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 口実というものは大切である。  特に素直じゃない者にとってそれは、切欠を作るためには欠かせない。  靡くカーテンに合わせて、窓から差し込む光が形を変える。  涼しい風が吹きぬける部屋には、少女が4人。  頭の左右で髪を2つに結ったツリ目の女の子と、小学生にも見えるほどに小さい、頭の上にアンテナを携えた女の子。  黄色いリボンをカチューシャのように頭の上で結んだ女の子と、眼鏡をかけた発育のいい女の子。  テーブルを囲むように座った4人は、一心不乱に大学ノートに文字を書いている。  ……ように見えたのだが、どうやらそれに当てはまるのは2人だけのようだ。  ショートヘアーの少女、柊つかさは、コクンコクンと首を縦に振っている。といっても誰かの話に頷いているわけではない。  あほ毛の少女はテーブルに顎を置き、コホーコホーと息を吐いていた。 「こなた、つかさ……何してんのよ」 「……Zzz」 「だってぇ、分かんないんだもん」  お手上げといった感じに、諸手を上げながら左右に揺れる泉こなた。 「分からないなら聞きなさいよ。教えないとは言ってないんだし」 「でもかがみ、なんかいつもより真剣だったからさ。ノートに向ける視線が」  ペン回しをしながら話しかけてくる柊かがみだが、こなたはいつもよりちょっと勢いがない。  相手をしてもらえないのが寂しかったのか、はたまた遠慮しているのか。  その隣では、高良みゆきが一瀉千里のごとくペンを走らせている。 「え?いや、それは……こうで…いと……いそうっていうか……」 「?」  なぜか頬を染め、右下に視線を送りながら言い淀むかがみに、こなたは疑問からか首を傾げた。 「まぁいいや、ちょうどいいから教えてよかがみ」 「……い、いいけど」  仕方ないから教えてあげる、というように見えるような表情をしたつもりなのだろうが  傍からすれば、どう見ても嬉しそうだ。  ゆっくり立ち上がり、こなたの隣へと移動。  立ったままこなたを見下ろして、なぜか喉を鳴らした。  勉強を教えるだけで、なぜそんなに緊張しなければいけないのだろうか。 「かがみ座れば?」 「そ、そうね。じゃあ座るわよ」  そんなこといちいち確認しなくても、と呟くこなたを尻目に  ゆっくりと腰を下ろしてゆくかがみ。  完全にお尻を地面につけた時点で、急に動きが止まった。 「えっと、ここなんだけどね?」 「……」 「……か、かがみ?」 「……スンスン」  勉強を教えているはずなのに、かがみはなぜか鼻をこなたの首筋に近づけ匂いを嗅いでいた。 「ねぇ……こなた……もしかして今日、何かつけてる?なんかいつもと匂い違う」 「え?……あ、う、うん。ちょっとコロンを……バイト先の子に教えてもらったやつで……」 「そう……」  戸惑うこなたの肩に、いつの間にかかがみは手を回している。 「それ、いい匂いだね……こなた」 「……あ、ありがと」  どこから間違えたのか、既に2人の頭の中には勉強という文字が消えていた。  背景に百合の花が見えているような錯覚さえ覚えるほどの、桃色空間が形成されている。 「……かが」 「こなた、ちょっと……ごめんね」 「あ」  ゆっくり肩を押して、こなたを床に押し倒し始めるかがみ。  心なしか息が上がっているようにも見える。  こなたの背中が床についたところで、かがみはこなたのおでこに自分のそれをこつんとつけた。  それだけで幸せそうな顔をする2人。  不意に、こなたもかがみの背中に手を回していた。 &image(http://konakaga.web.fc2.com/img/050.jpg,width=520,height=324,title=見つめ合うこなたとかがみ,blank,left) 「……かがみ」 「……こなた」  何かの合図なのか。互いの名前を呼んだ後、2人の唇が少しづつ近づいていく。  そして…… 「あ、あの……私達もいるんだけど……」 「「!!」」  他の2人の存在を忘れるほどに夢中になっていたのだろうか。  急いで顔を上げたこなたとかがみ。  つかさとみゆきが、テーブルから身を乗り出して、2人の様子を凝視していた。  もう4人とも顔が真っ赤だ。 「あ、いや違うのよ!?これはその!!」  何が違うのだろうか。誰がどう見ても、恋人のそれを始めようとしていたようにしか見えなかった。  それでもかがみは、懸命に言い訳をする。なんの繋がりもないような弁解ばかりだ。  そんな様子をニヤニヤと見守るこなた。自分も当事者であるということを自覚していただきたい。  結局その後の勉強会は、誰も捗ることがなく。  ただただかがみが真っ赤になりながら、御託を並べることで終わってしまうこととなった。  ……のだが  つかさとみゆきは、こなたとかがみのラブっぷりを学ぶことができて、大変満足したようだった。 ~ fin ~ **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 勉強なんてなかったんや… -- 名無しさん (2017-03-24 20:10:07) - ………… -- 名無しさん (2010-05-18 20:16:07) - こなたの新しいコロンはかがみを積極的にする &br()媚薬成分が含まれてると思わ・・・あっいやいやGJっス。 -- kk (2010-04-28 20:29:49) - 勉強シナサイ!! -- 名無しさん (2010-04-28 19:38:15) - 確かに勉強どころじゃないわなwww -- 名無しさん (2010-01-10 22:49:14) - &refでも出来るよ、ここではむしろ多用されてるみたいだ。 &br()一度wikiに画像あげてもらったほうが安定するかもしれないね。 -- 名無しさん (2009-02-12 00:27:10) - あれ、利用ガイドだと#imageだと思ったのですが。 &br()表示されたりされなかったりするのは、fc2のファイルを呼び出していることも関係しているかもしれません。 -- 名無しさん (2009-02-10 15:40:55) (2009-02-12 00:06:14) - 画像が表示されていなかったので記述を#imageから&refに変更しました。 -- 名無しさん (2009-02-10 17:08:25) - 画像のアドレスを、旧wiki内のアップローダーからfc2の方に変更しました。 -- 名無しさん (2009-02-10 15:40:55) - 積極的なかがみもいいです!!(≧ω≦)b -- 無垢無垢 (2008-08-24 07:07:57)
 口実というものは大切である。  特に素直じゃない者にとってそれは、切欠を作るためには欠かせない。  靡くカーテンに合わせて、窓から差し込む光が形を変える。  涼しい風が吹きぬける部屋には、少女が4人。  頭の左右で髪を2つに結ったツリ目の女の子と、小学生にも見えるほどに小さい、頭の上にアンテナを携えた女の子。  黄色いリボンをカチューシャのように頭の上で結んだ女の子と、眼鏡をかけた発育のいい女の子。  テーブルを囲むように座った4人は、一心不乱に大学ノートに文字を書いている。  ……ように見えたのだが、どうやらそれに当てはまるのは2人だけのようだ。  ショートヘアーの少女、柊つかさは、コクンコクンと首を縦に振っている。といっても誰かの話に頷いているわけではない。  あほ毛の少女はテーブルに顎を置き、コホーコホーと息を吐いていた。 「こなた、つかさ……何してんのよ」 「……Zzz」 「だってぇ、分かんないんだもん」  お手上げといった感じに、諸手を上げながら左右に揺れる泉こなた。 「分からないなら聞きなさいよ。教えないとは言ってないんだし」 「でもかがみ、なんかいつもより真剣だったからさ。ノートに向ける視線が」  ペン回しをしながら話しかけてくる柊かがみだが、こなたはいつもよりちょっと勢いがない。  相手をしてもらえないのが寂しかったのか、はたまた遠慮しているのか。  その隣では、高良みゆきが一瀉千里のごとくペンを走らせている。 「え?いや、それは……こうで…いと……いそうっていうか……」 「?」  なぜか頬を染め、右下に視線を送りながら言い淀むかがみに、こなたは疑問からか首を傾げた。 「まぁいいや、ちょうどいいから教えてよかがみ」 「……い、いいけど」  仕方ないから教えてあげる、というように見えるような表情をしたつもりなのだろうが  傍からすれば、どう見ても嬉しそうだ。  ゆっくり立ち上がり、こなたの隣へと移動。  立ったままこなたを見下ろして、なぜか喉を鳴らした。  勉強を教えるだけで、なぜそんなに緊張しなければいけないのだろうか。 「かがみ座れば?」 「そ、そうね。じゃあ座るわよ」  そんなこといちいち確認しなくても、と呟くこなたを尻目に  ゆっくりと腰を下ろしてゆくかがみ。  完全にお尻を地面につけた時点で、急に動きが止まった。 「えっと、ここなんだけどね?」 「……」 「……か、かがみ?」 「……スンスン」  勉強を教えているはずなのに、かがみはなぜか鼻をこなたの首筋に近づけ匂いを嗅いでいた。 「ねぇ……こなた……もしかして今日、何かつけてる?なんかいつもと匂い違う」 「え?……あ、う、うん。ちょっとコロンを……バイト先の子に教えてもらったやつで……」 「そう……」  戸惑うこなたの肩に、いつの間にかかがみは手を回している。 「それ、いい匂いだね……こなた」 「……あ、ありがと」  どこから間違えたのか、既に2人の頭の中には勉強という文字が消えていた。  背景に百合の花が見えているような錯覚さえ覚えるほどの、桃色空間が形成されている。 「……かが」 「こなた、ちょっと……ごめんね」 「あ」  ゆっくり肩を押して、こなたを床に押し倒し始めるかがみ。  心なしか息が上がっているようにも見える。  こなたの背中が床についたところで、かがみはこなたのおでこに自分のそれをこつんとつけた。  それだけで幸せそうな顔をする2人。  不意に、こなたもかがみの背中に手を回していた。 &image(http://konakaga.web.fc2.com/img/050.jpg,width=520,height=324,title=見つめ合うこなたとかがみ,blank,left) 「……かがみ」 「……こなた」  何かの合図なのか。互いの名前を呼んだ後、2人の唇が少しづつ近づいていく。  そして…… 「あ、あの……私達もいるんだけど……」 「「!!」」  他の2人の存在を忘れるほどに夢中になっていたのだろうか。  急いで顔を上げたこなたとかがみ。  つかさとみゆきが、テーブルから身を乗り出して、2人の様子を凝視していた。  もう4人とも顔が真っ赤だ。 「あ、いや違うのよ!?これはその!!」  何が違うのだろうか。誰がどう見ても、恋人のそれを始めようとしていたようにしか見えなかった。  それでもかがみは、懸命に言い訳をする。なんの繋がりもないような弁解ばかりだ。  そんな様子をニヤニヤと見守るこなた。自分も当事者であるということを自覚していただきたい。  結局その後の勉強会は、誰も捗ることがなく。  ただただかがみが真っ赤になりながら、御託を並べることで終わってしまうこととなった。  ……のだが  つかさとみゆきは、こなたとかがみのラブっぷりを学ぶことができて、大変満足したようだった。 ~ fin ~ **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJ! -- 名無しさん (2022-12-18 21:54:56) - 勉強なんてなかったんや… -- 名無しさん (2017-03-24 20:10:07) - ………… -- 名無しさん (2010-05-18 20:16:07) - こなたの新しいコロンはかがみを積極的にする &br()媚薬成分が含まれてると思わ・・・あっいやいやGJっス。 -- kk (2010-04-28 20:29:49) - 勉強シナサイ!! -- 名無しさん (2010-04-28 19:38:15) - 確かに勉強どころじゃないわなwww -- 名無しさん (2010-01-10 22:49:14) - &refでも出来るよ、ここではむしろ多用されてるみたいだ。 &br()一度wikiに画像あげてもらったほうが安定するかもしれないね。 -- 名無しさん (2009-02-12 00:27:10) - あれ、利用ガイドだと#imageだと思ったのですが。 &br()表示されたりされなかったりするのは、fc2のファイルを呼び出していることも関係しているかもしれません。 -- 名無しさん (2009-02-10 15:40:55) (2009-02-12 00:06:14) - 画像が表示されていなかったので記述を#imageから&refに変更しました。 -- 名無しさん (2009-02-10 17:08:25) - 画像のアドレスを、旧wiki内のアップローダーからfc2の方に変更しました。 -- 名無しさん (2009-02-10 15:40:55) - 積極的なかがみもいいです!!(≧ω≦)b -- 無垢無垢 (2008-08-24 07:07:57)

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