわね。
「んじゃあ、そろそろ時間だから、私行くね。また後でね、かがみ、つかさ」
「うん、後でね。こなちゃん」
あ……後ですぐ会えると分かっているのに、なんだか、寂しい。
「あ、そうそう、かがみ。子作りなら任せてね。何たって私は、不可能を可能にする女だから」
「なっ、そんな恥ずかしいことを堂々と言うなっ!!」
数時間して、ついに私とこなたの結婚式が始まった。
憧れだった赤い絨毯を、こなたと腕を組んで、歩く。
帰り道とかでよくこなたが抱きついてきたりするけど、その時とはまた違ったドキドキだった。
「こなた……」
「ん、何?」
そう言うこなたの顔はヴェールに包まれていてよく見えない。だけれど、きっと私と同じで、真っ赤になっているんだろう。
「なんでもない……」
ふと、辺りを見渡す。今日の私達を祝福するために集まってくれた友人、家族、先生。
みなみちゃんとゆたかちゃんは私達を見ながら寄り添っている。いつかは自分達もって思ってるのかしら。
日下部と峰岸は割れんばかりの拍手。中学時代からの友人に祝福されると、なんだかこそばゆい。
田村さんは持っているスケッチブックに何かを描き殴っている……スルーしよう。
パトリシアさんは、「オウ、コレが百合萌えデスネ!」と叫んでいる。これもスルー。
黒井先生……先を越されたからって、もう自棄酒ですか……。桜庭先生も止めてあげてください。
成実さんは目が合うと手を振ってくれた。私達もあなたに負けないくらいの幸せな家庭を築きます。
つかさ、まつり姉さん、いのり姉さん、お母さん、お父さん。いろいろあったけど、私、ここまで来ました。
そうじろう叔父さ……お義父さんは、かなたさんの遺影を抱いて滝のような涙を流している。
私、こなたを絶対幸せにします!
そんなことを思っている間に、私達は絨毯を歩き終わり、永遠の愛を誓う場所へとたどり着いた。
そこには、神父服を着た、みゆき。
「おめでとうございます、泉さん、かがみさん」
「ありがとね、みゆきさん」
「ありがとう、みゆき」
聖母の様な微笑みで頷くと、みゆきは私たちを促した。ここからが式の本番。
「汝、泉こなたは、柊かがみを夫とすること誓いますか?」
「誓います」
俯き加減で、でもしっかりと答えるこなた。その姿がたまらなく愛しい
。
「では、汝、柊かがみは泉こなたを妻とすることを誓いますか?」
誓います……その一言を発するだけのはずなのに、すごく緊張する。
でも、言わなくちゃ、こなたと結ばれるために。
「誓います!!」
うあ……思わず叫んでしまった。そんな私にみゆきは苦笑い。
「では、指輪の交換と、誓いのキスを」
互いに指輪を交換し、左手の薬指にはめる。こなたの手……ちっちゃいけど、大きいな。
そして……キス。こなたの顔に掛かったヴェールを、震える手でゆっくりと上げる。
「かがみ……顔が真っ赤だよ」
「し、仕方ないでしょ!!」
そう言いながら、こなたも真っ赤だぞ、と心の中で付け加える。
こなたが目を閉じる、それを合図にして突き出た唇に、自分の唇を重ねる。
この瞬間、ついに私とこなたは結ばれたのだった。
カラーンコローン、カランカランコロン。
鐘の音が響き渡り、ライスシャワーと祝福の言葉が私とこなたの上に降り注ぐ。
永遠の愛を誓った私達は、再び赤い絨毯を渡り、外に用意された車に向かっていた。
「結婚式、終わっちゃったね」
寂しそうに呟いたこなた。
その体をぎゅっと抱きしめる。
「何言ってるのよ。これからが始まりなのよ」
「え……?」
不思議そうに私を見上げるこなた。
もう、私がこんなに近くにいるんだから、寂しがることなんて無いのに。
「あんたと私の始まり、ね」
「……うん!」
途端に笑顔になるこなた。
ふふっ、全く、手が掛かるわね。嫁が今からこんな調子じゃ、この先どうなることやら。
私がもっとしっかりしないとね。
「ね、こなた。ブーケを投げてあげようか」
「ん、そだね。じゃあ行くよ~……」
天高く舞う私とこなたのブーケ。拾った人に私とこなたと同じ最大級の祝福を。
私、柊かがみ。泉こなたと人生の新たな門出に立ちます!!
「……らぎ。柊!!」
「う~ん……こなたぁ……愛してる……」
「何寝ぼけとんねん!起きんか~い!!」
スパーン、という小気味いい音と共に強烈な痛みが後頭部を襲う。
目を開けると、仁王立ちした黒井先生の姿が。
「あれ……?」
現在時刻を確認。5時間目の真っ最中だ。うん、一番眠くなる時間帯なのよね。
……じゃあ、今のは、夢?
…………
………
……
ぐあ、今すぐ首吊りてぇ!
キョンじゃ無いけど、日本が銃社会でないことに感謝するべきだわ……
「ところで柊……」
「……はい?」
「誰が誰に先を越されたんや?ん?言うてみ?」
どうやら、寝言はしっかり聞こえていたようだ。
青ざめる私と、不気味な笑顔の黒井先生。
黒井先生が私の寝言をこなたに言って、私がこなたにからかわれるのは、また別のお話。
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- いつか現実になってほしい。その時には俺も行きます -- 名無しさん (2012-12-16 14:17:43)
- この式には俺も参加してぇ -- 名無し (2010-03-29 13:03:05)
- 俺も参加www -- 名無しさん (2010-01-24 09:54:06)
- 俺もwwwwwwww -- 名無しさん (2010-01-23 08:17:38)
- その式には俺も参加させてwww -- 名無しさん (2009-12-08 20:04:00)
「ハイ、お姉ちゃん。できたよ」
「ん、ありがと。つかさ」
服を調えてくれたつかさに礼を言い、用意された鏡に映った自分を見る。
着慣れない白いタキシードは、思ってた以上には、私に似合っている。
いつもはツインテールにしている髪も今日は後ろで纏めてみた。
……あいつ、どう思うかな。
ほんの少し上気した頬は、この後の式を思ってか、愛する人を思ってか。
「お姉ちゃん、格好いいよ」
「そ、そう?」
つかさの賛辞に照れ笑いをしながら、これなら、あいつも……こなたも気に入ってくれるかな、と思う。
と、その時、私たちのいる控え室のドアがノックされた。
「は~い」
つかさが返事をして扉を開ける。
「かがみ、準備できた~?」
そこに立っていたのは、ウェディングドレスを着た、こなた。
その姿に一瞬、心臓がはねる。だ、ダメだ……可愛すぎる。
「ちょ、こなた……ドレスのまま歩き回って、崩れたらどうするのよ」
それを悟られないようにと、少し視線をそらす。
私の気持ちを知ってか知らずか、こなたは部屋の中に入ると、ツツツと私に寄って、上目使いに見上げてきた。
「だって、折角の晴れ姿だよ?やっぱりかがみに早く見て欲しくってさぁ」
バ、バカ……そんなこと言ったら、余計に照れちゃうじゃないの。
「あるぇ?かがみ照れてんの?ねぇ、照れてんの?」
そう言ってふっくらした頬を擦り付けてくるこなた。何か言い返そうと思ったが、図星なので何も出てこない。
「ふふっ、あ~やっぱりかがみは可愛いねぇ。私、かがみを選んで正解だったヨ」
「もう……」
諦めて、こなたのされるがままになっている私。弱いなぁ、と思う。でも、まぁ、いいか。
そんな私達を横でニコニコと見つめていたつかさが口を開く。
「それにしても、今日からこなちゃんもお義姉ちゃんになるんだね~」
それを聞いて、私から体を離したこなたが大きく頷く。
「その通り。こなたお義姉ちゃんでも、こなたお義姉様でも好きなように呼びたまへ~」
「え?う~ん、こなちゃんはやっぱりこなちゃん、かな」
そんな会話を聞いていると、今日と言う日の実感が急に湧いて来る。
そうか、こなたも今日から我が家の一員なんだ。
こっちを向いたこなたが、ニカッと微笑む。
「明日からはずっとかがみと一緒だね。これからは私が毎日かがみのお弁当を作ってあげるよ。
代わりに、毎日宿題写させてもらうけど」
「結局それか!」
と、ツッコミながらふと微かな疑問を感じる。ん、宿題?まだ高校卒業してなかったっけ?
「何言ってんのかがみ?女の子は16歳から結婚できるんだよ」
あ、そうか。そういえばそうだったわね。
「んじゃあ、そろそろ時間だから、私行くね。また後でね、かがみ、つかさ」
「うん、後でね。こなちゃん」
あ……後ですぐ会えると分かっているのに、なんだか、寂しい。
「あ、そうそう、かがみ。子作りなら任せてね。何たって私は、不可能を可能にする女だから」
「なっ、そんな恥ずかしいことを堂々と言うなっ!!」
数時間して、ついに私とこなたの結婚式が始まった。
憧れだった赤い絨毯を、こなたと腕を組んで、歩く。
帰り道とかでよくこなたが抱きついてきたりするけど、その時とはまた違ったドキドキだった。
「こなた……」
「ん、何?」
そう言うこなたの顔はヴェールに包まれていてよく見えない。だけれど、きっと私と同じで、真っ赤になっているんだろう。
「なんでもない……」
ふと、辺りを見渡す。今日の私達を祝福するために集まってくれた友人、家族、先生。
みなみちゃんとゆたかちゃんは私達を見ながら寄り添っている。いつかは自分達もって思ってるのかしら。
日下部と峰岸は割れんばかりの拍手。中学時代からの友人に祝福されると、なんだかこそばゆい。
田村さんは持っているスケッチブックに何かを描き殴っている……スルーしよう。
パトリシアさんは、「オウ、コレが百合萌えデスネ!」と叫んでいる。これもスルー。
黒井先生……先を越されたからって、もう自棄酒ですか……。桜庭先生も止めてあげてください。
成実さんは目が合うと手を振ってくれた。私達もあなたに負けないくらいの幸せな家庭を築きます。
つかさ、まつり姉さん、いのり姉さん、お母さん、お父さん。いろいろあったけど、私、ここまで来ました。
そうじろう叔父さ……お義父さんは、かなたさんの遺影を抱いて滝のような涙を流している。
私、こなたを絶対幸せにします!
そんなことを思っている間に、私達は絨毯を歩き終わり、永遠の愛を誓う場所へとたどり着いた。
そこには、神父服を着た、みゆき。
「おめでとうございます、泉さん、かがみさん」
「ありがとね、みゆきさん」
「ありがとう、みゆき」
聖母の様な微笑みで頷くと、みゆきは私たちを促した。ここからが式の本番。
「汝、泉こなたは、柊かがみを夫とすること誓いますか?」
「誓います」
俯き加減で、でもしっかりと答えるこなた。その姿がたまらなく愛しい
。
「では、汝、柊かがみは泉こなたを妻とすることを誓いますか?」
誓います……その一言を発するだけのはずなのに、すごく緊張する。
でも、言わなくちゃ、こなたと結ばれるために。
「誓います!!」
うあ……思わず叫んでしまった。そんな私にみゆきは苦笑い。
「では、指輪の交換と、誓いのキスを」
互いに指輪を交換し、左手の薬指にはめる。こなたの手……ちっちゃいけど、大きいな。
そして……キス。こなたの顔に掛かったヴェールを、震える手でゆっくりと上げる。
「かがみ……顔が真っ赤だよ」
「し、仕方ないでしょ!!」
そう言いながら、こなたも真っ赤だぞ、と心の中で付け加える。
こなたが目を閉じる、それを合図にして突き出た唇に、自分の唇を重ねる。
この瞬間、ついに私とこなたは結ばれたのだった。
カラーンコローン、カランカランコロン。
鐘の音が響き渡り、ライスシャワーと祝福の言葉が私とこなたの上に降り注ぐ。
永遠の愛を誓った私達は、再び赤い絨毯を渡り、外に用意された車に向かっていた。
「結婚式、終わっちゃったね」
寂しそうに呟いたこなた。
その体をぎゅっと抱きしめる。
「何言ってるのよ。これからが始まりなのよ」
「え……?」
不思議そうに私を見上げるこなた。
もう、私がこんなに近くにいるんだから、寂しがることなんて無いのに。
「あんたと私の始まり、ね」
「……うん!」
途端に笑顔になるこなた。
ふふっ、全く、手が掛かるわね。嫁が今からこんな調子じゃ、この先どうなることやら。
私がもっとしっかりしないとね。
「ね、こなた。ブーケを投げてあげようか」
「ん、そだね。じゃあ行くよ~……」
天高く舞う私とこなたのブーケ。拾った人に私とこなたと同じ最大級の祝福を。
私、柊かがみ。泉こなたと人生の新たな門出に立ちます!!
「……らぎ。柊!!」
「う~ん……こなたぁ……愛してる……」
「何寝ぼけとんねん!起きんか~い!!」
スパーン、という小気味いい音と共に強烈な痛みが後頭部を襲う。
目を開けると、仁王立ちした黒井先生の姿が。
「あれ……?」
現在時刻を確認。5時間目の真っ最中だ。うん、一番眠くなる時間帯なのよね。
……じゃあ、今のは、夢?
…………
………
……
ぐあ、今すぐ首吊りてぇ!
キョンじゃ無いけど、日本が銃社会でないことに感謝するべきだわ……
「ところで柊……」
「……はい?」
「誰が誰に先を越されたんや?ん?言うてみ?」
どうやら、寝言はしっかり聞こえていたようだ。
青ざめる私と、不気味な笑顔の黒井先生。
黒井先生が私の寝言をこなたに言って、私がこなたにからかわれるのは、また別のお話。
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- GJ! -- 名無しさん (2022-12-23 18:33:03)
- いつか現実になってほしい。その時には俺も行きます -- 名無しさん (2012-12-16 14:17:43)
- この式には俺も参加してぇ -- 名無し (2010-03-29 13:03:05)
- 俺も参加www -- 名無しさん (2010-01-24 09:54:06)
- 俺もwwwwwwww -- 名無しさん (2010-01-23 08:17:38)
- その式には俺も参加させてwww -- 名無しさん (2009-12-08 20:04:00)
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