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貴女が壊れるまで」(2023/10/14 (土) 09:34:02) の最新版変更点

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「私は、こなたが好き」 こなたが好きだと自覚したのは……いつからだろう。 恋は突然やって来る、恋は気付くと急激に想いが強くなっていく。 ラノベではよくある事だけどまさか自分が体験するとは思ってもいなかった。 「こなたが好き」 この想いが頭から離れず、授業中も放課後も入浴も食事もずーっと……こなたの事を考えていた。でも、この恋は間違った恋だ。 何故なら私とこなたは女性、この恋は普通の人生ではイレギュラーな事。 もしくはあってはいけない、と言えばいいのかな。とにかく間違った恋を私はした。 それでも後悔なんて一度もしなかった。 寧ろ清々しい気分になった、自分の気持ちに気付けるのがこんなにも気持ちいい事なんて……知らなかった。 私はこなたが好き、この想いは一点の曇りもない。 例え両親が反対しても、周りから「レズビアン」と言われようと、私は揺るがない。 この気持ちに気付いてしまったから――。 ――貴女が壊れるまで―― 「かがみん?」 私が物思いに耽っているとこなたが不安げに私の顔を覗き込んできた。 「ん?何?こなた」 「……何か思いつめた顔をしていたから……不安になって」 私はそんな表情をしてたのか……こなたを不安にさせただけ。 「ゴメンゴメン、ちょっとね……思い出してたのよ」 「何を?」 「こなたが好きだと気付いた時の事」 そう言うとこなが目を丸くする、何を驚いているのだろう。 「いつからか忘れちゃったわ、気付いたらこなたに恋してた」 初めて会った時は可愛らしい女の子だと思っていた。 「好きと気付いちゃうとね、本当に苦しくなるのよ。締め付けられる様にね」 しばらく一緒に過ごしていく内に段々とこなたの事が分かってきた。 オタクな事、実は両手利きな事、もずくが食べれない事、運動神経が抜群に良いこと……お母さんが亡くなっている事。 「その辛さに私は耐えられなかった。夜中ベッドで苦しくて苦しくて、泣いた事もあったわ」 そして、こなたが時々寂しげな表情をする事。 特に親子連れを見ると毎回している気がする。 「普通だったらここで告白か諦めるかになるでしょ?私は、どっちも選べなかった」 それでもこなたは毎日、おちゃらけて見せていた。 本当はお母さんが居なくて寂しいのに、そんな素振りは絶対に見せない。 「私とこなたは女でしょ?告白は出来ないと思ったのよ。世間では間違った恋と言われてるからね」 でも、私は見てしまった。 放課後、一人で泣いているこなたを。 必死で泣き声を殺して、震えているこなたを。 「それに告白したらこなたに気味悪がれちゃうかもしれない……怖かったのよ、こなたに嫌われるのが」 何でこなたが一人で居たのか分からない。 何で教室に居たのか分からない。 気付くと私はこなたを抱きしめていた。 「でもね、この想いを捨てようとは思わなかった。この恋を諦めようとは思わなかった」 抱き締めたこなたはやっぱり小さくて、今にも消えそうで、物凄く震えていて、普段の様子からは想像出来ないくらい……か弱い女の子だった。 「だからね、こなた。私は選んだんだ、この想いを伝えようって。嫌われるのは怖かったけどこのまま溜め込むのも無理だと思ったから……」 こなたは信じられないと言いたげな表情をして、一瞬いつも通りの表情をして、でもすぐに涙によって崩されて。 ……私にしがみついて大泣きした。 「……それで……まあ今に至るわけね」 泣いて泣いて、私にしがみついて泣いて、今までの寂しさを押し出す様に、私にぶつける様に、こなたは泣いた。 「かがみは……後悔……してない?」 こなたの言葉に私は驚愕する。 「後悔なんてする訳ないでしょ……後悔するくらいだったら私は告白なんてしてないわよ」 隣に座っているこなたを抱き寄せ、頭を撫でる。 夕焼けが私とこなたを朱く染める。 「でも……この恋は間違ってるんでしょ……?他の人に気味悪がれちゃうくらい」 「……まあ、そうなんだけどね」 「私、怖い……」 初めて聞いた、こなたの弱音。 震える小さなこなたの体、震えているのは寒さだけではないはずだ。 「かがみが気味悪がれて……壊れちゃうのが……怖い」 ……え? こなたは……何を? 「怖がる事は無いわよ……と言うか壊れるって?」 「前に見た漫画であったんだよ……同姓の子に告白した翌日、周りから罵られて……心が壊れちゃうというのが……」 心が壊れる……。 「もしかがみが壊れちゃったら……私……私……!!」 「こなた」 今にでも泣きそうなこなたを私は強く抱きしめる。 その不安な心情を壊す様に。 「好きよ、こなた」 「……え……」 「こなた、大好き」 「……うぅ……」 「私はこなたが好き」 「……うん」 「間違っていても、私は好き」 「……私も……だよ……」 どうやら少しは安心してくれたみたいね。 でも、まだどこか不安げね。 「こなた、私はね、今決めた」 「決めたって……?」 「こなたが壊れるまで愛すわ」 「……え?」 一見物騒な言葉だけどちゃんと意味がある。 「その不安なんか私が壊してみせるわ」 「かがみ……」 「忘れたの?私は凶暴だという事を。そう言ったのは……こなただったよね?」 「で、でもあれは……」 「いいのよ、凶暴な方が壊せるでしょ。その不安は私に譲りなさい」 「……」 「そしてその不安を壊したら……次は」 「かがみ」 「ん?」 「かがみが壊れるまで愛す愛してみせる……だからさ、今の私の事……壊して?」 「望む所よ、こなた」 日はすっかり沈んで辺りは暗くなり、電灯に光が灯される。 その中で抱き合う私とこなた。 「大好きよこなた」 「かがみ、大好き」 ―貴女が壊れるまで愛す、愛してみせる― 不安を壊して、今の貴女を壊して、貴女が死ぬまで愛し続ける。 こなたとのキスはちょっぴりしょっぱい、けど甘い――味だった。  -END- **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 感動です!お二人のこと応援します! -- かがみんラブ (2012-09-18 22:09:41) - この2人なら大丈夫でしょう。そう信じてGJです。 -- kk (2010-04-09 21:57:10) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3(5)
「私は、こなたが好き」 こなたが好きだと自覚したのは……いつからだろう。 恋は突然やって来る、恋は気付くと急激に想いが強くなっていく。 ラノベではよくある事だけどまさか自分が体験するとは思ってもいなかった。 「こなたが好き」 この想いが頭から離れず、授業中も放課後も入浴も食事もずーっと……こなたの事を考えていた。でも、この恋は間違った恋だ。 何故なら私とこなたは女性、この恋は普通の人生ではイレギュラーな事。 もしくはあってはいけない、と言えばいいのかな。とにかく間違った恋を私はした。 それでも後悔なんて一度もしなかった。 寧ろ清々しい気分になった、自分の気持ちに気付けるのがこんなにも気持ちいい事なんて……知らなかった。 私はこなたが好き、この想いは一点の曇りもない。 例え両親が反対しても、周りから「レズビアン」と言われようと、私は揺るがない。 この気持ちに気付いてしまったから――。 ――貴女が壊れるまで―― 「かがみん?」 私が物思いに耽っているとこなたが不安げに私の顔を覗き込んできた。 「ん?何?こなた」 「……何か思いつめた顔をしていたから……不安になって」 私はそんな表情をしてたのか……こなたを不安にさせただけ。 「ゴメンゴメン、ちょっとね……思い出してたのよ」 「何を?」 「こなたが好きだと気付いた時の事」 そう言うとこなが目を丸くする、何を驚いているのだろう。 「いつからか忘れちゃったわ、気付いたらこなたに恋してた」 初めて会った時は可愛らしい女の子だと思っていた。 「好きと気付いちゃうとね、本当に苦しくなるのよ。締め付けられる様にね」 しばらく一緒に過ごしていく内に段々とこなたの事が分かってきた。 オタクな事、実は両手利きな事、もずくが食べれない事、運動神経が抜群に良いこと……お母さんが亡くなっている事。 「その辛さに私は耐えられなかった。夜中ベッドで苦しくて苦しくて、泣いた事もあったわ」 そして、こなたが時々寂しげな表情をする事。 特に親子連れを見ると毎回している気がする。 「普通だったらここで告白か諦めるかになるでしょ?私は、どっちも選べなかった」 それでもこなたは毎日、おちゃらけて見せていた。 本当はお母さんが居なくて寂しいのに、そんな素振りは絶対に見せない。 「私とこなたは女でしょ?告白は出来ないと思ったのよ。世間では間違った恋と言われてるからね」 でも、私は見てしまった。 放課後、一人で泣いているこなたを。 必死で泣き声を殺して、震えているこなたを。 「それに告白したらこなたに気味悪がれちゃうかもしれない……怖かったのよ、こなたに嫌われるのが」 何でこなたが一人で居たのか分からない。 何で教室に居たのか分からない。 気付くと私はこなたを抱きしめていた。 「でもね、この想いを捨てようとは思わなかった。この恋を諦めようとは思わなかった」 抱き締めたこなたはやっぱり小さくて、今にも消えそうで、物凄く震えていて、普段の様子からは想像出来ないくらい……か弱い女の子だった。 「だからね、こなた。私は選んだんだ、この想いを伝えようって。嫌われるのは怖かったけどこのまま溜め込むのも無理だと思ったから……」 こなたは信じられないと言いたげな表情をして、一瞬いつも通りの表情をして、でもすぐに涙によって崩されて。 ……私にしがみついて大泣きした。 「……それで……まあ今に至るわけね」 泣いて泣いて、私にしがみついて泣いて、今までの寂しさを押し出す様に、私にぶつける様に、こなたは泣いた。 「かがみは……後悔……してない?」 こなたの言葉に私は驚愕する。 「後悔なんてする訳ないでしょ……後悔するくらいだったら私は告白なんてしてないわよ」 隣に座っているこなたを抱き寄せ、頭を撫でる。 夕焼けが私とこなたを朱く染める。 「でも……この恋は間違ってるんでしょ……?他の人に気味悪がれちゃうくらい」 「……まあ、そうなんだけどね」 「私、怖い……」 初めて聞いた、こなたの弱音。 震える小さなこなたの体、震えているのは寒さだけではないはずだ。 「かがみが気味悪がれて……壊れちゃうのが……怖い」 ……え? こなたは……何を? 「怖がる事は無いわよ……と言うか壊れるって?」 「前に見た漫画であったんだよ……同姓の子に告白した翌日、周りから罵られて……心が壊れちゃうというのが……」 心が壊れる……。 「もしかがみが壊れちゃったら……私……私……!!」 「こなた」 今にでも泣きそうなこなたを私は強く抱きしめる。 その不安な心情を壊す様に。 「好きよ、こなた」 「……え……」 「こなた、大好き」 「……うぅ……」 「私はこなたが好き」 「……うん」 「間違っていても、私は好き」 「……私も……だよ……」 どうやら少しは安心してくれたみたいね。 でも、まだどこか不安げね。 「こなた、私はね、今決めた」 「決めたって……?」 「こなたが壊れるまで愛すわ」 「……え?」 一見物騒な言葉だけどちゃんと意味がある。 「その不安なんか私が壊してみせるわ」 「かがみ……」 「忘れたの?私は凶暴だという事を。そう言ったのは……こなただったよね?」 「で、でもあれは……」 「いいのよ、凶暴な方が壊せるでしょ。その不安は私に譲りなさい」 「……」 「そしてその不安を壊したら……次は」 「かがみ」 「ん?」 「かがみが壊れるまで愛す愛してみせる……だからさ、今の私の事……壊して?」 「望む所よ、こなた」 日はすっかり沈んで辺りは暗くなり、電灯に光が灯される。 その中で抱き合う私とこなた。 「大好きよこなた」 「かがみ、大好き」 ―貴女が壊れるまで愛す、愛してみせる― 不安を壊して、今の貴女を壊して、貴女が死ぬまで愛し続ける。 こなたとのキスはちょっぴりしょっぱい、けど甘い――味だった。  -END- **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-10-14 09:34:02) - 感動です!お二人のこと応援します! -- かがみんラブ (2012-09-18 22:09:41) - この2人なら大丈夫でしょう。そう信じてGJです。 -- kk (2010-04-09 21:57:10) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3(5)

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