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桜吹雪」(2023/08/18 (金) 23:07:43) の最新版変更点

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そこは桜が咲いていた。 そこには泉こなた、柊かがみの2人しかいなくて、桜吹雪が舞っていた。 「いや~いいね~♪」 「そうね…なんてゆうか、趣深いわね」 そこは公園で、桜並木があった。 辺りはまだ明るかった。 「意外ね、あんたがお花見しようなんて」 「私も時には乙女になるのだよ」 「なんだそれ」 かがみはそう言って笑った。 こなたの心は、そのとき確かに時めいた。 「なんで黙るのよ?」 「…別に?」 辺りは風が木々を揺らし、揺れる音しかしなかった。 静かだった。 「最近、あんたいつもそう。そうやってはぐらかしちゃうんだから」 「はぐらかしてなんてないよ?」 「どうだか」 花びらが舞う。 「桜と私、どっきが綺麗?」 こなたはかがみに言った。 「…はぁ?」 「桃色の花と青色の私、どっちが…綺麗?」 普段は決して言わないことだった。 春だから、やはり心が騒ぐ。 「なに言ってるのよ、あんたは」 「はぐらかすの?」 「お前がいうか」 サラサラと揺れる、青色の髪。 ヒラヒラと舞う、桃色の花びら。 「…ま、あんたが綺麗と言っとくわ」 頬を桃色にしたかがみはそう言った。 こなたの口に笑みが浮かんだ。 「ありがとね」 それだけ言って、桜を見つめた。 かがみも同じように、桜を見上げた。 「…なんかあった?」 かがみは聞く。 「…かがみは、私のこと…好き?」 あまりにも静かに言うから、風にかき消されそうだった。 「…もちろん」 かがみは言った。 透き通らない返事だった。 「じゃあ…キスして?」 こなたは言った。 風が2人の間をかけてゆく。 時が一瞬だけ止まった。 「…そうゆう、好きじゃないよ」 桜が舞い散る。風はやんだかにみえて、しかしまだ吹こうとしていて。 「…ごめん」 かがみは言う。 「…別に、いいよ。かがみん」 こなたは答える。 こなたの言葉は雲のようだった。 つかみ所のない、輪郭のない、まるで、雲のようだった。 かがみは聞く。 「私のどこが好き?」 気になるのは当然だった。 「…ツインテール」 「…はぁ!?」 かがみは拍子抜けした。 もっと、それらしい返答を期待していたのに。 「もしかして…さっきの告白も冗談?」 「いやいや、それは…本気」 焦ったこなた。こなたは更に言った。 「…私たち、親友?」 かがみは少しだけ考えて。 「…かもね」 とだけ言った。 桜の花びらが、こなたの髪についた。 かがみはそれをとってあげた。 「ねぇ、かがみ。のど乾かない?」 「タイミングいいわね。私もよ」 2人は自販機へ向かった。 自販機は、公園に沿った道端にあった。 「何飲む?」 「かがみは?」 「…じゃあ、ココア」 「じゃあ、私も」 2人は自販機の前に立っている。 「真似すんなって」 笑いながら、かがみは言う。 「かがみが真似したんでしょ?」 「…またあんたは理不尽な発言を…」 2人はまた、公園に戻ってきた。 ベンチに座る。 「甘いわね」 「…私には苦い」 「へ?これが?」 「…私とかがみの距離は、甘くないもん」 拗ねたように言うこなた。 「こればかりはね…無理やりの甘さなんて、あんただって嫌でしょ?」 「…うん」 黙るこなた。ばつが悪そうなかがみ。 「…ねぇ、いつから?私にそうゆう感情持ったの」 「…教えない」 「なんでよ~。教えなさいよ」 ニヤリと笑うこなた。よくない兆候。 「じゃあかがみは今体重いくつ?」 「はぁ!?いきなり何を言うのよ」 「それと引き換えに教えてあげる」 「意味わかんないわよ。関係ないじゃない」 「わかってないなぁ。プライバシーってことだよ」 なんとなく納得、いや丸め込められ、それ以上のそれへの言及はなかった。 「…じゃあさ、今度こそ教えてよ。私のどこが好き?」 「…しつこいなぁ」 確かに色々としつこいかがみ。でもそれだけ、知りたいのだった。 顔を赤くしたこなたはかすれるくらい小さな声で言った。 「………やさしい、ところ…」 吹き行く風にかき消されかけたが、しかしきちんとかがみに伝わった。 辺りは夕暮れになりつつあった。 「夜桜もみたいね、かがみん」 「あんたいつまでいるつもりよ」 東の空は闇が広がりつつあった。 月が、顔を出していた。 「ねぇ…私、このまま好きでいてもいい?」 こなたは聞く。 「…いいわよ」 かがみは答える。 「でもあんた、私が誰かを好きになったらどうする?」 「…泣いちゃうかな」 「なんでニヤニヤしながら言うか?」 「…さぁね♪」 風はいつの間にか止んでいた。 桜を2人はまた見上げた。 「…帰ろっか」 「…そだね」 2人は公園を後にした。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - きっと2人なら愛しあえる! -- かがみんラブ (2012-09-19 23:46:18) - まあこの二人ならいつか両想いになるでしょう -- 名無しさん (2011-01-02 17:52:11) - 甘い片思いで読んでてホッとしました -- 名無しさん (2010-04-07 23:51:49) - ゆったりとしたこうゆう百合小説が好きです -- 名無しさん (2009-05-05 12:06:38) - ほろ甘いですなw -- 名無しさん (2009-03-31 03:10:04) - ちょっぴり切ないけど、こういう感じの小説好きです!! -- チハヤ (2009-03-30 18:39:49) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3(20)
そこは桜が咲いていた。 そこには泉こなた、柊かがみの2人しかいなくて、桜吹雪が舞っていた。 「いや~いいね~♪」 「そうね…なんてゆうか、趣深いわね」 そこは公園で、桜並木があった。 辺りはまだ明るかった。 「意外ね、あんたがお花見しようなんて」 「私も時には乙女になるのだよ」 「なんだそれ」 かがみはそう言って笑った。 こなたの心は、そのとき確かに時めいた。 「なんで黙るのよ?」 「…別に?」 辺りは風が木々を揺らし、揺れる音しかしなかった。 静かだった。 「最近、あんたいつもそう。そうやってはぐらかしちゃうんだから」 「はぐらかしてなんてないよ?」 「どうだか」 花びらが舞う。 「桜と私、どっきが綺麗?」 こなたはかがみに言った。 「…はぁ?」 「桃色の花と青色の私、どっちが…綺麗?」 普段は決して言わないことだった。 春だから、やはり心が騒ぐ。 「なに言ってるのよ、あんたは」 「はぐらかすの?」 「お前がいうか」 サラサラと揺れる、青色の髪。 ヒラヒラと舞う、桃色の花びら。 「…ま、あんたが綺麗と言っとくわ」 頬を桃色にしたかがみはそう言った。 こなたの口に笑みが浮かんだ。 「ありがとね」 それだけ言って、桜を見つめた。 かがみも同じように、桜を見上げた。 「…なんかあった?」 かがみは聞く。 「…かがみは、私のこと…好き?」 あまりにも静かに言うから、風にかき消されそうだった。 「…もちろん」 かがみは言った。 透き通らない返事だった。 「じゃあ…キスして?」 こなたは言った。 風が2人の間をかけてゆく。 時が一瞬だけ止まった。 「…そうゆう、好きじゃないよ」 桜が舞い散る。風はやんだかにみえて、しかしまだ吹こうとしていて。 「…ごめん」 かがみは言う。 「…別に、いいよ。かがみん」 こなたは答える。 こなたの言葉は雲のようだった。 つかみ所のない、輪郭のない、まるで、雲のようだった。 かがみは聞く。 「私のどこが好き?」 気になるのは当然だった。 「…ツインテール」 「…はぁ!?」 かがみは拍子抜けした。 もっと、それらしい返答を期待していたのに。 「もしかして…さっきの告白も冗談?」 「いやいや、それは…本気」 焦ったこなた。こなたは更に言った。 「…私たち、親友?」 かがみは少しだけ考えて。 「…かもね」 とだけ言った。 桜の花びらが、こなたの髪についた。 かがみはそれをとってあげた。 「ねぇ、かがみ。のど乾かない?」 「タイミングいいわね。私もよ」 2人は自販機へ向かった。 自販機は、公園に沿った道端にあった。 「何飲む?」 「かがみは?」 「…じゃあ、ココア」 「じゃあ、私も」 2人は自販機の前に立っている。 「真似すんなって」 笑いながら、かがみは言う。 「かがみが真似したんでしょ?」 「…またあんたは理不尽な発言を…」 2人はまた、公園に戻ってきた。 ベンチに座る。 「甘いわね」 「…私には苦い」 「へ?これが?」 「…私とかがみの距離は、甘くないもん」 拗ねたように言うこなた。 「こればかりはね…無理やりの甘さなんて、あんただって嫌でしょ?」 「…うん」 黙るこなた。ばつが悪そうなかがみ。 「…ねぇ、いつから?私にそうゆう感情持ったの」 「…教えない」 「なんでよ~。教えなさいよ」 ニヤリと笑うこなた。よくない兆候。 「じゃあかがみは今体重いくつ?」 「はぁ!?いきなり何を言うのよ」 「それと引き換えに教えてあげる」 「意味わかんないわよ。関係ないじゃない」 「わかってないなぁ。プライバシーってことだよ」 なんとなく納得、いや丸め込められ、それ以上のそれへの言及はなかった。 「…じゃあさ、今度こそ教えてよ。私のどこが好き?」 「…しつこいなぁ」 確かに色々としつこいかがみ。でもそれだけ、知りたいのだった。 顔を赤くしたこなたはかすれるくらい小さな声で言った。 「………やさしい、ところ…」 吹き行く風にかき消されかけたが、しかしきちんとかがみに伝わった。 辺りは夕暮れになりつつあった。 「夜桜もみたいね、かがみん」 「あんたいつまでいるつもりよ」 東の空は闇が広がりつつあった。 月が、顔を出していた。 「ねぇ…私、このまま好きでいてもいい?」 こなたは聞く。 「…いいわよ」 かがみは答える。 「でもあんた、私が誰かを好きになったらどうする?」 「…泣いちゃうかな」 「なんでニヤニヤしながら言うか?」 「…さぁね♪」 風はいつの間にか止んでいた。 桜を2人はまた見上げた。 「…帰ろっか」 「…そだね」 2人は公園を後にした。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-08-18 23:07:43) - きっと2人なら愛しあえる! -- かがみんラブ (2012-09-19 23:46:18) - まあこの二人ならいつか両想いになるでしょう -- 名無しさん (2011-01-02 17:52:11) - 甘い片思いで読んでてホッとしました -- 名無しさん (2010-04-07 23:51:49) - ゆったりとしたこうゆう百合小説が好きです -- 名無しさん (2009-05-05 12:06:38) - ほろ甘いですなw -- 名無しさん (2009-03-31 03:10:04) - ちょっぴり切ないけど、こういう感じの小説好きです!! -- チハヤ (2009-03-30 18:39:49) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3(20)

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