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…もしも、こなたが原作版と入れ替わったら? (前編)」(2009/05/30 (土) 18:52:25) の最新版変更点

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―私はいつからアイツの事が好きになったのだろう? …気づくとアイツの事ばっかり考えてた。 本人は気にしている小さな体、胸、そして顔にある大きなホクロ。 コンプレックスも、すべて私をトキめかせる長所になっている。 いつか、ちゃんと告白してアイツと…”恋人”同士になれたらいいな。 でも、マトモに告白したって「ダメだよ…。」とか言われるのは 目に見えて分かってる。 成功か否かはともかくとして、言うキッカケが掴めず 気づいたら、もう3年生になっていた。 言うんだ、今回こそ…。 ―早く、来ないかな、アイツ。 ―7月8日、日曜日。 わたしは、みゆきさんとふたりで住宅街を歩く。 目的地は柊家。今日は双子姉妹の誕生パーティーだ。 去年のプレゼントはさすがにドン引きしたみたいだから、 今年こそはまともな物を送りたい。 「みゆきさんは何をプレゼントするの。」 試しに、聞いてみる。 「去年はイヤリングでしたから、今年はネックレスを贈ろうと思っています。」 「泉さんは?」 「んーと、両人ともルビーのイヤリングだね。」 …それと、STG好きのかがみに某、<<よう、相棒>>のアレをあげようと思っている。 何回P●xyに墜とされるか、今から楽しみで ニヤニヤが止まらない。 ―そんなこんなで到着。 呼び鈴を鳴らす。 すでに誰が来るのかは分かっていたのだろう。 両人とも出てきた。 「おーっす!いらっしゃーい。」 「こなちゃん、ゆきちゃん、来てくれてありがとうね♪」 「おぃ~っす!かがみ、つかさ、昨日も言ったけど誕生日おめ~!!」 「かがみさん、つかささん、誕生日おめでとうございます。」 「ま、まぁ、こんなところで立ち話もなんだからさ。上がりなよ。」 各人それぞれの挨拶をすませ、居間に通される。 「はい、プレゼント♪つかさにも。」 言って、差し出す。 「うわ、アンタにしてはえらくマトモだ・・・。」 「うわぁ~、こなちゃんありがと~」 「マトモすぎてコメントしづらいが・・まぁ、うん、ありがと。」 「それと~、かがみにはもうひとつ。お下がりになるけど。」 言いながら例のパッケージを見せる。 「ホイこれ、かがみにあげる。」 「お~、ZEROじゃ~ん。5までしか持ってないからマジ嬉しいわ。」 「一段落したらやってみるといいよ。」 「そうさせてもらうわ。」 …話が終わり、テーブルの上に置かれた ”たぶん”つかさの手作りらしいイチゴのタルトが気になっているのだが、 私の異変に気づくと、少し笑いながらかがみが、「さ、食べましょ」といってくれた。 ・・・・・・。 ・・・。 ―なぜ楽しい時間というものは、すぐに過ぎ去ってしまうのだろう? 外はまだまだ明るいが、時刻は夕方の18:30。 …何度目かの<<ガルム1墜落!!>>を聞いて、声をかける。 「かがみ、そこは高速バレルロールで避けれたよ~。」 「言ってる意味が分からん。」 みゆきさんに目配せしながら、言う。 「と、そろそろ帰るかなぁ~。」 「え?まだ明るいじゃない、ゆっくりしていきなさいよ…。」 「いや~帰んないとお父さんがお腹すかせてるし。」 言いながら立ち上がり、歩き出そうとする。 「ち、ちょっと待ってこなた!」 呼び止められる。 「うん?どったの?」 「そういやアンタの誕生日って5月28日らしいじゃない。」 「そうだけど、なに?」 「まったく…。言ってくれれば、私らも何かしてあげれたのに。」 「私は別に何も…。」 「そんなこと言わずに…ほれ。あげる。」 言いながら、かわいらしいピンクのチェックが入った紙袋をかがみが差し出す。 …受け取る。 「…ちょっと遅れてるけど誕生日のプレゼントよ。」 「かがみが?私に?」 …正直、人から何かをプレゼントとかされるのは慣れてないので、 声が上ずってしまう。 なぜかは分からないけど、かがみの顔が赤面している。 「い、いいから黙ってしまっときなさいよっ!」 「かがみ。ありがとう…♪」 …素直に嬉しかったので思わず声に出てしまう。 「んじゃあ、また明日ね。かがみ♪」 「うん。それじゃ、バイバイ。」 …みゆきさんと一緒に柊家を出る。 ふと、振り向くとかがみの顔が少し寂しそうに見送っていた。 ・・・・・・・・。 ・・・・。 ―帰宅後。 一通りの家事を終えて、時間は午後9時。 いつもならここでネトゲにログインだが、今日はちょっと気になることがある。 …かがみにもらったプレゼントだ。 ”帰るまで開けないで。”と厳命されているので素直に従っておいた。 カサカサと音を立てて紙袋を開封する。 「なにこれ…。」 出てきたのは、金属製で”K”の文字をかたどったケータイ用のストラップ。 キラキラと銀色に輝く。中心あたりにはご丁寧に 5月の誕生石である、エメラルドが配置されている。 …どう考えても、普通の高校生が他人の誕生日にあげるような代物ではない。 ―私がケータイなんざ、ほとんど持ち歩かないのを知っての所業なのだろうか? …つ~か、コレ絶対高いよねぇ…? 「………。」 わたしの頭の中でさまざまな思考がうごめく。 …こんなの貰ってどうしろと? …とりあえず付けてケータイを持ち歩けってこと? ―唐突に思い出す、あのかがみの赤面した顔。 ひとつの「可能性」に、気づく。 …まさか、かがみ。……いや、違うよねぇ? ―頭をワッシャワッシャと掻きながら、今日も夜が更けていく。 ・・・・・。 ・・・。 ―翌日。 「お~っす、こなた。」 「こなちゃんおはよ~。」 「あい、おはよう…。」 …我ながら気の抜けた返事だと思う。 「また、徹夜でネトゲーかぁ?まったく…。」 「言っておくけど、昨日はネトゲしてないよ。」 言いながら、少しだけかがみを睨み付ける。 「あによ?」 「…別に。」 「そういや、昨日ちゃんと家に帰って開けたんだろうな~?プレゼント。」 「かがみ。家に帰って開けてみたけど、アレ高かったよね?…あんなの、私がもらってもいいの?」 「私が、アンタのために買ったんだから、だまってもらっておいていいの。」 …言いながらなぜか顔をそらすかがみ。 「でもさ、なんか悪いよ…。」 「良いから、貰えるものは貰っとけ!」 …言いながら走り出すかがみ。 ―最後に見た顔は、やっぱりなぜか赤面していた。 特に変わる事のない一日が始まる。 ・・・・・。 ・・・。 ―HRも終わり、私はひとつ、欠伸をする。 …今日も終わった。 空かさず。と言うべきか、今日はちゃんともってきたケータイから バイブの振動が伝わる。 ―開いて見てみると、かがみからだった。 ”大事な話があるから、今から屋上に来てくれない?” ―…何だろ? …階段を上って金属製の重たい扉を開けると、屋上に到着する。 夕日を浴びながら鉄格子に体を預けて、誰かを待っている女の子が一人、立っている。 ―かがみだ。 「で、なにかな?」 「あ…うん。……」 「…。」 ―沈黙。 …呼び出した位だから、何か話があるハズなのだが一向に話す気配がない。 …うっすらと見えない、あやふやな思考の糸が 繋がりかけているのは、私だけだろうか? 「ちゃんとケータイ持ってきたようで嬉しいな。」 スカートのポケットから、昨日つけたストラップが 顔を出しているのをかがみに発見される。 「まぁ…さすがにね。」 「…それね?あんたの言うとおり、結構高かったんだから。」 ―話す勇気ができてきたのか、かがみが口を開き始める。 「この先いろいろあるかな~って思って貯めてた貯金、 全部使っちゃった。」 「…な!?」 ……堅実なかがみの事だ。 確かに、卒業やら進学やらでいろんなお金が吹っ飛ぶだろう。 バイトはしていないとは言え貯金は数万とかではないはずだ。 「だったら…ますますこんなの受け取れないよ!?」 …あからさまにキョドる私を尻目に、かがみが落ち着いて首を振る。 「ううん。あんたがもってて。 だって、私、あんたの事……好きみたいだから。」 わたしの目をまっすぐ見つめながら言う 「…こなた。…私…あなたの事、好きです。…付き合って…ください。」 ……は?…今、なんて…言いました? …前述のとおり20%位は予想していたんだけど、 実際に聞くと、相当異質のものに聞こえる。 …つか、かがみ?。自分がなにを言ってるのか本当に分かっているの? 「え?そ、そんな事いわれたって…困るよ。」 …何とか言葉をひねり出す。 「あ…。」 かがみの顔が一気に寂しい顔へと変わる。 「そっか。…やっぱり駄目だったんだ。」 「ごめんね?…迷惑だったよね。」 ―言って、立ち去ろうとする。だが、わたしの手が、 かがみの手を掴むほうが速かった。 「ち、ちょっと待って!」 ―はぁ、なんか恥ずかしいなぁ~。 「よく聞いてね?。私、かがみから”好き”って言われて、 とっても嬉しいんだよ?。…”迷惑”だなんて、そんな事思ってない!」 「"好き"か、"普通の友達"か、"嫌い"って言う3択なら、 私だって、間違いなくかがみの事、"好き"なんだよ?」 「…じゃ~、良いんだよね?」 …言いながら目を閉じて、キスの体勢をとるかがみ。 …ほっぺたをグニュとつまむ。 「だから、気が早いっつ~に。」 「…なによ?」 「確かに、私もかがみの事好き。だけど、私のほうは、まだそこまで かがみのこと思えてない。」 「…そっか。」 「……。」 …いい加減、私の言葉に一喜一憂するのはやめてほしい。 さすがにこんなことをかがみに言いたくないけど、 常識で考えたら、おかしいよ?女が女の子を好きなんて…。 ―大体、本来なら住むべき世界すら違うんだよ? 今はたまたま一緒なだけであって。 成績優秀、品行方正、しかも、将来は法学部に入学して弁護士志望だという。 ……かがみならやってのけるだろう。 かたや私は見ての通り、勉強嫌いのβακαだ。 将来はバイトを続けるか、NEEEEEET予定かな? ―自分で考えおいてなんだが、鬱になってきた。 かがみへの救済を通して、自分も救われるように、言う。 「…でも、私のほうは、かがみに対して壁なんてないから。 今まで通り、接してくれて良いから。」 「…うん。」 「もちろん、かがみも遠慮なんかしなくて良いんだよ。」 「こなたぁ…。」 言いながらかがみの目から涙がこぼれる。 「も~。泣かないの~。」 ―ハンカチを差し出す。 「ほら、これで涙拭いて。帰るよ。」 「うんっ。」 ―今日も日が暮れていく。 [[後編>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/160.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 彼女俺にまたがりっぱなしで、朝まで休ませてもらえんかったww http://younube.net/calnova/11739 -- ボンちゃん (2009-05-30 12:11:37)
―私はいつからアイツの事が好きになったのだろう? …気づくとアイツの事ばっかり考えてた。 本人は気にしている小さな体、胸、そして顔にある大きなホクロ。 コンプレックスも、すべて私をトキめかせる長所になっている。 いつか、ちゃんと告白してアイツと…”恋人”同士になれたらいいな。 でも、マトモに告白したって「ダメだよ…。」とか言われるのは 目に見えて分かってる。 成功か否かはともかくとして、言うキッカケが掴めず 気づいたら、もう3年生になっていた。 言うんだ、今回こそ…。 ―早く、来ないかな、アイツ。 ―7月8日、日曜日。 わたしは、みゆきさんとふたりで住宅街を歩く。 目的地は柊家。今日は双子姉妹の誕生パーティーだ。 去年のプレゼントはさすがにドン引きしたみたいだから、 今年こそはまともな物を送りたい。 「みゆきさんは何をプレゼントするの。」 試しに、聞いてみる。 「去年はイヤリングでしたから、今年はネックレスを贈ろうと思っています。」 「泉さんは?」 「んーと、両人ともルビーのイヤリングだね。」 …それと、STG好きのかがみに某、<<よう、相棒>>のアレをあげようと思っている。 何回P●xyに墜とされるか、今から楽しみで ニヤニヤが止まらない。 ―そんなこんなで到着。 呼び鈴を鳴らす。 すでに誰が来るのかは分かっていたのだろう。 両人とも出てきた。 「おーっす!いらっしゃーい。」 「こなちゃん、ゆきちゃん、来てくれてありがとうね♪」 「おぃ~っす!かがみ、つかさ、昨日も言ったけど誕生日おめ~!!」 「かがみさん、つかささん、誕生日おめでとうございます。」 「ま、まぁ、こんなところで立ち話もなんだからさ。上がりなよ。」 各人それぞれの挨拶をすませ、居間に通される。 「はい、プレゼント♪つかさにも。」 言って、差し出す。 「うわ、アンタにしてはえらくマトモだ・・・。」 「うわぁ~、こなちゃんありがと~」 「マトモすぎてコメントしづらいが・・まぁ、うん、ありがと。」 「それと~、かがみにはもうひとつ。お下がりになるけど。」 言いながら例のパッケージを見せる。 「ホイこれ、かがみにあげる。」 「お~、ZEROじゃ~ん。5までしか持ってないからマジ嬉しいわ。」 「一段落したらやってみるといいよ。」 「そうさせてもらうわ。」 …話が終わり、テーブルの上に置かれた ”たぶん”つかさの手作りらしいイチゴのタルトが気になっているのだが、 私の異変に気づくと、少し笑いながらかがみが、「さ、食べましょ」といってくれた。 ・・・・・・。 ・・・。 ―なぜ楽しい時間というものは、すぐに過ぎ去ってしまうのだろう? 外はまだまだ明るいが、時刻は夕方の18:30。 …何度目かの<<ガルム1墜落!!>>を聞いて、声をかける。 「かがみ、そこは高速バレルロールで避けれたよ~。」 「言ってる意味が分からん。」 みゆきさんに目配せしながら、言う。 「と、そろそろ帰るかなぁ~。」 「え?まだ明るいじゃない、ゆっくりしていきなさいよ…。」 「いや~帰んないとお父さんがお腹すかせてるし。」 言いながら立ち上がり、歩き出そうとする。 「ち、ちょっと待ってこなた!」 呼び止められる。 「うん?どったの?」 「そういやアンタの誕生日って5月28日らしいじゃない。」 「そうだけど、なに?」 「まったく…。言ってくれれば、私らも何かしてあげれたのに。」 「私は別に何も…。」 「そんなこと言わずに…ほれ。あげる。」 言いながら、かわいらしいピンクのチェックが入った紙袋をかがみが差し出す。 …受け取る。 「…ちょっと遅れてるけど誕生日のプレゼントよ。」 「かがみが?私に?」 …正直、人から何かをプレゼントとかされるのは慣れてないので、 声が上ずってしまう。 なぜかは分からないけど、かがみの顔が赤面している。 「い、いいから黙ってしまっときなさいよっ!」 「かがみ。ありがとう…♪」 …素直に嬉しかったので思わず声に出てしまう。 「んじゃあ、また明日ね。かがみ♪」 「うん。それじゃ、バイバイ。」 …みゆきさんと一緒に柊家を出る。 ふと、振り向くとかがみの顔が少し寂しそうに見送っていた。 ・・・・・・・・。 ・・・・。 ―帰宅後。 一通りの家事を終えて、時間は午後9時。 いつもならここでネトゲにログインだが、今日はちょっと気になることがある。 …かがみにもらったプレゼントだ。 ”帰るまで開けないで。”と厳命されているので素直に従っておいた。 カサカサと音を立てて紙袋を開封する。 「なにこれ…。」 出てきたのは、金属製で”K”の文字をかたどったケータイ用のストラップ。 キラキラと銀色に輝く。中心あたりにはご丁寧に 5月の誕生石である、エメラルドが配置されている。 …どう考えても、普通の高校生が他人の誕生日にあげるような代物ではない。 ―私がケータイなんざ、ほとんど持ち歩かないのを知っての所業なのだろうか? …つ~か、コレ絶対高いよねぇ…? 「………。」 わたしの頭の中でさまざまな思考がうごめく。 …こんなの貰ってどうしろと? …とりあえず付けてケータイを持ち歩けってこと? ―唐突に思い出す、あのかがみの赤面した顔。 ひとつの「可能性」に、気づく。 …まさか、かがみ。……いや、違うよねぇ? ―頭をワッシャワッシャと掻きながら、今日も夜が更けていく。 ・・・・・。 ・・・。 ―翌日。 「お~っす、こなた。」 「こなちゃんおはよ~。」 「あい、おはよう…。」 …我ながら気の抜けた返事だと思う。 「また、徹夜でネトゲーかぁ?まったく…。」 「言っておくけど、昨日はネトゲしてないよ。」 言いながら、少しだけかがみを睨み付ける。 「あによ?」 「…別に。」 「そういや、昨日ちゃんと家に帰って開けたんだろうな~?プレゼント。」 「かがみ。家に帰って開けてみたけど、アレ高かったよね?…あんなの、私がもらってもいいの?」 「私が、アンタのために買ったんだから、だまってもらっておいていいの。」 …言いながらなぜか顔をそらすかがみ。 「でもさ、なんか悪いよ…。」 「良いから、貰えるものは貰っとけ!」 …言いながら走り出すかがみ。 ―最後に見た顔は、やっぱりなぜか赤面していた。 特に変わる事のない一日が始まる。 ・・・・・。 ・・・。 ―HRも終わり、私はひとつ、欠伸をする。 …今日も終わった。 空かさず。と言うべきか、今日はちゃんともってきたケータイから バイブの振動が伝わる。 ―開いて見てみると、かがみからだった。 ”大事な話があるから、今から屋上に来てくれない?” ―…何だろ? …階段を上って金属製の重たい扉を開けると、屋上に到着する。 夕日を浴びながら鉄格子に体を預けて、誰かを待っている女の子が一人、立っている。 ―かがみだ。 「で、なにかな?」 「あ…うん。……」 「…。」 ―沈黙。 …呼び出した位だから、何か話があるハズなのだが一向に話す気配がない。 …うっすらと見えない、あやふやな思考の糸が 繋がりかけているのは、私だけだろうか? 「ちゃんとケータイ持ってきたようで嬉しいな。」 スカートのポケットから、昨日つけたストラップが 顔を出しているのをかがみに発見される。 「まぁ…さすがにね。」 「…それね?あんたの言うとおり、結構高かったんだから。」 ―話す勇気ができてきたのか、かがみが口を開き始める。 「この先いろいろあるかな~って思って貯めてた貯金、 全部使っちゃった。」 「…な!?」 ……堅実なかがみの事だ。 確かに、卒業やら進学やらでいろんなお金が吹っ飛ぶだろう。 バイトはしていないとは言え貯金は数万とかではないはずだ。 「だったら…ますますこんなの受け取れないよ!?」 …あからさまにキョドる私を尻目に、かがみが落ち着いて首を振る。 「ううん。あんたがもってて。 だって、私、あんたの事……好きみたいだから。」 わたしの目をまっすぐ見つめながら言う 「…こなた。…私…あなたの事、好きです。…付き合って…ください。」 ……は?…今、なんて…言いました? …前述のとおり20%位は予想していたんだけど、 実際に聞くと、相当異質のものに聞こえる。 …つか、かがみ?。自分がなにを言ってるのか本当に分かっているの? 「え?そ、そんな事いわれたって…困るよ。」 …何とか言葉をひねり出す。 「あ…。」 かがみの顔が一気に寂しい顔へと変わる。 「そっか。…やっぱり駄目だったんだ。」 「ごめんね?…迷惑だったよね。」 ―言って、立ち去ろうとする。だが、わたしの手が、 かがみの手を掴むほうが速かった。 「ち、ちょっと待って!」 ―はぁ、なんか恥ずかしいなぁ~。 「よく聞いてね?。私、かがみから”好き”って言われて、 とっても嬉しいんだよ?。…”迷惑”だなんて、そんな事思ってない!」 「"好き"か、"普通の友達"か、"嫌い"って言う3択なら、 私だって、間違いなくかがみの事、"好き"なんだよ?」 「…じゃ~、良いんだよね?」 …言いながら目を閉じて、キスの体勢をとるかがみ。 …ほっぺたをグニュとつまむ。 「だから、気が早いっつ~に。」 「…なによ?」 「確かに、私もかがみの事好き。だけど、私のほうは、まだそこまで かがみのこと思えてない。」 「…そっか。」 「……。」 …いい加減、私の言葉に一喜一憂するのはやめてほしい。 さすがにこんなことをかがみに言いたくないけど、 常識で考えたら、おかしいよ?女が女の子を好きなんて…。 ―大体、本来なら住むべき世界すら違うんだよ? 今はたまたま一緒なだけであって。 成績優秀、品行方正、しかも、将来は法学部に入学して弁護士志望だという。 ……かがみならやってのけるだろう。 かたや私は見ての通り、勉強嫌いのβακαだ。 将来はバイトを続けるか、NEEEEEET予定かな? ―自分で考えおいてなんだが、鬱になってきた。 かがみへの救済を通して、自分も救われるように、言う。 「…でも、私のほうは、かがみに対して壁なんてないから。 今まで通り、接してくれて良いから。」 「…うん。」 「もちろん、かがみも遠慮なんかしなくて良いんだよ。」 「こなたぁ…。」 言いながらかがみの目から涙がこぼれる。 「も~。泣かないの~。」 ―ハンカチを差し出す。 「ほら、これで涙拭いて。帰るよ。」 「うんっ。」 ―今日も日が暮れていく。 [[後編>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/160.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)

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